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Oracle Secure Backup インストレーション・ガイド
リリース10.1

B28440-02
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1 Oracle Secure Backupの概要

この章では、Oracle Secure Backupの概要について説明し、管理ドメインの計画および構成に関するアドバイスを提供します。

この章には、次の各項が含まれます。

Oracle Secure Backupとは

Oracle Secure Backupにより、ファイル・システムをテープにバックアップする際に、高い信頼性に基づくデータ保護機能が提供されます。標準的なテープ形式を使用するSAN、ギガビット・イーサネットおよびSCSI環境において、主要なテープ・ドライブとライブラリがサポートされます。

Oracle Secure Backupは、Oracleストレージ・ソリューションの一部として、複雑な作業を簡略化し、ソフトウェアの追加購入の必要性を最小限に抑えます。Oracle Secure Backupにより、スケーラブルな分散型のバックアップおよびリカバリ機能が提供され、ソフトウェア・コストが次のように削減されます。

Oracle Secure Backupにより、単一ベンダーのサポートする搭載済のテープ管理ソフトウェアとの統合問題も解消されます。データベースとファイルをテープにバックアップしてリカバリする際に、Oracle Secure BackupとRecovery Manager(RMAN)を組み合せて使用すれば、他のテープ管理ソフトウェアは必要ありません。管理の一元化、異種ネットワークのサポート、および柔軟なスケジュール機能により、Oracle環境を容易に、そして自動的に保護することが可能になります。

Oracle Secure Backupのインタフェース

Oracle Secure Backupとの対話には、次のツールを使用できます。

Oracle Secure Backupの管理ドメインおよびホストのロール

様々なホスト、デバイスおよびデータベース間でのデータ保護アクティビティを管理するため、Oracle Secure Backupでは、管理ドメインを定義します。管理ドメインは、管理サーバーの制御下にある複数のホストの集合体です。

各ホストには、管理ドメイン内で次の1つ以上のロールを割り当てることができます。

Oracle Secure Backupは、管理サーバーと、管理ドメイン内のメディア・サーバーおよびクライアント・ホストごとにインストールする必要があります。インストール時に、インストール・ソフトウェアの指示によりそれぞれのホストに割り当てるロールを指定します。通常、1つの管理ドメインには、1つの管理サーバー、1つ以上のメディア・サーバー、および1つ以上のクライアント・ホストが含まれます。

図1-1に、3つのクライアント・ホスト、1つの管理サーバー、および1つのメディア・サーバーを含むOracle Secure Backup管理ドメインの例を示します。RMANは、Oracle Secure Backup SBTインタフェースを通じてデータベース・ファイルをテープにバックアップし、Oracle Secure Backupは、ファイル・システム上のファイルをテープにバックアップします。

図1-1    Oracle Secure Backupの管理ドメイン


画像の説明

関連資料

Oracle Secure Backupの全体的な概要は、『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。 

管理ドメインの計画

Oracle Secure Backupをインストールしてドメインを構成する前に、この項に記載された次の計画作業を実行する必要があります。

Oracle Secure Backupのシステム要件の確認

この項には、次の項目が含まれます。

Oracle Secure Backupでサポートされるプラットフォームとオペレーティング・システム

Oracle Secure Backupでサポートされるオペレーティング・システム、WebブラウザおよびNASのリストについては、次のURLにあるMetalinkの「Certify」を参照してください。

http://metalink.oracle.com/

テープ・デバイスのマトリクスは、次のURLから入手できます。

http://www.oracle.com/technology/products/secure-backup/

Oracle Secure Backupのディスク領域要件の計画

インストール管理を容易にするため、Windows、UNIXおよびLinuxオペレーティング・システムでは、Oracle Secure Backup用としてハードウェアおよびソフトウェアの容量計画値が指定されています。Oracle Secure Backupに必要とされる領域を検討する以外に、ネットワーク全体の規模の要件も考慮してください。ネットワーク上のホスト数や、実行予定のバックアップおよびリストアの容量などの要因は、リソース要件に重大な影響を及ぼします。

