クラスタ環境では、RMU Show Locksコマンドは、現在のノードの詳しいロック情報を表示します。認識しているリモート・ロックの情報を表示することもあります。RMU Show Locksコマンドは、特定のノードにあるすべてのアクティブなデータベースに関するプロセス・ロックの情報を表示します。ロックをリクエストしているプロセスの状態は、owning(所有)、blocking(ブロック)またはwaiting(待機)の3つのいずれかです。プロセスの状態がowing(所有)とみなされるのは、ロック・リクエストが許可されたときです。プロセスの状態がblocking(ブロック)とみなされるのは、ロック・リクエストが許可されているが、そのモードが他の待機ロックと互換性がないときです。プロセスの状態がwaiting(待機)とみなされるのは、プロセスがリクエストしたモードと互換性のないモードのロックが他に許可されて存在するために、ロックの許可が妨げられているときです。
複数のデータベースが開いているシステムでは、出力の容量のため、および特定のロックが参照するデータベースの判別が難しいために、RMU/SHOW LOCKSコマンドの使用が困難な場合があります。RMU/SHOW LOCKSコマンドに、ルート・ファイル指定を付けると、ロックの表示をフィルタ処理して特定のデータベースに限定することができます。場合によっては、RMU/SHOW LOCKSコマンドが表示の前にロックをフィルタ処理できないことがあるので注意してください。データベースのLOCK PARTITIONING IS ENABLED機能を使用するときは、ルート・ファイル指定付きのRMU/SHOW LOCKSコマンドで、領域、ページおよびレコードのロックを指定のデータベースに関連付けることができません。データベース・ロックはこれらのロック・タイプのロック・ツリー・ルートではないためです。
Mode修飾子の値のBlockingとWaitingを、ProcessおよびLock修飾子と組み合せて、次のどのタイプの情報を表示するかを指定します。
- Blockingオプションを指定すると、他のプロセスのロックをブロックしているロックを保持するプロセスの情報が表示されます。
- Waitingオプションを指定すると、他のプロセスのロックを待機しているロックを保持するプロセスの情報が表示されます。
- Process修飾子を指定すると、指定したプロセス・リストの情報が表示されます。
- Lock修飾子を指定すると、指定したロック・リストの情報が表示されます。修飾子を指定しないと、OpenVMSロック・データベースのすべてのアクティブなロックのリストが表示されます。
修飾子を単独または組合せで使用して、必要な出力を表示します。指定できる修飾子の組合せと生成される出力のタイプは、「表1-16」を参照してください。修飾子を指定しないと、すべてのロックのリストが表示されます。このレポートの情報量は非常に多くなることがあります。このため、出力をSYS$OUTPUTに表示するのではなく、Output修飾子を使用してファイルに出力するように指定します。各出力に含まれる見出しには、その出力の生成に使用された修飾子(指定した場合)が示されます。
表1-16 ロックの修飾子の組合せ オブジェクト Modeの引数 Optionsの引数 出力 プロセス 指定したプロセスのロック プロセス Blocking 指定したプロセスをブロックしているプロセス プロセス Waiting 指定したプロセスを待機しているプロセス プロセス All 指定したプロセスのプロセス・ロック プロセス Full 指定したプロセスの特別なプロセス・ロック プロセス Blocking, Waiting 指定したプロセスをブロックしているプロセスと待機しているプロセス プロセス Blocking Full 指定したプロセスをブロックしている特別なプロセス・ロック プロセス Waiting Full 指定したプロセスを待機している特別なプロセス・ロック プロセス Blocking, Waiting Full 指定したプロセスをブロックしている特別なプロセス・ロックと待機している特別なプロセス・ロック プロセス All, Full 指定したプロセスのプロセスと特別なプロセス・ロック ロック 指定したロックのロック ロック Blocking 指定したロックをブロックしているプロセス ロック Waiting 指定したロックを待機しているプロセス ロック Full 指定したロックの特別なプロセス・ロック ロック Blocking Full 指定したロックをブロックしている特別なプロセス・ロック ロック Waiting Full 指定したロックを待機している特別なプロセス・ロック ロック Blocking, Waiting 指定したロックをブロックしているプロセスと待機しているプロセス ロック Blocking, Waiting Full 指定したロックをブロックしている特別なプロセス・ロックと待機している特別なプロセス・ロック Blocking ブロックされているロック・リクエスト Waiting 待機しているロック・リクエスト Blocking, Waiting ブロックしているロック・リクエストと待機しているロック・リクエスト プロセス
ロック指定したプロセスとロックのロック プロセス
ロックBlocking 指定したプロセスとロックをブロックしているプロセス プロセス
