ヘッダーをスキップ
Oracle Rdb for OpenVMS Oracle RMUリファレンス・マニュアル
リリース7.2
E06177-01
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

1.33 RMU Move_Areaコマンド

1つ以上の記憶領域を別のディスクに移動できます。データベース・ルート・ファイルを別のディスクに移動するよう選択することもできます。

形式




説明

RMU Move_Areaコマンドでは、移動操作時に特定の領域パラメータを変更できます。移動操作時、すべてのファイルが同時に処理されます。RMU Move_Areaコマンドのパフォーマンスは、RMU Backupコマンドのパフォーマンスと同等で、中間ストレージ・メディアが必要ありません。

スナップショット・ファイルの移動時、Oracle RMUで実際にスナップショット・ファイルを移動するのではなく、指定した場所にスナップショット・ファイルを再作成し、初期化します。Snapshot修飾子の適切な使用方法などの詳細は、この修飾子の説明を参照してください。

注意

Oracle RMUの領域移動操作の完了後すぐに、全体完全Oracle RMUバックアップ操作を行い、データベースの障害または破損後、データベースを適切にリストアできるようにする必要があります。


コマンド・パラメータ

root-file-spec

記憶領域を移動するデータベースのデータベース・ルート・ファイルの名前。

storage-area-list

移動する1つ以上の記憶領域の名前。

コマンド修飾子

After_Journal[=file-spec]

Noafter_Journal

注意

この修飾子は、バージョン6.0より前のOracle Rdbとの互換性を保つためにあります。拡張可能なアフター・イメージ・ジャーナル(.aij)ファイルの作成のみが必要な場合以外、Aij_Options修飾子を指定する方が有用です。

次のルールを使用して、Oracle RMUでのアフター・イメージ・ジャーナルの処理方法および.aijファイルの作成方法を指定します。

1つのRMU Move_Areaコマンドで、アフター・イメージ・ジャーナル修飾子(After_Journal、Noafter_Journal、Aij_Options、Noaij_Options)の1つのみを指定するか、いずれも指定しません。

固定サイズの.aijファイルの作成には、After_Journal修飾子を使用できません。Aij_Options修飾子を使用します。

新しい.aijファイルを作成することで、リカバリが簡単になります。これは、領域のページ・サイズを変更する領域移動操作全体で1つの.aijファイルを利用できないためです。移動操作は.aijファイルに記録されない(つまり、ページ・サイズの増加も記録されない)ため、1つの.aijファイルを移動操作全体で利用できません。したがって、データベースをリカバリする場合、元のページ・サイズがリカバリ用に使用されます。.aijファイルに挿入トランザクションが含まれている場合、これらの更新では、元のページ・サイズで使用可能な領域より多い空き領域が関連付けられている場合があります。これによって、挿入トランザクションがリカバリできず、結果としてバグチェックおよびデータベースの破損につながる場合があります。

この修飾子は、データベースにアタッチしているユーザーがなく、ルート・ファイルを移動する場合にのみ有効です。

Aij_Options[=journal-opts-file]

Noaij_Options

次のルールを使用して、Oracle RMUでのアフター・イメージ・ジャーナルの処理方法および.aijファイルの作成方法を指定します。

journal-opts-fileの形式の詳細は、第1.62.1項を参照してください。

ジャーナルの構成の変更にAij_Options修飾子を指定したRMU Move_Areaコマンドは使用できないことに注意してください。ただし、新規アフター・イメージ・ジャーナルの構成の定義には使用できます。新規アフター・イメージ・ジャーナルの構成の定義に使用する場合、元の構成のジャーナルは削除されません。それらはリカバリに使用できます。アフター・イメージ・ジャーナルの構成を変更する必要がある場合、RMU Set After_Journalコマンドを使用します。

Aij_Options修飾子は、データベースにアタッチしているユーザーがなく、ルート・ファイルを移動する場合にのみ有効です。

All_Areas

すべてのデータベース記憶領域を移動するよう指定します。All_Areas修飾子を指定した場合、storage-area-listを指定する必要はありません。

デフォルトでは、storage-area-listに指定した領域のみが移動されます。

Area

Noarea

注意

AreaおよびNoarea修飾子のセマンティクスはわかりにくいため、AreaおよびNoarea修飾子は推奨されません。移動する領域の指定には、次のいずれかの方法を使用することをお薦めします。

