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Oracle Rdb for OpenVMS Oracle RMUリファレンス・マニュアル
リリース7.2
E06177-01
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1.10 RMU Backupコマンド

データベースのバックアップ・コピーが作成され、ファイルに置かれます。その後、必要に応じて、RMU Restoreコマンドを使用し、バックアップ操作が行われた時点の状態にデータベースをリストアできます。

形式





説明

RMU Backupコマンドでは、データベースに含まれる情報がファイルにコピーされます。多くのオプションが用意されており、次の点を指定できます。

バックアップ操作ではマルチスレッド・プロセスが使用され、バックアップ操作のパフォーマンスが最適化されます。マルチスレッド処理の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

パラレル・バックアップ操作では、マルチスレッド・プロセス以外にコーディネータ・エクゼキュータと複数のワーカー・エクゼキュータ(サブプロセス)を使用して、バックアップ操作のスピードを速めます。各ワーカー・エクゼキュータがクラスタ内の異なるノードで実行されるよう指定し、さらに処理のスピードを速めることもできます。パラレル・バックアップ操作を行うには、Oracle SQL/Servicesがインストールされ、稼働している必要があります。

パラレル・バックアップ操作が最も有用な場合の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

Oracle RMUでパラレル・バックアップ操作を行うよう指定するには、Parallel修飾子を使用します。バックアップ・プラン・ファイルを生成するには、NoexecuteおよびList_Plan修飾子を使用します。バックアップ・プラン・ファイルは、コマンドラインで入力したバックアップ・オプションと指定をテキスト・ファイルに記録したものです。必要に応じて、このテキスト・ファイルをパラレル・バックアップ操作に合うよう編集し、RMU Backup Planコマンドを使用してファイルを実行できます。パラレル・バックアップ・モニターでパラレル・バックアップ操作の進捗をモニターする場合は、Parallel修飾子にStatisticsオプションを使用します。詳細は、Parallel、List_PlanとNoexecute修飾子およびRMU Backup Planコマンドを参照してください。

非パラレル・バックアップ操作の進捗は、パラレル・バックアップ・モニターを使用してモニターできません。ただし、Parallel修飾子にExecutor_Count=1とStatisticsオプションを指定することで、これとよく似たことを行えます。この結果、1つのエクゼキュータと1つのコントローラでパラレル・バックアップ操作が行われます。これをパラレル・バックアップ・モニターでモニターできます。

表1-4に示す、バックアップするデータベースの部分という点で異なるタイプのバックアップ操作を、パラレル・バックアップ操作でも非パラレル・バックアップ操作でも行えます。

表1-4 RMU Backupのオプション
  記憶領域の選択肢
データベース・
ページの選択肢
完全
(すべての領域)
領域ごと
(選択した領域)
全体 データベース・ルート(.rdb)ファイルと、データベース内のすべての領域のすべてのデータベース・ページをコピーする。これがデフォルトのバックアップ操作である。Oracle Rdbを新規バージョンにアップグレードする前には、このタイプのバックアップを使用する必要がある。これがデフォルトの処理のため、全体バックアップの指定に修飾子は必要ない。 データベース・ルート(.rdb)ファイルをコピーし、バックアップ・コマンドラインで指定した記憶領域のデータベース・ページのみをバックアップする。指定した場合(または全体完全バックアップ操作の場合)にのみ、データベースのすべての記憶領域がバックアップされる。IncludeまたはExclude修飾子を使用して、領域ごとの全体バックアップ操作を行う記憶領域を指定する。
増分 直近の全体バックアップ操作以降に更新されたすべてのデータベース・ページおよびデータベース・ルート・ファイルをコピーする。Incremental(またはIncremental=Complete)修飾子を使用して、増分完全バックアップ操作を指定する。 データベース・ルート(.rdb)ファイルと、指定した記憶領域のデータベースのうち、直近の全体バックアップ操作以降に変更されたページのみをコピーする。IncludeまたはExclude修飾子とIncremental=By_Area修飾子を組み合せて使用し、領域ごとの増分バックアップ操作を指定する。

物理または論理設計を変更した場合、全体バックアップ操作を使用してデータベースをバックアップすることをお薦めします。これらの状況で増分バックアップを行うと、データベースを適切にリカバリできません。

領域ごとのバックアップ操作を選択した場合、データベースでアフター・イメージ・ジャーナルが有効な場合のみ、システム障害後にデータベースを完全にリカバリできます。データベースに、読取り/書込み記憶領域と読取り専用記憶領域の両方があり、アフター・イメージ・ジャーナルが有効でない場合、常に完全バックアップ(データベースのすべての記憶領域をバックアップ)処理を行う必要があります。アフター・イメージ・ジャーナルが有効でない場合、完全バックアップ操作を行うことによって、データベース全体を、以前にバックアップ操作を行った時点の状態にリカバリすることが保証されます。

1つ以上の記憶領域に対して全体バックアップ・ファイルが作成される場合、それらの記憶領域に対する最終全体バックアップ・ファイルの日付と時間(バックアップ(.rbf)ファイルに記録)が更新されます。データベースの各記憶領域の最終全体バックアップ操作の日付と時間は、Header修飾子を指定してデータベースの最新バックアップ(.rbf)ファイルにRMU Dumpコマンドを実行することによって表示できます。このコマンドで表示される日付と時間は、その領域に対して行われた最終全体バックアップ操作の日付と時間です。

記憶領域に対する増分バックアップ操作によって、バックアップ・ファイルに記録されている、その領域に対して行われた最終全体バックアップ操作の日付と時間が更新されないことに注意してください。

データベースが破損した場合、RMU Restoreコマンドでバックアップ・ファイルを指定することで、そのバックアップを行った時点の状態にデータベースをリストアできます。

RMU Backupコマンドでは、領域を節約するために圧縮形式でバックアップ・ファイルが書き込まれます。データベース・ルート(.rdb)ファイルと記憶領域(.rda)ファイルの各データベース・ページの使用可能領域と空き領域は、バックアップ・ファイルに書き込まれません。

注意

Oracle Rdbデータベースのバックアップには、RMU Backupコマンドのみを使用します。他の方法(DCL BACKUPコマンドなど)を使用してデータベースをバックアップしないでください。データベースのデータベース・ルートは、RMU Backupコマンドが使用された場合にのみ更新されます。

データベースのテープへのバックアップの詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。


コマンド・パラメータ

root-file-spec

データベース・ルート・ファイルの名前。ルート・ファイル名は、データベースの名前でもあります。デフォルトのファイル拡張子は.rdbです。

backup-file-spec

バックアップ・ファイルのファイル指定。デフォルトのファイル拡張子は.rbfです。バックアップ操作を磁気テープ、ディスク、複数ディスクのいずれに行うかによって、バックアップ・ファイルの指定を次のように行う必要があります。


コマンド修飾子

Accept_Label

デフォルト・ラベルまたはLabel修飾子で指定したラベルと異なる場合でも、バックアップ操作時にテープで検出した現在のテープ・ラベルをRMU Backupで保持するよう指定します。テープの保護、所有者または有効期日によってテープへの書込みが禁止されている場合以外、オペレータ通知はありません。ただし、ラベルが保持されていることと、現在テープを保持しているドライブを示すメッセージは記録され(ロギングが有効の場合)、バックアップ・ジャーナル・ファイルに書き込まれ(Journal修飾子を指定した場合)ます。

この修飾子は、バックアップ操作に以前に使用した(つまり、ラベルの付いた)多くのテープを使用し、現在のテープのラベルを保持する場合に、特に有用です。ただし、テープが書き込まれた順番を覚えている必要があります。このため、Accept_Label修飾子を使用する場合、Journal修飾子を使用することをお薦めします。

この修飾子を指定しない場合、RMU Backupのデフォルトの動作では、テープの現在のラベルとデフォルト・ラベル(またはLabel修飾子で指定したラベル)が異なるたびに、オペレータに通知されます。

デフォルト・ラベルの詳細は、この項のLabels修飾子の説明を参照してください。様々な状況で適用されるラベルのサマリーは、「使用上の注意」の表1-5を参照してください。

Acl

Noacl

データベースをバックアップする際、データベースのルート・ファイル・アクセス制御リスト(ACL)をバックアップするかどうかを指定します。ルート・ファイルACLでは、Oracle RMUコマンドを発行するユーザー権限が制御されます。

Acl修飾子を指定した場合、ルート・ファイルACLがデータベースとともにバックアップされます。

Noacl修飾子を指定した場合、ルート・ファイルACLはデータベースとともにバックアップされません。Noacl修飾子は、現在のルート・ファイルACL内の識別子が有効でないシステムへデータベースをリストアする予定がある場合、有用です。

デフォルトはAcl修飾子です。

Active_IO=max-writes

RMU Backupコマンドで同時に試行する、バックアップ・デバイスへの書込み操作の最大数を指定します。これは、進行中の書込み操作の最大数ではありません。この値は、アクティブなシステムI/O操作と、同時に書き込まれるデバイスの数の積です。