特定のネットワークに必要となるディスク領域の正確な容量を決定するための厳密な規則はありませんが、次の一般的なガイドラインを参考にしてください。

どのオペレーティング・システムでも、管理サーバーをインストールすると、メディア・サーバーおよびクライアント用のファイルが自動的にインストールされます(メディア・サーバーやクライアントをインストールしない場合でも同様です)。

次の項では、Windows、UNIXおよびLinuxオペレーティング・システムのOracle Secure Backupソフトウェアに必要となるおおよそのディスク領域要件を示します。ここで示す値は、推定値であり、インストール環境によっては変化する可能性があります。また、このディスク領域要件には、Oracle Secure Backupによって生成されるバックアップ・カタログおよびログ・ファイルに必要な領域は含まれていません。バックアップ・カタログおよびログ・ファイル用として、多くの追加ディスク領域が必要になることがあります。

WindowsでのOracle Secure Backupのディスク領域要件

表1-1に、Windows上にOracle Secure Backupをインストールする際に必要なディスク領域を管理サーバーありの場合となしの場合に分けて示します。

表1-1    WindowsでのOracle Secure Backupのディスク領域要件 
Oracle Secure Backupインストール  ディスク領域 

管理サーバー(メディア・サーバーとクライアントの一方または両方を含むことが可能) 

50MB 

メディア・サーバーとクライアントの一方または両方(管理サーバーなし) 

40MB 

LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのディスク領域要件

LinuxまたはUNIXにOracle Secure Backupをインストールする場合、特定のオペレーティング・システム用のインストール・パッケージをロードし、そのパッケージを使用してインストール作業を実行します。複数のオペレーティング・システムに対応するOracle Secure Backupのインストール・パッケージをロードすることも可能です。これらのパッケージを使用すると、ネットワーク上の他のホストに対してOracle Secure Backupのインストールを開始できます。通常、ネットワーク・インストールに使用されるインストール・パッケージは、管理サーバーにロードされます。

表1-2に、LinuxおよびUNIX上に管理サーバー、メディア・サーバーおよびクライアントをインストールする際のディスク領域要件を示します。この表には、他のホストへのネットワーク・インストールに使用されるインストール・パッケージをロードする際のディスク領域要件も含まれます。

表1-2    LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのディスク領域要件 
Oracle Secure Backupインストールおよびパッケージ  ディスク領域 

UNIXインストール用管理サーバー(メディア・サーバーとクライアントの一方または両方を含むことが可能) 

60MB 

Linux x86インストール用管理サーバー(メディア・サーバーとクライアントの一方または両方を含むことが可能) 

40MB 

Linux x86-64およびLinux Itaniumインストール用管理サーバー(メディア・サーバーとクライアントの一方または両方を含むことが可能) 

120MB 

HP-UX PA-RISC(64ビット)インストール用管理サーバー(メディア・サーバーとクライアントの一方または両方を含むことが可能) 

670MB 

すべてのオペレーティング・システムに共通の管理サーバー・ファイル 

10MB 

UNIXオペレーティング・システムが稼働する他のホストへのネットワーク・インストール用にロードされるインストール・パッケージの各コピー 

60MB 

Linuxオペレーティング・システムが稼働する他のホストへのネットワーク・インストール用にロードされるパッケージ・ファイル 

40MB 

メディア・サーバーとクライアントの一方または両方 

50MB 

管理サーバーと、他のホストへのネットワーク・インストール用サーバーの両方として機能するホストに必要なディスク領域の容量を計算するには、次のディスク領域要件を加算して必要な合計ディスク領域を決定します。

次に、LinuxまたはUNIXに様々な形式でOracle Secure Backupをインストールする際のディスク領域要件の例を示します。

Oracle Secure Backupのその他のシステム要件

Oracle Secure Backupのインストールには、次の要件も適用されます。

Linuxメディア・サーバーのシステム要件: SCSI Genericドライバ

LinuxホストをOracle Secure Backupのメディア・サーバー・ロールに構成するには、そのホストにSCSI Genericドライバをインストールする必要があります。このドライバは、Oracle Secure Backupがメディア・デバイスとやり取りするために必要です。また、再起動後にドライバが自動的にリロードされるようにホストを構成してください。

