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Oracle Secure Backup インストレーション・ガイド
リリース10.1

B28440-02
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5 LinuxおよびUNIXでのドメインとデバイスの構成

この章では、管理ドメインの設定方法と、Oracle Secure Backupで使用されるLinuxおよびSolarisメディア・サーバーのテープ・ドライブおよびライブラリの構成方法について説明します。また、ネットワーク接続ストレージ(NAS)・ファイラに加え、NASライブラリおよびテープ・ドライブの構成方法についても説明します。

この章には、次の各項が含まれます。

LinuxおよびUNIXでのSCSIデバイス・パラメータの判別

Oracle Secure Backupインストールと管理ドメイン構成の一環として、Oracle Secure Backupで使用するためにライブラリおよびテープ・ドライブを構成する必要があります。この情報を収集することは、管理ドメインの計画の一部と考えてください。

Oracle Secure Backupでは、LinuxおよびUNIXでSCSIデバイスとファイバ・チャネル・デバイスの両方がサポートされます。必要なパラメータを収集するプロセスは、両方のデバイス・タイプに共通です。

各SCSIデバイスを構成するための準備として、現在のプラットフォームに必要なデバイス・パラメータを収集します。Linuxで収集するパラメータは、次のとおりです。

Solarisで収集するパラメータは、次のとおりです。

また、テープ・ライブラリおよびテープ・デバイスごとに、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号を割り当てます(「デバイスへのOracle Secure Backup論理ユニット番号の割当て」を参照)。


注意

SCSIの論理ユニット番号とOracle Secure Backupの論理ユニット番号を混同しないでください。Oracle Secure Backupの論理ユニット番号は、デバイス特殊ファイルの名前を生成するために割り当てられる番号です。 


次の各項では、必要なSCSIパラメータを判別するために異なるオペレーティング・システムを調査する方法について説明します。

LinuxでのSCSIデバイス・パラメータの判別

Linuxでデバイス情報を取得するには、catコマンドを使用して/proc/scsi/scsiの内容を表示します。たとえば、次のようになります。

# cat /proc/scsi/scsi

例5-1に、2つのデバイスが接続されたstorabck05というホストのサンプル出力を示します。

例5-1    /proc/scsi/scsiの内容のサンプル出力

Attached devices:
Host: scsi0 Channel: 00 Id: 02 Lun: 00
  Vendor: IBM      Model: ULTRIUM-TD2      Rev: 4772
  Type:   Sequential-Access                ANSI SCSI revision: 03
Host: scsi0 Channel: 00 Id: 04 Lun: 00
  Vendor: ADIC     Model: Scalar 24        Rev: 237A
  Type:   Medium Changer                   ANSI SCSI revision: 02

リストの1番目のSequential-Accessというタイプのデバイスは、テープ・ドライブです。リストの2番目のMedium Changerというタイプのデバイスは、テープ・ライブラリです。

各デバイスで必要とされる情報は、次の行に含まれます。

Host: scsi0 Channel: 00 Id: 02 Lun: 00

この出力は、次のように解釈できます。

Oracle Secure Backupの論理ユニット番号としては、慣例的に、テープ・ライブラリとテープ・ドライブのそれぞれに0を割り当てます。

例5-1の出力に基づいて、表5-1storabck05のデバイス情報を要約します。

表5-1    storabck05のデバイス・サマリー 
デバイス  ホスト・バス・アダプタ  SCSIバス・アドレス  ターゲットID  SCSI LUN 

ライブラリ 

テープ・ドライブ 

SolarisでのSCSIデバイス・パラメータの判別

SolarisでSCSIデバイス・パラメータ情報を判別するには、主に次の2つの作業を実行する必要があります。

Solaris Open Boot PROMの使用によるメディア・デバイスのSCSIターゲットIDおよびLUNの調査

Solaris Open Boot PROMを使用してメディア・デバイスのSCSIターゲットIDおよびSCSI LUNパラメータを確認するには、次の手順を実行します。

  1. メディア・サーバーにrootとしてログインします。

  2. ホストを実行レベル0に移行します。たとえば、次のようになります。

    # init 0
    

    システムは停止し、その後Open Boot PROMのokプロンプトがコンソールに表示されます。

  3. okプロンプトで、Open Bootのauto-boot?変数をfalseに設定します。たとえば、次のようになります。

    ok setenv auto-boot? false
    auto-boot?     =    false
    ok
    
  4. okプロンプトで、Open Bootのreset-allコマンドを実行します。たとえば、次のようになります。

    ok reset-all
    

    システムはリセットされ、その後okプロンプトに戻ります。

  5. okプロンプトで、Open Bootのprobe-scsi-allコマンドを実行してこのホストに接続されているすべてのデバイスのSCSIパラメータを表示します。たとえば、次のようになります。

    ok probe-scsi-all
    

    各SCSIデバイスに対応する出力情報を確認します。たとえば、dlsun1976の出力の一部には、テープ・ライブラリおよびドライブに関する次の情報が含まれます。

    /pci@1f,4000/scsi@3,1
    Target 0
        Unit 0        Removable Tape        EXABYTE EXB-85058SQANXR1
    Target 1
        Unit 0        Removable Device type 8      EXABYTE EXB-10e      1.8
    