ロックWaiting 指定したプロセスとロックを待機しているプロセス プロセス
ロックBlocking, Waiting 指定したプロセスとロックをブロックしているプロセスと待機しているプロセス プロセス
ロックBlocking Full 指定したプロセスとロックをブロックしている特別なプロセス・ロック プロセス
ロックWaiting Full 指定したプロセスとロックを待機している特別なプロセス・ロック プロセス
ロックAll 指定したプロセスとロックのプロセス・ロック プロセス
ロックFull 指定したプロセスとロックの特別なプロセス・ロック プロセス
ロックBlocking Full 指定したプロセスとロックをブロックしている特別なプロセス・ロック プロセス
ロックAll, Full 指定したプロセスとロックの、プロセスと特別なプロセス・ロック
表示できるのは、アクセスする権限のあるプロセスのみです。また、特別なデータベース・プロセスの中には、すべてのプロセスを表示するように特に指定しないかぎり表示されないものがあります。レポートの見出しに、出力の生成に使用された修飾子が示されます。
root-file-spec
ロックの表示をフィルタ処理するデータベースのルート・ファイル指定。オプションのパラメータです。
Lock=lock-list
指定した各ロックの情報を表示します。Lock修飾子をMode=Blocking修飾子と組み合せると、指定したロックをブロックしているロックを保持するプロセスの情報が表示されます。Lock修飾子をMode=Waiting修飾子と組み合せると、指定したロックを待機しているロック・リクエストを保持するプロセスの情報が表示されます。1つ以上のロックを指定できます。複数のロックを指定する場合は、カンマで区切ってカッコで囲む必要があります。ロック識別子は8桁の16進数です。これは、RMU Show Locksコマンドを発行するノードに対してローカルであることが必要です。プロセスが待機しているロック識別子を確認するには、次のいずれかを実行します。
- 文字セルのPerformance MonitorのStall Messages画面を起動します。
- PCでPerformance Monitorを起動し、Displays→Process Statistics→Stall Messagesを選択します。
Mode=(mode-list)
表示するロック・モードを指定します。mode-listに複数のオプションを指定する場合は、オプションをカンマで区切り、mode-listをカッコで囲む必要があります。次のロック・モード・オプションを指定できます。
- Blocking
他のプロセスのロック・リクエストをブロックしているロックを保持する一連のプロセスを表示します。プロセスがリクエストしたロック・モードが、既存の許可済ロック・モードと互換性がない場合、そのプロセスは待機しているとみなされます。このとき、リクエストしたプロセスが待機プロセスで、許可済のプロセスがブロック・プロセスです。
出力の第1行は、ロック・リクエストの許可を待機しているプロセスを示します。出力のその後のすべての行は、ロック・リクエストの許可を妨げているプロセスを示します。複数のプロセスが同じロック・リソースを待機している場合、複数のプロセス固有情報(待機プロセスごとに1つずつ)が表示されます。- Culprit
他のプロセスをブロックしているが自らはロックされていないプロセスの一連のロックを表示します。この出力は、データベース・ストールとパフォーマンス悪化の原因であるプロセスを示します。- Waiting
他のプロセスの許可済ロックと互換性がないために待機しているロック・リクエストを保持する一連のプロセスを表示します。あるプロセスに許可されているロック・モードが、リクエストされているロック・モードと互換性がない場合、そのプロセスは他のプロセスをブロックしているとみなされます。このとき、ブロックしているプロセス(Blocker)がブロック・プロセスで、待機しているプロセス(Waiting)が待機プロセスです。
リクエストしているプロセスが、ロックをリクエストしている他のプロセスを待機しているように見えることがあります。このような状況は、同じロック・リソースを待機するプロセスが多い場合に発生します。待機キューのプロセスの順序によっては、特定の待機プロセスが他の待機プロセスをブロックしているように見えますが、それらが先にロックを許可されるためです。
出力の第1行は、リソースのロックを許可されたプロセスを示します。出力のその後のすべての行は、同じリソースに対するロック・リクエストの許可を待機しているプロセスを示します。複数のプロセスが同じロック・リソースをブロックしている場合、複数のプロセス固有情報(ブロック・プロセスごとに1つずつ)が表示されます。
Options=(option-list)
出力に含める情報のタイプと詳細レベルを指定します。Options修飾子を指定しないと、デフォルトの出力が表示されます。Options修飾子に複数のタイプの出力を指定する場合は、オプションをカンマで区切り、オプション・リストをカッコで囲む必要があります。次のオプションを指定できます。
- All
