RMU Optimize After_Journalコマンドは、バックアップされた.aijファイルの読取りおよび.oaijファイルのテープまたはディスクへの書込みに使用されます。
RMU Optimize After_Journalコマンドでは、バックアップされた.aijファイルに対して次の最適化を行います。
- ロールバックされたトランザクションからの.aijレコードを除外します。
ロールバックされた.aijファイル内のトランザクションは、リカバリ操作に必要ないため、最適化された.aijファイルには含まれません。- 重複する.aijレコードを除外します。
重複する.aijレコードは、同じデータベース・レコードを更新する.aijレコードです。.aijファイルのロールフォワードの際、重複する.aijレコードによってデータベース・レコードが複数回更新されます。各更新によって、その前の更新が無効になります。つまり、最後の更新のみ意味があります。したがって、最後以外のデータベース・レコードへの更新は、.aijファイルから除外できます。- .aijレコードが、物理データベース・キー(dbkey)によって順序付けられます。
物理dbkeyによって.aijレコードを順序付けると、リカバリ時のI/Oパフォーマンスが向上します。
.aijファイルの最適化の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。
RMU Optimize After_Journalコマンドには、次の制限があります。
- 静止ポイント.aijバックアップ・ファイルのみを最適化できます。
- 現在の.aijファイルは最適化できません。
- .oaijファイルは最適化できません。
注意
.oaijファイルは、機能上元の.aijファイルと等しくはないため、最適化後に元の.aijファイルを破棄しないでください。
- 次のタイプのリカバリ操作では.oaijファイルを使用できません。
- 領域ごとのリカバリ操作(Areas修飾子を指定したRMU Recoverコマンドを使用するリカバリ操作)
- ページごとのリカバリ操作(Just_Corrupt修飾子を指定したRMU Recoverコマンドを使用するリカバリ操作)
- Until修飾子を使用したRMU Recoverコマンド。.oaijファイルには、このような処理に対する元の.aijファイルからの情報が十分に含まれていません。
- データベースまたは記憶領域(あるいは両方)が.oaijファイルと矛盾するリカバリ操作。データベースまたは記憶領域の最終コミット済トランザクションのトランザクション順序番号(TSN)が、.aijファイルのオープン・レコードの最終コミット済トランザクションのTSNと等しくない場合、データベースまたは記憶領域が.oaijファイルと矛盾しています。.oaijファイル内の最終コミット済TSNは、元の.aijファイルが作成された時点で最後にデータベースにコミットされたトランザクションを表します。
これらのリカバリ操作での.oaijファイルの使用に対する制限を回避する方法として、これらのリカバリ操作では、元の最適化されていない.aijファイルをかわりに使用します。- 不完全なトランザクションを含む可能性のある.aijファイルは最適化されません。不完全なトランザクションは、次の状況下で.aijファイルに発生します。
- 非静止ポイント・バックアップ操作を使用して.aijファイルがバックアップされています(トランザクションが複数.aijファイルに渡るため)。
固定サイズのジャーナル構成ではトランザクションは複数の.aijファイルに渡る場合があることに注意してください。したがって、固定サイズのジャーナル構成の各ジャーナルが、ジャーナルごとにバックアップされた場合、結果のファイルは、非静止ポイント.aijバックアップ操作と同じになります。これらの.aijバックアップ・ファイルは、手動による静止ポイント・バックアップ操作をまず行わないかぎり、最適化されません。静止ポイント・バックアップ操作では、他の使用可能な.aijファイルへの切替えが強制的に行われ、トランザクションが2つのジャーナル・ファイルに渡ることはありません。- 前回の.aijファイルが、非静止ポイント・バックアップ操作でバックアップされました。
- .aijファイルに未解決の分散トランザクションがあります。
不完全なトランザクションを含む.aijファイルの最適化に対するこれらの制限を回避する方法はありません。
aij-file
最適化する.aijファイルの名前。現在の.aijファイルは無効です。デフォルトのファイル拡張子は.aijです。
optimized-aij-file