    この出力は、次のように解釈できます。

    この例では、各デバイスにOracle Secure Backupの論理ユニット番号として0を割り当てます。

    確認したパラメータと、各デバイスに割り当てたOracle Secure Backupの論理ユニット番号を記録してください。

  6. ホストを再起動してSolarisに戻るには、okプロンプトで次のコマンドを入力します。

    ok setenv auto-boot? true
    ok reset-all 
    

SolarisでのSCSIバス名インスタンス・パラメータ値の表示

Oracle Secure Backupの各デバイスで使用されるSCSIバス名インスタンス・パラメータを判別するには、次の手順を実行します。

  1. メディア・サーバーにrootとしてログインします。

  2. Oracle Secure Backupホームのinstallサブディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。

    # cd /usr/local/oracle/backup/install
    
  3. installdriverスクリプトを実行してOracle Secure Backupドライバをインストールします。たとえば、次のようになります。

    # installdriver
    NOTE: /usr/local/oracle/backup/.drv.solaris64/ob copied to /usr/kernel/drv/ob
    NOTE: /usr/local/oracle/backup/.drv.solaris64/ob.conf copied to 
    /usr/kernel/drv/ob.conf
    NOTE: /usr/local/oracle/backup/.drv.solaris64/ob64 copied to 
    /usr/kernel/drv/sparcv9/ob 
    
    NOTE: The Oracle Secure Backup device driver has been successfully installed. 
    

    インストール後、Oracle Secure Backupドライバは、このメディア・サーバーで制御可能なメディア・デバイスと関連付けられます。

  4. 次のコマンドを実行して、Oracle Secure Backupドライバと関連付けられたデバイスを表示します。

    # du -a /devices|grep ob|cut -f2 
    /devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/ob@0,0:glm1
    /devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/ob@1,0:glm1 
    

    この出力に、必要なデバイス情報が含まれます。

  5. 「Solaris Open Boot PROMの使用によるメディア・デバイスのSCSIターゲットIDおよびLUNの調査」に記載された手順によりSCSIバスを調査したときの出力情報を使用して、手順4の出力を解釈します。たとえば、出力の次の行を検討します。

    /devices/pci@1f,4000/scsi@3,1/ob@1,0:glm1 
    
    • duの出力において、各デバイスで使用されるSCSIバスを識別するには、probe-scsi-allで出力されたデバイス・ツリー・パスと、手順4で出力された各デバイスのデバイス・ツリー・パスを比較します。

      たとえば、この例の場合、2つのメディア・デバイスで使用されるバスは、probe-scsi-allの出力である/pci@1f,4000/scsi@3,1と、duの出力である/devices/pci@1f,4000/scsi@3,1が一致することで識別されます。

    • duで出力されたパスのob@は、デバイスがOracle Secure Backupドライバにより制御されていることを示します。

    • ob@に続く2つの数字(この場合、1,0)は、各デバイスのSCSIターゲットIDとSCSI LUNです。この例では、SCSIターゲットIDは1で、SCSI LUNは0です。これらの値は、「Solaris Open Boot PROMの使用によるメディア・デバイスのSCSIターゲットIDおよびLUNの調査」で確認したdlsun1976のExabyteテープ・ライブラリに対応しています。

    • コロン(:)に続く値は、このデバイスで必要なSCSIバス名インスタンス値です。この例では、この値はglm1です。

ホストdlsun1976の場合、手順4で出力された2つの行を解釈することで、最終的なSCSIパラメータを表5-2のとおり判別できます。

表5-2    dlsun1976のテープ・デバイス・サマリー 
デバイス  Oracle Secure Backup LUN  SCSIバス名インスタンス  SCSIターゲットID  SCSI LUN 

Exabyteライブラリ 

glm1 

Exabyteドライブ 

glm1 

obtoolの使用によるLinuxおよびUNIXでの管理ドメインの構成

ネットワーク内の各ホストにOracle Secure Backupをインストールしたら、管理ドメインを構成できます。この作業では、すべてのメディア・サーバー、クライアント・ホストおよびネットワーク接続ストレージ(NAS)・ファイラを構成します。

mkhostコマンドで--access obオプションを使用し、Oracle Secure Backupホストを構成します。管理サーバーは、インストール・プロセス中にデフォルトで構成されます。


注意

obtoolコマンドのヘルプを参照するには、次のように入力します。

ob> help command
 


注意

次の例では、BELLAというWindowsの管理サーバー兼メディア・サーバー、storabck05というLinuxのメディア・サーバー、およびdlsun1976というSolarisのクライアント・ホストがあると仮定します。 


管理ドメインを構成するには、次の手順を実行します。

  1. すでにOracle Secure Backupにログインしている場合は、手順3に進んでください。そうでない場合は、rootとしてログインします。

  2. Oracle Secure Backupを起動するため、システム・プロンプトでobtoolと入力します。たとえば、次のようになります。

    # obtool
    

    ob>プロンプトが表示されます。

  3. 管理ドメインの各メディア・サーバーを構成します。アクセス・タイプ、ロールおよびIPアドレスのオプションを指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> mkhost --access ob --role mediaserver --ip 133.2.22.59 storabck05
    
  4. 管理ドメインの各クライアントを構成します。アクセス・タイプ、ロールおよびIPアドレスのオプションを指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> mkhost --access ob --role client --ip 143.15.235.140 dlsun1976
    