Active_IO修飾子の値は、1〜5です。デフォルト値は3です。3より大きい値によってパフォーマンスが向上するテープ・ドライブもあります。

Allocation=blocks

バックアップ・ファイルに最初に割り当てるサイズをブロック数で指定します。number-blocksパラメータの最小値は1で、最大値は2147483647です。Allocation_Quantity修飾子を指定しない場合、実質上、Extend_Quantityの値によってファイルの初期割当てが制御されます。

この修飾子は、テープへのバックアップ操作には使用できません。

Block_Size=integer

バックアップ・ファイルの最大レコード・サイズを指定します。サイズは、2048〜65,024バイトです。デフォルト値は、デバイスによって異なります。適切なブロック・サイズは、テープ容量とエラー率で決まります。ブロック・サイズは、データベースの最大ページ長より大きい値を指定する必要があります。

Checksum_Verification

Nochecksum_Verification

Checksum_Verification修飾子によって、バックアップ操作の開始前に、RMU Backupコマンドで各データベース・ページに格納されているチェックサムを検証するよう要求されます。この結果、データベースI/Oでのエンドツーエンドのエラー検出が提供されます。デフォルト値はChecksum_Verificationです。

アプリケーションに対して、このデフォルトの動作を受け入れることをお薦めします。デフォルトの動作では、バックアップ・ファイルと最適化された.aijファイルに破損したデータベース・ページは含まれません。チェックサム検証をしない場合、ファイルのリストア時にこれらのファイル内の破損したデータベース・ページは検出されません。リストアされたページの破損が、バックアップ・ファイルの作成後、時間が経ってから見つかるか、まったく見つからない可能性があります。

Checksum_Verification修飾子によってCPUリソースが多く使用されますが、バックアップされたデータの質の信頼度が増します。

Nochecksum修飾子を指定し、データベースに未検出の破損がある場合、バックアップ・ファイルに破損が含まれ、そのバックアップ・ファイルをリストアすると、破損もリストアされることに注意してください。このような破損のリカバリは、リストア操作後、時間が経過してから破損が見つかった場合は特に難しくなります。

Compression

Compression=LZSS

Compression=Huffman

Compression=ZLIB

Nocompression

バックアップ・ファイルにデータを書き込む前に使用する圧縮方法を指定できます。これによってパフォーマンスは低下しますが、バックアップ・ファイルがディスク・ファイルの場合、バックアップがビジーなネットワークを介して行われる場合、または独自の圧縮を行わないテープ・ドライブにバックアップされる場合は、その分の価値があります。独自の圧縮を行うテープ・ドライブにデータベースをバックアップする場合、Compression修飾子を指定する必要はありません。実際、この修飾子を指定すると、ファイルが大きくなる場合もあります。

値なしでCompression修飾子を指定した場合、デフォルトはCOMPRESSION=ZLIB=6です。

レベル値(ZLIB=level)は、相対圧縮レベルを指定する1〜9の整数で、1が最も圧縮量が少なく、9が最も圧縮量が多いことを示します。圧縮レベルが上がると、CPUを多く使用しますが、一般によりよい圧縮が得られます。デフォルトの圧縮レベルである6は、圧縮の効果とCPU消費のバランスをとったものです。

Oracle Rdb 7.2の以前のリリースと圧縮RBFファイル

Oracle Rdbの以前のリリースでは、ZLIBアルゴリズムで圧縮されたRBFファイルは読み取れませんでした。Oracle Rdb 7.2のリリース7.2.1より前のリリースで圧縮されたバックアップを読み取るには、/COMPRESSION=LZSSまたは/COMPRESSION=HUFFMANを明示的に指定する必要があります(デフォルトの圧縮アルゴリズムがLZSSからZLIBに変わったため)。Oracle Rdbバージョン7.2.1では、LZSSまたはHUFFMANアルゴリズムを使用して以前のリリースで作成された圧縮バックアップを読み取ることができます。

Crc[=Autodin_II]

32ビット巡回冗長検査(CRC)の計算にAUTODIN-II多項式を使用し、最も信頼性の高いエンドツーエンドのエラー検出を提供します。これは、NRZ/PE(800/1600ビット/インチ)テープ・ドライブのデフォルトです。

修飾子としてCrcのみを指定した場合、RMU BackupでCrc=Autodin_IIを指定したものとみなされます。

Crc=Checksum

1の補数和(ディスク上のデータベース・ページのチェックサムに使用されるのと同じ計算方法)を使用します。これは、GCR(6250ビット/インチ)テープ・ドライブとTA78、TA79およびTA81テープ・ドライブのデフォルトです。

Crc=Checksum修飾子では、データ・エラーが検出されます。

Nocrc

エンドツーエンドのエラー検出を無効にします。これは、TA90(IBM 3480クラス)ドライブのデフォルトです。

注意

Crc=Autodin_II、Crc=ChecksumおよびNocrc修飾子のデフォルトの全体的な効果は、テープの信頼性をディスクの信頼性と同等にすることです。テープを1年以上保管する場合、Nocrcのデフォルトは十分ではない場合があります。1年以上保管するテープには、Crc=Checksum修飾子を使用します。

テープを3年以上保管する場合、Crc=Autodin_II修飾子を常に使用する必要があります。

5年以上保管したテープは劣化の可能性があり、新しいメディアにコピーする必要があります。

Crc修飾子を使用してアンダーラン・エラーを回避する場合の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

Database_Verification

Nodatabase_Verification

RMU /BACKUPコマンドでは、バックアップ操作の開始時にデータベース・ルート・ファイルの限定的な検証が行われます。この検証は、ルート・ファイルまたは関連するデータベース構造に検出可能な破損または不整合のあるデータベースをバックアップすることを回避するためのものです。しかし、一部のケースでは、これらのチェックをしない方がよい場合があります。

バックアップの開始時にデータベース・ルート・ファイルの検証をしない場合、/NODATABASE_VERIFICATION修飾子を指定します。デフォルトの動作は/DATABASE_VERIFICATIONです。デフォルトの/DATABASE_VERIFICATIONを受け入れることをお薦めします。

Density=(density-value,[No]Compaction)

出力ボリュームの書込み密度を指定します。デフォルト値は、最初のボリューム(最初にマウントするテープ)の形式です。テープ・ドライブでデータ圧縮や複数の記録密度がサポートされていない場合、この修飾子を指定する必要はありません。

Density修飾子は、テープ・ドライブにのみ適用できます。この修飾子が使用され、ターゲット・デバイスがテープ・ドライブでない場合、RMU Backupからエラー・メッセージが返されます。

密度の値を指定した場合、RMU Backupでは、すべてのテープ・ドライブにその値が使用できるものとみなします。

システムが7.2-1より前のバージョンのOpenVMSで稼働している場合、Density修飾子は次のように指定します。

7.2-1より前のバージョンのOpenVMSで稼働しているシステムでは、CompactionまたはNoCompactionキーワードを指定しないでください。これらのシステムでは、圧縮は密度の値によって決まり、指定できません。

Oracle RMUでは、OpenVMSバージョン7.2-1で導入されたテープの密度と圧縮の値をサポートします。次の表に、Oracle RMUでサポートされる追加の密度値を示します。

DEFAULT 800 833 1600
6250 3480 3490E TK50
TK70 TK85 TK86 TK87
TK88 TK89 QIC 8200
8500 8900 DLT8000  
SDLT SDLT320 SDLT600  
DDS1 DDS2 DDS3 DDS4
AIT1 AIT2 AIT3 AIT4
LTO2 LTO3 COMPACTION NOCOMPACTION

OpenVMSバージョン7.2-1の密度値と以前の密度値が同じ(800、833、1600、6250など)場合、指定した値は、テープ・デバイス・ドライバでOpenVMSバージョン7.2-1の値が受け付けられる場合は7.2-1の値として解釈され、テープ・デバイス・ドライバで以前の値のみが受け付けられる場合は以前の値として解釈されます。

テープの圧縮を受け付けるOpenVMSバージョン7.2-1の値には、次の構文を使用できます。


/DENSITY = (new_density_value,[No]Compaction)

CompactionまたはNoCompactionキーワードを使用するには、圧縮を受け付ける次の密度値のいずれかを使用する必要があります。

DEFAULT 3480 3490E 8200
8500 8900 TK87 TK88
TK89 DLT8000 SDLT SDLT320
AIT1 AIT2 AIT3 AIT4
DDS1 DDS2 DDS3 DDS4
SDLT600 LTO2 LTO3  

密度値の詳細は、OpenVMSのドキュメントを参照してください。

Disk_File[=(options)]

ディスク・ファイル、フロッピー・ディスクまたはPC外部の他のディスクへのマルチスレッド・バックアップを行うことを指定します。Disk_File修飾子には、次のキーワードを使用できます。

Encrypt=({Value=|Name=}[,Algorithm=])

Encrypt修飾子では、データベース・バックアップの保存セット・ファイルが暗号化されます。

キー値を文字列として、または事前に定義したキーの名前を指定します。アルゴリズム名を指定しない場合、デフォルトはDESCBCです。Value、NameおよびAlgorithmパラメータの詳細は、ENCRYPTのヘルプを参照してください。

この機能を使用するには、システムにOpenVMSの暗号化製品がインストールされ、ライセンスが付与されている必要があります。

Exclude[=storage-area[,...]]