プロセス・ロックの完全なリストを表示するときに使用します。デフォルトでは、指定したプロセスのみのロック情報が表示されます。Allオプションを指定すると、特定のプロセスで保持されるロックを把握する必要がある他のすべてのプロセスの情報が表示されます。これは、1つのプロセスのすべてのロックを表示し、同じリソースを使用する他のプロセスを確認できる簡単な方法です。
Mode修飾子を指定すると、Options=(All)修飾子は無視されます。- Full
特別なデータベース・プロセスを表示することを指定します。モニターなど特別なデータベース・プロセスが、データベースのために実行しています。このようなデータベース・プロセスはロックを頻繁にリクエストするため、設計上、他のプロセスのロックと競合することになります。これらのロックの許可は、重要なデータベース・イベントです。
出力のサイズが大きくなるため、デフォルトではこのような特別なデータベース・プロセスは表示されません。
Output[=file-name]
出力の送信先ファイル名を指定します。デフォルトはSYS$OUTPUTです。ファイル名のみを指定した場合、デフォルトの出力ファイル拡張子は.lisになります。Process=process-list
単独で使用すると、指定したプロセスで保持またはリクエストされる各ロックの情報を表示します。Process修飾子をMode=Blocking修飾子と組み合せると、指定した待機プロセスによってリクエストされたロックをブロックするロックを保持しているプロセスの情報が表示されます。
注意
Process修飾子を指定したときにOptions修飾子の値を指定しないと、プロセスのすべてのロック(owning、blockingおよびwaiting)が表示されます。
1つ以上のプロセスを指定できます。複数のプロセスを指定する場合は、カンマで区切ってカッコで囲む必要があります。プロセス識別子は8桁の16進数です。これは、RMU Show Locksコマンドを発行するノードに対してローカルであることが必要です。プロセスIDには8文字すべてを指定する必要があります。プロセスIDのノード識別子部分を除外することはできません。詳細を確認するには、Options=All修飾子を使用して、プロセスのロックを使用するすべてのユーザーを表示します。
Resource_type=resource-type-list
指定したリース・タイプ別に保持またはリクエストされる各ロックの情報を表示します。特定のリソース・タイプのみが表示されます。たとえば、PAGEまたはRECORDロック・タイプのみを選択できます。1つ以上のリソース・タイプを指定できます。複数のタイプを指定する場合は、カンマで区切ってカッコで囲む必要があります。
Resource_type修飾子には次のキーワードを指定できます。
表1-17 RESOURCE_TYPEのキーワード 内部ロック・タイプ名 キーワード ACCESS ACCESS ACTIVE ACTIVE AIJDB AIJDB AIJFB AIJFB AIJHWM AIJHWM、AIJ_HIGH_WATER_MARK AIJLOGMSG AIJ_LOG_MESSAGE AIJLOGSHIP AIJ_LOG_SHIPPING AIJOPEN AIJ_OPEN AIJSWITCH AIJ_SWITCH AIJ AIJ AIPQHD AIP ALS ALS_ACTIVATION BCKAIJ AIJ_BACKUP、BCKAIJ BCKAIJ_SPD AIJ_BACKUP_SUSPEND BUGCHK BUGCHECK CHAN CHAN、FILE_CHANNEL CLIENT CLIENT CLOSE CLOSE CLTSEQ CLTSEQ CPT CORRUPT_PAGE_TABLE、CPT DASHBOARD DASHBOARD_NOTIFY DBK_SCOPE DBKEY_SCOPE DBR DBR_SERIALIZATION DB DATABASE FIB FAST_INCREMENTAL_BACKUP、FIB FILID FILID FRZ FREEZE GBL_CKPT GLOBAL_CHECKPOINT GBPT_SLOT GLOBAL_BPT_SLOT KROOT KROOT LAREA LAREA、LOGICAL_AREA LOGFIL LOGFIL MEMBIT MEMBIT MONID MONID、MONITOR_ID MONITOR MONITOR NOWAIT NOWAIT PLN DBKEY、RECORD、PLN PNO PAGE、PNO QUIET QUIET RCACHE RCACHE RCSREQUEST RCS_REQUEST RCSWAITRQST RCS_WAIT_REQUEST REL_AREAS RELEASE_AREAS REL_GRIC_REQST RELEASE_GRIC_REQUEST RMUCLIENT RMU_CLIENT ROOT_AREA DUMMY_ROOT_AREA RO_L1 L1_SNAP_TRUNCATION RTUPB RTUPB RUJBLK RUJBLK RW_L2 L2_SNAP_TRUNCATION SAC SNAP_AREA_CURSOR SEQBLK SEQBLK STAREA STORAGE_AREA、PAREA STATRQST STATISTICS_REQUEST TRM TERMINATION TSNBLK TSNBLK UTILITY UTILITY
RESOURCE_TYPE修飾子は、MODE、LIMIT、LOCKおよびPROCESS修飾子と互換性がありません。