  5. 管理ドメインの構成結果を確認するため、obtoollshostコマンドを使用して、管理ドメイン内のすべてのホストの名前と属性を表示します。たとえば、次のようになります。

    ob> lshost
    BELLA            admin,mediaserver,client          (via OB)   in service
    dlsun1976        client                            (via OB)   in service
    storabck05       mediaserver                       (via OB)   in service
    

obtoolの使用による管理ドメインのNASファイラの構成

NASファイラを管理ドメインのメンバーとして構成するには、obtoolmkhostコマンドを--access ndmpオプション付きで使用します。

NASでは、ストレージ・デバイスにLANのアドレスを割り当てることができるため、格納データを特定の場所に直接接続する必要がなくなります。

管理サーバーは、ネットワーク・データ管理プロトコル(NDMP)を通じてOracle Secure BackupのインストールされていないNASファイラと通信し、その管理を行います。NDMPでは、オペレーティング・システムまたはプラットフォームとは無関係に、異種ネットワーク上でデータをバックアップおよびリストアするためのTCP/IPベースの標準プロトコルを定義しています。

NDMPには、次の特長があります。

NASファイラを構成するには、次の手順を実行します。

  1. すでにOracle Secure Backupにログインしている場合は、手順3に進んでください。そうでない場合は、rootとしてログインします。

  2. Oracle Secure Backupを起動するため、システム・プロンプトでobtoolと入力します。

    ob>プロンプトが表示されます。

  3. 管理ドメインにNASファイラを組み入れます。アクセス・タイプ、ロール、IPアドレスおよびNDMPパスワードのオプションを指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> mkhost --access ndmp --role mediaserver --ip 138.1.14.128 --ndmppass mypassword
    mynasfiler5
    


    注意

    • Oracle Secure Backupには、通常、NASファイラ構成用のデフォルトのNDMPパスワードが用意されています。このパスワードのかわりに、mkhostコマンドの--ndmppassオプションでパスワードを設定できます。

    • obtoolコマンドのヘルプを参照するには、次のように入力します。

      ob> help command
      
     

  4. 管理ドメイン内のすべてのホストの名前と属性をリストします。たとえば、次のようになります。

    ob> lshost
    BELLA            admin,mediaserver,client          (via OB)   in service
    dlsun1976          client                            (via OB)   in service
    mynasfiler5      mediaserver                       (via NDMP) in service
    storabck05       mediaserver                       (via OB)   in service
    

SolarisおよびLinuxでのデバイス特殊ファイルの作成

Oracle Secure Backupでの使用に備えてデバイスを構成するには、デバイス特殊ファイルが必要です。具体的に言うと、デバイス特殊ファイルは、Oracle Secure Backupで使用するためにデバイスを構成する際に、接続機器として参照されるリンクです。

デバイス用にデバイス特殊ファイルを作成したら、obtoolmkdevコマンド、Oracle Secure Backup Webツール、またはOracle Enterprise ManagerのOracle Secure Backupインタフェースを使用して、Oracle Secure Backupで使用するためにデバイスを構成できます。

この項では、すでに次の作業が実行済であると仮定します。

  1. メディア・サーバーをその接続デバイスと関連付けるための管理ドメインの設定。「obtoolの使用によるLinuxおよびUNIXでの管理ドメインの構成」を参照してください。

  2. デバイス構成に必要なオペレーティング・システム固有のSCSI(またはファイバ・チャネル)デバイス・データの判別。「LinuxおよびUNIXでのSCSIデバイス・パラメータの判別」を参照してください。

デバイス特殊ファイルを作成するには、installobスクリプトを使用するか、makedevツールを使用します。

次の適切な項の手順に従ってください。

makedevの使用によるデバイス特殊ファイルの作成

makedevツールは、単一のメディア・デバイス用のデバイス特殊ファイルを作成するのに使用します。これらのファイルは、デバイスへのアクセス時にOracle Secure Backupによって使用されます。

makedevツールは、installobのかわりとしてデバイス特殊ファイルを作成できます。makedevでは、installobスクリプトを再度実行する必要はありません。このツールは、デバイス特殊ファイルの作成と構成のみを扱い、他のインストール作業や構成作業には関係しません。makedevは、管理ドメインに追加する前のメディア・サーバーで使用できます。makedevで一度に作成できるのは、1つのデバイス用のデバイス特殊ファイルのみです。そのため、複数のデバイスを構成する必要がある場合は、installobの使用を検討してください。

関連資料

makedevの構文の詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 

この項では、デバイス構成に必要なオペレーティング・システム固有のSCSI(またはファイバ・チャネル)デバイス・データの判別をすでに終えており、各デバイスに対応するOracle Secure Backupの論理ユニット番号が決定していると仮定します。使用中のオペレーティング・システムでこの作業を実行する方法の詳細は、「LinuxおよびUNIXでのSCSIデバイス・パラメータの判別」を参照してください。