RMU Optimize After_Journalコマンドで生成される、最適化された.oaijファイルの名前。デフォルトのファイル拡張子は.oaijです。
Accept_Label
デフォルト・ラベルまたはLabel修飾子で指定したラベルと異なる場合でも、テープへの最適化処理時にテープで検出した現在のテープ・ラベルをOracle RMUで保持するよう指定します。テープの保護、所有者または有効期日によってテープへの書込みが禁止されている場合以外、オペレータ通知はありません。ただし、ラベルが保持されていることと、そのテープが現在かけられているドライブを示すメッセージがログ出力されます(ログが有効の場合)。この修飾子は、テープへの最適化処理に、以前に使用した(つまり、ラベルの付いた)多くのテープを使用し、現在のテープのラベルを保持する場合に、特に有用です。
この修飾子を指定しない場合、Oracle RMUのデフォルトの動作では、テープの現在のラベルとデフォルト・ラベル(またはLabel修飾子で指定したラベル)が異なるたびに、オペレータに通知されます。
デフォルト・ラベルの詳細は、この項のLabels修飾子の説明を参照してください。様々な状況で適用されるラベルのサマリーは、表1-5を参照してください。
Active_IO=max-writes
RMU Optimize After_Journalコマンドで同時に試行する、.oaijファイル・デバイスへの書込み操作の最大数を指定します。これは、進行中の書込み操作の最大数ではありません。この値は、アクティブなシステムI/O操作と、同時に書き込まれるデバイスの数の積です。Active_IO修飾子の値は、1〜5です。デフォルト値は3です。3より大きい値によってパフォーマンスが向上するテープ・ドライブもあります。
Block_Size=integer
最適化された.oaijファイルの最大レコード・サイズを指定します。サイズは、2048〜65,024バイトです。デフォルト値は、デバイスによって異なります。適切なブロック・サイズは、テープ容量とエラー率で決まります。ブロック・サイズは、データベースの最大ページ長より大きい値を指定する必要があります。Crc[=Autodin_II]
32ビット巡回冗長検査(CRC)の計算にAUTODIN-II多項式を使用し、最も信頼性の高いエンドツーエンドのエラー検出を提供します。これは、NRZ/PE(800/1600ビット/インチ)テープ・ドライブのデフォルトです。Crc=Autodin_IIオプションを選択するには、Crc修飾子を入力するだけで十分です。修飾子全体を入力する必要はありません。
Crc=Checksum
1の補数和(ディスク上のAIJデータのチェックサムに使用されるのと同じ計算方法)を使用します。これは、GCR(6250ビット/インチ)テープ・ドライブとTA78、TA79およびTA81ドライブのデフォルトです。Crc=Checksum修飾子では、データ・エラーが検出されます。
Nocrc
エンドツーエンドのエラー検出を無効にします。これは、TA90(IBM 3480クラス)ドライブのデフォルトです。
Density=density-value[,[No]Compaction]
出力ボリュームの書込み密度を指定します。デフォルト値は、最初のボリューム(最初にマウントするテープ)の形式です。テープ・ドライブでデータ圧縮や複数の記録密度がサポートされていない場合、この修飾子を指定する必要はありません。Density修飾子は、テープ・ドライブにのみ適用できます。この修飾子が使用され、ターゲット・デバイスがテープ・ドライブでない場合、Oracle RMUからエラー・メッセージが返されます。
システムが7.2-1より前のバージョンのOpenVMSで稼働している場合、Density修飾子は次のように指定します。
- TA90E、TA91およびTA92テープ・ドライブの場合、bpiの値を次のように指定します。
- 圧縮形式で初期化し、テープに書き込む場合、Density = 70000。
- 非圧縮形式の場合、Density = 39872またはDensity = 40000。
- SCSI(Small Computer System Interface)テープ・ドライブの場合、Density = 1を指定し、ドライブのハードウェア・データ圧縮方法でテープの初期化および書込みを行います。
- 他のタイプのテープ・ドライブの場合、800から160,000bpiの間でサポートされている密度の値を指定します。
- すべてのテープ・ドライブで、ドライブの標準密度でテープの初期化および書込みを行う場合、Density = 0を指定します。