- データベースに対してRMU Show Locksコマンドを使用するには、OpenVMS WORLD権限が必要です。
- プロセスまたはロック識別子のリストを指定するときは、RMU Show Locksコマンドを発行するノードに対してプロセスまたはロックがローカルであることを確認します。
- OpenVMSロック・データベースのロックの完全なリストを表示するには、Mode=BlockingまたはWaiting修飾子を指定しないでください。このレポートの情報量は非常に多くなることがあります。
- Oracle RMUコマンドを入力したとき、ノードにロックがない場合は、次のメッセージを受け取ります。
%RMU-I-NOLOCKSOUT, No locks on this node with the specified qualifiers.
- RMU Show Locksコマンドを使用してロックを表示するとき、所定のロックのrequestedモードおよびgrantedモードが表示されます。これら2つのフィールドの定義は次のとおりです。
- Requested
ロックをリクエストしたプロセスのためのモードです。有効なモードは、NL、CR、CW、PR、PWおよびEXです。このモードは許可が保証されていません。一部のロックは、競合モードで計画的かつ永続的に保持されます(たとえば、終了ロック)。- Granted
ロックが最後に許可されたプロセスのモードです。有効なモードは、NL、CR、CW、PR、PWおよびEXです。また、ロックが以前に一度も許可されていない場合、ロック・モードはNLモードとして表示されます。
「表1-18」に、requestedおよびgrantedロック・モードの互換性を示します。
表1-18 ロック・モードの互換性 現在許可されているロックのモード リクエストされたロックのモード NL CR CW PR PW EX NL ○ ○ ○ ○ ○ ○ CR ○ ○ ○ ○ ○ × CW ○ ○ ○ × × × PR ○ ○ × ○ × × PW ○ ○ × × × × EX ○ × × × × ×
NL---Nullロック
CR---同時読取り
CW---同時書込み
PR---保護読取り
PW---保護書込み
EX---排他ロック
○---互換性あり
×---互換性なし
--------------------------------------------------------------------- Resource Name: page 533 Granted Lock Count: 1, Parent Lock ID: 01000B6C, Lock Access Mode: Executive, Resource Type: Global, Lock Value Block: 03000000 00000000 00000000 00000002 -Master Node Info- --Lock Mode Information-- -Remote Node Info- ProcessID Lock ID SystemID Requested Granted Queue Lock ID SystemID 2040021E 0400136A 00010002 EX CR GRANT 0400136A 00010002 ------------------------------------------------------------------------ |
この例について、ロック・モードがどうしてこのような組合せになったかを説明するのは通常は困難です。CR(同時読取り)モードがConversion(変換)キューではなくGrant(許可)キューにあることに注意してください。
このシステムに1つのノードしかないことを認識するには、オペレーティング環境の知識が必要です。2つのロック・リクエストが実際には見た目と反対の順序で行われて、この出力を生成したことがわかります。
最初のロック・リクエストはEX(排他)であり、すぐに許可されています。このため、RequestedモードとGrantedモードは4番目の状況に従って更新されました。次に、ロックがEXからCRモードに降格され、これもすぐに許可されました。ただし、Requestedフィールドは、前述の4つのルールがどれも当てはまらないため更新されません。このため、Requestedモードは、CRロック・リクエストを反映するように更新されていません。
例1
次の例は、Process=44A047C9修飾子を付けたRMU Show Locksコマンドによって生成された出力の一部を示します。実際のレポートは、プロセスID 44A047C9によって保持されているすべてのロックが表示されるため、長さが数ページに及びます。レポートのテキストによって、ロックが保持されているリソース、ID情報およびロック・ステータス(RequestedまたはGranted)が表示されます。
$ RMU/SHOW LOCKS/PROCESS=44A047C9