この例では、makedevを使用してSolaris 64ビット・ホストのdlsun1976に接続された単一のテープ・ライブラリを構成します。「LinuxおよびUNIXでのSCSIデバイス・パラメータの判別」で確認したとおり、このテープ・ライブラリには、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号として0が割り当てられています。また、SCSIバス名インスタンスはglm1、SCSIターゲットIDは1、SCSI論理ユニット番号は0です。

makedevを使用して単一デバイスのデバイス特殊ファイルを作成するには、次の手順を実行します。

  1. rootとしてログインします。

  2. Oracle Secure Backupのホーム・ディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。

    # cd /usr/local/oracle/backup
    
  3. シェル・プロンプトでmakedevコマンドを入力します。

    # install/makedev
    
  4. makedevにより、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Enter logical unit number 0-31 [0]: 
    

    このデバイスに対応するOracle Secure Backupの論理ユニット番号を入力します。この例では0と入力します。


    注意

    Oracle Secure Backupの論理ユニット番号とSCSIの論理ユニット番号を混同しないでください。 


  5. makedevにより、デバイス・タイプ(テープ・ドライブまたはテープ・ライブラリ)を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable
        tape library [d]:
    


    注意

    テープ・ライブラリの場合、アルファベットのLの小文字を入力してください(数字の1ではありません)。 


    テープ・ライブラリを指定するため、lと入力します。

  6. makedevにより、SCSIバス名インスタンスを尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Enter SCSI bus name [glm1]:
    
  7. このデバイスのSCSIバス名インスタンスを入力します。この例ではglm1と入力します。

  8. makedevにより、SCSIターゲットIDを尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Enter SCSI target id 0-15 [4]:
    

    このデバイスのSCSIターゲットIDを入力します。この例では1と入力します。

  9. makedevにより、SCSI論理ユニット番号を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Enter SCSI logical unit number (lun) 0-7 [0]:
    

    SCSI論理ユニット番号を入力します。この例では0と入力します。

  10. makedevにより、デバイス特殊ファイルが作成され、進行状況を示すメッセージが表示されます。この例では、Solarisに次の出力が表示されます。

    NOTE: table for devlinks...
       type=ddi_pseudo;name=ob;addr=0,0;minor=glm1  obt0
    /dev/obt0 created
    

    これで、makedevは終了します。デバイス特殊ファイルが作成されました。


    注意

    Oracle Secure Backupでは、新しいデバイスを追加するのではなく、古いデバイスと置き換えることができます。テープ・ライブラリまたはテープ・ドライブに対応するOracle Secure Backupの論理ユニット番号を再利用すると、古いデバイスのデバイス特殊ファイルは上書きされます。 


Oracle Secure Backupでデバイスにアクセスするには、さらにメディア・サーバーとデバイスを管理ドメインに追加する必要があります。必要な作業の詳細は、次の各項を参照してください。

installobの使用によるデバイス特殊ファイルの作成

installobインストール・スクリプトを使用して、デバイス特殊ファイルを作成できます。このスクリプトで作成する利点は、次のとおりです。

使用中のオペレーティング・システムに適した次の項の手順に従ってください。

Solarisでのinstallobの使用によるSCSIデバイスの構成


注意

次の例ではSCSIライブラリおよびテープ・ドライブについて説明していますが、ファイバ・チャネル・デバイスにも同じ手順が適用されます。 


Solarisでinstallobを使用してデバイス特殊ファイルを作成するには、次の手順を実行します。

  1. installobスクリプトを起動します。シェル・プロンプトで、作業ディレクトリをOracle Secure Backupホームに変更し、対話型モードでinstallobを起動します。たとえば、次のようになります。

    # cd /usr/local/oracle/backup
    # install/installob
    Welcome to installob, Oracle Secure Backup's UNIX installation program.
    .
    .
    .
    You can choose to install Oracle Secure Backup in one of two ways:
        (a) interactively, by answering questions asked by this program, or
        (b) in batch mode, by preparing a network description file
     
    Which installation method would you like to use (a or b) [a]? a
    

    aと入力してスクリプトを対話型モードで実行します。

  2. installobにより、ソフトウェアを再インストールするかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Oracle Secure Backup is already installed on this machine (dlsun1976).
    Would you like to re-install it here [no]?
    

    noと入力して現在のソフトウェア・インストール環境は変更せずに、デバイス構成に進みます。

  3. installobにより、このホストでテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブを構成するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Would you like to configure (or reconfigure) any Oracle Secure Backup devices that
    are attached to dlsun1976 [no]? 
    

    このプロンプトにyesと入力して、テープ・ドライブまたはライブラリを構成します。

  4. installobにより、ホストに接続されたテープ・ライブラリの個数を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    How many Oracle Secure Backup SCSI tape libraries are attached to dlsun1976 [1]?
    

    構成するテープ・ライブラリの数を入力します(または、[Enter]を押してデフォルト値を受け入れます)。テープ・ライブラリが存在しない場合は、0と入力します。

  5. 構成するテープ・ライブラリが存在する場合、installobにより、各ライブラリに関する情報を尋ねるプロンプトが表示されます。次の出力が表示されます。

    Please describe each tape library by answering the following questions.
    

    ライブラリごとに、「SolarisでのSCSIデバイス・パラメータの判別」に記載された手順に従って収集したデバイス情報を入力します。

    この例では、dlsun1976に接続された単一のテープ・ライブラリに、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号として0が割り当てられています。また、SCSIバス名インスタンスはglm1、ターゲットIDは1、論理ユニット番号は0です。


    注意

    これらの値を入力する場合、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号とSCSIの論理ユニット番号を混同しないでください。 


    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    Oracle Secure Backup logical unit number [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なOracle Secure Backupの論理ユニット番号を入力します。

    SCSI bus name-instance  [glm1]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSIバス名インスタンスを入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI target ID [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSIターゲットIDを入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI lun 0-7 [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSI LUNを入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    Is the information you entered correct [yes]?
    

