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Oracle Secure Backup インストレーション・ガイド
リリース10.1

B28440-02
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3 Windowsでのドメインとデバイスの構成

この章では、Oracle Secure Backupで使用されるライブラリおよびテープ・ドライブの構成方法と、管理ドメインの設定方法について説明します。


注意

この章で説明する構成作業は、第2章「WindowsでのOracle Secure Backupのインストール」に記載されているインストール・プロセスが完了した後に実行する必要があります。これらの構成作業は、初期インストール・プロセスに含める必要はありませんが、ソフトウェアを使用するために必要になることがあります。 


この章には、次の各項が含まれます。

Windowsでのライブラリおよびテープ・ドライブの構成: 概要

この項では、Windowsシステムに、Oracle Secure Backupでの使用のために構成する必要のあるライブラリとテープ・ドライブがあると仮定します。ここでは、次の作業の実行方法について説明します。

  1. 管理ドメインを設定して、接続デバイスをメディア・サーバーに関連付けることができるようにします。

    この作業の実行方法は、「Windowsでの管理ドメインの構成: 概要」を参照してください。

  2. ユーザー定義の名前をデバイスに割り当てます(オプション)。

    この作業の実行方法は、「WindowsでのOracle Secure Backupのデバイス名の割当て」を参照してください。

  3. デバイスのインベントリを取得します。

    この作業の実行方法は、「Windowsでのテープ・デバイスのインベントリ取得」を参照してください。

  4. ネットワーク接続ストレージ(NAS)のテープ・ドライブおよびライブラリを構成します(存在する場合)。

    この作業の実行方法は、「WindowsでのNASライブラリおよびテープ・ドライブの構成」を参照してください。

これらの作業に進む前に、次の各項の概念的な情報を確認してください。

Oracle Secure Backupの論理ユニット番号について

構成プロセス時には、SCSIデバイス情報が取得される以外に、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号がテープ・ドライブまたはテープ・ライブラリにそれぞれ割り当てられます。この番号は、0〜31である必要があり、デバイスの構成時に一意のデバイス名を生成するために使用されます。Windowsでは、Oracle Secure Backupのデバイス・ドライバによってOracle Secure Backupの論理ユニット番号が割り当てられます。各タイプ(ライブラリまたはテープ・ドライブ)のデバイスの値は、0から順番に割り当てられます。この番号は、デバイス名の一部として使用されます。つまり、テープ・ライブラリの名前は、obl0obl1obl2のように続きます。同様に、テープ・ドライブの名前は、obt0obt1obt2のように続きます。


注意

  • Oracle Secure Backupの論理ユニット番号を、SCSIの論理ユニット番号(SCSI LUN)と混同しないでください。SCSI LUNはデバイスのハードウェア・アドレスの一部ですが、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号はデバイス特殊ファイルの名前の一部です。

  • テープ・ライブラリのデバイス名のlという文字は、アルファベットのLの小文字です。数字の1ではありません。

 

ファイバ・チャネル共有デバイスについて

ホスト中心型プロトコルのSCSIとは異なり、ファイバ・チャネルは、一般的にテープ・ライブラリとテープ・ドライブが複数のOracle Secure Backupメディア・サーバー間で共有される代替ストレージ・アーキテクチャです。ファイバ・チャネルに接続された1台のテープ・ドライブまたはライブラリは、通常、そのデバイスに直接アクセスできる各ホストと複数の接続を確立できます。obtoolchdevコマンドを使用すると、同じデバイスをネットワーク上の複数のホストに接続できます。

Oracle Secure Backupでは、2人のユーザーが相互に独立してデバイスにアクセスすることのないように、共有デバイスの使用状態を自動的に調整できます。

Oracle Secure Backupで使用するファイバ・チャネル・デバイスは、SCSIおよびNASデバイスと同じ方法で構成します。

関連資料

chdevコマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 

Windowsでの管理ドメインの構成: 概要

ネットワーク内のすべてのホストにOracle Secure Backupをインストールしたら、Oracle Secure Backupを使用して管理ドメインを構成できます。この作業では、すべてのメディア・サーバー、クライアント・ホストおよびNASファイラを構成します。

mkhostコマンドで--access obオプションを使用し、Oracle Secure Backupホストを構成します。管理サーバーは、インストール・プロセス中にデフォルトで構成されます。


注意

次の例では、BELLAという管理サーバー兼メディア・サーバー、storabck05というメディア・サーバー、およびdlsun1976というクライアント・ホストがあると仮定します。  


管理ドメインを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者ユーザーとして、または管理者グループ・メンバーのユーザーとしてWindowsにログインします。