  • データベースのすべての記憶領域を移動するには、All_Areas修飾子を使用してstorage-area-listパラメータを指定しません。

  • データベースの選択した領域のみを移動するには、storage-area-listパラメータを指定するか、Options修飾子を使用してオプション・ファイルを指定します。

  • マルチファイル・データベースのデータベース・ルート・ファイルのみを移動する、またはシングルファイル・データベース全体を移動するには、ルート修飾子を指定し、storage-area-listパラメータを指定しません。

特定の記憶領域を移動するかどうかを制御します。Area修飾子を指定した場合、オプション・ファイルまたはstorage-area-listで指定した記憶領域のみが移動されます。Noareaを指定した場合、データベースのすべての記憶領域が移動されます。

デフォルトはArea修飾子です。

Cdd_Integrate

Nocdd_Integrate

移動されるデータベースのルート(.rdb)ファイルからのメタデータをデータ・ディクショナリに統合します(システムにデータ・ディクショナリがインストールされている場合)。

Nocdd_Integrate修飾子を指定した場合、移動操作時に統合は行われません。

移動元のデータベースの定義時にDICTIONARY IS REQUIRED句が使用されている場合でも、Nocdd_Integrate修飾子を使用できます。

Cdd_Integrate修飾子では、データベースからディクショナリへの1方向にのみ定義を統合できます。Cdd_Integrate修飾子では、ディクショナリからデータベース・ファイルへ定義を統合しません

Nocdd_Integrate修飾子がデフォルトです。

Checksum_Verification

Nochecksum_Verification

移動される各ページのページ・チェックサムを検証するよう要求します。デフォルトでは、この検証を行います。

Checksum_Verification修飾子によって、CPUリソースが使用されますが、移動されるデータの質の信頼度が増します。

データベースでディスク・ストライピングまたはRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)テクノロジを使用している場合、Checksum_Verification修飾子を使用することでデータ・セキュリティのレベルが増します。これらのテクノロジによって、データが複数のディスク・ドライブに断片化され、Checksum_Verification修飾子を使用することによって、これらのディスクから読み取っているデータが部分的にのみ更新されている可能性をOracle RMUで検出できます。これらのテクノロジのいずれかを使用する場合、Checksum_Verification修飾子を使用する必要があります。

データの整合性が不可欠なすべての移動操作にChecksum_Verification修飾子を使用することをお薦めします。

Directory=directory-spec

データベース・ファイルの移動先のディレクトリを指定します。ファイル名またはファイル拡張子を指定した場合、移動されたすべてのファイルに、そのファイル名またはファイル拡張子が付けられます。この修飾子に、デフォルトのディレクトリ指定はありません。

この修飾子とRoot、FileおよびSnapshot修飾子との相互作用、およびリソース識別子によって所有されるディレクトリへのデータベース・ファイルの移動に関する警告の詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

この修飾子を指定しない場合、Oracle RMUですべてのデータベース・ファイルが(Root、FileまたはSnapshot修飾子で修飾されていない場合)現在の場所に移動されます。

Log

Nolog

コマンドの処理をSYS$OUTPUTに出力するかどうかを指定します。Log修飾子を指定すると、ログを出力するよう要求し、Nolog修飾子を指定すると、ログは出力されません。どちらも指定しない場合、デフォルトは現在のDCL検証スイッチの設定です。(DCL SET VERIFYコマンドでDCL検証スイッチを制御します。)

Nodes_Max=n

データベースの最大ノード・カウント・パラメータに新しい値を指定します。デフォルトでは、値は元のままです。

データベース・ルート・ファイルを移動する場合にのみNodes_Max修飾子を使用します。

Online

Noonline

データベースをオフラインにせずに、指定した記憶領域を移動できます。この修飾子は、storage-area-listパラメータを指定した場合、またはOptions=file-spec修飾子を指定した場合にのみ使用できます。デフォルトはNoonlineです。データベースがオンラインの場合、データベース・ルート・ファイルは移動できません。Root修飾子は、1つのRMU Move_AreaコマンドでOnline修飾子と一緒に使用できません。