7.2-1より前のバージョンのOpenVMSで稼働しているシステムでは、CompactionまたはNoCompactionキーワードを指定しないでください。これらのシステムでは、圧縮は密度の値によって決まり、指定できません。
Oracle RMUでは、OpenVMSバージョン7.2-1で導入されたテープの密度と圧縮の値をサポートします。次の表に、Oracle RMUでサポートされる追加の密度値を示します。
DEFAULT 800 833 1600 6250 3480 3490E TK50 TK70 TK85 TK86 TK87 TK88 TK89 QIC 8200 8500 8900 DLT8000 SDLT SDLT320 SDLT600 DDS1 DDS2 DDS3 DDS4 AIT1 AIT2 AIT3 AIT4 LTO2 LTO3 COMPACTION NOCOMPACTION
OpenVMSバージョン7.2-1の密度値と以前の密度値が同じ(800、833、1600、6250など)場合、指定した値は、テープ・デバイス・ドライバでOpenVMSバージョン7.2-1の値が受け付けられる場合は7.2-1の値として解釈され、テープ・デバイス・ドライバで以前の値のみが受け付けられる場合は以前の値として解釈されます。
テープの圧縮を受け付けるOpenVMSバージョン7.2-1の値には、次の構文を使用できます。
/DENSITY = (new_density_value,[No]Compaction)
CompactionまたはNoCompactionキーワードを使用するには、圧縮を受け付ける次の密度値のいずれかを使用する必要があります。
DEFAULT 3480 3490E 8200 8500 8900 TK87 TK88 TK89 DLT8000 SDLT SDLT320 AIT1AIT2 AIT3 AIT4 DDS1 DDS2 DDS3 DDS4 SDLT600 LTO2 LTO3
密度値の詳細は、OpenVMSのドキュメントを参照してください。
Encrypt=({Value=|Name=}[,Algorithm=])
Encrypt修飾子によって、最適化されたアフター・イメージ・ジャーナル・ファイルのバックアップ・ファイルが復号化されます。キー値を文字列として、または事前に定義したキーの名前を指定します。アルゴリズム名を指定しない場合、デフォルトはDESCBCです。Value、NameおよびAlgorithmパラメータの詳細は、ENCRYPTのヘルプを参照してください。
この機能を使用するには、システムにOpenVMSの暗号化製品がインストールされ、ライセンスが付与されている必要があります。
この機能は、Format=New_Tape修飾子を使用して作成された新規形式のバックアップ・ファイルにのみ作用します。したがって、Encrypt修飾子を使用する場合、このコマンドにFormat=New_Tape修飾子を指定する必要があります。
Format=Old_Rms
Format=New_Tape
Format=Old_FileおよびFormat=New_Tape修飾子と同義です。これらの修飾子の説明を参照してください。Format=Old_File
Format=New_Tape
Format修飾子では、RMU Optimize After_Journalコマンドで書き込むファイルの形式を指定できます。デフォルトのFormat=Old_Fileを指定した場合、RMU Optimize After_JournalコマンドによってRMS形式でファイルが書き込まれます。この形式は、Oracle Rdbの以前のバージョンとの互換性を持たせるためのものです。Format=Old_Fileを指定する場合、DCL MOUNTコマンドを使用してメディアをマウントしてから、RMU Optimize After_Journalコマンドを発行する必要があります。RMU Optimize After_Journalコマンドではテープの書込みにRMSが使用されるため、テープをOpenVMSボリュームとしてマウントする必要があります(つまり、MOUNTコマンドに/FOREIGN修飾子を指定しません)。
Format=Old_File修飾子を使用して作成されたバックアップ・ファイルにFOREIGNアクセスを指定した場合、エラー・メッセージは返されません。テープはラベルなしとみなされ、現在のテープの位置にあるデータ(ラベル、データまたはそれ以外)に関係なく処理が進められます。障害が起こりますが、読み取る情報のタイプが不明のため、何に失敗し、どう失敗するかは予測できません。結果は、リカバリ操作での使用が困難なラベルなしテープということになります。