バックアップ・ファイルから除外する記憶領域を指定します。RMU BackupコマンドでExclude修飾子もInclude修飾子も指定しない場合、またはExclude修飾子を指定して記憶領域名のリストを指定しない場合、データベースに対し、全体完全バックアップが行われます。これがデフォルトの動作です。

Exclude修飾子に記憶領域名のリストを指定した場合、RMU Backupでその記憶領域がバックアップ・ファイルから除外され、その他のすべての記憶領域が含まれます。Exclude修飾子に複数のデータベース記憶領域を指定する場合、各記憶領域名の間にカンマを置き、名前のリストをカッコで囲みます。

データベース・ルート・ファイルのみのバックアップを指定するには、Exclude=*修飾子を使用します。Exclude=*修飾子を使用して作成されたバックアップ・ファイルは、RMU Restore Only_Rootコマンドでのみリストアできることに注意してください。

次の例に示すように、間接コマンド・ファイルを使用できます。


$ RMU/BACKUP/EXCLUDE="@EXCLUDE_AREAS.OPT" -
_$ MF_PERSONNEL.RDB PARTIAL_MF_PERS.RBF
%RMU-I-NOTALLARE, Not all areas will be included in this backup file

間接コマンド・ファイルの詳細は、第1.3節を参照してください。

記憶領域名のリストを指定してExclude修飾子を使用した場合、Exclude修飾子によってデータベースの記憶領域がバックアップ・ファイルから除外されるため、バックアップ・ファイルは領域ごとのバックアップ・ファイルになります。次の例に、データベースのすべての領域をバックアップしない場合に表示される情報メッセージを示します。


%RMU-I-NOTALLARE, Not all areas will be included in this backup file

RMU BackupおよびRMU Restoreコマンドを使用して、データベースの選択した記憶領域をバックアップおよびリストアできます。バックアップとリストアを領域ごとに行えるOracle RMUのこの機能は、次のことを目的としています。

RMU BackupおよびRMU Restoreコマンドを使用してデータベースの選択した記憶領域のみをバックアップおよびリストアする場合、データベースの全体完全バックアップを定期的に行う必要があります。

データベースの選択した記憶領域のみをバックアップおよびリストアする場合、データベースに対してアフター・イメージ・ジャーナルを有効にすることを強くお薦めします。これによって、システム障害が起きた場合に、データベースのすべての記憶領域がリカバリされることが保証されます。

アフター・イメージ・ジャーナルが有効ではなく、RMU Restoreコマンドでリストアした1つ以上の領域とリストアされていない記憶領域とに矛盾がある場合、Oracle Rdbでは、リストアしたデータベースの矛盾のある記憶領域をトランザクションに使用できません。この場合、データベース記憶領域の最終全体完全バックアップ操作のバックアップ・ファイルを使用してデータベースをリストアすることで、作業データベースに戻ることはできます。しかし、最終全体完全バックアップ操作以降にデータベースに対して行われた変更はリカバリできません。

アフター・イメージ・ジャーナルが有効の場合、RMU Restoreコマンドの完了後矛盾のある記憶領域(つまり、リストアしたデータベースのそれ以外の部分と同じ状態にない記憶領域)に、RMU Recoverコマンド(またはRecover修飾子を指定したRestoreコマンド)を使用して.aijファイルからトランザクションを適用します。データベースをリカバリするまで、この記憶領域は使用できません。RMU Recoverコマンドが完了すると、データベースの整合性がとれ、使用可能になります。

ExcludeまたはInclude修飾子を使用すると、ファイル管理およびリカバリは複雑になりますが、バックアップ操作の柔軟性が大いに高まります。バックアップ操作の柔軟性が高まることは、ファイル管理およびリカバリが複雑になるコストに見合うと考える大規模データベースのユーザーもいます。

1つのRMU BackupコマンドにExclude=area-listとInclude=area-list修飾子を同時に指定できません。

Execute

Noexecute

ExecuteおよびNoexecute修飾子をParallelおよびList_Plan修飾子と組み合せて使用し、バックアップ・プラン・ファイルを実行するかどうかを指定します。

次のリストに、ExecuteおよびNoexecute修飾子を使用した場合の結果を示します。

検証では、プラン・ファイルにリストされている記憶領域がデータベースにあるかどうかなどが確認されます。

ExecuteおよびNoexecute修飾子は、ParallelおよびList_Plan修飾子も指定された場合のみ有効です。

ExecuteまたはNoexecute修飾子をList_PlanおよびParallel修飾子を使用せずに指定すると、RMU Backupで一時バックアップ・リスト・プランが生成および検証されますが、その後バックアップ・リスト・プランが削除され、致命的エラー・メッセージが返されます。

デフォルトでは、バックアップ・プラン・ファイルは、ParallelおよびList_Plan修飾子を指定してRMU Backupコマンドを発行すると、実行されます。

Extend_Quantity=number-blocks

バックアップ・ファイルの拡張サイズ(ブロック)を設定します。number-blocksパラメータの最小値は1で、最大値は65535です。Extend_Quantity修飾子を指定しない場合、ディスク上のバックアップ・ファイルが拡張されるデフォルトのブロック数は、2048ブロックです。

この修飾子は、テープへのバックアップ操作には使用できません。

Group_Size=interval

Nogroup_Size

XORリカバリ・ブロックがテープに書き込まれる頻度を指定します。グループ・サイズは0〜100です。グループ・サイズにゼロを指定した場合、あるいはNogroup_Size修飾子を指定した場合、XORリカバリ・ブロックは書き込まれません。Group_Size修飾子はテープにのみ使用可能で、デフォルト値はデバイスによって異なります。この修飾子が使用され、ターゲット・デバイスがテープ・デバイスでない場合、RMU Backupからエラー・メッセージが返されます。

Include[=storage-area[,...]]

バックアップ・ファイルに含める記憶領域を指定します。RMU BackupコマンドにInclude修飾子もExclude修飾子も指定しない場合、デフォルトでは全体完全バックアップ操作がデータベースに対して行われます。Include=*修飾子はバックアップ・ファイルにすべての記憶領域を含めることを指定しますが、これがデフォルトの動作のため、この指定は不要です。記憶領域名のリストを指定せずにInclude修飾子を指定しても、デフォルトの動作が行われます。

Include修飾子に記憶領域名のリストを指定した場合、Oracle RMUでその記憶領域がバックアップ操作に含められ、その他のすべての記憶領域が除外されます。Include修飾子に複数のデータベース記憶領域を指定する場合、各記憶領域名の間にカンマを置き、名前のリストをカッコで囲みます。

1つのRMU BackupコマンドにExclude=area-listとInclude=area-list修飾子を同時に指定できません。

Include修飾子を使用した場合、Include修飾子で指定しない領域がバックアップ・ファイルから除外されるため、バックアップ操作は領域ごとのバックアップ操作になります。データベースのすべての領域をバックアップしない場合、次のような情報メッセージが表示されます。


%RMU-I-NOTALLARE, Not all areas will be included in this backup file

RMU BackupおよびRMU Restoreコマンドを使用して、データベースの選択した記憶領域をバックアップおよびリストアできます。このOracle RMUの領域ごとのバックアップとリストアの機能では、次のことが可能です。

これらのコマンドを使用して、データベースの選択した領域をバックアップおよびリストアする場合の詳細は、Exclude修飾子の説明を参照してください。

Include修飾子は、間接ファイル参照と組み合せて使用できます。詳細は、第1.3節を参照してください。

Incremental[=By_Area or Complete]

Noincremental

バックアップ操作の範囲が決まります。次の4つのオプションが使用できます。

データベースの全体バックアップ操作の後に行われる、各増分バックアップ操作では、以前のすべての増分バックアップ操作が置き換えられます。

次の2つのメッセージは、より効果的なバックアップ方法の設計を支援するためのものです。これらは領域ごとのサマリー統計の一部として出力され、増分操作で得られるメリットを示します。

これらの見積りはあくまで概算で、その領域のバックアップまたはリストア操作でのディスク入出力(I/O)コストが反映されます。テープI/O、CPUおよびその他のすべてのコストは無視されます。ディスクI/Oコストの計算には、必要なI/O操作の数とI/Oに必要なディスク・ヘッド・シークが含まれます。ディスク・タイプごとに独自の相対コスト(転送速度、待機時間、シーク時間など)があり、I/Oの特定の順序によるコストは、他のプロセスとのディスクの競合によっても影響されます。したがって、概算がそのままクロック時間を表すものではありません。しかし、増分操作の生産性を判断するポイントとしては有用です。