  2. Oracle Secure Backupを起動するため、「スタート」ボタンをクリックし、「プログラム」「Oracle Secure Backup」「Oracle Secure Backup Command Line Interface」を選択します。

    ob>プロンプトが表示されます。

  3. 管理ドメインにメディア・サーバーを組み入れます。アクセス・タイプ、ロールおよびIPアドレスのオプションを指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> mkhost --access ob --role mediaserver --ip 133.2.22.59 storabck05
    
  4. 管理ドメインにクライアント・ホストを組み入れます。アクセス・タイプ、ロールおよびIPアドレスのオプションを指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> mkhost --access ob --role client --ip 143.15.235.140 dlsun1976
    
  5. 管理ドメイン内のすべてのホストの名前と属性をリストします。たとえば、次のようになります。

    ob> lshost
    BELLA            admin,mediaserver,client          (via OB)   in service
    dlsun1976          client                            (via OB)   in service
    storabck05       mediaserver                       (via OB)   in service
    


    注意

    管理ドメインの構成(またはこの章の他の手順)は、Oracle Secure Backup Webツールでも実行できます。詳細は、『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。  


NASファイラの構成

管理ドメインのメンバーとしてNASファイラを構成できます。mkhostコマンドで--access ndmpオプションを使用し、NASファイラを構成します。NASでは、ストレージ・デバイスにLANのアドレスを割り当てることができるため、格納データを特定の場所に直接接続する必要がなくなります。

管理サーバーは、ネットワーク・データ管理プロトコル(NDMP)を通じてOracle Secure BackupのインストールされていないNASファイラと通信し、その管理を行います。NDMPでは、オペレーティング・システムまたはプラットフォームとは無関係に、異種ネットワーク上でデータをバックアップおよびリストアするためのTCP/IPベースの標準プロトコルを定義しています。NDMPにより、ネットワーク・リソースに対する要求が最大限抑制され、テープに対するローカル・バックアップおよびリストアが可能となり、集中的な管理および制御が実現します。


注意

次の例では、BELLAという管理サーバー兼メディア・サーバーと、mynasfiler5というNASファイラがあると仮定します。  


NASファイラを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 管理者ユーザーとして、または管理者グループ・メンバーのユーザーとしてWindowsにログインします。

  2. Oracle Secure Backupを起動するため、「スタート」ボタンをクリックし、「プログラム」「Oracle Secure Backup」「Oracle Secure Backup Command Line Interface」を選択します。

    ob>プロンプトが表示されます。

  3. 管理ドメインにNASファイラを組み入れます。アクセス・タイプ、ロール、IPアドレスおよびNDMPパスワードのオプションを指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> mkhost --access ndmp --role mediaserver --ip 138.1.14.128 --ndmppass mypassword
    mynasfiler5
    


    注意

    Oracle Secure Backupには、通常、NASファイラ構成用のデフォルトのNDMPパスワードが用意されています。このパスワードのかわりに、mkhostコマンドの--ndmppassオプションでパスワードを設定できます。 


  4. 管理ドメイン内のすべてのホストの名前と属性をリストします。たとえば、次のようになります。

    ob> lshost
    BELLA            admin,mediaserver,client          (via OB)   in service
    dlsun1976          client                            (via OB)   in service
    mynasfiler5      mediaserver                       (via NDMP) in service
    storabck05       mediaserver                       (via OB)   in service
    

WindowsでのOracle Secure Backupのデバイス名の割当て

管理ドメインを設定したら、接続されているライブラリとテープ・ドライブを構成できます。Oracle Secure Backupでは、SCSIおよびファイバ・チャネル接続デバイスに加え、NASライブラリおよびテープ・ドライブもサポートされます。Oracle Secure Backupのデバイス名は、ユーザーが定義します。

次の例では、BELLAという1台の管理サーバー兼メディア・サーバーに、obl0というライブラリとobt0というテープ・ドライブが接続されていると仮定します。この例では、デバイスの構成にobtoolコマンドを使用しますが、Oracle Secure Backup WebツールまたはOracle Enterprise Managerを使用してOracle Secure Backupのデバイス名を割り当てることも可能です。


注意

Oracle Secure Backupのテープ・デバイスを構成する前に、SCSIターゲットを任意にスキャンおよびオープンするシステム・ソフトウェアをすべて無効にしてください。テープ・ライブラリおよびドライブへのアクセス時に、Oracle Secure Backupが他のシステム・ソフトウェア(監視ソフトウェアなど)と競合すると、予期しない動作が発生する可能性があります。 