    入力した情報が間違っている場合は、noと入力します。installobにより、このライブラリのパラメータを尋ねるプロンプトが再度表示されます。情報が正しい場合は、yesと入力して次のライブラリに進みます。

  6. すべてのテープ・ライブラリのパラメータを入力すると、次にテープ・ドライブの情報を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Is dlsun1976 connected to any SCSI tape drives that you'd like to use with
    Oracle Secure Backup [no]?
    

    構成するテープ・ドライブが存在する場合、yesと入力します。存在しない場合は、noと入力します。

    yesと入力すると、installobにより、テープ・ドライブの個数を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    How many Oracle Secure Backup SCSI tape drives are attached to dlsun1976 [1]?
    

    この例では、1つのテープ・ドライブが接続されているため、1と入力して[Enter]を押します。

  7. installobにより、次の出力が表示されます。

    Please describe each tape drive by answering the following questions.
    

    installobにより、各テープ・ドライブのパラメータを尋ねるプロンプトが表示されます。「SolarisでのSCSIデバイス・パラメータの判別」に記載された手順に従って収集したデバイス情報を入力します。

    この例では、dlsun1976に接続された単一のテープ・ドライブに、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号として0が割り当てられています。また、SCSIバス名インスタンスはglm1、SCSIターゲットIDは0、SCSI論理ユニット番号は0です。

    installobにより、次の出力が表示されます。

    Oracle Secure Backup logical unit number [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なOracle Secure Backupの論理ユニット番号を入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI bus name-instance  [glm1]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSIバス名インスタンス値を入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI target ID [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSIターゲットIDを入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI lun 0-7 [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSI LUNを入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    Is the information you entered correct [yes]?
    

    入力した情報が間違っている場合は、noと入力します。installobにより、このドライブのパラメータを尋ねるプロンプトが再度表示されます。情報が正しい場合は、yesと入力して次のドライブに進みます。

  8. すべてのテープ・ライブラリおよびドライブのパラメータを入力すると、installobにより、各デバイスのデバイス・ドライバが構成され、デバイス特殊ファイルが作成されます。次の出力が表示されます。

    Beginning device driver configuration and device special file creation. 
    This will likely take between one and five minutes. 
    

    installobにより、このプロセスで構成中の各デバイスの情報が出力されます。たとえば、次のようになります。

    NOTE: table for devlinks...
       type=ddi_pseudo;name=ob;addr=0,0;minor=pci1000,f1    obt0
    /dev/obt0 created
    NOTE: table for devlinks...
       type=ddi_pseudo;name=ob;addr=0,1;minor=pci1000,f1    obl0
    /dev/obl0 created
    ---------------------------------------------------------------------------
    

    プロセスの最後に、2つのデバイスのデバイス特殊ファイルが作成されます(テープ・ドライブ用の/dev/obt0とライブラリ用の/dev/obl0)。

    プロセスが完了すると、次の出力が表示されます。

    NOTE: You must configure the new devices via the Web interface or via
          the command line using the obtool 'mkdev' command.
    
    ---------------------------------------------------------------------------
    


    注意

    テープ・ライブラリのデバイス特殊ファイル/dev/obl0の名前に含まれるのは、アルファベットのLの小文字です。数字の1ではありません。 


  9. installobにより、次のプロンプトが表示されます。

    Would you like to install Oracle Secure Backup on another machine [yes]?
    

    noと入力します。installobスクリプトは、インストール・サマリー(「installobの手順9: 最終インストール・サマリー」を参照)を表示して終了します。


    注意

    installobの出力に示されたとおり、各デバイスは、使用する前に管理ドメインの一部として構成する必要があります。これらの作業は、メディア・サーバーとそのデバイスを管理ドメインに追加するまで実行できません。

    残りの作業の詳細は、次の各項を参照してください。

     

Linuxでのinstallobの使用によるSCSIデバイスの構成


注意

次の例ではSCSIライブラリおよびテープ・ドライブについて説明していますが、ファイバ・チャネル・デバイスにも同じ手順が適用されます。 


Linuxでinstallobを使用してデバイス特殊ファイルを作成するには、次の手順を実行します。

  1. installobスクリプトを起動します。シェル・プロンプトで、作業ディレクトリをOracle Secure Backupホームに変更し、対話型モードでinstallobを起動します。たとえば、次のようになります。

    # cd /usr/local/oracle/backup
    # install/installob
    Welcome to installob, Oracle Secure Backup's UNIX installation program.
    .
    .
    .
    You can choose to install Oracle Secure Backup in one of two ways:
        (a) interactively, by answering questions asked by this program, or
        (b) in batch mode, by preparing a network description file
     
    Which installation method would you like to use (a or b) [a]? a
    

    aと入力してスクリプトを対話型モードで実行します。

  2. installobにより、ソフトウェアを再インストールするかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Oracle Secure Backup is already installed on this machine (storabck05).
    Would you like to re-install it here [no]?
    

    noと入力して現在のソフトウェア・インストール環境は変更せずに、デバイス構成に進みます。

  3. installobにより、このホストでテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブを構成するかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Would you like to configure (or reconfigure) any Oracle Secure Backup devices that
    are attached to storabck05 [no]? 
    