/etc/modprobe.confファイルで正しく設定すれば、カーネル・モジュールは、通常そのモジュールを必要とする機能によって直接ロードされます。ただし、場合によっては起動時にモジュールのロードを明示的に強制する必要があります。

たとえば、RedHat Enterprise Linuxでは、SCSI Genericドライバのモジュールはsgと名付けられます。Red Hat Enterprise Linuxでは、モジュールをロードするための各種コマンドが格納されている/etc/rc.modulesファイルが存在するかどうか起動時に確認されます。


注意

rc.localではなく、rc.modulesを使用してください。これは、起動プロセスでrc.modulesの方が先に実行されるためです。 


次のコマンドを使用すると、起動時にrootとしてロードするように構成されるモジュールのリストにsgモジュールを追加できます。

# echo modprobe sg >> /etc/rc.modules
# chmod +x /etc/rc.modules

管理ドメインにおけるホストのロールの選択

管理ドメインを計画する場合、ホストごとに特定のロールを1つ以上指定する必要があります。次の質問を検討してください。

単一のホストに複数のロールを割り当てることも可能です。たとえば、バックアップを管理するために使用するホストにバックアップ対象のデータも含まれる場合は、そのホストに管理サーバーとクライアントのロールを割り当てます。バックアップ対象のホストに接続されたデバイスがある場合は、そのホストにクライアントとメディア・サーバーのロールを割り当てます。


注意

バックアップ対象のデータを保持するすべてのホストには、そのホストに他のロールが割り当てられているかどうかにかかわらず、クライアント・ロールを割り当てる必要があります。 


図1-2に示すとおり、管理サーバー、メディア・サーバーおよびクライアントを兼ねる単一のホストで1つのドメインを構成できます。

図1-2    単一ホストによる管理ドメイン


画像の説明

運用する管理ドメインの各ホストのリストを収集し、ホストごとに割り当てるロールを決定します。次に、各ホストが、割り当てられたロールに関してOracle Secure Backupのシステム要件を満たしているかどうかを確認します。Oracle Secure Backupは、NASファイラなどのNDMP対応ホストを除くドメイン内の各ホストにインストールする必要があります。

UNIXおよびLinuxでのテープ・デバイス用のデバイス・パラメータの収集

メディア・デバイスの接続されたLinuxメディア・サーバーにOracle Secure Backupをインストールして構成する場合、接続されているすべてのテープ・ドライブまたはライブラリのSCSI構成パラメータを収集し、デバイスごとにデバイス特殊ファイルを作成する必要があります。

LinuxおよびUNIXオペレーティング・システム上でOracle Secure Backupを実行するメディア・サーバーに対し、オペレーティング・システム固有のユーティリティを使用して、SCSIバス・インスタンス名、ターゲットIDおよびSCSI論理ユニット番号(LUN)を取得します。


注意

Windowsメディア・サーバーに接続されたデバイスのSCSIパラメータ情報を収集する必要はありません。Windowsでは、テープ・ドライブとテープ・ライブラリのSCSIパラメータが自動的に正しく判別されます。 


関連項目

LinuxまたはUNIXでSCSIパラメータを収集する方法の詳細は、「LinuxおよびUNIXでのSCSIデバイス・パラメータの判別」を参照してください。  

デバイスへのOracle Secure Backup論理ユニット番号の割当て

SCSIデバイス情報を取得する以外に、構成プロセス時に、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号をテープ・ドライブおよびライブラリに割り当てる必要があります。この番号は、デバイスの構成時に一意のデバイス名を生成するために使用されます。

UNIXまたはLinuxメディア・サーバーの場合、管理ドメイン計画の一環として、デバイスごとにOracle Secure Backupの論理ユニット番号を選択する必要があります。


注意

Windowsメディア・サーバーに接続されたデバイスにOracle Secure Backupの論理ユニット番号を割り当てる必要はありません。Windowsでは、必要に応じて自動的にOracle Secure Backupの論理ユニット番号が割り当てられます。 