Option=file-spec

記憶領域名とその記憶領域に適用する記憶領域修飾子がその後に続くオプション・ファイルを指定します。記憶領域名はカンマで区切りません。かわりに、各記憶領域名をファイル内の別の行に記述します。オプション・ファイルに含めることのできる記憶領域修飾子は、次のとおりです。
Blocks_Per_Page
File
Snapshot
Thresholds
Snapshot修飾子を指定する場合、対応するデータ・ファイルも同時に移動する必要があります。対応するデータ・ファイルとは別にスナップショット・ファイルを移動するには、RMU RepairコマンドにInitialize=Snapshots=Confirm修飾子を指定して使用します。

オプション・ファイルに、DCLの行継続文字であるハイフン(-)またはコメント文字(!)を使用できます。

この修飾子に、デフォルトはありません。「例」の例3に、オプション・ファイルの使用方法を示します。

Option修飾子が指定された場合、storage-area-listパラメータは無視されます。

Page_Buffers=n

移動される各ファイルに割り当てられるバッファの数を指定します。使用されるバッファの数は、指定した数の2倍です。半分がファイルの読取りに使用され、もう半分が移動したファイルの書込みに使用されます。Page_Buffers修飾子に指定できる値は、1〜5です。デフォルト値は3です。値を大きくすると、パフォーマンスが向上しますが、メモリーの使用が増えます。

Path=cdd-path

移動されるデータベースの定義を統合するデータ・ディクショナリ・パスを指定します。Path修飾子を指定しない場合、RMU Move_Areaコマンドを入力したユーザーのCDD$DEFAULT論理名値が、Oracle RMUで使用されます。

相対パス名を指定した場合は、入力した相対パス名がCDD$DEFAULTの値に追加されます。cdd-pathパラメータに英数字以外の文字を含める場合、引用符("")で囲みます。

Nocdd_Integrate修飾子を使用した場合、またはデータ・ディクショナリがシステムにインストールされていない場合、Path修飾子は無視されます。

Quiet_Point

Noquiet_Point

データベースの移動操作をすぐに行うか、データベース・アクティビティの静止ポイントが生じたときに行うかを指定できます。静止ポイントとは、データベースでアクティブな更新トランザクションが進行していない時点のことです。

Noquiet_Point修飾子を指定した場合、Oracle RMUでは、データベースで更新トランザクション・アクティビティが進行中かどうかに関係なく、RMU Move_Areaコマンドの発行後すぐに移動操作が行われます。移動する領域の物理領域および論理領域に対する排他ロックをOracle RMUで取得する必要があるため、移動する記憶領域に対する排他ロックを持つアクティブ・トランザクションがある場合、移動操作が失敗します。ただし、Oracle RMUで必要なすべての記憶領域に対する同時読取りロックを正常に取得した場合、ロックの競合は起こりません。移動操作中の領域に対する排他ロックの要求がOracle Rdbで必要になるトランザクションが開始された場合、そのトランザクションは待機するか、ロックの競合エラーになりますが、領域の移動操作は影響を受けずに続けられます。

以前にQuiet_Point修飾子を指定した(またはQuiet_Point修飾子もNoquiet_Point修飾子も指定しない)移動プロシージャにNoquiet_Point修飾子を使用する場合、移動操作と並行して実行されるアプリケーションについて確認する必要があります。Noquiet_Point修飾子の指定によって起こる可能性のあるロックの競合を処理するよう、アプリケーションまたは移動プロシージャを変更する必要があります。

Quiet_Point修飾子を指定した場合、移動操作は静止ポイントになったときに開始されます。

デフォルトはQuiet_Pointです。

Root=file-spec

データベース・ルート・ファイルを指定した場所へ移動するよう指定します。指定しない場合、データベース・ルート・ファイルは移動されません。

シングルファイル・データベースに対してRMU Move_Areaコマンドを使用する場合、Root修飾子を指定する必要があります。Root修飾子を省略した場合、エラー・メッセージが返されます。Root修飾子を指定する場合、ルート・ファイルの移動先の場所を指定します。次に例を示します。


$ RMU/MOVE_AREA/ROOT=DISK1:[DATABASE.TEST] MF_PERSONNEL

この修飾子とDirectory、FileおよびSnapshot修飾子との相互作用の詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

Threads=number

移動プロセスで使用される読取りスレッドの数を指定します。

RMUでは、1つの特定の記憶領域からデータを読み取る、内部実行スレッドと呼ばれるスレッドが作成されます。RMUイメージを実行するプロセス内で、スレッドが準パラレルで実行されます。各スレッドでI/Oロードが生じ、仮想アドレス空間およびプロセス割当て制限(FILLM、BYTLMなど)などのリソースが消費されます。スレッドが多いほど、ある時点で生成されるI/Oと、同じタスクの完了に必要なリソースが増えます。