============================================================================ SHOW LOCKS/PROCESS Information ============================================================================ . . . ---------------------------------------------------------------------------- Resource: page 352 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 7CC80BC8 00020025 PR PR ----------------------------------------------------------------------------- Resource: cluster membership ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 16180C1A 00020025 PR PR . . . ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 39 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 45983EC0 00020025 EX EX . . . ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 33 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 0480973C 00020025 CR NL ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 53 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 56009774 00020025 EX EX . . .
例2
次の例は、Process=44A047C9およびMode=Waiting修飾子を付けたRMU Show Locksコマンドによって生成された出力を示します。このレポートは、指定したプロセス(44A047C9)が論理領域39に対して保持する排他(EX)ロックのリリースをプロセスID 44A045D1が待機していることを示します。
$ RMU/SHOW LOCKS/PROCESS=44A047C9/MODE=WAITING ============================================================================= SHOW LOCKS/PROCESS/WAITING Information ============================================================================= ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 39 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Blocker: 44A047C9 USER1.......... 45983EC0 00020025 EX EX Waiting: 44A045D1 _RTA11:........ 3B5467DA 00020025 CR NL
このコマンドで待機プロセスが識別されます。待機プロセスであるプロセスのIDを指定すると、Oracle RMUによって次のメッセージが返されます。
no locks on this node with the specified qualifiers.
例3
次の例は、Process=44A045D1およびMode=Blocking修飾子を付けたRMU Show Locksコマンドによって生成された出力を示します。このレポートは、プロセスID 44A047C9が、排他(EX)ロックを論理領域39に対して保持しており、指定したプロセス(44A045D1)をブロックしていることを示します。
$ RMU/SHOW LOCKS/PROCESS=44A045D1/MODE=BLOCKING ============================================================================= SHOW LOCKS/BLOCKING Information ============================================================================= ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 39 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Waiting: 44A045D1 _RTA11:........ 3B5467DA 00020025 CR NL Blocker: 44A047C9 USER1.......... 45983EC0 00020025 EX EX
このコマンドではブロック・プロセスが識別されます。ブロック・プロセスであるプロセスのIDを指定すると、Oracle RMUによって次のメッセージが返されます。
no locks on this node with the specified qualifiers.