  1. すでにOracle Secure Backupにログインしている場合は、手順3に進んでください。

    ログインしていない場合は、管理者ユーザーとして、または管理者グループ・メンバーのユーザーとしてWindowsにログインします。

  2. Oracle Secure Backupを起動するため、「スタート」ボタンをクリックし、「プログラム」「Oracle Secure Backup」「Oracle Secure Backup Command Line Interface」を選択します。

    ob>プロンプトが表示されます。

  3. Oracle Secure Backupのデバイス・オブジェクトを作成し、そのオブジェクトにテープ・ライブラリ用のユーザー定義名を割り当てます。デバイス・タイプとメディア・サーバーのオプションを指定します。次の例では、テープ・ライブラリobl0tc-libという名前を割り当てます。

    ob> mkdev --type library --attach BELLA://./obl0 tc-lib
    
  4. Oracle Secure Backupのデバイス・オブジェクトを作成し、そのオブジェクトにテープ・ドライブ用のユーザー定義名を割り当てます。次の例では、テープ・ドライブobt0tc-tapeという名前を割り当てます。

    ob> mkdev --type tape --library tc-lib --dte 1 --attach BELLA://./obt0 tc-tape
    


    注意

    Oracle Secure Backupでは、データ転送要素(DTE)番号でライブラリ内の各テープ・ドライブを識別します。libraryを指定する場合は、dteを割り当てる必要があります。DTEは、1nの番号です。  


  5. 2つのデバイスの構成情報を確認します。たとえば、次のようになります。

    ob> lsdev -l
    

    この例では、コマンドにより次の出力が表示されます。

    tc-lib:
        Device type:            library
        Model:                  [none]
        In service:             yes
        Debug mode:             no
        Barcode reader:         default (hardware-selected)
        Barcodes required:      no
        Auto clean:             no
        Clean interval:         (not set)
        Clean using emptiest:   no
        UUID:                   ca196e5e-af6d-4978-9172-3dadb5d50ec7
        Attachment 1:
            Host:               BELLA
            Raw device:         //./obl0
    tc-tape:
        Device type:            tape
        Model:                  [none]
        In service:             yes
        Library:                tc-lib
        DTE:                    1
        Automount:              yes
        Error rate:             8
        Query frequency:        1207KB (1236976 bytes) (from driver)
        Debug mode:             no
        Blocking factor:        (default)
        Max blocking factor:    (default)
        Current tape:           2
        Use list:               all
        Drive usage:            none
        Cleaning required:      no
        UUID:                   d367a0dd-549c-4b99-9557-d9fc16d9d2c5
        Attachment 1:
            Host:               BELLA
            Raw device:         //./obt0
    

Windowsでのテープ・デバイスのインベントリ取得

デバイスが構成されると、Oracle Secure Backupを使用してテープ・ライブラリのボリュームのインベントリを取得できます。

  1. すでにOracle Secure Backupにログインしている場合は、手順3に進んでください。

  2. Oracle Secure Backupを起動するため、「スタート」ボタンをクリックし、「プログラム」「Oracle Secure Backup」「Oracle Secure Backup Command Line Interface」を選択します。

    ob>プロンプトが表示されます。

  3. インベントリを取得するライブラリの名前を指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> inventory -L tc-lib
    

    ライブラリ名を参照するには、lsdevコマンドを実行します。

  4. ライブラリのすべてのボリュームをリストします。たとえば、次のようになります。

    ob> lsvol -L tc-lib
    

    この例では、コマンドにより次の出力が表示されます。

    Inventory of library tc-lib:
        in    3:             barcode 00000153
        in    4:             barcode 00000154
        in    5:             barcode 000005
        in    6:             barcode 00000151
        in    7:             barcode 00000134
        in    8:             barcode 00000133
        in    9:             barcode 00000131
        in    10:            barcode 00000130
        in    11:            barcode 00000129
        in    12:            barcode 00000128
        in    15:            occupied
        in    dte:           barcode 00000152, lastse 2
    

WindowsでのNASライブラリおよびテープ・ドライブの構成

この項では、ネットワーク接続ストレージ(NAS)・ファイラに接続されたライブラリやテープ・ドライブを構成し、Oracle Secure Backupがファイラと通信してファイラ上のファイルをテープ・ドライブにバックアップできるようにする方法について説明します。

NASファイラに接続されたライブラリおよびテープ・デバイスは、NASデバイスで稼働するオペレーティング・システムによって自動的に構成されます。SCSIデバイスとファイバ・チャネルの構成も自動的に行われます。

ただし、ライブラリおよびテープ・ドライブは、Oracle Secure Backupソフトウェアからアクセスできるよう設定する必要があります。この作業を行うには、管理ドメイン内の各NASファイラについて、デバイス検出を実行します。