相対コストの変動幅は大きく、1.00より高い場合があります。実際のコストは、バックアップするページの数と場所によって異なります。増分リストア操作は、常に全体リストア操作の後に行われるため、全体リストア操作を計算に入れると、領域のリストアの見積りは、実際はレポートよりも1.00高くなります。リストア操作の概算コストが2.00に近くなった場合は、全体バックアップ操作を行うことをお薦めします。

Journal=file-name

リストア操作時のテープのパフォーマンスの向上に使用するジャーナル・ファイルを指定します。(アフター・イメージ・ジャーナル・ファイルとは混同しないでください。)

バックアップ操作の進行に合せて、RMU Backupでジャーナル・ファイルが作成され、テープ・ドライブ名、テープ・ボリュームとその内容などのバックアップ操作の説明がここに書き込まれます。デフォルトのファイル拡張子は.jnlです。

ジャーナル・ファイルはディスクに書き込む必要があります。バックアップ・ファイルと同じテープには書き込めません。(必要であれば、書込み後にディスク・ファイルをテープにコピーできます。)

このジャーナル・ファイルは、RMU RestoreおよびRMU Dump Backupコマンドとともに使用され、テープの利用状況が最適化されます。

Label=(label-name-list)

バックアップ・ファイルのボリュームのラベルに使用する1〜6文字の文字列を指定します。Label修飾子は、テープ・ボリュームにのみ使用できます。Label修飾子を使用する場合、1つ以上のラベル名を指定する必要があります。

Label(またはAccept_Label)修飾子を指定しない場合、RMU Backupでバックアップ・ファイル名の最初の6文字を使用して、バックアップ操作に使用される最初のテープのラベルが付けられます。後続のラベルのデフォルトは、バックアップ・ファイル名の最初の4文字に順序番号を追加したものです。たとえば、バックアップ・ファイルがmy_backup.rbfの場合、デフォルトのテープ・ラベルは、my_bac、my_b01、my_b02のようになります。

テープを再度使用すると、RMU Backupで現在のテープのラベルと、Label修飾子で指定したラベルが比較されます。既存のラベルと指定したラベルが一致しない場合、(Accept_Labels修飾子も指定した場合以外は)不一致を受け入れるかどうかを尋ねるメッセージが、RMU Backupからオペレータに送られます。

必要に応じて、複数のテープに対するラベルのリストを明示的に指定できます。複数のテープ・ラベル名をリストする場合、名前をカンマで区切り、名前のリストをカッコで囲みます。テープを再利用する場合、RMU Backupで想定されているラベルと各テープのラベルが一致するテープを必ずロードするか、高頻度のオペレータ操作に備えておきます。あるいは、Accept_Label修飾子を指定します。この場合、Label修飾子で指定したラベルが現在のテープのラベルと一致しない場合、指定したラベルが無視され、オペレータの操作は不要です。

必要なラベルより少ない数のラベルを指定した場合、指定した形式に基づいてRMU Backupでラベルが生成されます。たとえば、Label=TAPE01と指定した場合、RMU Backupで後続のテープにTAPE02、TAPE03、〜TAPE99というラベルが付けられます。したがって、多くのボリュームをテープ・ドライブのカートリッジ・スタッカに事前ロードできます。RMU Backupでボリュームのラベルが再度付けられるため、順序は重要ではありません。使用するすべてのテープを特定の順序でマウントする必要がないため、オペレータが介在しないバックアップ操作が成功する可能性が高まります。

バックアップ操作の完了後、リストア操作時に順序がわかるようテープの外部に適切なラベルを付けます。RMU Backupで2番目以降のテープへの暗黙的なラベル処理を許可し、オペレータが介在しないバックアップ操作を行う場合は特に注意してください。書き込まれた順に、ドライブからテープを外します。暗黙的なラベル処理のロジックに従い、ボリュームにラベル(TAPE02、TAPE03など)を付けます。

複数ドライブでの暗黙的なラベル処理を許可してオペレータが介在しないバックアップ操作を行う場合、Journal修飾子を使用することをお薦めします。ジャーナル・ファイルに、各テープ・ドライブに書き込まれたボリューム・ラベルが記録されます。ラベルが書き込まれた順序がジャーナルに保存されます。各テープ・ドライブに書き込まれたボリュームのリストを表示するには、RMU Dump Backupコマンドを使用します。

間接ファイル参照とLabel修飾子を組み合せて使用できます。間接ファイル参照の詳細は、第1.3節を参照してください。様々な状況で適用されるラベルのサマリーは、「使用上の注意」の表1-5を参照してください。

Librarian[=options]

Oracle Media Managementインタフェースをサポートするデータ・アーカイブ・ソフトウェア・アプリケーションにファイルをバックアップするには、Librarian修飾子を使用します。コマンドラインで指定したバックアップ・ファイル名によって、Librarianユーティリティで格納されるデータのストリームが識別されます。デバイスまたはバージョン番号の指定は無視されます。

Librarian修飾子はパラレル・バックアップ操作に使用できます。パラレル・バックアップ操作を行うすべてのノードで、Librarianユーティリティがインストールされ、使用可能になっている必要があります。

Librarian修飾子には、次のオプションを使用できます。

Oracle RMUのバックアップまたはリストア操作を実行する前に、次のOpenVMS論理名を定義して、Librarianユーティリティで使用できるようにする必要があります。これらの論理名の定義には、Librarian修飾子のLogical_Namesオプションを使用しないでください。

次の行は、RMU Backup/Parallel/Librarianコマンドで作成されるバックアップ・プラン・ファイルからのものです。


    Backup File = MF_PERSONNEL.RBF
    Style = Librarian
    Librarian_trace_level = #
    Librarian_logical_names = (-
             logical_name_1=equivalence_value_1, -
             logical_name_2=equivalence_value_2)
    Writer_threads = #

"Style = Librarian"エントリで、バックアップがLibrarianユーティリティに出力されることが指定されます。"Librarian_logical_names"エントリは、論理名とその等価名のリストです。これは、特定のLibrarianユーティリティで使用される論理名を、バックアップまたはリストア操作の開始前にプロセス論理名として定義できるようにするためのオプションのパラメータです。たとえば、一部のLibrarianユーティリティではカタログまたはデバッグを指定する論理名がサポートされます。

ストレージ・メディアの処理はOracle RMUではなくLibrarianユーティリティで行われるため、Rewind、Density、Labelなどのデバイス固有の修飾子とLibrarian修飾子は組み合せて使用できません。

List_Plan=output-file

RMU Backupでパラレル・バックアップ操作用にバックアップ・プラン・ファイルを生成し、指定した出力ファイルに書き込むよう指定します。バックアップ・プラン・ファイルは、RMU Backupコマンドラインで指定できる修飾子を含むテキスト・ファイルです。コマンドラインで指定できない修飾子は、バックアップ・リスト・プラン・ファイルではコメントとして示されます。また、バックアップ・プラン・ファイルでは、ワーカー・エクゼキュータ名と各ワーカー・エクゼキュータに割り当てられているシステム・ノード、記憶領域およびテープ・ドライブが指定されます。

特定の構成に適したテープへのパラレル・バックアップ操作を構築する基礎として、生成されたバックアップ・プラン・ファイルを使用できます。出力ファイルをカスタマイズしてRMU Backup Planコマンドで使用できます。詳細は、第1.12節を参照してください。

Execute修飾子とList_Plan修飾子を組み合せて指定した場合、バックアップ・プラン・ファイルが生成、検証および実行されます。Noexecute修飾子とList_Plan修飾子を組み合せて指定した場合、バックアップ・プラン・ファイルが生成および検証されますが、実行されません。

デフォルトでは、バックアップ・プラン・ファイルは実行されます。

List_Plan修飾子は、Parallel修飾子も指定された場合のみ有効です。

Loader_Synchronization[=Fixed]

テープを事前にロードし、テープの順序を保持することで、オペレータ・サポートの必要性を最小限にします。Loader_Synchronization修飾子を指定して、複数のテープ・ドライブを指定した場合、バックアップ操作で最初のテープ・ボリュームのセットに同時に書き込み、セット内の各テープの終了を待ってから次のテープ・ボリュームのセットを割り当てます。これによって、これらのテープからのリストア操作が必要になった場合に、テープの順序が保持されていることが保証されます。

Loader_Synchronization修飾子とLabel修飾子を組み合せて使用するデメリットの1つは、すべてのテープ・スレッドで同じボリュームのデータがバックアップされるわけではないため、割り当てられたボリュームのデータのバックアップに、次のテープが不要なスレッドもあることです。テープの順序を保持するために、バックアップ・スレッドがアクティブでなくなった段階でテープのロードにオペレータの操作が必要な場合があります。各ドライブで実際に使用するテープの数に関係なく、テープ・ラベルのドライブへの割当てを行うには、キーワードFixedを使用します。