Format=New_Tapeを指定した場合、RMU Optimize After_Journalコマンドでは、RMU Backupコマンドで使用されるのと似た形式で.aijファイルを書き込みます。Format=New_Tapeを指定する場合、DCL MOUNTコマンドを使用してメディアをマウントしてから、RMU Optimize After_Journalコマンドを発行する必要があります。テープはFOREIGNボリュームとしてマウントする必要があります。
次のテープ修飾子は、Format=New_Tape修飾子と組み合せて使用した場合にのみ意味があります。
Active_IO
Block_Size
Crc
Group_Size
Density
Label
Owner_Uic
Protection
Rewind
Tape_Expiration.aijファイルをテープに最適化する場合、次の手順に従います。
- RMU Backup After_JournalコマンドにFormat=Old_File修飾子を使用して、.aijファイルをディスクにバックアップします。
- RMU Optimize After_JournalコマンドにFormat=New_Tape修飾子を使用して、バックアップした.aijファイルをテープに最適化します。
- DCL BACKUPコマンドを使用して、バックアップした.aijファイルの予備のコピーを作成します。
Format修飾子を指定せずにRMU Optimize After_Journalコマンドを入力した場合、デフォルトはFormat=Old_Fileです。
Group_Size=interval
Nogroup_Size
XORリカバリ・ブロックがテープに書き込まれる頻度を指定します。グループ・サイズは0〜100です。グループ・サイズにゼロを指定した場合、あるいはNogroup_Size修飾子を指定した場合、XORリカバリ・ブロックは書き込まれません。Group_Size修飾子はテープにのみ使用可能で、デフォルト値はデバイスによって異なります。この修飾子が使用され、ターゲット・デバイスがテープ・デバイスでない場合、Oracle RMUからエラー・メッセージが返されます。Label=(label-name-list)
.oaijファイルのボリュームのラベルに使用する1〜6文字の文字列を指定します。Label修飾子は、テープ・ボリュームにのみ使用できます。Label修飾子を使用する場合、1つ以上のラベル名を指定する必要があります。複数のテープの場合、テープ・ラベルのリストを指定できます。複数のテープ・ラベル名をリストする場合、名前をカンマで区切り、名前のリストをカッコで囲みます。
RMU Recoverコマンドを発行する際、RMU Optimize After_Journalコマンドに指定したラベルを使用します。
Label修飾子は、間接ファイル参照と組み合せて使用できます。詳細は、第1.3節を参照してください。
Librarian[=options]
Oracle Media Managementインタフェースをサポートするデータ・アーカイブ・ソフトウェア・アプリケーションにファイルをバックアップするには、Librarian修飾子を使用します。コマンドラインで指定したバックアップ・ファイル名によって、Librarianユーティリティで格納されるデータのストリームが識別されます。デバイスまたはバージョン番号の指定は無視されます。Librarian修飾子には、次のオプションを使用できます。
- Trace_file=file-specification
Librarianユーティリティによってトレース・データが指定したファイルに書き込まれます。- Level_Trace=n
このオプションをデバッグ・ツールとして使用し、Librarianユーティリティによって書き込まれるトレース・データのレベルを指定します。事前に決められた値(0、1または2)またはLibrarianユーティリティで定義されている、より大きな値を使用できます。事前に決められている値は次のとおりです。
- レベル0では、すべてのエラー状態がトレースされます。これがデフォルトです。
- レベル1では、各Librarianファンクションの開始と終了がトレースされます。
- レベル2では、各Librarianファンクションの開始と終了、すべてのファンクション・パラメータの値、および各読取り/書込みバッファの最初の32バイト(16進)がトレースされます。
- Logical_Names=(logical_name=equivalence-value,...)