注意

管理サーバーでは、デバイスの接続されたNASファイラをメディア・サーバーとして使用できます。  


Oracle Secure BackupからNASデバイス名にアクセスできるようにする方法

Oracle Secure Backupでは、管理ドメインの一部であるNASファイラに接続されたデバイスを検出し、その情報に基づいて自動的にドメインのデバイス構成を更新します。

NASデバイスの名前を検出してOracle Secure Backupからアクセスできるようにするには、次の手順を実行します。

  1. すでにOracle Secure Backupにログインしている場合は、手順3に進んでください。

    ログインしていない場合は、管理者ユーザーとして、または管理者グループ・メンバーのユーザーとしてWindowsにログインします。

  2. Oracle Secure Backupを起動するため、「スタート」ボタンをクリックし、「プログラム」「Oracle Secure Backup」「Oracle Secure Backup Command Line Interface」を選択します。

    ob>プロンプトが表示されます。

  3. デバイス構成の変更を検出して、以前mkhostを使用して構成したmynasfiler5というメディア・サーバーの属する管理ドメインを更新します。詳細は、「NASファイラの構成」を参照してください。

    ob> discoverdev --verbose --host mynasfiler5
    

    この例では、コマンドにより次の出力が表示されます。

    Info: beginning device discovery for mynasfiler5.
    Info: connecting to mynasfiler5
    
    Info: devices found on mynasfiler5:
       Info: ATL     1500            ...
          Info: mc3  attrs= [none]
             Info: WWN: [none]
             Info: SN:  PMC13A0007
       Info: Quantum SDLT220...
          Info: nrst7a  attrs= norewind raw
             Info: WWN: [none]
             Info: SN:  CXB45H1313
       Info: Quantum SDLT220...
          Info: nrst8a  attrs= norewind raw
             Info: WWN: [none]
             Info: SN:  PKB51H0286
     
       mynasfiler5_mc3  (new library)
          WWN: [none]
          new attach-point on mynasfiler5, rawname mc3
     
       mynasfiler5_nrst7a  (new drive)
          WWN: [none]
          new attach-point on mynasfiler5, rawname nrst7a
     
       mynasfiler5_nrst8a  (new drive)
          WWN: [none]
          new attach-point on mynasfiler5, rawname nrst8a
    


    注意

    慣例的に、NASのライブラリ名にはmcが付き、NASのテープ・ドライブ名にはnrstが付きます。  


  4. サマリー・デバイス情報をリストします。たとえば、次のようになります。

    ob> lsdev
    

    obtoolにより、次のような出力が表示されます。

    library    mynasfiler5_mc3      not in service
    drive      mynasfiler5_nrst7a   not in service
    drive      mynasfiler5_nrst8a   not in service
    library    tc-lib               in service
      drive 1  tc-tape              in service
    

    デバイスのデフォルト・ポリシー値を変更しなければ、新しく検出されたデバイスは、すべてデフォルトでnot in serviceの状態にあります。


    注意

    Oracle Secure Backupによって自動的に割り当てられるデバイス名は、NASデバイスからレポートされるライブラリおよびテープ・ドライブの名前に基づいて決定されます。これらの名前は、冗長で扱いにくい場合があります。NASライブラリおよびテープ・ドライブの名前は、より簡潔な名前に変更することをお薦めします。この例では、長い名前を使用しています。  


  5. 1番目のテープ・ドライブが存在するライブラリの名前を指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> chdev --library mynasfiler5_mc3 --dte 1 mynasfiler5_nrst7a
    
  6. 2番目のテープ・ドライブが存在するライブラリの名前を指定します。たとえば、次のようになります。

    ob> chdev --library mynasfiler5_mc3 --dte 2 mynasfiler5_nrst8a
    
  7. 現時点では、どのデバイスもサービスを提供していません。サービスを提供するようライブラリとテープ・ドライブを設定します。たとえば、次のようになります。

    ob> chdev --inservice mynasfiler5_mc3 mynasfiler5_nrst7a mynasfiler5_nrst8a
    
  8. サービスを提供中のライブラリとデバイスをリストします。たとえば、次のようになります。

    ob> lsdev mynasfiler5_mc3
    

    この例では、コマンドにより次の出力が表示されます。

    library    mynasfiler5_mc3      in service
      drive 1  mynasfiler5_nrst7a   in service
      drive 2  mynasfiler5_nrst8a   in service
    

    この段階で、システムの別のインベントリを取得することも可能です。手順の詳細は、「Windowsでのテープ・デバイスのインベントリ取得」を参照してください。


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