Loader_Synchronization修飾子を使用するとパフォーマンスは低下します。最大限のパフォーマンスを得るには、どのドライブもアイドルのままにせず、アイドルになった最初のドライブに次のボリュームを入れます。ただし、ドライブがアイドルになる順序は多くの制御できない要因で変わり、事前に決められないため、Loader_Synchronization修飾子を指定しない場合は、ドライブでテープを事前にロードできません。(テープのラベルを付けなおさないようにするには、Loader_Synchronization修飾子のかわりにAccept_Label修飾子を使用します。詳細は、Accept_Label修飾子の説明を参照してください。)

Loader_Synchronization修飾子を使用するコストはハードウェア構成とシステム・ロードによって異なるため、コストは予測できません。処理の経過時間として、通常、5%〜20%余計にかかります。オペレータ・サポートの度合が低いという利点がパフォーマンスの低下に見合うかどうかを判断する必要があります。Loader_Synchronization修飾子は、大規模バックアップ操作に最も有用です。

Loader_Synchronization修飾子の使用、この修飾子が予期しない結果につながる場合、およびこの修飾子と他のRMU Backupコマンド修飾子との相互作用の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

多くのテープ・ボリュームを必要とする大規模バックアップ操作では、テープ・ボリュームの物理的なマーキングの管理は困難です。このような場合は、ライブラリまたはアーカイブを使用したテープ・ラベリングの自動管理を検討します。

Lock_Timeout=seconds

オンライン・バックアップ操作時にバックアップ操作で静止ポイント・ロックを待つ最大時間が決まります。Lock_Timeout=seconds修飾子を指定する場合、静止ポイント・ロックを待つ秒数を指定する必要があります。制限時間を過ぎると、エラーが表示され、バックアップ操作が失敗します。

Lock_Timeout=seconds修飾子のデフォルト値は、SET TRANSACTION文で指定された値とCREATEまたはALTER DATABASEで指定された値のうちの小さい方です。ただし、論理名RDM$BIND_LOCK_TIMEOUT_INTERVALが定義されている場合、この論理名の値がCREATEまたはALTER DATABASEで指定した値より優先されます。

Lock_Timeout=seconds修飾子を指定しない場合、オンライン・バックアップ操作時にバックアップ操作で静止ポイント・ロックを無期限に待ちます。

Lock_Timeout=seconds修飾子は、オフライン・バックアップ操作では無視されます。

Log

Log=Brief

Log=Full

Nolog

コマンドの処理をSYS$OUTPUTに出力するかどうかを指定します。リストア操作の進捗をSYS$OUTPUTに出力する場合、Log修飾子を指定します。このレポートを出力しない場合はNolog修飾子を指定します。Log=Briefオプションは、修飾子を指定せずにLogオプションを使用した場合のデフォルトで、これを指定すると、ログに各記憶領域の開始時間および完了時間が含まれます。Log=Fullオプションを指定すると、スレッドの割当てと記憶領域の統計メッセージもログに含まれます。

どちらも指定しなかった場合は、DCL検証スイッチの現在の設定がデフォルトとして使用されます。(DCL SET VERIFYコマンドでDCL検証スイッチを制御します。)

Master

テープ・ドライブをマスター・テープ・ドライブとして指定することで、テープ・ドライブの出力スレッドへの割当てを制御します。これは、テープ・ドライブとともに指定する位置依存修飾子です。Master修飾子を使用する場合、最初のテープ・ドライブの指定に使用する必要があります。Master修飾子を指定した場合、コマンドラインの終了と次のMaster修飾子のいずれかが出現するまで、その他のテープ・ドライブはすべて、そのテープ・ドライブのスレーブになります。

Master修飾子を(Loader_Synchronization修飾子を指定せずに)テープ・ドライブのセットに指定した場合、テープ・ドライブの各マスター/スレーブ・セットは他のマスター/スレーブ・セットとは無関係に処理されます。物理的にはマスター・テープ・ドライブではないテープ・ドライブにMaster修飾子を使用した場合、バックアップ操作の出力パフォーマンスが低下します。

Master修飾子の動作の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

Media_Loader

Nomedia_Loader

バックアップ・ファイルが出力されるテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることを指定するには、Media_Loader修飾子を使用します。テープ・デバイスにローダーまたはスタッカがないことを指定するには、Nomedia_Loader修飾子を使用します。

デフォルトでは、テープ・デバイスにローダーまたはスタッカがある場合、RMU Backupでこれが認識されます。ただし、RMU Backupでテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることが認識されない場合があります。その結果、最初のバックアップ・テープが一杯になると、RMU Backupでローダーまたはスタッカに次のテープを要求するかわりに、オペレータに次のテープが要求されます。同様に、実際にはテープ・デバイスにローダーもスタッカもない場合に、ローダーまたはスタッカがあるようにRMU Backupが動作する場合もあります。

RMU Backupでテープ・デバイスにローダーまたはスタッカがあることが認識されていない場合、Media_Loader修飾子を指定します。RMU Backupで実際にはないローダーまたはスタッカを待っている場合、Nomedia_Loader修飾子を指定します。

No_Read_Only

データベースをバックアップする際、データベースの読取り専用記憶領域をバックアップしないことを指定します。

No_Read_Only修飾子を指定しない場合、Exclude修飾子で指定されない読取り専用記憶領域はバックアップ・ファイルに含まれます。No_Read_Only修飾子を使用すると、Exclude修飾子に読取り専用記憶領域名の長いリストを指定することなく、多くの読取り専用記憶領域を持つデータベースをバックアップできます。

No_Read_Only修飾子を指定した場合、Include修飾子で明示的に指定した場合でも、読取り専用記憶領域はバックアップされません。

Read_Only修飾子はありません。

Record

Norecord

Record修飾子はデフォルトで設定されます。Norecord修飾子を使用すると、データベースは最新のバックアップ情報で変更されません。したがって、この時点ではデータベースはバックアップされていないように見えます。

この修飾子の主な用途は、データベース・ファイルを変更せずにホット・スタンバイ・データベースをバックアップすることです。

Norecord修飾子は、Record修飾子の指定によって無効にできます。

Online

Noonline

コマンドが入力された時点で実行されているアクティブ・トランザクションを割込みなしで続ける(Noquiet_Point修飾子も指定されている場合以外)には、Online修飾子を指定します。

オンライン・バックアップ操作中に開始した後続のトランザクションは、バックアップ中のデータベース、表または索引構造への排他アクセスがトランザクションで必要ないかぎり、許可されます。

オンライン・データベース・バックアップ操作を行うには、スナップショット(即時または遅延)が有効である必要があります。Online修飾子は、IncrementalまたはNoincremental修飾子と組み合せて使用できます。

デフォルトのNoonline修飾子を使用した場合、ユーザーはデータベースにアタッチできません。ユーザーがデータベースを呼び出し、Noonline修飾子を指定して(あるいはOnline修飾子を指定せずに)RMU Backupコマンドが入力された場合、Oracle RMUエラーが起こります。次に例を示します。


%RMU-I-FILACCERR, error opening database root file DB_DISK:MF_PERSONNEL.RDB;1
-SYSTEM-W-ACCONFLICT, file access conflict

オフライン・バックアップ・プロセス(Noonline修飾子で指定)ではデータベースに排他的にアクセスするため、これが機能するためにスナップショット(.snp)ファイルを必要としません。スナップショット・ファイルは、Noonline修飾子を使用すると、無効になります。

大規模データベースのオフライン・バックアップ操作を行う場合は、(RMU Closeコマンドを使用して)データベースを閉じることをお薦めします。データベースがSQL OPEN IS MANUAL文で開かれている場合、RMU Closeコマンドを使用しないと、RMU Backupコマンドが失敗します。データベースがSQL OPEN IS AUTOMATIC文で開かれている場合、アクティビティ・レベルが高い(つまり、データベースがオフラインになる前にユーザーがデータベースにアクセスする)と、RMU Backupコマンドが失敗する場合があります。RMU Closeコマンドを発行すると、ユーザーがデータベースから強制排除され、RMU Backupコマンドを開始できます。ただし、RMU Closeコマンドの発行は推奨されますが、この場合、必須ではありません。

Owner_Uic=user-id

Owner修飾子と同義です。Owner修飾子の説明を参照してください。

Owner=user-id

テープ・ボリューム・セットの所有者を指定します。所有者は、データベースのリストアが許可されるユーザーです。user-idパラメータは、次のいずれかのタイプの識別子です。