このオプションを使用してプロセス論理名のリストを指定できます。Librarianユーティリティは、これらの論理名を使用して、Oracle Rdbバックアップ・ファイルが格納されるカタログまたはアーカイブや、Librarianデバッグ論理名などを指定できます。論理名の定義の詳細は、Librarianのドキュメントを参照してください。プロセス論理名のリストは、LibrarianユーティリティにアクセスするOracle RMUコマンドの開始前に、Oracle RMUによって定義されます。
Oracle RMUのバックアップまたはリストア操作を実行する前に、次のOpenVMS論理名を定義して、Librarianユーティリティで使用できるようにする必要があります。これらの論理名の定義には、Librarian修飾子のLogical_Namesオプションを使用しないでください。
- RMU$LIBRARIAN_PATH
Oracle RMUのバックアップおよびリストア操作で、共有可能なLibrarianイメージをロードおよびコールできるようにするには、この論理名を定義する必要があります。等価名にはファイル・タイプ(.exeなど)が含まれる必要があります。バージョン番号は含めません。共有可能なLibrarianイメージは、インストール済(認識済)のイメージである必要があります。このイメージの名前と場所、およびインストール方法の詳細は、Librarianユーティリティのドキュメントを参照してください。- RMU$DEBUG_SBT
この論理名は必須ではありません。これが定義されている場合、Oracle RMUでLibrarian共有可能イメージをコールするモジュールからのデバッグ・トレース情報メッセージが表示されます。
ストレージ・メディアの処理はOracle RMUではなくLibrarianユーティリティで行われるため、Rewind、Density、Labelなどのデバイス固有の修飾子とLibrarian修飾子は組み合せて使用できません。
Log
Nolog
.aijファイルの最適化についてSYS$OUTPUTに出力することを指定します。最適化アクティビティがログ出力される場合、Log修飾子からの出力には、コミットおよびロールバックされたトランザクションの数が含まれます。Trace修飾子をLog修飾子と組み合せて指定できます。デフォルトでは、DCL VERIFYフラグの設定が使用されます。このフラグはDCL SET VERIFYコマンドによって制御されます。Media_Loader
Nomedia_Loader
バックアップ・ファイルが出力されるテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることを指定するには、Media_Loader修飾子を使用します。テープ・デバイスにローダーまたはスタッカがないことを指定するには、Nomedia_Loader修飾子を使用します。デフォルトでは、テープ・デバイスにローダーまたはスタッカがある場合、Oracle RMUでこれが認識されます。ただし、Oracle RMUでテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることが認識されない場合があります。その結果、最初のバックアップ・テープが一杯になると、Oracle RMUでローダーまたはスタッカに次のテープを要求するかわりに、オペレータに次のテープが要求されます。同様に、実際にはテープ・デバイスにローダーもスタッカもない場合に、ローダーまたはスタッカがあるようにOracle RMUが動作する場合もあります。
Oracle RMUでテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることが認識されていない場合、Media_Loader修飾子を指定します。Oracle RMUで実際にはないローダーまたはスタッカを待っている場合、Nomedia_Loader修飾子を指定します。
Owner_Uic=user-id
Owner修飾子と同義です。Owner修飾子の説明を参照してください。Owner=user-id
テープ・ボリューム・セットの所有者を指定します。所有者は、データベースのリカバリ(ロールフォワード)を許可されるユーザーです。user-idパラメータは、次のいずれかのタイプのOpenVMSの識別子です。
- 英数字形式([group-name,member-name])のユーザー識別コード(UIC)
- 数字形式([group-number,member-number])のUIC
- SECRETARIESなどの汎用識別子
