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Oracle Rdb for OpenVMS Oracle RMUリファレンス・マニュアル
リリース7.2
E06177-01
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1.21 RMU Dump Backup_Fileコマンド

バックアップ・ファイルの内容の表示または指定した出力ファイルへの書込みを行います。このコマンドを使用して、RMU Backupコマンドで作成したバックアップ(.rbf)ファイルの内容を確認します。

形式



説明

RMU Dump Backup_Fileコマンドでは、.rbfファイルを読み取り、内容を表示します。データベース・ファイルではなく、.rbfファイルをパラメータとして使用し、RMU Dumpコマンドとは別のコマンドです。出力には、リカバリ不能なメディア・エラーが含まれ、テープに不明のバックアップ・ブロックがあるかどうかが示されます。このコマンドは、バックアップ・ファイルが適切にフォーマットされているか、メディアがRMU Restoreコマンドで判読可能かの確認に使用できます。

注意

このコマンドが正常終了しても、バックアップ・ファイルのデータに破損がないことは保証されません。また、バックアップ・ファイルが完全であるか、リストア操作が成功するかも保証されません。

データベース・バックアップ・ヘッダー情報のダンプには、Option修飾子にRoot、FullまたはDebugオプションを使用します。データベース・バックアップ・ヘッダー情報には、バックアップ・ファイルの名前とバックアップ・ファイル・データベース・バージョンが含まれます。バックアップ・ファイル・データベース・バージョンとは、バックアップ・ファイルが作成されたときに稼働していたOracle Rdbのバージョンです。"Database Parameters"という名前のセクションにリストされている"Oracle Rdb structure level"は、現在稼働しているOracle Rdbのバージョンです。

バックアップ・ヘッダー情報は、テープのデータベース・バックアップ・ファイルの最初のボリュームに含まれます。


コマンド・パラメータ

backup-file-spec

バックアップ・ファイルのファイル指定。デフォルトのファイル・タイプは.rbfです。

複数のテープ・ドライブを使用する場合、backup-file-specパラメータにテープ・デバイス指定を含める必要があります。デバイス指定はカンマで区切ります。次に例を示します。


$ RMU/DUMP/BACKUP_FILE $111$MUA0:PERS_FULL.rbf,$112$MUA1: -
_$ /LABEL=BACK01

複数ボリュームのテープ・ファイルを処理する場合、Oracle RMUでファイルを含む最後のボリューム以外のすべてのボリュームをディスマウントおよびアンロードします。これは、複数ボリュームのテープ・ファイルの場合の通常の動作です。複数のテープ・ドライブの使用の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。


コマンド修飾子

Active_IO=max-reads

RMU Dump Backup_Fileコマンドで同時に試行する、バックアップ・ファイルからの読取り操作の最大数を指定します。Active_IO修飾子の値は、1〜5です。デフォルト値は3です。3より大きい値によって複数テープ・ドライブのパフォーマンスが向上する場合もあります。

Disk_File=[(Reader_Threads=integer)]

複数ディスクのバックアップ・ファイルをダンプすることを指定します。これは、RMU BackupコマンドにDisk_File修飾子を指定して作成されたバックアップ・ファイルです。

Reader_Threadsキーワードで、ディスク・ファイルからのマルチスレッド読取り操作を行う際にOracle RMUで使用するスレッドの数を指定します。コマンドライン(またはコマンド・パラメータ・オプション・ファイル)で指定したデバイスの数を超える読取りスレッド数を指定することはできません。デフォルトでは、1つの読取りスレッドが使用されます。

この修飾子と、テープ処理を制御するすべての修飾子(Label、Media_LoaderおよびRewind)は一緒に使用できません。

Encrypt=({Value=|Name=}[,Algorithm=])

キー値を文字列として、または事前に定義したキーの名前を指定します。アルゴリズム名を指定しない場合、デフォルトはDESCBCです。Value、NameおよびAlgorithmパラメータの詳細は、ENCRYPTのヘルプを参照してください。

この機能を使用するには、システムにOpenVMSの暗号化製品がインストールされ、ライセンスが付与されている必要があります。

Journal=file-name

RMU BackupコマンドにJournal修飾子を使用して作成したジャーナル・ファイルを指定することで、バックアップ・ファイルのダンプ処理によるテープのパフォーマンスを向上できます。

Journal修飾子を使用したRMU Backupコマンドでは、ジャーナル・ファイルが作成され、テープ・ボリュームのID、内容およびテープ・ドライブ名などのバックアップ操作の情報が書き込まれます。

RMU Dump Backup FileにJournal修飾子を指定すると、Label修飾子が指定されていない場合にRMU Dump Backup_Fileコマンドでジャーナル・ファイルを読み、テープを識別するよう指示します。

ジャーナル・ファイルは、バックアップ操作時に作成されたものである必要があります。間違ったジャーナル・ファイルが指定されると、情報メッセージが返され、処理対象のボリュームの識別に、指定したジャーナル・ファイルは使用されません。

Label=(label-name-list)

