用途
catxcr
コマンドは、1つ以上のジョブ記録を表示する場合に使用します。Oracle Secure Backupでは、各ジョブの実行中の記録が保持されます。記録には、ジョブ操作の詳細が記述されます。Oracle Secure Backupでは、初めてジョブがディスパッチされるときにこの記録が作成され、ジョブの進捗に伴い更新されます。ジョブでオペレータの支援が必要とされるときには、この記録を使用して支援が要請されます。
前提条件
別のユーザーのジョブをリストするには、所有者を問わないジョブのリスト(list any job, regardless of its owner)権を備えている必要があります。自身のジョブをリストするには、ユーザーが所有するジョブのリスト(list any jobs owned by user)権を備えている必要があります。
別のユーザーのジョブに応答するには、所有者を問わないジョブの変更(modify any job, regardless of its owner)権を備えている必要があります。自身のジョブに応答するには、ユーザーが所有するジョブの変更(modify any jobs owned by user)権を備えている必要があります。
構文
catxcr::=
catx•cr [ --level/-l msglevel ] [ --noinput/-N ] [ --msgno/-m ] [ --start/-s msgno | --head/-h nlines | --tail/-t nlines ] [ --follow/-f ] job-id ...
意味
msglevel以上のメッセージ・レベルを持つ行のみを表示します。msglevelは数値または名前で指定できます。デフォルトのレベルは4(request)で、Oracle Secure Backupによって生成される通常のメッセージです。
Oracle Secure Backupによって記録に書き込まれる各メッセージには、メッセージ番号およびメッセージ・レベルが付けられます。メッセージ番号は、記録内でのメッセージの位置を示します。
注意: メッセージ番号は物理的な行番号に対応しないことがあります。特定のメッセージが複数の物理行にわたることがあるためです。 |
メッセージ・レベルは、メッセージの内容を、表2-1に示す順序カテゴリのいずれかにあるものとして識別したものです。
入力リクエストが抑止されます。デフォルトでは、入力リクエストが認識されると、catxcr
が一時停止し、ユーザーがプロンプトに応答できるようになります。このオプションを指定すると、このアクションが抑止されます。
各行に接頭辞としてメッセージ番号を付けます。
メッセージ番号がmsgnoの行から表示を開始します。
記録の最初のnlines行が表示されます。--level
を指定しなかった場合、obtool
ではデフォルトとして--level 4
が使用されます。すなわち、nlinesには、デフォルトのメッセージ・レベル(またはそれ以上)の行の行数を指定します。--level
を指定した場合、nlinesには、指定したメッセージ・レベルまたはそれ以上の行の行数を指定します。
記録の最後のnlines行が表示されます。--level
を指定しなかった場合、obtool
ではデフォルトとして--level 4
が使用されます。すなわち、nlinesには、デフォルトのメッセージ・レベル(またはそれ以上)の行の行数を指定します。--level
を指定した場合、nlinesには、指定したメッセージ・レベルまたはそれ以上の行の行数を指定します。
記録の追加を継続的に監視し、新しい行が記録されると表示します。デフォルトでは、catxcr
コマンドは、リクエストされた行数を表示し、終了します。--follow
モードを終了するには、[Ctrl]キーを押しながら[C]を押します。
記録を表示するジョブのジョブIDを指定します。依存ジョブを持つジョブをjob-idに指定した場合は、obtool
により、すべての依存ジョブの記録が表示されます。catxcr
では、複数の記録を表示する場合、各行にjob-idを接頭辞として付けます。ジョブIDを表示するには、lsjobコマンドを実行します。
例
例2-10では、IDがsbt/1.1
であるジョブの記録を表示しています。
例2-10 ジョブ記録の表示
ob> catxcr sbt/1.1 2005/03/21.10:19:39 ______________________________________________________________________ 2005/03/21.10:19:39 2005/03/21.10:19:39 Transcript for job sbt/1.1 running on stadv07 2005/03/21.10:19:39 Volume label: Volume tag: ADE202 Volume ID: RMAN-DEFAULT-000001 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Mon Mar 21 10:19:39 2005 Media family: RMAN-DEFAULT Volume set expires: never; content manages reuse
例2-5では、バックアップ・ジョブadmin/6
は一時停止になっています。例2-11では、catxcr
コマンドの実行により、Oracle Secure Backupがバックアップに使用可能なテープを見つけられないでいることが表示されています。この問題の最も一般的な原因は、ライブラリ内に適格なテープがないことです。
この状況に対応するには、[Enter]キーを押してobtool
プロンプトに戻るか、新しいウィンドウを開きます。ドライブを制御するには、borrowdevコマンドを使用します。unlabelvolまたはinsertvolコマンドでテープを使用可能にしたら、catxcr
、次にgo
を実行してジョブを完了します。
例2-11 ハングしているバックアップの記録の表示
End of tape has been reached. Please wait while I rewind and unload the tape. The Volume ID of the next tape to be written is VOL000007. The tape has been unloaded. obtar: couldn't perform auto-swap - can't find usable volume in library (OB device mgr) Enter a command from the following list: load <n> .. load the tape from element <n> into the drive unload <n> .. unload the tape from the drive into element <n> help .. display other commands to modify drive's database go .. to use the tape you selected quit .. to give up and abort this backup or restore :
例2-12は、ジョブsbt/1.1
の記録を継続的に表示するものです。この例では、入力リクエストを無効にして、すべてのメッセージ・レベルを表示します。
例2-13では、ジョブadmin/1.1
およびadmin/2
のエラーおよび警告をすべて表示します。