- DIALUPなどのシステム定義識別子
テープに使用した場合、Owner修飾子は連続ボリュームのすべてに適用されます。Rewind修飾子も指定された場合にのみ、Owner修飾子は最初のボリュームに適用されます。Rewind修飾子が指定されない場合、以前にラベルが付けられたテープに最適化処理でファイルが追加されるため、最初のボリュームの保護が後続ボリュームの保護と異なる場合があります。
Protection[=openvms-file-protection]
RMU Optimize After_Journalコマンドで生成される.oaijファイルのシステム・ファイル保護を指定します。デフォルトのファイル保護は、.oaijファイルをディスクに書き込むか、テープに書き込むかによって異なります。これは、テープでは削除または実行アクセスは許可されず、SYSTEMアカウントは常にテープに対する読取りおよび書込みアクセスを持つためです。また、制限の強いクラスには、制限の弱いクラスのアクセス権が集積されます。
Protection修飾子を指定しない場合、デフォルトの保護は次のとおりです。
- ディスクへの書込みの場合、S:RWED,O:RE,G,W
- テープへの書込みの場合、S:RW,O:R,G,W
Protection修飾子を明示的に指定した場合、テープまたはディスクへのバックアップに適用される保護の前述の違いが適用されます。つまり、Protection=(S,O,G:W,W:R)と指定した場合、テープの保護は(S:RW,O:RW,G:RW,W:R)になります。
Recovery_Method[=(Sequential|Scatter)]
.aijレコードを順序付ける方法を指定します。次の2つの順序のタイプのいずれかを指定します。
- Sequential: .aijレコードは、物理dbkeyのarea:page:line順に順序付けられます。この順序タイプがデフォルトです。
- Scatter: .aijレコードは、page:area:line(ページ番号、領域番号および行番号)のソート・キーで順序付けられます。データベースの記憶領域が複数のディスク・デバイスに分散されている場合は特に、この順序によって、I/Oプリフェッチおよび複数の記憶領域への並行書込みが、RMU Recoverコマンドでより効率的に行われます。
Scatter順序によって、リカバリ操作時により多くのディスク・デバイスがアクティブになります。これによって、アイドルCPU時間が減り、リカバリにかかる時間が少なくなります。ただし、データベースの構成は様々なため、アフター・イメージ・ジャーナルの最適化の順序付けとしてScatterとSequentialの両方をテストし、システムに対して最良の結果を出す方法を決めることをお薦めします。
Rewind
Norewind
.oaijファイルを含めるテープを処理の開始前に巻き戻すよう指定します。テープは、Label修飾子に従って初期化されます。Norewind修飾子がデフォルトで、最適化された.oaijファイルは現在の論理EOT(テープの終端)から書き込まれます。NorewindおよびRewindは、テープ・デバイスにのみ使用できます。この修飾子が使用され、ターゲット・デバイスがテープ・デバイスでない場合、Oracle RMUからエラー・メッセージが返されます。
Tape_Expiration=date-time
テープ上の.oaijファイルの有効期日を指定します。Oracle RMUでテープを読む際、テープの最初のファイルのファイル・ヘッダーにある有効期日が確認され、ファイル・ヘッダーにある日付がテープ全体の有効期日とみなされます。したがって、.oaijファイルをテープに書き込む場合、.oaijファイルがテープの最初のファイルのときのみ、Tape_Expiration修飾子の指定は有効です。Rewind修飾子を指定してテープの既存のファイルを上書きすることで、.oaijファイルが必ずテープの最初のファイルになるようにできます。テープの最初のファイルのファイル・ヘッダーに有効期日が含まれていると、OpenVMSのSYSPRVまたはBYPASS権限を持っている場合以外は、有効期日前にテープを上書きできません。
同様に、テープにある.oaijファイルを使用してリカバリを行う際、OpenVMSのSYSPRVまたはBYPASS権限を持っている場合以外、テープの最初のファイルに記録されている有効期日後にリカバリ操作を行えません。