バックアップ・ファイルのボリュームのラベルに使用されている1〜6文字の文字列を指定します。Label修飾子は、テープ・ボリュームにのみ使用できます。Label修飾子を使用する場合、1つ以上のラベル名を指定する必要があります。

複数のテープの場合、テープ・ラベルのリストを指定できます。複数のテープ・ラベル名をリストする場合、名前をカンマで区切り、名前のリストをカッコで囲みます。

通常のバックアップのダンプ処理では、RMU Dump Backup_Fileで指定するLabel修飾子は、データベースのバックアップにRMU Backupコマンドで指定したのと同じLabel修飾子です。

ラベルが指定されない場合、backup-file-specパラメータの最初の6文字を使用してシステムで内部的にラベルが生成されます。

テープのラベル処理の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

Label修飾子は、間接ファイル参照と組み合せて使用できます。詳細は、第1.3節を参照してください。

Librarian[=options]

Oracle Media Managementインタフェースをサポートするデータ・アーカイブ・ソフトウェア・アプリケーションからファイルをリストアするには、Librarian修飾子を使用します。コマンドラインで指定したファイル名によって、Librarianユーティリティから取得されるデータのストリームが識別されます。デバイスまたはバージョン番号の指定は無視されます。

Oracle RMUでは、Librarian修飾子を使用した取得は、Librarian修飾子を使用してOracle RMUで格納したデータに対してのみサポートされます。

Librarian修飾子には、次のオプションを使用できます。

Oracle RMUのバックアップまたはリストア操作を実行する前に、次のOpenVMS論理名を定義して、Librarianユーティリティで使用できるようにする必要があります。これらの論理名の定義には、Librarian修飾子のLogical_Namesオプションを使用しないでください。

次の行は、RMU Backup/Parallel/Librarianコマンドで作成されるバックアップ・プラン・ファイルからのものです。


    Backup File = MF_PERSONNEL.RBF
    Style = Librarian
    Librarian_trace_level = #
    Librarian_logical_names = (-
             logical_name_1=equivalence_value_1, -
             logical_name_2=equivalence_value_2)
    Writer_threads = #

"Style = Librarian"エントリで、バックアップがLibrarianユーティリティに出力されることが指定されます。"Librarian_logical_names"エントリは、論理名とその等価名のリストです。これは、特定のLibrarianユーティリティで使用される論理名を、バックアップまたはリストア操作の開始前にプロセス論理名として定義できるようにするためのオプションのパラメータです。たとえば、一部のLibrarianユーティリティではカタログまたはデバッグを指定する論理名がサポートされます。

ストレージ・メディアの処理はOracle RMUではなくLibrarianユーティリティで行われるため、Rewind、Density、Labelなどのデバイス固有の修飾子とLibrarian修飾子は組み合せて使用できません。

Media_Loader

Nomedia_Loader

バックアップ・ファイルを読み取るテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることを指定するには、Media_Loader修飾子を使用します。テープ・デバイスにローダーまたはスタッカがないことを指定するには、Nomedia_Loader修飾子を使用します。

デフォルトでは、テープ・デバイスにローダーまたはスタッカがある場合、Oracle RMUでこれが認識されます。ただし、Oracle RMUでテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることが認識されない場合があります。その結果、最初のテープの読取りが終了すると、Oracle RMUでローダーまたはスタッカに次のテープを要求するかわりに、オペレータに次のテープが要求されます。同様に、実際にはテープ・デバイスにローダーもスタッカもない場合に、ローダーまたはスタッカがあるようにOracle RMUが動作する場合もあります。

Oracle RMUでテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることが認識されていない場合、Media_Loader修飾子を指定します。Oracle RMUで実際にはないローダーまたはスタッカを待っている場合、Nomedia_Loader修飾子を指定します。

Options=options-list

出力に含まれる情報のタイプおよび詳細レベルを指定します。Options修飾子を指定しない場合、またはOptions=Normal修飾子を指定した場合、バックアップ・ファイルは読み取られますが、ダンプ出力は生成されません。これは、バックアップ・ファイルが正しく編成されていること、また、メディアがRMU Restoreコマンドから判読可能なことを確認する場合に有用です。ただし、このコマンドでは、バックアップ・ファイルのデータに破損があるかどうかやリストア操作が成功するかどうかは示されません。

複数のオプションを指定する場合、オプション間をカンマで区切り、リストをカッコで囲みます。8種類の出力が使用できます。

Output=file-name

出力先のファイルの名前を指定します。デフォルトはSYS$OUTPUTです。ファイル名を指定した場合、デフォルトの出力ファイル・タイプは.lisです。

Process=process-list

ダンプするバックアップ・ファイルの量を決めるキーワードのリストを指定します。複数のタイプのprocess-listオプションを指定する場合、オプション間をカンマで区切り、process-listパラメータをカッコで囲みます。process-listパラメータには、次の3つの項目を指定できます。