    このプロンプトにyesと入力して、テープ・ドライブまたはライブラリを構成します。

  4. installobにより、ホストに接続されたテープ・ライブラリの個数を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    How many Oracle Secure Backup SCSI tape libraries are attached to storabck05 [1]?
    

    構成するテープ・ライブラリの数を入力します(または、[Enter]を押してデフォルト値を受け入れます)。テープ・ライブラリが存在しない場合は、0と入力します。

  5. 構成するテープ・ライブラリが存在する場合、installobにより、各ライブラリに関する情報を尋ねるプロンプトが表示されます。次の出力が表示されます。

    Please describe each tape library by answering the following questions.
    

    ライブラリごとに、「LinuxでのSCSIデバイス・パラメータの判別」に記載された手順に従って収集したデバイス情報を入力します。

    この例では、storabck05に接続された単一のテープ・ライブラリに、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号として0が割り当てられています。また、ホストSCSIアダプタ番号は0、SCSIバス・アドレスは0、SCSIターゲットIDは4、SCSI論理ユニット番号は0です。


    注意

    これらの値を入力する場合、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号とSCSIの論理ユニット番号を混同しないでください。 


    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    Oracle Secure Backup logical unit number [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なOracle Secure Backupの論理ユニット番号を入力します。この例では0と入力します。

    installobにより、次の出力が表示されます。

    Host SCSI adapter number [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なホストSCSIアダプタ番号を入力します。この例では0と入力します。

    SCSI bus address [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSIバス・アドレスを入力します。この例では0と入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI target ID [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSIターゲットIDを入力します。この例では4と入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI lun 0-7 [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSI LUNを入力します。この例では0と入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    Is the information you entered correct [yes]?
    

    入力した情報が間違っている場合は、noと入力します。installobにより、このライブラリのパラメータを尋ねるプロンプトが再度表示されます。情報が正しい場合は、yesと入力して次のライブラリに進みます。

  6. すべてのテープ・ライブラリのパラメータを入力すると、次にテープ・ドライブの情報を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    Is storabck05 connected to any SCSI tape drives that you'd like to use with
    Oracle Secure Backup [no]?
    

    構成するテープ・ドライブが存在する場合、yesと入力します。存在しない場合は、noと入力します。

    yesと入力すると、installobにより、テープ・ドライブの個数を尋ねるプロンプトが表示されます。たとえば、次のようになります。

    How many Oracle Secure Backup SCSI tape drives are attached to storabck05 [1]?
    

    この例では、1つのテープ・ドライブが接続されているため、1と入力して[Enter]を押します。

  7. installobにより、次の出力が表示されます。

    Please describe each tape drive by answering the following questions.
    

    installobにより、各テープ・ドライブのパラメータを尋ねるプロンプトが表示されます。「LinuxでのSCSIデバイス・パラメータの判別」に記載された手順に従って収集したデバイス情報を入力します。

    この例では、storabck05に接続された単一のテープ・ドライブに、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号として0が割り当てられています。また、ホストSCSIアダプタ番号は0、SCSIバス・アドレスは0、SCSIターゲットIDは2、SCSI論理ユニット番号は0です。

    たとえば、次のようになります。

    Oracle Secure Backup logical unit number [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なOracle Secure Backupの論理ユニット番号を入力します。この例では0と入力します。

    installobにより、次の出力が表示されます。

    Host SCSI adapter number [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なホストSCSIアダプタ番号を入力します。この例では0と入力します。

    SCSI bus address [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSIバス・アドレスを入力します。この例では0と入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI target ID [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSIターゲットIDを入力します。この例では2と入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    SCSI lun 0-7 [0]:
    

    デフォルト値が正しければ、[Enter]を押します。間違っている場合は、このデバイスに適切なSCSI LUNを入力します。この例では0と入力します。

    installobプログラムにより、次の出力が表示されます。

    Is the information you entered correct [yes]?
    

    入力した情報が間違っている場合は、noと入力します。installobにより、このドライブのパラメータを尋ねるプロンプトが再度表示されます。情報が正しい場合は、yesと入力して次のドライブに進みます。

  8. すべてのテープ・ライブラリおよびドライブのパラメータを入力すると、installobにより、各デバイスのデバイス・ドライバが構成され、デバイス特殊ファイルが作成されます。次の出力が表示されます。

    Beginning device driver configuration and device special file creation. 
    This will likely take between one and five minutes. 
    

    installobにより、このプロセスで構成中の各デバイスの情報が出力されます。たとえば、次のようになります。

    -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -
     
    Beginning device driver configuration and device special file creation.
     
    NOTE: table for devlinks...
       type=ddi_pseudo;name=ob;addr=0,0;minor=glm1  obt0
    /dev/obt0 created
    NOTE: table for devlinks...
       type=ddi_pseudo;name=ob;addr=1,0;minor=glm1  obl0
    /dev/obl0 created
     
    -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -  -
    

    プロセスの最後に、2つのデバイスのデバイス特殊ファイルが作成されます(テープ・ドライブ用の/dev/obt0とライブラリ用の/dev/obl0)。

    プロセスが完了すると、次の出力が表示されます。

    NOTE: You must configure the new devices via the Web interface or via
          the command line using the obtool 'mkdev' command.
    