Oracle Secure Backupの論理ユニット番号を割り当てる順序は特に決まっていませんが、通常は特定タイプのデバイス(ライブラリやドライブ)ごとに、0から順番に数字を割り当てます。つまり、ライブラリには順に0、1、2と割り当て、テープ・ドライブにも同様に0、1、2と割り当てます。Oracle Secure Backupの論理ユニット番号の最大値は、31です。

LinuxまたはSolarisでは、テープ・ライブラリ用に作成されるデバイス特殊ファイルの名前は、/dev/obl1/dev/obl2/dev/obl3のように続き、テープ・ドライブ用のファイルの名前は、/dev/obtnという形式で、/dev/obt1/dev/obt2/dev/obt3のように続きます。ここで、各名前のnは、デバイスに割り当てたOracle Secure Backupの論理ユニット番号です。Windowsでは、作成されるテープ・ライブラリ用の名前は、obl1obl2obl3のように続き、テープ・ドライブ用の名前は、obt1obt2obt3のように続きます。これらの名前は、Oracle Secure BackupのWindowsへのインストール時に自動的に割り当てられます。(各テープ・ライブラリ名に含まれるlという文字は、アルファベットのLの小文字です。数字の1ではありません。)


注意

Oracle Secure Backupの論理ユニット番号を、SCSIの論理ユニット番号(SCSI LUN)と混同しないでください。SCSI LUNはデバイスのハードウェア・アドレスの一部ですが、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号はデバイス特殊ファイルの名前の一部です。 


Oracle Secure Backupのインストールの概要

「管理ドメインの計画」に記載されている作業を完了したら、いつでもソフトウェアをインストールして管理ドメインを構成できます。図1-3に、Linux、UNIXおよびWindowsホストの任意の組合せで使用できる基本プロセスを示します。

図1-3    Oracle Secure Backupのインストール


画像の説明

インストールと構成を実行する手順は、次のとおりです。

  1. 管理ドメインを計画します。これには、次の作業が含まれます。

    • 各ロールを割り当てるホストを決定します。

    • Linuxベースのメディア・サーバーの場合、テープ・ライブラリおよびドライブのSCSIパラメータなどのデバイス情報を収集します。

  2. Oracle Secure Backupソフトウェアを、管理ドメイン内のWindows、UNIXまたはLinuxホストにそれぞれインストールします。ただし、他のベンダーのNDMPデーモンが稼働するホスト(NDMP対応のNASファイラなど)を除きます。


    注意

    • 各ホストへのインストール時にプロンプトが表示されたら、手順1で割り当てたロールを指定してください。

    • Windowsメディア・サーバーにインストールする前に、テープ・ドライブおよびライブラリの既存のデバイス・ドライバを無効にして、Oracle Secure Backupのデバイス・ドライバでこれらのデバイスを管理できるようにします。これにより、WindowsのOracle Secure Backupでは、インストール中に自動的にSCSIデバイス・パラメータを判別できます。

    • LinuxまたはUNIXメディア・サーバーにインストールする場合、テープ・ドライブのSCSIデバイス・パラメータは、インストール中に入力するか、インストール直後の個別作業として入力します。

    • 管理サーバーとして指定したホストへのインストール時に、そのホストに基づく管理ドメインが作成されます。この時点では、管理サーバー以外のホストに関する情報は、管理ドメインに含まれません。

     

    関連項目

    各プラットフォームに固有のインストールおよびデバイス構成の手順は、第2章「WindowsでのOracle Secure Backupのインストール」および第4章「LinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupのインストール」を参照してください。  

  3. 管理サーバーにログインして、管理ドメインにメディア・サーバー・ホストとクライアントを追加します。

    この作業の実行方法は、「Windowsでの管理ドメインの構成: 概要」および「obtoolの使用によるLinuxおよびUNIXでの管理ドメインの構成」を参照してください。