例4
次の例は、Lock=45983EC0およびMode=Waiting修飾子を付けたRMU Show Locksコマンドによって生成された出力を示します。このレポートは、例2の表示と同じになります。プロセスID 44A047C9は1つのロックしか取得していないためです。プロセスID 44A047C9が複数のロックを保持している場合、例2ではすべてのロックが表示されることになりますが、この例ではロックID 45983EC0のロック情報のみが表示されます。
$ RMU/SHOW LOCKS/LOCK=45983EC0/MODE=WAITING MF_PERSONNEL ============================================================================= SHOW LOCKS/LOCK/WAITING Information ============================================================================= ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 39 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Blocker: 44A047C9 USER1.......... 45983EC0 00020025 EX Waiting: 44A045D1 _RTA11:........ 3B5467DA 00020025 CR NL
例5
次に、Process=44A047C9およびOptions=All修飾子を付けたRMU Show Locksコマンドによって生成された出力の一部を示します。実際のレポートは、プロセスID 44A047C9が保持するロックがあるすべてのリソースと、他のプロセスが同じリソースに保持するすべてのロックが表示されるため、長さは数ページに及びます。このレポートと例1のレポートを比較してください。
$ RMU/SHOW LOCKS/PROCESS=44A047C9/OPTIONS=ALL ============================================================================= SHOW LOCKS/PROCESS Information ============================================================================= . . . ----------------------------------------------------------------------------- Resource: page 352 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 7CC80BC8 00020025 PR PR Owner: 44A045D1 _RTA11:........ 134C0979 00020025 PR CR ----------------------------------------------------------------------------- Resource: cluster membership ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 16180C1A 00020025 PR PR Owner: 44A045D1 _RTA11:........ 333C95ED 00020025 PR PR . . . ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 39 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 45983EC0 00020025 EX EX Waiting: 44A045D1 _RTA11:........ 3B5467DA 00020025 CR NL . . . ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 33 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 0480973C 00020025 CR NL Owner: 44A045D1 _RTA11:........ 31900BAE 00020025 CR CR ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 53 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Owner: 44A047C9 USER1.......... 56009774 00020025 EX EX . . .
例6
次の例は、Mode=(Waiting,Blocking)およびProcess=(44A045D1,44A047C9)修飾子を付けたRMU Show Locksコマンドによって生成された出力を示します。このコマンドでは、例3および4の出力が1つのレポートにまとめられます。
$ RMU/SHOW LOCKS/MODE=(WAITING,BLOCKING)/PROCESS=(44A045D1,44A047C9) ============================================================================= SHOW LOCKS/PROCESS/BLOCKING Information ============================================================================= ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 39 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Waiting: 44A045D1 _RTA11:........ 3B5467DA 00020025 CR NL Blocker: 44A047C9 USER1.......... 45983EC0 00020025 EX EX ============================================================================= SHOW LOCKS/PROCESS/WAITING Information ============================================================================= ----------------------------------------------------------------------------- Resource: logical area 39 ProcessID Process Name Lock ID System ID Requested Granted --------- --------------- --------- --------- --------- ------- Blocker: 44A047C9 USER1.......... 45983EC0 00020025 EX EX Waiting: 44A045D1 _RTA11:........ 3B5467DA 00020025 CR NL
例7
可能な場合には、RMU Show Locksコマンドによって、ページ・ロックの領域番号が書式設定されます。ページ・ロックについて領域ロックが判別できるときは、次のように領域番号が出力に含まれます。
Resource Name: page 566 (area 1) Granted Lock Count: 4, Parent Lock ID: 7E00FAFC, Lock Access Mode: Executive, Resource Type: Global, Lock Value Block: 00000000 00000000 00000000 03000000 -Master Node Info- --Lock Mode Information-- -Remote Node Info- ProcessID Lock ID SystemID Requested Granted Queue Lock ID SystemID 2504D32C 6400199C 00010028 CR PR GRANT 6400199C 00010028 2504D32C 58002984 00010028 CR PR GRANT 58002984 00010028