Oracle Secure Backup インストレーション・ガイド リリース10.1 B28440-02 |
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この章では、Oracle Secure Backupで使用されるライブラリおよびテープ・ドライブの構成方法と、管理ドメインの設定方法について説明します。
注意 この章で説明する構成作業は、第2章「WindowsでのOracle Secure Backupのインストール」に記載されているインストール・プロセスが完了した後に実行する必要があります。これらの構成作業は、初期インストール・プロセスに含める必要はありませんが、ソフトウェアを使用するために必要になることがあります。 |
この章には、次の各項が含まれます。
この項では、Windowsシステムに、Oracle Secure Backupでの使用のために構成する必要のあるライブラリとテープ・ドライブがあると仮定します。ここでは、次の作業の実行方法について説明します。
この作業の実行方法は、「Windowsでの管理ドメインの構成: 概要」を参照してください。
この作業の実行方法は、「WindowsでのOracle Secure Backupのデバイス名の割当て」を参照してください。
この作業の実行方法は、「Windowsでのテープ・デバイスのインベントリ取得」を参照してください。
この作業の実行方法は、「WindowsでのNASライブラリおよびテープ・ドライブの構成」を参照してください。
これらの作業に進む前に、次の各項の概念的な情報を確認してください。
構成プロセス時には、SCSIデバイス情報が取得される以外に、Oracle Secure Backupの論理ユニット番号がテープ・ドライブまたはテープ・ライブラリにそれぞれ割り当てられます。この番号は、0〜31である必要があり、デバイスの構成時に一意のデバイス名を生成するために使用されます。Windowsでは、Oracle Secure Backupのデバイス・ドライバによってOracle Secure Backupの論理ユニット番号が割り当てられます。各タイプ(ライブラリまたはテープ・ドライブ)のデバイスの値は、0から順番に割り当てられます。この番号は、デバイス名の一部として使用されます。つまり、テープ・ライブラリの名前は、obl0
、obl1
、obl2
のように続きます。同様に、テープ・ドライブの名前は、obt0
、obt1
、obt2
のように続きます。
ホスト中心型プロトコルのSCSIとは異なり、ファイバ・チャネルは、一般的にテープ・ライブラリとテープ・ドライブが複数のOracle Secure Backupメディア・サーバー間で共有される代替ストレージ・アーキテクチャです。ファイバ・チャネルに接続された1台のテープ・ドライブまたはライブラリは、通常、そのデバイスに直接アクセスできる各ホストと複数の接続を確立できます。obtool
のchdev
コマンドを使用すると、同じデバイスをネットワーク上の複数のホストに接続できます。
Oracle Secure Backupでは、2人のユーザーが相互に独立してデバイスにアクセスすることのないように、共有デバイスの使用状態を自動的に調整できます。
Oracle Secure Backupで使用するファイバ・チャネル・デバイスは、SCSIおよびNASデバイスと同じ方法で構成します。
ネットワーク内のすべてのホストにOracle Secure Backupをインストールしたら、Oracle Secure Backupを使用して管理ドメインを構成できます。この作業では、すべてのメディア・サーバー、クライアント・ホストおよびNASファイラを構成します。
mkhost
コマンドで--access ob
オプションを使用し、Oracle Secure Backupホストを構成します。管理サーバーは、インストール・プロセス中にデフォルトで構成されます。
管理ドメインを構成するには、次の手順を実行します。
ob>
プロンプトが表示されます。
ob> mkhost --access ob --role mediaserver --ip 133.2.22.59 storabck05
ob> mkhost --access ob --role client --ip 143.15.235.140 dlsun1976
ob> lshost BELLA admin,mediaserver,client (via OB) in service dlsun1976 client (via OB) in service storabck05 mediaserver (via OB) in service
管理ドメインのメンバーとしてNASファイラを構成できます。mkhost
コマンドで--access ndmp
オプションを使用し、NASファイラを構成します。NASでは、ストレージ・デバイスにLANのアドレスを割り当てることができるため、格納データを特定の場所に直接接続する必要がなくなります。
管理サーバーは、ネットワーク・データ管理プロトコル(NDMP)を通じてOracle Secure BackupのインストールされていないNASファイラと通信し、その管理を行います。NDMPでは、オペレーティング・システムまたはプラットフォームとは無関係に、異種ネットワーク上でデータをバックアップおよびリストアするためのTCP/IPベースの標準プロトコルを定義しています。NDMPにより、ネットワーク・リソースに対する要求が最大限抑制され、テープに対するローカル・バックアップおよびリストアが可能となり、集中的な管理および制御が実現します。
NASファイラを構成するには、次の手順を実行します。
ob>
プロンプトが表示されます。
ob> mkhost --access ndmp --role mediaserver --ip 138.1.14.128 --ndmppass mypassword mynasfiler5
ob> lshost BELLA admin,mediaserver,client (via OB) in service dlsun1976 client (via OB) in service mynasfiler5 mediaserver (via NDMP) in service storabck05 mediaserver (via OB) in service
管理ドメインを設定したら、接続されているライブラリとテープ・ドライブを構成できます。Oracle Secure Backupでは、SCSIおよびファイバ・チャネル接続デバイスに加え、NASライブラリおよびテープ・ドライブもサポートされます。Oracle Secure Backupのデバイス名は、ユーザーが定義します。
次の例では、BELLA
という1台の管理サーバー兼メディア・サーバーに、obl0
というライブラリとobt0
というテープ・ドライブが接続されていると仮定します。この例では、デバイスの構成にobtool
コマンドを使用しますが、Oracle Secure Backup WebツールまたはOracle Enterprise Managerを使用してOracle Secure Backupのデバイス名を割り当てることも可能です。
ログインしていない場合は、管理者ユーザーとして、または管理者グループ・メンバーのユーザーとしてWindowsにログインします。
ob>
プロンプトが表示されます。
obl0
にtc-lib
という名前を割り当てます。
ob> mkdev --type library --attach BELLA://./obl0 tc-lib
obt0
にtc-tape
という名前を割り当てます。
ob> mkdev --type tape --library tc-lib --dte 1 --attach BELLA://./obt0 tc-tape