  4. 手順3で追加した各メディア・サーバーのメディア・デバイスに関する情報を使用して、管理ドメインを構成します。

    管理ドメイン内の各Oracle Secure Backupメディア・サーバーに直接接続されているSCSIおよびファイバ・チャネル・ライブラリとテープ・ドライブを構成します。また、NASファイラに接続されているライブラリとテープ・ドライブを検出してそれらをドメインに組み入れます。


    注意

    Oracle Secure Backupでは、ほとんどのオペレーティング・システムでパススルー・デバイス・ドライバを利用します。特別な要件のあるオペレーティング・システムでは、Oracle Secure Backupのデバイス・ドライバをインストールできます。 


    関連項目

    管理ドメインを構成してメディア・デバイスを認識する方法の詳細は、第3章「Windowsでのドメインとデバイスの構成」および第5章「LinuxおよびUNIXでのドメインとデバイスの構成」を参照してください。 

  5. 管理サーバーとメディア・サーバーを適切に構成したら、クライアント・ロールとしてのみ機能するホストにOracle Secure Backupをインストールし(まだこの作業を終えていない場合)、それらのホストを管理ドメインに追加します。

LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのインストールの概要

LinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupのインストールは、次の3つのフェーズで実行されます。

LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのリモートまたはプッシュ・インストール

LinuxまたはUNIX管理サーバーへのインストールが完了したら、installobスクリプトを使用して、管理サーバーからLinuxまたはUNIXクライアントまたはメディア・サーバーにネットワークを通じて直接ソフトウェアをプッシュできます。これは、リモート・インストールまたはプッシュ・インストールと呼ばれます。リモート・インストールでは、installobによって、インストール先のプラットフォームに必要なインストール・ファイルがネットワークを通じてコピーされ、rshの使用によりインストールおよび構成を実行するためのコマンドがインストール先ホストに送信されます。


注意

この配布方法では、管理者が、インストール先ホストでパスワードを使用せずにrootとしてrshコマンドを発行できる必要があります。LinuxおよびUNIXクライアントでこの形式のアクセスを許可するよう構成すると、セキュリティ上の問題が発生します。

また、パスワードを必要としないrootによるrshコマンドの発行をサポートすることが、通常のホスト構成とは異なる場合、プッシュ・インストールの前に各ホストを構成してこの方法によるコマンドを許可し、インストールの完了後にその構成を無効にする必要があります。  


図1-4に、管理ドメインにおける管理サーバーおよびメディア・サーバーのローカル・インストールと、クライアント・ロールのみを割り当てられたホストへのプッシュ・インストールを示します。

図1-4    LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのインストール


画像の説明

この使用例におけるインストール・プロセスの手順は、次のとおりです。

  1. 管理サーバーとメディア・サーバーにのみ、Oracle Secure Backupソフトウェアをロードしてインストールします。

    管理サーバー・ホストでsetupを実行する際に、管理ドメインで使用するすべてのUNIXまたはLinuxオペレーティング・システム用のインストール・パッケージをサーバーにロードします。また、メディア・サーバーでinstallobを実行する際に、Oracle Secure Backupのデバイス・ドライバをインストールして構成し、各ホストにデバイス特殊ファイルを作成します。

  2. 管理サーバーにログインして、メディア・サーバーを管理ドメインに追加します。

    この作業は、前の手順におけるソフトウェア・インストール中に自動的に定義された管理サーバー上で直接実行します。

  3. 管理サーバーにドメイン内のテープ・デバイスを認識させます。

    この手順は、メディア・サーバーにのみ関連します。管理ドメイン内のOracle Secure Backupホストに直接接続されているSCSIおよびファイバ・チャネル・ライブラリとテープ・ドライブを構成します(まだ構成していない場合)。また、各メディア・サーバーに接続されたテープ・デバイスに関する情報で管理ドメインを構成します。同時に、NASファイラに接続されたライブラリとテープ・ドライブを検出して、ファイラがOracle Secure Backupと通信できるようにします。

  4. 管理サーバーからLinuxまたはUNIXクライアントに対してプッシュ・インストール・プロセスを実行します。UNIXまたはLinux管理サーバーで再度installobを実行し、プロンプトの指示に従って他のホストにOracle Secure Backupをインストールします。