Prompt=Automatic

Prompt=Operator

Prompt=Client

サーバー・プロンプトの送信先を指定します。Prompt=Automaticを指定した場合、プロンプトは標準入力デバイスに送信されます。Prompt=Operatorを指定した場合、プロンプトはサーバー・コンソールに送信されます。Prompt=Clientを指定した場合、プロンプトはクライアント・システムに送信されます。

Restore_Options=file-name

RMU RestoreコマンドのOptions修飾子で使用できるオプション・ファイルを生成します。

Restore_Optionsファイルは、ルート情報がバックアップ・ファイルから読み取られた後に作成されます。

デフォルトでは、Restore_Optionsファイルは作成されません。Restore_Options修飾子とファイルを指定して、ファイル拡張子を指定しないと、Oracle RMUで.opt拡張子がデフォルトで使用されます。

Rewind

Norewind

バックアップ・ファイルが含まれる磁気テープを処理の開始前に巻き戻すよう指定します。Norewind修飾子がデフォルトです。

RewindおよびNorewindは、テープ・デバイスにのみ使用できます。これらの修飾子は、ターゲット・デバイスがテープ・デバイスの場合にのみ使用します。

テープのラベル処理の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

Skip=skip-list

出力表示を開始する位置を決めるキーワードのリストを指定します。キーワードによって、ダンプを開始するバックアップ・ファイル内の位置を指定します。複数のタイプのSkip位置を指定する場合、オプション間をカンマで区切り、skip-listパラメータをカッコで囲みます。skip-listパラメータには、次の3つの項目を指定できます。


使用上の注意


例1

次のコマンドでは、RMU BackupコマンドおよびRMU Dump After_JournalコマンドでのJournal修飾子の使用方法を示します。最初のコマンドでは、バックアップ操作で使用するテープを識別するバイナリ・ジャーナル・ファイルが作成されます。2番目のコマンドでは、Oracle RMUでバックアップ・ファイルを読み取り(BACKUP_JOURNAL.JNLファイルで識別されるテープを使用)、バックアップ・ファイルが正しく編成されていることと、メディアがRMU Restoreコマンドで判読可能なことを確認します。Option修飾子が指定されていないため、ダンプ出力は生成されません。


$ RMU/BACKUP MF_PERSONNEL.RDB -
_$ $222$DUA20:[BCK]MF_PERSONNEL.RBF/LOG/JOURNAL=BACKUP_JOURNAL.JNL

$ RMU/DUMP/BACKUP_FILE $222$DUA20:[BCK]MF_PERSONNEL.RBF -
_$ /JOURNAL=BACKUP_JOURNAL.JNL

例2

次のコマンドでは、RMU BackupコマンドおよびRMU Dump BackupコマンドでのJournal修飾子の使用方法を示します。最初のコマンドでは、バックアップ操作で使用するテープを識別するバイナリ・ジャーナル・ファイルが作成されます。2番目のコマンドでは、最初のコマンドで作成したバイナリ・ジャーナル・ファイルをASCII形式でダンプします。


$ RMU/BACKUP MF_PERSONNEL.RDB -
_$ $222$DUA20:[BCK]MF_PERSONNEL.RBF/LOG/JOURNAL=BACKUP_JOURNAL.JNL

$ RMU/DUMP/BACKUP_FILE $222$DUA20:[BCK]MF_PERSONNEL.RBF -
_$ /JOURNAL=BACKUP_JOURNAL.JNL/OPTION=JOURNAL

例3

次の例では、Restore_Options修飾子の使用方法を示します。最初のコマンドでは、mf_personnelデータベースのバックアップ・ファイルのダンプ処理を行い、Restore_Optionsファイルを作成します。2番目のコマンドでは、オプション・ファイルの内容の一部が示されます。最後のコマンドでは、RMU Restoreコマンドでのオプション・ファイルの使用方法を示します。


$ RMU/DUMP/BACKUP MFP.RBF /RESTORE_OPTIONS=MFP.OPT -
_$ /OPTIONS=NORMAL/OUTPUT=DUMP.LIS
$ TYPE MFP.OPT
!  Options file for database DISK1:[DB]MF_PERSONNEL.RDB;1
!  Created 17-OCT-1995 13:09:57.56
!  Created by DUMP BACKUP command


RDB$SYSTEM -
        /file=DISK2:[RDA]MF_PERS_DEFAULT.RDA;1 -
        /extension=ENABLED -
        /read_write -
        /spams -
        /snapshot=(allocation=248, -
                   file=DISK3:[SNAP]MF_PERS_DEFAULT.SNP;1)

EMPIDS_LOW -
        /file=DISK3:[RDA]EMPIDS_LOW.RDA;1 -
        /blocks_per_page=2 -
        /extension=ENABLED -
        /read_write -
        /spams -
        /thresholds=(70,85,95) -
        /snapshot=(allocation=10, -
                   file=DISK4:[SNAP]EMPIDS_LOW.SNP;1)
   .
   .
   .
$ RMU/RESTORE MFP.RBF/OPTIONS=MFP.OPT