スレッドが多いほど、パラレル・アクティビティでディスク・ドライブを使用し続けるため、パフォーマンスが向上します。ただし、スレッドが特定の数に達した時点で、ディスクI/Oサブシステムが飽和状態になり、ディスク・ドライブのI/Oキューが増すため、パフォーマンスが低下します。また、スレッド・スケジューリングのオーバーヘッドによる余分なCPU時間によっても、全体のパフォーマンスが低下します。ディスクI/Oサブシステムを最適な状態で稼働させるには、通常、入力ディスク・ドライブごとに2〜5のスレッドで十分です。ただし、RAIDセットや追加のキャッシュ・メモリーを持つディスク・コントローラなどのように、多くのスレッドのI/Oロードを処理できるコントローラもあります。

移動操作では、1つのスレッドで、一度に1つの記憶領域のデータが移動されます。移動される記憶領域がスレッドより多い場合、次のアイドル・スレッドで次の記憶領域が処理されます。記憶領域は、領域のサイズの降順に移動されます。先に開始したスレッドで大きい領域を処理している間に、他のスレッドで小さい領域を移動することによって、全体の経過時間が最適化されます。スレッド修飾子が指定されない場合、デフォルトで10個のスレッドが作成されます。最小は1スレッドで、最大は、移動される記憶領域の数です。ユーザーが記憶領域の数より大きい値を指定した場合、RMUで警告なしにスレッド数が記憶領域の数に制限されます。

移動操作の場合、スレッド数に指定できる最小値は1です。スレッド数に1を使用すると、ワーキング・セットの使用およびディスクI/Oロードの点では、最小システム・ロードになります。ディスクI/Oサブシステムは、より高いI/Oロードを処理できる可能性があります。1より大きい値を使用すると、通常、実行時間が短くなります。

Users_Max=n

データベースの最大ユーザー・カウント・パラメータに新しい値を指定します。

デフォルトでは、値は元のままです。

データベース・ルート・ファイルを移動する場合にのみUsers_Max修飾子を使用します。


ファイルまたは領域の修飾子

Blocks_Per_Page=n

記憶領域に適用する新しいページ・サイズを指定します。記憶領域のページ・サイズを減らすことはできません。また、統一ページ形式を持つ記憶領域のサイズは変更できません。

オンラインのMove_Area処理中にページ・サイズの変更を試みると、PAGESIZETOOBIGエラー・メッセージが返されます。ページ・サイズの変更によって、Oracle Rdbでデータベースのバッファ・サイズの変更が必要になる場合があります(各領域からのページを最低1つ含める大きさがバッファに必要なため)。ただし、他のユーザーがデータベースにアクセスしている場合、バッファ・サイズは変更されません。

ページ・サイズを増やす場合の例としては、記憶領域内のハッシュ索引がいっぱいになりかけている場合などが考えられます。そのような場合は、ページ・サイズを大きくすることで記憶領域の拡張を回避できます。

Blocks_Per_Page修飾子は、位置依存修飾子です。

Extension=Disable

Extension=Enable

記憶領域の移動時に、自動ファイル拡張属性を変更できます。

Extension=Disable修飾子を使用して、1つ以上の記憶領域の自動ファイル拡張を無効にします。

Extension=Enable修飾子を使用して、1つ以上の記憶領域の自動ファイル拡張を有効にします。

Extension=Disable修飾子もExtension=Enable修飾子も指定しない場合、現在有効な自動ファイル拡張属性を使用して記憶領域が移動されます。

Extension修飾子は、位置依存修飾子です。

File=file-spec

この修飾子が適用される記憶領域が指定した場所に移動されるよう要求します。

File修飾子は、位置依存修飾子です。この修飾子は、シングルファイル・データベースには無効です。

この修飾子とRoot、SnapshotおよびDirectory修飾子との相互作用の詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

Read_Only

Read_Only修飾子を使用して、読取り/書込み記憶領域またはライトワンス記憶領域を読取り専用記憶領域に変更します。

Read_Only修飾子もRead_Write修飾子も指定しない場合、データベースで現在有効な読取り/書込み属性を使用して記憶領域が移動されます。

これは、位置依存修飾子です。

Read_Write

Read_Write修飾子を使用して、読取り専用記憶領域またはライトワンス記憶領域を読取り/書込み記憶領域に変更します。

Read_Only修飾子もRead_Write修飾子も指定しない場合、データベースで現在有効な読取り/書込み属性を使用して記憶領域が移動されます。

これは、位置依存修飾子です。

Snapshots=(Allocation=n, File=file-spec)