  5. 管理サーバーにログインして、クライアントに関する情報で管理ドメインを構成します。

Oracle Secure Backupのインストール・ソフトウェアの取得

この項では、WebダウンロードまたはCD-ROMからOracle Secure Backupのインストール・メディアを取得する方法について説明します。


注意

CD-ROMの内容とダウンロード・アーカイブは同じものです。どちらの場合も、サポートされるすべてのオペレーティング・システムでのインストール作業に必要とされる完全なファイル・セットが含まれます。 


この項には、次の項目が含まれます。

Oracle Secure Backupのインストール・ソフトウェアにアクセスする方法

Oracle Secure Backupは、CD-ROMからインストールするか、次のURLにあるOracle Technology Network(OTN)のOracle Secure BackupのWebサイトを通じてダウンロードしたインストール・アーカイブからインストールします。

http://www.oracle.com/technology/products/secure-backup

OTNからソフトウェアをダウンロードする場合、ダウンロードしたファイルを一時的なディレクトリに格納し、後続の項に記載する手順に従ってインストール・ファイルのコンテンツを抽出する必要があります。

図1-5に、インストールに備えてOracle Secure Backupソフトウェアにアクセスするための2つの方法を示します。

図1-5    Oracle Secure Backupソフトウェアへのアクセス


画像の説明


注意

LinuxまたはUNIXでリモート・インストールを使用する場合(「LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのリモートまたはプッシュ・インストール」を参照)、リモート・インストール先となるホストにインストール・メディアを用意する必要はありません。  


CD-ROMからのOracle Secure Backupのインストール

CD-ROM形式のOracle Secure Backupのインストール・メディアを使用する場合、CDドライブにCD-ROMを挿入し、必要に応じてUNIXまたはLinuxにそのCDをマウントします。次に、使用しているプラットフォームに応じて、第2章「WindowsでのOracle Secure Backupのインストール」または第4章「LinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupのインストール」のインストール手順に進んでください。

LinuxおよびSolarisでのOTNダウンロードからのOracle Secure Backupの抽出

Oracle Secure Backupのインストール・ソフトウェアをダウンロードして抽出するには、次の手順を実行します。

  1. root権限を保持するユーザーとしてホストにログインします。

  2. ダウンロードしたインストール・ファイルを保存するのに十分な空き領域があるファイル・システムに、osbdownloadという一時ディレクトリを作成します。たとえば、次のコマンドを入力します。

    mkdir /tmp/osbdownload
    
  3. Webブラウザを起動して、次のURLにあるOracle Technology Network(OTN)のOracle Secure BackupのWebサイトに移動します。

    http://www.oracle.com/technology/products/secure-backup

  4. Oracle Secure Backupのダウンロード・リンクを探し、ダウンロードの指示に従って、作成した一時ディレクトリにZipファイルをダウンロードします。

    この例では、ダウンロードしたファイルの名前はosb_10_1cdrom.zipになると仮定します。

  5. 一時ディレクトリにZipファイルのコンテンツを抽出します。たとえば、次のようになります。

    $ cd /tmp/osbdownload
    $ unzip osb_10_1cdrom.zip
    

    デフォルトでは、Zipファイルのコンテンツは、.zip拡張子を除いたZipファイルの名前と同じ名前のディレクトリに抽出されます。この例では、コンテンツがサブディレクトリ/tmp/osbdownload/osb_10_1cdromに抽出されると仮定します。

    このディレクトリのコンテンツは、物理インストール・メディア(CDなど)のトップレベル・ディレクトリのコンテンツと同じです。lsコマンドを使用して、これらのファイルをリストできます。たとえば、次のようになります。

    Linux x86、Windows、Solarisオペレーティング・システム(SPARC 64ビット)の場合

    $ ls /tmp/osbdownload/osb_10_1cdrom
    autorun.inf  doc.tar  obreadme.pdf  setup.exe  winx86
    cdtools  install.tar  osb.10.1.060420.rel  solaris64
    doc  linux32  setup  welcome.html
    