Owner修飾子は、ディスクへのバックアップ操作には使用できません。テープに使用した場合、Owner修飾子は連続ボリュームのすべてに適用されます。Rewind修飾子も指定された場合にのみ、Owner修飾子は最初のボリュームに適用されます。

Rewind修飾子が指定されない場合、以前にラベルが付けられたテープにバックアップ操作でファイルが追加されるため、最初のボリュームの保護が後続ボリュームの保護と異なる場合があります。

テープのラベル処理の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

Page_Buffers=number-buffers

各記憶領域スレッドに割り当てるディスク・バッファの数を指定します。

範囲は2〜5で、デフォルトは2です。

値が高くなるにつれ、増分バックアップ操作での変更されたページのスキャンの速度は速くなりますが、メモリー使用のコストと必要なワーキング・セットが大きくなります。

Parallel=(Executor_Count=n[,options])

パラレル・バックアップ操作を行うよう指定します。パラレル修飾子を指定してRMU Backupコマンドを発行すると、RMU Backupでプラン・ファイルが生成されます。このプラン・ファイルには、バックアップ操作の実行方法が記載されています。Noexecute修飾子を指定した場合、プラン・ファイルは生成されますが、実行されません。Execute修飾子を指定した場合(またはデフォルトを受け入れた場合)、RMU Backupでプラン・ファイルが生成された後すぐに実行されます。

Executor_Countでは、パラレル・バックアップ操作に使用するワーカー・エクゼキュータの数を指定します。ワーカー・エクゼキュータの数は、使用するテープ・ドライブの数以下である必要があります。Executor_Count=1を指定した場合、プラン・ファイルとdbserverプロセスの作成などのパラレル・バックアップの処理方法を使用して非パラレル・バックアップ操作が行われます。

次のオプションのいずれか、またはすべてを指定することも、まったく指定しないこともできます。

パラレル・バックアップ操作を行うには、SQL/Servicesがシステムにインストールされている必要があります。RMU Backupでは、SQL/ServicesへのアクセスにDECnetがデフォルトで使用されます。DECnetが使用可能でない場合、TCP/IPが使用されます。SQL_NETWORK_TRANSPORT_TYPE構成パラメータを使用して、RMU BackupでTCP/IPを先に試行するようデフォルトの動作を設定できます。SQL_NETWORK_TRANSPORT_TYPE構成パラメータの設定の詳細は、Oracle Rdbのインストレーションおよび構成ガイドを参照してください。

パラレル・バックアップ操作時、すべてのテープ・リクエストがオペレータに送信され、Backupコマンドを発行したユーザーにはテープ・リクエストが送信されないことに注意してください。したがって、RMU Backupコマンドを発行する前に、オペレータが使用するターミナルからDCL REPLY/ENABLE=TAPESコマンドを発行する必要があります。

Prompt=Automatic

Prompt=Operator

Prompt=Client

サーバー・プロンプトの送信先を指定します。Prompt=Automaticを指定した場合、プロンプトは標準入力デバイスに送信されます。Prompt=Operatorを指定した場合、プロンプトはサーバー・コンソールに送信されます。Prompt=Clientを指定した場合、プロンプトはクライアント・システムに送信されます。

Protection[=file-protection]

RMU Backupコマンドで生成されるバックアップ・ファイルのシステム・ファイル保護を指定します。

デフォルトのファイル保護は、ファイルをディスクにバックアップするか、テープにバックアップするかによって異なります。これは、テープでは削除または実行アクセスは許可されず、SYSTEMアカウントは常にテープに対する読取りおよび書込みアクセスを持つためです。また、制限の強いクラスには、制限の弱いクラスのアクセス権が集積されます。

Protection修飾子を指定しない場合、デフォルトの保護は次のとおりです。

Protection修飾子を明示的に指定した場合、テープまたはディスクへのバックアップに適用される保護の前述の違いが適用されます。つまり、Protection=(S,O,G:W,W:R)と指定した場合、テープの保護は(S:RW,O:RW,G:RW,W:R)になります。

Quiet_Point

Noquiet_Point

データベース・バックアップ操作をすぐに行うか、データベース・アクティビティの静止ポイントが生じたときに行うかを指定できます。静止ポイントとは、データベースでアクティブな更新トランザクションが進行していない時点のことです。したがって、この修飾子はOnline修飾子と組み合せて使用されます。

Noquiet_Point修飾子を指定した場合、RMU Backupでは、データベースで更新トランザクション・アクティビティが進行中かどうかに関係なく、RMU Backupコマンドの発行後すぐにバックアップ操作が行われます。RMU Backupですべての物理および論理領域に対する同時読取りロックを得る必要があるため、記憶領域を排他的にロックするアクティブ・トランザクションがある場合、バックアップ操作は失敗します。ただし、RMU Backupですべての記憶領域に対する同時読取りロックを正常に取得した場合、ロックの競合は起こりません。バックアップの処理中にOracle Rdbで排他ロックが必要なトランザクションが開始された場合、そのトランザクションは待機するか、ロックの競合エラーを受け取りますが、RMU Backupコマンドは影響を受けずに続けられます。

Quiet_PointおよびNoquiet_Point修飾子の推奨については、「使用上の注意」を参照してください。

デフォルトはQuiet_Point修飾子です。

Reader_Thread_Ratio=integer

この修飾子は推奨されません。/Threads修飾子をかわりに使用してください。

Restore_Options=file-name

RMU RestoreコマンドのOptions修飾子で使用できるオプション・ファイルを生成します。全体バックアップ操作を指定した場合、すべての記憶領域がオプション・ファイルに示されます。領域ごとのバックアップ操作を指定した場合、バックアップに含まれる領域のみがオプション・ファイルに示されます。

Restore_Optionsファイルは、バックアップ操作の最後に作成されます。

デフォルトでは、Restore_Optionsファイルは作成されません。Restore_Options修飾子とファイルを指定して、ファイル拡張子を指定しないと、RMU Backupで.opt拡張子がデフォルトで使用されます。

Rewind

Norewind

バックアップ・ファイルを含める磁気テープを処理の開始前に巻き戻すよう指定します。テープは、LabelおよびDensity修飾子に従って初期化されます。Norewind修飾子がデフォルトで、バックアップ・ファイルは現在の論理EOT(テープの終端)から作成されます。

RewindおよびNorewindは、テープ・デバイスにのみ使用できます。この修飾子が使用され、ターゲット・デバイスがテープ・デバイスでない場合、RMU Backupからエラー・メッセージが返されます。

Scan_Optimization

Noscan_Optimization

増分バックアップ操作時に、RMU Backupでスキャン最適化を行うかどうかを指定します。

デフォルトでは、最終全体バックアップ操作以降に更新されたデータベースの領域がRMU Backupでスキャンされ、増分バックアップ操作が最適化されます。これらの領域のIDがデータベースに格納されています。増分バックアップ操作時には、これらの領域のみが更新された領域としてスキャンされます。データベース・アクティビティが十分に低い場合、これによってパフォーマンスが大幅に向上します。

ただし、この情報をデータベースに記録するというコストも発生します。状況によっては(増分バックアップを使用する予定がない場合は特に)、コストが高すぎる場合があります。

Scan_Optimization修飾子には、バックアップ操作に応じた異なる効果があります。概説すると、全体オフライン・バックアップ・コマンドの発行時のみ、スキャン最適化設定を有効または無効にできます。また、増分バックアップ・コマンドの発行時のみ、スキャン最適化によって生成されたデータを使用するかどうかを指定できます。次に、この動作の詳細を説明します。

Tape_Expiration=date-time

バックアップ(.rbf)ファイルの有効期日を指定します。RMU Backupでテープを読む際、テープの最初のファイルのファイル・ヘッダーにある有効期日が確認され、ファイル・ヘッダーにある日付がテープ全体の有効期日とみなされます。したがって、.rbfファイルをテープにバックアップする場合、.rbfがテープの最初のファイルのときのみ、Tape_Expiration修飾子の指定は有効です。Rewind修飾子を指定してテープの既存のファイルを上書きすることで、.rbfファイルが必ずテープの最初のファイルになるようにできます。

テープの最初のファイルのファイル・ヘッダーに有効期日が含まれていると、OpenVMSのSYSPRVまたはBYPASS権限を持っている場合以外は、有効期日前にテープを上書きできません。

同様に、テープから.rbfファイルをリストアする際、OpenVMSのSYSPRVまたはBYPASS権限を持っている場合以外、テープの最初のファイルに記録されている有効期日後にリストア操作を行えません。

デフォルトでは、有効期日は.rbfファイルのヘッダーに書き込まれません。この場合、.rbfファイルがテープの最初のファイルであると、テープがただちに上書きされます。.rbfファイルがテープの最初のファイルでない場合、テープを上書きできるかどうかは、テープの最初のファイルのファイル・ヘッダーにある有効期日によって決まります。