修飾子を適用する記憶領域の新規スナップショット・ファイルの割当てサイズまたは新規スナップショット・ファイルの場所、あるいはその両方を指定できます。

Allocation=nオプションを使用して、スナップショット・ファイルの割当てサイズ(nページ)を指定します。File=file-specオプションを使用して、移動される領域に関連付けられているスナップショット・ファイルの新規ファイルの場所を指定します。

スナップショット・ファイルの新規ファイルの場所を指定した場合、スナップショット・ファイルが実際に移動されるわけではないことに注意してください。かわりに、指定したディレクトリにOracle RMUで新規スナップショット・ファイルを作成し、初期化します。ただし、スナップショット・ファイルが誤って削除されたり、破損した場合、この修飾子を使用してスナップショット・ファイルを再作成することはお薦めしませんし、サポートされていません。かわりに、RMU Repairコマンドを使用します。RMU Repairコマンドを使用した削除または破損したスナップショット・ファイルの再作成および初期化の詳細は、第1.40節を参照してください。

キーワードAllocationが省略された場合、記憶領域の現在の割当てサイズではなく、元の割当てが使用されます。

シングルファイル・データベースのスナップショット・ファイルの名前は指定できません。スナップショット・ファイルを作成する場合、Oracle Rdbでスナップショット・ファイルのファイル指定は格納されません。かわりに、ルート・ファイル(.rdb)のファイル指定を使用して、スナップショット・ファイルのファイル指定が決められます。

シングルファイル・データベースの場合のスナップショット・ファイルの別のデバイスまたはディレクトリへの配置の詳細、およびこの修飾子とRoot、FileおよびDirectory修飾子との相互作用の詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

Snapshot修飾子は、位置依存修飾子です。

Spams

Nospams

記憶領域を読取り/書込みからライトワンスに、あるいはその逆に変換する際に、指定した記憶領域に対して領域管理(SPAM)ページの作成を有効にするか、SPAMページの作成を無効にする(Nospams)かを指定します。この修飾子は、統一ページ形式を持つ記憶領域には使用できません。

読取り/書込み記憶領域でSPAMページが無効の場合、SPAMページは初期化されますが、更新されません。

Spams修飾子は、位置依存修飾子です。

Thresholds=(n,n,n)

記憶領域に適用される新規SPAMしきい値を指定します(混合ページ形式の記憶領域の場合)。統一ページ形式の記憶領域のしきい値は変更できません。

SPAMしきい値の設定の詳細は、『Oracle Rdb7 Guide to Database Performance and Tuning』を参照してください。

Thresholds修飾子は、位置依存修飾子です。


使用上の注意


例1

記憶領域が、エラー・メッセージを出しているディスクにある場合、RMU Move_Areaコマンドを使用して記憶領域を別のディスクに移動できます。次のコマンドでは、mf_personnelデータベースのDEPARTMENTS記憶領域(departments.rda)およびDEPARTMENTSスナップショット・ファイル(departments.snp)をDDV21:[RICK.SQL]ディレクトリに移動します。


$ RMU/MOVE_AREA MF_PERSONNEL DEPARTMENTS /DIRECTORY=DDV21:[RICK.SQL]

例2

次のコマンドでは、mf_personnelデータベースのEMPIDS_LOW、EMPIDS_MIDおよびEMPIDS_OVER記憶領域をDISK2:[USER2]ディレクトリに移動します。Extension=Disable修飾子によって、DISK2:[USER2]ディレクトリに移動される際に、EMPIDS_LOW、EMPIDS_MIDおよびEMPIDS_OVER記憶領域(.rda)ファイルの自動ファイル拡張が無効になります。