    注意

    Linux x86、Windows、Solarisオペレーティング・システム(SPARC 64ビット)のインストール・ファイルは、1つのバンドル内にあります。したがって、Linux x86またはSolarisオペレーティング・システム(SPARC 64ビット)のプラットフォーム上でも、Windowsプラットフォームのインストール・ファイル(autorun.infおよびsetup.exeなど)が表示されます。 


    Linux x86-64の場合

    $ ls /tmp/osbdownload/osb_10_1cdrom
    cdtools  install.tar  linuxx64060419.rel  setup
    doc  linux86_64  obreadme.pdf  welcome.html
    

    Linux Itaniumの場合

    $ ls /tmp/osbdownload/osb_10_1cdrom
    cdtools  install.tar  linuxia64060419.rel  setup
    doc  linuxia64  obreadme.pdf  welcome.html
    

    HP-UX PA-RISC(64ビット)の場合

    $ ls /tmp/osbdownload/osb_10_1cdrom
    cdtools  install.tar  hp64pa060419.rel  setup
    doc  hp64pa  obreadme.pdf  welcome.html
    

これで、ソフトウェアをインストールする準備が整いました。詳細は、第4章「LinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupのインストール」を参照してください。

WindowsでのOTNダウンロードからのOracle Secure Backupの抽出

Oracle Secure Backupのインストール・ソフトウェアをWindowsでダウンロードして抽出するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者権限を保持するユーザーとしてホストにログインします。

  2. Windowsエクスプローラで、ダウンロードしたインストール・ファイルを保存するのに十分な空き領域があるファイル・システムに、osbdownloadという一時フォルダを作成します。

  3. Webブラウザを起動して、次のURLにあるOracle Technology Network(OTN)のOracle Secure BackupのWebサイトに移動します。

    http://www.oracle.com/technology/products/secure-backup

  4. Oracle Secure Backupのダウンロード・リンクを探し、ダウンロードの指示に従って、作成した一時ディレクトリにZipファイルをダウンロードします。

    この例では、ダウンロードしたファイルの名前はosb_10_1cdrom.zipになると仮定します。

  5. .zip拡張子を除いたZipファイルと同じ名前のサブディレクトリにZipファイルのコンテンツを抽出します。


    注意

    Windows XPおよびWindows Server 2003では、圧縮したZipファイルの検索と抽出が統合的にサポートされています。一方、Windows 2000では、Zipファイルのコンテンツを抽出するためのサード・パーティのユーティリティが必要です。WinZipは、頻繁に利用される市販製品の1つです。また、フリーウェアやオープン・ソースも使用できます。Zipファイルのコンテンツを抽出する場合、Zipファイル内のファイルのディレクトリ構造を必ず保持してください。 


    Windows XPまたはWindows Server 2003では、次の手順を実行します。

    1. ファイルを右クリックして、「送る」を選択し、「圧縮 (zip 形式) フォルダ」を選択します。

    2. 「フォルダの作業」で、「ファイルをすべて展開」をクリックすると、圧縮フォルダの展開ウィザードが起動します。

    3. 「参照」をクリックし、ファイルの抽出先として、Zipファイルをダウンロードしたフォルダを選択します。

    4. 「次へ」をクリックしてファイルを抽出します。

    抽出が完了すると、一時フォルダにはosb_10_1cdromという新しいサブフォルダが格納されます。新しいサブフォルダのコンテンツは、物理インストール・メディアのトップレベル・ディレクトリのコンテンツと同じです。Windowsエクスプローラを使用して、フォルダのコンテンツを表示できます。


    注意

    ダウンロードには、すべてのプラットフォームのインストール・ファイルが含まれます。そのため、Windowsプラットフォーム上でも、SolarisおよびLinuxプラットフォームのインストール・ファイルが表示されます。 


これで、ソフトウェアをインストールする準備が整いました。インストールの実行手順は、第2章「WindowsでのOracle Secure Backupのインストール」を参照してください。


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