ob> lsdev -l
この例では、コマンドにより次の出力が表示されます。
tc-lib: Device type: library Model: [none] In service: yes Debug mode: no Barcode reader: default (hardware-selected) Barcodes required: no Auto clean: no Clean interval: (not set) Clean using emptiest: no UUID: ca196e5e-af6d-4978-9172-3dadb5d50ec7 Attachment 1: Host: BELLA Raw device: //./obl0 tc-tape: Device type: tape Model: [none] In service: yes Library: tc-lib DTE: 1 Automount: yes Error rate: 8 Query frequency: 1207KB (1236976 bytes) (from driver) Debug mode: no Blocking factor: (default) Max blocking factor: (default) Current tape: 2 Use list: all Drive usage: none Cleaning required: no UUID: d367a0dd-549c-4b99-9557-d9fc16d9d2c5 Attachment 1: Host: BELLA Raw device: //./obt0
デバイスが構成されると、Oracle Secure Backupを使用してテープ・ライブラリのボリュームのインベントリを取得できます。
ob>
プロンプトが表示されます。
ob> inventory -L tc-lib
ライブラリ名を参照するには、lsdev
コマンドを実行します。
ob> lsvol -L tc-lib
この例では、コマンドにより次の出力が表示されます。
Inventory of library tc-lib: in 3: barcode 00000153 in 4: barcode 00000154 in 5: barcode 000005 in 6: barcode 00000151 in 7: barcode 00000134 in 8: barcode 00000133 in 9: barcode 00000131 in 10: barcode 00000130 in 11: barcode 00000129 in 12: barcode 00000128 in 15: occupied in dte: barcode 00000152, lastse 2
この項では、ネットワーク接続ストレージ(NAS)・ファイラに接続されたライブラリやテープ・ドライブを構成し、Oracle Secure Backupがファイラと通信してファイラ上のファイルをテープ・ドライブにバックアップできるようにする方法について説明します。
NASファイラに接続されたライブラリおよびテープ・デバイスは、NASデバイスで稼働するオペレーティング・システムによって自動的に構成されます。SCSIデバイスとファイバ・チャネルの構成も自動的に行われます。
ただし、ライブラリおよびテープ・ドライブは、Oracle Secure Backupソフトウェアからアクセスできるよう設定する必要があります。この作業を行うには、管理ドメイン内の各NASファイラについて、デバイス検出を実行します。
Oracle Secure Backupでは、管理ドメインの一部であるNASファイラに接続されたデバイスを検出し、その情報に基づいて自動的にドメインのデバイス構成を更新します。
NASデバイスの名前を検出してOracle Secure Backupからアクセスできるようにするには、次の手順を実行します。
ログインしていない場合は、管理者ユーザーとして、または管理者グループ・メンバーのユーザーとしてWindowsにログインします。
ob>
プロンプトが表示されます。
mkhost
を使用して構成したmynasfiler5
というメディア・サーバーの属する管理ドメインを更新します。詳細は、「NASファイラの構成」を参照してください。
ob> discoverdev --verbose --host mynasfiler5
この例では、コマンドにより次の出力が表示されます。
Info: beginning device discovery for mynasfiler5. Info: connecting to mynasfiler5 Info: devices found on mynasfiler5: Info: ATL 1500 ... Info: mc3 attrs= [none] Info: WWN: [none] Info: SN: PMC13A0007 Info: Quantum SDLT220... Info: nrst7a attrs= norewind raw Info: WWN: [none] Info: SN: CXB45H1313 Info: Quantum SDLT220... Info: nrst8a attrs= norewind raw Info: WWN: [none] Info: SN: PKB51H0286 mynasfiler5_mc3 (new library) WWN: [none] new attach-point on mynasfiler5, rawname mc3 mynasfiler5_nrst7a (new drive) WWN: [none] new attach-point on mynasfiler5, rawname nrst7a mynasfiler5_nrst8a (new drive) WWN: [none] new attach-point on mynasfiler5, rawname nrst8a
ob> lsdev
obtool
により、次のような出力が表示されます。
library mynasfiler5_mc3 not in service drive mynasfiler5_nrst7a not in service drive mynasfiler5_nrst8a not in service library tc-lib in service drive 1 tc-tape in service
デバイスのデフォルト・ポリシー値を変更しなければ、新しく検出されたデバイスは、すべてデフォルトでnot in service
の状態にあります。
ob> chdev --library mynasfiler5_mc3 --dte 1 mynasfiler5_nrst7a
ob> chdev --library mynasfiler5_mc3 --dte 2 mynasfiler5_nrst8a
ob> chdev --inservice mynasfiler5_mc3 mynasfiler5_nrst7a mynasfiler5_nrst8a
ob> lsdev mynasfiler5_mc3
この例では、コマンドにより次の出力が表示されます。
library mynasfiler5_mc3 in service drive 1 mynasfiler5_nrst7a in service drive 2 mynasfiler5_nrst8a in service
この段階で、システムの別のインベントリを取得することも可能です。手順の詳細は、「Windowsでのテープ・デバイスのインベントリ取得」を参照してください。
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