$ RMU/MOVE_AREA/EXTENSION=DISABLE/DIRECTORY=DISK2:[USER2]  -
_$ mf_personnel EMPIDS_LOW,EMPIDS_MID,EMPIDS_OVER

例3

次のRMU Move_Areaコマンドでは、オプション・ファイルを使用して、記憶領域ファイルおよびスナップショット・ファイルを別のディスクに移動するよう指定します。記憶領域スナップショット(.snp)ファイルは互いに異なるディスクに置かれ、関連する記憶領域(.rda)ファイルとも異なるディスクに置かれることに注意してください。これは、最適なパフォーマンスを得るために推奨されます。(この例では、options_file.optで各記憶領域ファイルに指定したディスクは、現在の記憶領域ファイルが置かれているディスクとは異なるものとします。)


$ RMU/MOVE_AREA/OPTIONS=OPTIONS_FILE.OPT MF_PERSONNEL

次のコマンドで、オプション・ファイルの内容を示します。


$ TYPE options_file.opt

EMPIDS_LOW /FILE=DISK1:[CORPORATE.PERSONNEL]EMPIDS_LOW.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK2:[CORPORATE.PERSONNEL]EMPIDS_LOW.SNP)

EMPIDS_MID /FILE=DISK3:[CORPORATE.PERSONNEL]EMPIDS_MID.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK4:[CORPORATE.PERSONNEL]EMPIDS_MID.SNP)

EMPIDS_OVER /FILE=DISK5:[CORPORATE.PERSONNEL]EMPIDS_OVER.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK6:[CORPORATE.PERSONNEL]EMPIDS_OVER.SNP)

DEPARTMENTS /FILE=DISK7:[CORPORATE.PERSONNEL]DEPARTMENTS.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK8:[CORPORATE.PERSONNEL]DEPARTMENTS.SNP)

SALARY_HISTORY /FILE=DISK9:[CORPORATE.PERSONNEL]SALARY_HISTORY.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK10:[CORPORATE.PERSONNEL]SALARY_HISTORY.SNP)

JOBS /FILE=DISK7:[CORPORATE.PERSONNEL]JOBS.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK8:[CORPORATE.PERSONNEL]JOBS.SNP)

EMP_INFO /FILE=DISK9:[CORPORATE.PERSONNEL]EMP_INFO.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK10:[CORPORATE.PERSONNEL]EMP_INFO.SNP)

RESUME_LISTS /FILE=DISK11:[CORPORATE.PERSONNEL]RESUME_LISTS.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK12:[CORPORATE.PERSONNEL]RESUME_LISTS.SNP)

RESUMES /FILE=DISK9:[CORPORATE.PERSONNEL]RESUMES.RDA -
     /SNAPSHOT=(FILE=DISK10:[CORPORATE.PERSONNEL]RESUMES.SNP)

例4

次のRMU Move_Areaコマンドでは、mf_personnelデータベースのデータベース・ルートを移動し、Aij_Options修飾子を使用して新規アフター・イメージ・ジャーナルの構成を定義します。


$ RMU/MOVE_AREA/ROOT=DISK1:[DATABASE.PERSONNEL]MF_PERSONNEL -
_$ /AIJ_OPTIONS=aij_config.opt MF_PERSONNEL/NOONLINE

aij_config.optファイルには、次の句が含まれています。


JOURNAL IS ENABLED -
    RESERVE 2 -
    ALLOCATION IS 512 -
    EXTENT IS 512 -
    OVERWRITE IS DISABLED -
    SHUTDOWN_TIMEOUT IS 120 -
    NOTIFY IS DISABLED -
    BACKUPS ARE MANUAL -
    CACHE IS DISABLED
ADD AIJ1 -
    FILE DISK2:[MFPERS_AIJ1]AIJ_ONE
ADD AIJ2 -
    FILE DISK3:[MFPERS_AIJ2]AIJ_TWO

例5

次の例では、mf_personnelデータベースのすべての記憶領域をDISK3:[db]ディレクトリに移動します。


$ RMU/MOVE_AREA MF_PERSONNEL.RDB /ALL_AREAS/DIR=DISK3:[DB]

例6

次の例では、Directory、FileおよびRoot修飾子の使用方法を示します。この例では、次のようになります。


$ RMU/MOVE_AREA DISK1:[DB]MF_PERSONNEL.RDB /ALL-
_$ /DIRECTORY=DISK2:[DIR] -
_$ /ROOT=DISK3:[ROOT]MOVEDRDB.RDB -
_$ EMPIDS_MID/FILE=DISK4:[FILE], -
_$ EMPIDS_LOW/FILE=EMPIDS -
_$ /SNAPSHOT=(FILE=DISK5:[SNAP]EMPIDS.SNP)