デフォルトでは、有効期日は.oaijファイルのヘッダーに書き込まれません。この場合、.oaijファイルがテープの最初のファイルであると、テープがただちに上書きされます。.oaijファイルがテープの最初のファイルでない場合、テープを上書きできるかどうかは、テープの最初のファイルのファイル・ヘッダーにある有効期日によって決まります。
テープのボリューム全体の有効期日を明示的に設定することはできません。ボリュームの有効期日は、常に、テープの最初のファイルの有効期日で決まります。Tape_Expiration修飾子は、ディスクへのバックアップ操作には使用できません。
Trace
Notrace
.aijファイルの最適化についてトレースすることを指定します。デフォルトはNotrace修飾子で、最適化はトレースされません。最適化がトレースされる場合、Trace修飾子からの出力では、トランザクション順序番号(TSN)で.aijファイルのトランザクションが識別され、最適化での各トランザクションに対するOracle RMUの処理が示されます。Log修飾子をTrace修飾子と組み合せて指定できます。
- データベースに対してRMU Optimize After_Journalコマンドを使用するには、データベースのルート・ファイル・アクセス制御リスト(ACL)にRMU$BACKUPまたはRMU$RESTORE権限を持っているか、OpenVMSのSYSPRVまたはBYPASS権限を持っている必要があります。
- .aijファイルのバックアップ中は、.aijファイルを最適化できません。RMU Backup After_JournalコマンドにFormat=Old_File修飾子を使用して、まず、.aijファイルをバックアップし、その後、最適化します。
- 最適化処理の一部として、Oracle RMUでは、物理dbkeyでジャーナル・レコードがソートされ、リカバリのI/Oパフォーマンスが向上します。AIJファイルの最適化では、OpenVMSのSort/Mergeユーティリティ(SORT/MERGE)を使用してジャーナル・レコードがソートされるため、SORT/MERGEで使用されるワーク・ファイルの数と場所を変更することによって、ソート処理の効率を上げることができます。ワーク・ファイルの数は、RDMS$BIND_SORT_WORKFILES論理名で制御されます。使用可能な値は1〜10(1と10を含む)で、デフォルト値は2です。これらのワーク・ファイルの場所は、SORTWORKn論理名(nは0〜9の数値)を使用してデバイス指定で指定できます。SORT/MERGEの使用の詳細は、OpenVMSのドキュメント・セットを参照してください。Oracle Rdbの論理名の使用の詳細は、『Oracle Rdb7 Guide to Database Performance and Tuning』を参照してください。
- RMU Optimize After_Journalコマンドを使用する際、OpenVMS Alpha High Performance Sort/Mergeユーティリティ(論理名SORTSHRへのSYS$SHARE:HYPERSORTの定義によって選択)を使用しないでください。HYPERSORTでは、コマンドで使用されるインタフェースのいくつかがサポートされません。また、HYPERSORTがRMU Optimize After_Journalコマンドで使用された場合、HYPERSORTではエラーも警告も出力されません。
SORTSHR論理名がHYPERSORT.EXEを参照するよう定義されていないことを確認してください。- LNM$FILE_DEV表のRDM$BIND_AIJ_WORK_FILE論理名およびLNM$SYSTEM_TABLEのRDM$BIND_DBR_WORK_FILE論理名に別のディレクトリを割り当てることにより、AIJロールフォワード一時ワーク・ファイルおよびデータベース・リカバリ(DBR)REDO一時ワーク・ファイルを、デフォルト(SYS$DISK)とは異なるディスクおよびディレクトリにリダイレクトできます。
これは、デフォルトの場所で起こる可能性のあるI/Oボトルネックの軽減に役立ちます。- 拡張可能な.aijファイルのバックアップおよび名前変更などによって生じた非アクティブな.aijファイルを最適化できます。拡張可能な.aijファイルをバックアップおよび名前変更すると、アクティブなプライマリ.aijファイルが新たに作成され、以前の.aijファイルが非アクティブになります。非アクティブな.aijファイルの最適化後、OpenVMSのBACKUPコマンドを使用して.oaijファイルをバックアップできます。アクティブなプライマリ.aijファイルは最適化できないことに注意してください。