テープのボリューム全体の有効期日を明示的に設定することはできません。ボリュームの有効期日は、常に、テープの最初のファイルの有効期日で決まります。

Tape_Expiration修飾子は、ディスクへのバックアップ・ファイルの書込みには使用できません。

テープのラベル処理の詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。

Threads=number

バックアップ・プロセスで使用される読取りスレッドの数を指定します。

RMUでは、1つの特定の記憶領域からデータを読み取る、内部実行スレッドと呼ばれるスレッドが作成されます。RMUイメージを実行するプロセス内で、スレッドが準パラレルで実行されます。各スレッドでI/Oロードが生じ、仮想アドレス空間およびプロセス割当て制限(FILLM、BYTLMなど)などのリソースが消費されます。スレッドが多いほど、ある時点で生成されるI/Oと、同じタスクの完了に必要なリソースが増えます。

スレッドが多いほど、パラレル・アクティビティでディスク・ドライブを使用し続けるため、パフォーマンスが向上します。ただし、スレッドが特定の数に達した時点で、ディスクI/Oサブシステムが飽和状態になり、ディスク・ドライブのI/Oキューが増すため、パフォーマンスが低下します。また、スレッド・スケジューリングのオーバーヘッドによる余分なCPU時間によっても、全体のパフォーマンスが低下します。ディスクI/Oサブシステムを最適な状態で稼働させるには、通常、入力ディスク・ドライブごとに2〜5のスレッドで十分です。ただし、RAIDセットや追加のキャッシュ・メモリーを持つディスク・コントローラなどのように、多くのスレッドのI/Oロードを処理できるコントローラもあります。

バックアップ操作では、出力ストリームごとに1つのライター・スレッドが作成されます。出力ストリームは、テープ・ドライブ、ディスク・ファイルまたはメディア・ライブラリ管理ストリームのいずれかです。また、RMUで多くの読取りスレッドが作成され、その数は指定できます。RMUで読取りスレッドのサブセットがライター・スレッドに割り当てられます。各出力ストリームにほぼ同量のデータが割り当てられるようRMUで割当てが計算されます。デフォルトでは、ライター・スレッドごとに5つの読取りスレッドが作成されます。ユーザーがスレッドの数を指定した場合、読取りスレッド・プールの作成にこの数が使用されます。RMUでは、読取りスレッドの数は常に記憶領域の数に制限されます。スレッド数を0にすると、RMUで記憶領域ごとに1つのスレッドが作成され、すべてのスレッドのパラレルでの実行が即座に開始されます。これはパフォーマンスの向上によい方法に見えますが、多く(>10)の記憶領域を持つデータベースのパフォーマンスは低下します。非常に多く(>800)の記憶領域の場合、仮想アドレス空間などのシステム・リソースのハード・リミットにより、失敗します。

バックアップ操作に指定できる最小スレッド数は、出力ストリームの数です。これによって、ライター・スレッドごとに最低1つの読取りスレッドが必ず割り当てられ、空の保存セットは生成されません。出力ストリームと同数のスレッドを使用すると、ワーキング・セットの使用とディスクI/Oロードの点では最小のシステム・ロードになります。ディスクI/Oサブシステムは、より高いI/Oロードを処理できる可能性があります。出力ストリームの数より少し大きい値を使用(1つのライター・スレッドに1より大きい数の読取りスレッドを割り当てる、など)すると、通常、実行時間が短くなります。


使用上の注意

表1-5 バックアップ操作時のテープ・ラベルの再処理方法
指定される修飾子 現在のラベル 結果のラベル オペレータ通知

LabelもAccept_Labelも指定しない
mf_per
mf_p05
mf_p06
mf_p02
mf_p03
mf_per
mf_p05
mf_p06
mf_p02
mf_p03

なし
 

LabelもAccept_Labelも指定しない
aaaa
ラベルなし
bbbb
dddd
cccc
mf_per
mf_p02
mf_p03
mf_p04
mf_p05

2番目以外のすべてのテープ
 

Label=back
aaaa
ラベルなし
bbbb
dddd
cccc
back
back02
back03
back04
back05

2番目以外のすべてのテープ
 

Label=(back01, back02)
aaaa
ラベルなし
bbbb
dddd
cccc
back01
back02
back03
back04
back05

2番目以外のすべてのテープ
 

Accept_Label
aaaa
ラベルなし
bbbb
dddd
cccc
aaaa
mf_p02
bbbb
dddd
cccc

なし
 
Accept_Label、Label=back
aaaa
ラベルなし
bbbb
dddd
cccc
aaaa
back02
bbbb
dddd
cccc

なし


例1

次のコマンドでは、mf_personnelデータベースの全体バックアップが行われ、セッションのログが表示されます。


$ RMU/BACKUP MF_PERSONNEL -
_$ DISK2[USER1]MF_PERS_FULL_BU.RBF /LOG

例2

増分バックアップを行うには、Incremental修飾子を含めます。月曜日の夜遅くに全体バックアップを行ったとします。次のコマンドでは、データベースの翌日分の更新が増分バックアップ操作されます。


$ RMU/BACKUP/INCREMENTAL MF_PERSONNEL.RDB -
_$ $222$DUA20:[BCK]TUESDAY_PERS_BKUP/LOG

例3

データベースをバックアップする際、アクティブ・ユーザーがいる場合は、Online修飾子を指定します。


$ RMU/BACKUP/ONLINE MF_PERSONNEL.RDB -
_$ $222$DUA20:[BACKUPS]PERS_BU.RBF /LOG

例4

次のRMU Backupコマンドでは、mf_personnelデータベースのバックアップ・ファイルに、EMPIDS_LOWおよびEMPIDS_MID記憶領域のみが含まれます。mf_personnelの他の記憶領域は、バックアップ・ファイルに含まれません。


$ RMU/BACKUP/INCLUDE=(EMPIDS_LOW,EMPIDS_MID) -
_$ MF_PERSONNEL.RDB $222$DUA20:[BACKUPS]MF_PERS_BU.RBF

例5

次のコマンドでは、mf_personnelデータベースがバックアップされますが、データベースのルート・ファイルACLはバックアップされません。


$ RMU/BACKUP/NOACL MF_PERSONNEL MF_PERS_NOACL

例6

次のコマンドでは、データベースの静止ポイントを待たずにmf_personnelデータベースがバックアップされます。


$ RMU/BACKUP/NOQUIET_POINT MF_PERSONNEL MF_PERS_NQP

例7

次のコマンドでは、ジャーナル・ファイルpers_journal.jnlおよびバックアップ・ファイルpers_backup.rbfが作成されます。


$ RMU/BACKUP/JOURNAL=PERS_JOURNAL MF_PERSONNEL PERS_BACKUP

例8

次の例では、mf_personnelデータベースの読取り専用記憶領域以外のすべての記憶領域がバックアップされます。


$ RMU/BACKUP/NO_READ_ONLY MF_PERSONNEL MF_PERSONNEL_BU

例9

次の例では、大規模バックアップ操作に複数のテープ・ドライブを使用するものとします。Loader_Synchronization修飾子を指定するため、各テープが一杯になった際にテープをロードするようコマンドから要求されません。かわりに、ローダーまたはスタッカにテープをロードできます。RMU Backupでは、1セットのテープ・ボリュームのすべての並行テープ処理の終了を待ってから、次のテープ・ボリュームのセットを割り当てます。

この例では、次のようにします。

  1. データベースを検証します。

  2. 各テープ・ドライブを割り当てます。

  3. $111$MUA0:ドライブにテープBACK01およびBACK05を手動でかけます。

  4. $222$MUA1:ドライブにテープBACK02およびBACK06を手動でかけます。

  5. $333$MUA2:ドライブにテープBACK03およびBACK07を手動でかけます。

  6. $444$MUA3:ドライブにテープBACK04およびBACK08を手動でかけます。

  7. 最初のボリュームをマウントします。

  8. バックアップ操作を行います。

  9. マウントされている最後のテープをディスマウントします。(この例では、$444$MUA3:ドライブにあるとします。)

  10. 各テープ・ドライブの割当てを解除します。


$ RMU/VERIFY DB_DISK:[DATABASE]MF_PERSONNEL.RDB
$
$ ALLOCATE $111$MUA0:
$ ALLOCATE $222$MUA1:
$ ALLOCATE $333$MUA2:
$ ALLOCATE $444$MUA3:
$
$ MOUNT/FOREIGN $111$MUA0:
$
$ RMU/BACKUP /LOG/REWIND/LOADER_SYNCHRONIZATION              -
_$ /LABEL=(BACK01, BACK02, BACK03, BACK04, BACK05,           -
_$ BACK06, BACK07, BACK08)                                   -
_$ DB_DISK:[MFPERS]MF_PERSONNEL.RDB                          -
_$ $111$MUA0:PERS_FULL_MAR30.RBF/Master, $222$MUA1:          -
_$ $333$MUA1:/MASTER, $444$MUA3
$
$ DISMOUNT $444$MUA3:
$
$ DEALLOCATE $111$MUA0:
$ DEALLOCATE $222$MUA1:
$ DEALLOCATE $333$MUA2:
$ DEALLOCATE $444$MUA4:

例10

次の例では、パラレル・バックアップ・プラン・ファイルが生成されますが、実行されません。最終成果はバックアップ・プラン・ファイルです。プラン・ファイルの説明は、次の例を参照してください。


$ RMU/BACKUP/PARALLEL=(EXEC=4, NODE=(NODE1, NODE2)) -
_$ /LIST_PLAN=(PARTIAL.PLAN)/NOEXECUTE/INCLUDE=(RDB$SYSTEM, EMPIDS_LOW, -
_$ EMPIDS_MID, EMPIDS_OVER, SALARY_HISTORY, EMP_INFO) -
_$ /LABEL=(001, 002, 003, 004, 005, 006, 007, 008, 009) -
_$ /CHECKSUM_VERIFICATION -
_$ MF_PERSONNEL TAPE1:MF_PARTIAL.RBF, TAPE2:, TAPE3:, TAPE4:

例11

次に、前述の例で作成されたプラン・ファイルPARTIAL.PLANの内容を示します。次のコールアウトは、この表示に対応しています。

  1. Plan Parametersには、RMU BACKUPコマンドラインで指定したすべてのパラメータと、すべての指定可能なコマンド修飾子が含まれています。

  2. コマンドラインで指定していないコマンド修飾子は、プラン・ファイルではコメントとして示されています。こうしておくと、今後プラン・ファイルを使用する際に、編集や調整がしやすくなります。

  3. コマンドラインで明示的に指定したコマンド修飾子は、指定したとおりにプラン・ファイルに示されています。

  4. Executor parametersは、バックアップ操作に関与したエグゼキュータごとにリストされています。


! Plan created on 28-JUN-1996 by RMU/BACKUP.

Plan Name = PARTIAL
Plan Type = BACKUP

Plan Parameters: (1)
    Database Root File = DISK1:[DB]MF_PERSONNEL;1
    Backup File = PARTIAL.RBF
    ! Journal = specification for journal file (2)
    ! Tape_Expiration = dd-mmm-yyyy
    ! Active_IO = number of buffers for each tape
    ! Protection = file system protection for backup file
    ! Block_Size = bytes per tape block
    ! Density = tape density
    ![No]Group_Size = number of blocks between XOR blocks
    ! Lock_Timeout = number of second to wait for locks
    ! Owner = identifier of owner of the backup file
    !Page_Buffers = number of buffers to use for each storage area
    Checksum_Verification (3)
    CRC = AUTODIN_II
    NoIncremental
    ! Accept_labels preserves all tape labels
    Log
    ! Loader_synchronization labels tapes in order across drives
    ! Media_loader forces support of a tape media loader
    NoOnline
    Quiet_Point
    NoRewind
    Statistics
    ACL
    ![No]Scan_Optimization
    Labels = (-
             001          -
             002          -
             003          -
             004          -
             005          -
             006          -
             007          -
             008          -
             009         )
End Plan Parameters
Executor Parameters :
    Executor Name = COORDINATOR
    Executor Type = Coordinator
End Executor Parameters
Executor Parameters : (4)
    Executor Name = WORKER_001
    Executor Type = Worker
    Executor Node = NODE1
    Start Storage Area List
        EMPIDS_LOW,
        SALARY_HISTORY
    End Storage Area List
    Tape Drive List
        Tape Drive = TAPE1:
        MASTER
    End Tape Drive List
End Executor Parameters
Executor Parameters :
    Executor Name = WORKER_002
    Executor Type = Worker
    Executor Node = NODE2
    Start Storage Area List
        EMPIDS_MID,
        RDB$SYSTEM
    End Storage Area List
    Tape Drive List
        Tape Drive = TAPE2:
        MASTER
    End Tape Drive List
End Executor Parameters
Executor Parameters :
    Executor Name = WORKER_003
    Executor Type = Worker
    Executor Node = NODE1
    Start Storage Area List
        EMPIDS_OVER
    End Storage Area List
    Tape Drive List
        Tape Drive = TAPE3
        MASTER
    End Tape Drive List
End Executor Parameters
Executor Parameters :
    Executor Name = WORKER_004
    Executor Type = Worker
    Executor Node = NODE2
    Start Storage Area List
        EMP_INFO
    End Storage Area List
    Tape Drive List
        Tape Drive = TAPE4
        MASTER
    End Tape Drive List
End Executor Parameters

例12

次の例では、Restore_Options修飾子の使用方法を示します。最初のコマンドでは、mf_personnelデータベースの選択した領域がバックアップされ、オプション・ファイルが作成されます。2番目のコマンドでは、オプション・ファイルの内容が示されます。最後のコマンドでは、RMU Restoreコマンドでのオプション・ファイルの使用方法を示します。


$ RMU/BACKUP MF_PERSONNEL.RDB MF_EMPIDS.RBF/INCLUDE=(EMPIDS_LOW, -
_$ EMPIDS_MID, EMPIDS_OVER) /RESTORE_OPTIONS=MF_EMPIDS.OPT
%RMU-I-NOTALLARE, Not all areas will be included in this backup file
$ !
$ !
$ TYPE MF_EMPIDS.OPT
!  Options file for database USER1:[MFDB]MF_PERSONNEL.RDB;1
!  Created 18-JUL-1995 10:31:08.82
!  Created by BACKUP command

EMPIDS_LOW -
        /file=USER2:[STOA]EMPIDS_LOW.RDA;1 -
        /blocks_per_page=2 -
        /extension=ENABLED -
        /read_write -
        /spams -
        /thresholds=(70,85,95) -
        /snapshot=(allocation=100, -
                   file=USER2:[SNP]EMPIDS_LOW.SNP;1)

EMPIDS_MID -
        /file=USER3:[STOA]EMPIDS_MID.RDA;1 -
        /blocks_per_page=2 -
        /extension=ENABLED -
        /read_write -
        /spams -
        /thresholds=(70,85,95) -
        /snapshot=(allocation=100, -
                   file=USER3:[SNP]EMPIDS_MID.SNP;1)

EMPIDS_OVER -
        /file=USER4:[STOA]EMPIDS_OVER.RDA;1 -
        /blocks_per_page=2 -
        /extension=ENABLED -
        /read_write -
        /spams -
        /thresholds=(70,85,95) -
        /snapshot=(allocation=100, -
                   file=USER4:[SNP]EMPIDS_OVER.SNP;1)
$ !
$ !
$ !
$ RMU/RESTORE MF_EMPIDS.RBF /AREA/OPTIONS=MF_EMPIDS.OPT

例13

次の例では、圧縮と密度の値を使用します。


$RMU/BACKUP/DENSITY=(TK89,COMPACTION)/REWIND/LABEL=(LABEL1,LABEL2)  -
_$ MF_PERSONNEL TAPE1:MFP.BCK, TAPE2:

例14

次の例では、マルチディスク・バックアップ操作を行う方法を示します。


$ RMU/BACKUP/DISK MF_PERSONNEL DEVICE1:[DIRECTORY1]MFP.RBF, -
_$ DEVICE2:[DIRECTORY2]
.
.
.
%RMU-I-COMPLETED, BACKUP operation completed at  1-MAY-2001 17:40:53.81

例15

次の例では、Librarian修飾子とプラン・ファイルを組み合せた使用方法を示します。


$RMU/BACKUP/PARALLEL=EXECUTOR=3/LIBRARIAN=WRITER_THREADS=3 -
_$ /LIST_PLAN=FILENAME.PLAN/NOEXECUTE/LOG DATABASE FILENAM.RBF
$RMU/BACKUP/PLAN FILENAME.PLAN
$RMU/RESTORE/LIBRARIAN=(READER_THREADS=9)/LOG FILENAME.RBF

最初のバックアップ・コマンドでは、パラレル・バックアップのプラン・ファイルが作成されますが、実行されません。2番目のバックアップ・コマンドでは、プラン・ファイルを使用してパラレル・バックアップが実行されます。3つのワーカー・プロセスが使用され、Librarian修飾子で指定した3つのライター・スレッドが各プロセスで使用されます。各プロセスの各ライター・スレッドで1つのバックアップ・ストリームがLibrarianユーティリティに書き込まれ、合計9つのストリームが書き込まれます。

例16

この例では、Compression修飾子ZLIBの使用方法を示します。


$ RMU /BACKUP /COMPRESS=ZLIB:9 /LOG=FULL FOO BCK
    .
    .
    .
BACKUP summary statistics:
        Data compressed by 53% (9791 KB in/4650 KB out)

例17

次の例では、Norecord修飾子の使用方法を示します。これは、ホット・スタンバイ・データベースに使用され、データベース・ファイルが変更されません。


$ RMU /BACKUP /NORECORD FOO BCK