    注意

    テープ・ライブラリのデバイス特殊ファイル/dev/obl0の名前に含まれるのは、アルファベットのLの小文字です。数字の1ではありません。 


  9. installobにより、次のプロンプトが表示されます。

    Would you like to install Oracle Secure Backup on another machine [yes]?
    

    noと入力します。installobスクリプトは、インストール・サマリー(「installobの手順9: 最終インストール・サマリー」を参照)を表示して終了します。


    注意

    installobの出力に示されたとおり、各デバイスは、使用する前に管理ドメインの一部として構成する必要があります。これらの作業は、メディア・サーバー・ホストを管理ドメインに追加するまで実行できません。

    残りの作業の詳細は、次の各項を参照してください。

     

obtoolの使用によるLinuxおよびUNIXでのデバイスの構成

この項では、メディア・サーバーのテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブを構成する方法について説明します。この手順では、Oracle Secure Backupでの使用に備えて、これらのデバイスにユーザー定義の名前を割り当てます。この手順では、obtoolコマンドを使用しますが、Oracle Secure Backup WebツールまたはOracle Enterprise Managerを使用してOracle Secure Backupのデバイス名を割り当てることも可能です。

この例では、次のデバイス特殊ファイルを作成したSolarisシステムでデバイスを構成すると仮定します。

この例では、Solarisで作業を実行する方法について説明しますが、obtoolコマンドはLinuxでも同じように動作します。


注意

Oracle Secure Backupのテープ・デバイスを構成する前に、SCSIターゲットを任意にスキャンおよびオープンするシステム・ソフトウェアをすべて無効にしてください。テープ・ライブラリおよびドライブへのアクセス時に、Oracle Secure Backupが他のシステム・ソフトウェア(監視ソフトウェアなど)と競合すると、予期しない動作が発生する可能性があります。 


必要に応じてrootとしてログインし、Oracle Secure Backupを起動します。システム・プロンプトでobtoolと入力します。ob>プロンプトが表示されたら、各メディア・サーバーのテープ・ライブラリごとに次の手順を実行します。

  1. 各テープ・ライブラリ用のユーザー定義名を持つOracle Secure Backupのデバイス・オブジェクトを作成します。デバイス特殊ファイルが、ライブラリの接続ポイントです。

    たとえば、ホストdlsun1976/dev/obl0tc-libという名前を割り当てるには、次のようにします。

    ob> mkdev --type library --attach dlsun1976:/dev/obl0 tc-lib
    


    注意

    • メディア・サーバーとして構成されていないホストのデバイスにデバイス名を割り当てると、そのホストはOracle Secure Backupによって自動的にメディア・サーバーとして構成されます。

    • obtoolコマンドのヘルプを参照するには、次のように入力します。

      ob> help command
      
     

  2. 前の手順で定義したライブラリに接続されているテープ・ドライブごとに、テープ・ドライブ用のユーザー定義名を持つOracle Secure Backupのデバイス・オブジェクトを作成します。デバイスのライブラリは、前の手順で作成したライブラリ名を使用して参照します。


    注意

    Oracle Secure Backupでは、データ転送要素(DTE)番号でライブラリ内の各テープ・ドライブを識別します。libraryを指定する場合は、各デバイスにdteを割り当てる必要があります。DTEは、1nの番号です。mkdev--dteオプションの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 


    次の例では、ライブラリtc-libのテープ・ドライブ/dev/obt0tc-tapeという名前を割り当てます。

    ob> mkdev --type tape --library tc-lib --dte 1 --attach dlsun1976:/dev/obt0 tc-tape
    

デバイスの構成情報を確認するには、obtoollsdevコマンドを使用します。たとえば、次のようになります。

ob> lsdev

Oracle Secure Backupにより、次の出力が表示されます。

library    tc-lib          in service
  drive 1  tc-tape         in service

関連資料

Oracle Secure Backup Webツールの使用方法は、『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。 

LinuxおよびUNIXでのデバイスのインベントリ取得

デバイスが構成されると、obtoolを使用してテープ・ライブラリのボリュームのインベントリを取得できます。

この例では、tc-lib(ライブラリ)とtc-tape(テープ・ドライブ)という名前のデバイスが存在すると仮定します(「obtoolの使用によるLinuxおよびUNIXでのデバイスの構成」を参照)。

  1. インベントリを取得するライブラリの名前を指定して、obtoolinventoryコマンドを実行します。これにより、Oracle Secure Backupによって実際にデバイスのインベントリが取得されます。たとえば、次のようになります。

    ob> inventory -L tc-lib
    
  2. ライブラリのインベントリ情報を表示するには、obtoollsvolコマンドを使用します。たとえば、次のようになります。

    ob> lsvol -L tc-lib
    

    コマンドにより次の出力が表示されます。

    Inventory of library tc-lib:
        in    3:             barcode 00000153
        in    4:             barcode 00000154
        in    5:             barcode 000005
        in    6:             barcode 00000151
        in    7:             barcode 00000134
        in    8:             barcode 00000133
        in    9:             barcode 00000131
        in    10:            barcode 00000130
        in    11:            barcode 00000129
        in    12:            barcode 00000128
        in    15:            occupied
        in    dte:           barcode 00000152, lastse 2
    

LinuxおよびUNIXでのNASライブラリおよびテープ・ドライブの構成

この項では、ネットワーク接続ストレージ(NAS)・ファイラに接続されたライブラリやテープ・ドライブを構成して、ファイラがOracle Secure Backupと通信できるようにする方法について説明します。

NASファイラに接続されたライブラリおよびテープ・デバイスは、NASデバイスで稼働するオペレーティング・システムによって自動的に構成されます。SCSIデバイスとファイバ・チャネルの構成も、ユーザーに認識されることなく自動的に行われます。

ただし、この場合も、ライブラリおよびテープ・ドライブにOracle Secure Backupソフトウェアからアクセスできるよう設定する必要があります。この作業を行うには、管理ドメイン内の各NASファイラについて、デバイス検出を実行します。


注意

管理サーバーでは、デバイスの接続されたNASファイラをメディア・サーバーとして使用できます。 


Oracle Secure BackupからNASデバイス名にアクセスできるようにする方法

Oracle Secure Backupでは、管理ドメインの一部であるNASファイラに接続されたデバイスを検出し、その情報に基づいて自動的にドメインのデバイス構成を更新します。

関連資料

Oracle Secure Backup Webツールを使用してこの作業を実行する方法の詳細は、『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。 

NASデバイスの名前を検出してOracle Secure Backupからアクセスできるようにするには、管理サーバーにrootとしてログインし、obtoolを起動します。その後、次の手順を実行します。

  1. obtooldiscoverdevコマンドを使用して、NASデバイス構成の変更を検出し、デバイスの正しい情報で管理ドメインを更新します。

    この例では、以前mkhostを使用して構成したmynasfiler5というNASデバイスに対してobtooldiscoverdevを使用します。

    ホストの構成方法は、「obtoolの使用による管理ドメインのNASファイラの構成」を参照してください。

    ob> discoverdev --verbose --host mynasfiler5
    

    コマンドにより次の出力が表示されます。

    Info: beginning device discovery for mynasfiler5.
    Info: connecting to mynasfiler5
    
    Info: devices found on mynasfiler5:
       Info: ATL     1500            ...
          Info: mc3  attrs= [none]
             Info: WWN: [none]
             Info: SN:  PMC13A0007
       Info: Quantum SDLT220...
          Info: nrst7a  attrs= norewind raw
             Info: WWN: [none]
             Info: SN:  CXB45H1313
       Info: Quantum SDLT220...
          Info: nrst8a  attrs= norewind raw
             Info: WWN: [none]
             Info: SN:  PKB51H0286
     
       mynasfiler5_mc3  (new library)
          WWN: [none]
          new attach-point on mynasfiler5, rawname mc3
     
       mynasfiler5_nrst7a  (new drive)
          WWN: [none]
          new attach-point on mynasfiler5, rawname nrst7a
     
       mynasfiler5_nrst8a  (new drive)
          WWN: [none]
          new attach-point on mynasfiler5, rawname nrst8a
    


    注意

    • 慣例的に、NASのライブラリ名にはmcが付き、NASのテープ・ドライブ名にはnrstが付きます。

    • obtoolコマンドのヘルプを参照するには、次のように入力します。

      ob> help command
      
     

  2. サマリー・デバイス情報をリストします。たとえば、次のようになります。

    ob> lsdev
    
    

    コマンドにより次の出力が表示されます。

    library    mynasfiler5_mc3      not in service
    drive      mynasfiler5_nrst7a   not in service
    drive      mynasfiler5_nrst8a   not in service
    library    tc-lib               in service
      drive 1  tc-tape              in service
    

    デバイスのデフォルト・ポリシー値を変更しなければ、新しく検出されたNASデバイスは、すべてデフォルトでnot in serviceの状態にあります。


    注意

    Oracle Secure Backupによって自動的に割り当てられるデバイス名は、NASデバイスからレポートされるライブラリおよびテープ・ドライブの名前に基づいて生成されます。これらの名前は、冗長で扱いにくい場合があります。NASライブラリおよびテープ・ドライブの名前は、より簡潔な名前に変更することをお薦めします。

    この例では、長い名前を使用しています。 


  3. 1番目のテープ・ドライブが存在するライブラリの名前を指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> chdev --library mynasfiler5_mc3 --dte 1 mynasfiler5_nrst7a
    
  4. 2番目のテープ・ドライブが存在するライブラリの名前を指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> chdev --library mynasfiler5_mc3 --dte 2 mynasfiler5_nrst8a
    
  5. サービスを提供するようライブラリとテープ・ドライブを設定します。

    ob> chdev --inservice mynasfiler5_mc3 mynasfiler5_nrst7a mynasfiler5_nrst8a
    
  6. サービスを提供中のライブラリとデバイスをリストします。たとえば、次のようになります。

    ob> lsdev mynasfiler5_mc3
    

    コマンドにより次の出力が表示されます。

    library    mynasfiler5_mc3      in service
      drive 1  mynasfiler5_nrst7a   in service
      drive 2  mynasfiler5_nrst8a   in service
    

この段階で、システムの別のインベントリを取得することも可能です。

関連項目

「LinuxおよびUNIXでのデバイスのインベントリ取得」 


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