- RMU Optimize After_Journalコマンドでは、ディスク上の.aijファイルまたはOld_File形式でバックアップされたディスクまたはテープ上の.aijファイルを読み取ることができ、Old_FileまたはNew_Tapeのいずれの形式でも.oaijファイルをディスクまたはテープに書き込むことができます。
- RMU Optimize After_Journalコマンドがバッチ・ジョブから発行された場合、テープのリクエストおよび問題は、テープ・オペレータに出力されます。これは、テープのリクエストおよび問題には、しばしば手動の操作が必要とされ、RMU Optimize After_Journalコマンドがバッチ・ジョブから発行された場合にこれを行えるのは、オペレータのみのためです。
- RMU Optimize After_Journalコマンドが対話式に発行され、テープのリクエストまたは問題があった場合、Oracle RMUで論理名SYS$COMMANDに割り当てられているI/Oチャネルを使用して、コマンドを発行したユーザーに通知します。問題が通知されたら、コマンドを発行したユーザーは、問題を修正するか(ユーザーがテープ・ドライブにアクセスできる場合)、テープ・オペレータに問題を修正するよう依頼します。次のようにREQUESTコマンドを使用して、テープ・オペレータに通知できます。
$ REQUEST/REPLY/TO=TAPES - _$ "Please Write Enable tape ATOZBG on drive $255$MUA6:"
- 以前にサポートされていた値は想定どおりに機能しない可能性があるため、OpenVMSバージョン7.2-1で追加された記録密度の値を、これを受け付けるOpenVMSのテープ・デバイス・ドライバに使用します。OpenVMSバージョン7.2-1の記録密度の値をサポートするドライバに、以前にサポートされていた値を指定すると、以前の値がバージョン7.2-1の密度の値に、可能な場合、変換されます。値が変換できない場合、警告メッセージが表示され、指定した値が使用されます。
OpenVMSバージョン7.2-1で追加された記録密度の値を、これをサポートしないテープ・デバイス・ドライバに指定すると、可能な場合は、値が受け入れ可能な値に変換されます。値が変換できない場合、警告メッセージが表示され、値は、既存のデフォルトの内部記録密度値(MT$K_DEFAULT)に変換されます。
指定した値とテープ・デバイス・ドライバで受け付ける値が不整合の場合、次の密度関連のエラーのいずれかが表示されます。
%DBO-E-DENSITY, TAPE_DEVICE:[000000]DATABASE.BCK; does not support specified density %DBO-E-POSITERR, error positioning TAPE_DEVICE: %DBO-E-BADDENSITY, The specified tape density is invalid for this device
- サポートされていない密度の値を使用する場合、VMS INITIALIZEおよびMOUNTコマンドを使用して、テープの記録密度を設定します。Density修飾子は使用しないでください。
- データベースを表すデータ・ストリーム名は、Oracle RMUバックアップ・コマンドで指定されたバックアップ・ファイル名に基づいて生成されるため、データベースのLibrarianユーティリティへの次のバックアップの格納には別のバックアップ・ファイル名を使用するか、同じファイル名を再度使用する前に、まず、バックアップ・ファイル名から生成された既存のデータ・ストリームを削除する必要があります。
Librarianユーティリティに格納されている既存のデータ・ストリームを削除するには、Librarian管理ユーティリティまたはOracle RMU Librarian/Removeコマンドを使用します。
例1次のコマンドでは、mf_personnel.aijという名前の.aijファイルからmf_personnel.oaijという名前の.oaijファイルが作成されます。
$ RMU/OPTIMIZE/AFTER_JOURNAL MF_PERSONNEL.AIJ MF_PERSONNEL.OAIJ
例2
次の例では、圧縮と密度の値を使用します。
RMU/OPTIMIZE/AFTER_JOURNAL /DENSITY=(TK89,COMPACTION)/REWIND - /LABEL=(LABEL1,LABEL2) MF_PERSONNEL.AIJ TAPE1:MF_PERSONNEL.OAIJ, TAPE2: