この章では、obtool
コマンドライン・インタフェースの使用方法について説明します。内容は、次のとおりです。
この項では、Oracle Secure Backupへのコマンドライン・インタフェースであるobtool
ユーティリティの起動方法について説明します。obtool
の起動オプションについてのオンライン・ヘルプを表示するには、オペレーティング・システムのプロンプトで次のコマンドを実行します。
% obtool help invocation
obtool
ユーティリティにより、次の出力が表示されます。
obtool invocation: Usage: To enter interactive mode: obtool [<cl-option>]...] Usage: To execute one command and exit: obtool [<cl-option>]... <command> [<option>]... [<argument>]... Usage: To display program version number and exit: obtool --version/-V Usage: To create a new administrative domain with this machine acting as the administrative server: obtool --initnewdomain [--adminpassword/-A passwd] [--force] [--nullpassword/-N] [--verbose/-v]
次の各項では、obtool
起動オプションについて詳細を説明します。
obtool
ユーティリティの初回起動時には、Oracle Secure BackupユーザーとしてのIDを設定する必要があります。ユーザーIDが未設定の場合、次の例に示すように、ユーザー名およびパスワードの入力を要求されます。
% obtool Oracle Secure Backup 10.1 login:
新規インストールでは、admin
ユーザーが自動的に作成され、パスワードの入力を要求されます。
obtool
にログインすると、IDが/admin/config/user
サブディレクトリにあるログイン・トークンに保存されます。各ユーザーの情報は個別のファイルに保存されます。ログイン・トークンの存続期間は、logindurationセキュリティ・ポリシーによって制御されます。
Oracle Secure Backupコマンドライン・ツールがユーザーを認可する方法には、明示的ログインと事前認可があります。事前認可の場合は、アクセスは指定ホストの指定オペレーティング・システム・ユーザーにのみ認可されます。事前認可を作成するには、mkuserコマンドで--preauth
を指定します。
Oracle Secure Backupコマンドライン・ツールを起動すると、次の優先順位ルールに従ってユーザーIDが検索されます。
明示的ユーザーIDを指定した場合は、明示的ユーザーIDがログイン操作で使用されます。このユーザーIDの正確なパスワードを指定する必要があります。
ユーザーIDを指定せず、このユーザーが永続的な明示的ログインを持っていることを示す適用可能なログイン・トークンが存在する場合は、このトークンに関連付けられたユーザーIDがログイン操作に使用されます。事前認可されたセッションには永続トークンが作成されませんので、注意してください。
ユーザーIDを指定せず、適用可能で永続的なログイン・トークンが存在しない場合は、一致する事前認可が検索されます。事前認可が存在しない場合、ユーザーIDの入力を求めるコマンドライン・ツールもありますが、失敗して終了するコマンドライン・ツールもあります。
一致する事前認可を検索するルールは、コマンドライン操作とRMANのバックアップおよびリストア操作との間で共通です。一致する事前認可が2つ以上ある場合は、表1-1に示すように一致の間での優先度が決定されます。
obtool
を対話型モードで使用するには、オペレーティング・システムのコマンドラインでobtool
を1回入力してください。
obtool
を対話型モードで起動するには、次の構文を使用します。
obtool [ cl-option ]...
表1-2は、cl-optionプレースホルダに該当する適正なオプションを示しています。
表1-2 cl-option
オプション | 意味 |
---|---|
|
エラー・メッセージを長い書式で表示する。「errors」も参照。 |
|
デフォルトでは、現行ディレクトリ内の |
|
追加の情報メッセージを表示する。「verbose」も参照。 |
obtool
へのログインが成功すると、次のプロンプトが表示されます。
ob>
このobtool
プロンプトには、第2章「obtoolコマンド」に記載されているコマンドを入力できます。コマンドによっては、--nq
オプションが用意され、コマンドの実行後に確認メッセージを表示しないように指定できます。これらのコマンドに--nq
オプションを指定しない場合は、確認を要求されます。確認プロンプトには、表1-3に示した値のいずれかを入力する必要があります。
表1-3 確認メッセージの値
値 | 意味 |
---|---|
|
問合せに指定したオブジェクトに対して操作を実行する。 |
|
問合せに指定したオブジェクトに対する操作を実行せずに、次の選択に進む(ある場合)。 |
|
問合せに指定したオブジェクトに対する操作を実行せずに、このコマンドの処理を即時停止する。すでに |
|
問合せに指定したオブジェクト、および問合せのコマンドに未指定のすべてのオブジェクトに対して、操作を実行する。すでに |
|
簡単なヘルプ・テキストを表示し、次に、プロンプトを再表示する。 |
プロンプトにおいて大カッコ([...]
)で囲まれた項目は、プロンプトに特に入力しない場合のデフォルトを示します。
対話型モードでは、複数のobtool
コマンドの入力をスクリプトにリダイレクトできます。この技術が役に立つのは、同じ一連のobtool
コマンドを定期的に実行する必要がある場合です。構文は次のとおりです。ただし、pathnameは複数のobtool
コマンドを含めるファイルのパス名です。
ob> < pathname
たとえば、次のコンテンツを持つmycommands.txt
というファイルを作成できます。
# begin mycommands.txt lsdev --long lshost --long # end
obtool
の入力をこのスクリプトにリダイレクトするには次を実行します。
ob> < /home/mycommands.txt
obtool
でコマンドを非対話的に実行するには、次の構文を使用します。
obtool [ cl-option ]... command-name [ option ]... [ argument ]...
次の例は、obtool
lsdevコマンドを実行し、オペレーティング・システムのプロンプトに戻ります。
% obtool lsdev library lib1 in service drive 1 tape1 in service library lib2 in service drive 1 tape2 in service
注意: エスケープ文字がアンパサンド(& )文字に設定されていて(「escape」を参照)、obtool コマンドを非対話的に実行する際に& をファイル名の一部として指定する場合は、ファイル名を単一引用符で囲みます。次に、例を示します。
obtool cd -h phred '/home/markb&patti' アンパサンド文字は、単一引用符内にあるため、解釈されずにファイル名の一部とみなされます。 |
また、非対話型モードでは入力をobtool
にリダイレクトすることもできます。たとえば、次のコンテンツを持つmycommands.txt
というファイルを作成できます。
# begin mycommands.txt lsdev --long lshost --long # end
obtool
の入力をこのスクリプトにリダイレクトするには次を実行します。
obtool < /home/mycommands.txt
また、リダイレクション・ファイルをネストすることもできます。たとえば、2つ目のコマンド・ファイルmycommands2.txt
を作成し、次のようにmycommands2.txt
から入力をリダイレクトするように、mycommands.txt
を編集できます。
# begin mycommands.txt lsdev --long lshost --long # redirect input to second command file < /home/mycommands2.txt # end
注意: 次の各項では、obtool コマンドのすべての例を示します。対話型モードで実行しているかのように、コマンドの例の前にob> が付いています。単一のコマンドを実行する場合は、ob> をobtool に置き換えてください。 |
installob
を実行し、ホストを管理サーバーとして指定すると、管理ドメインが暗黙的に初期化されます。ドメインを初期化するとは、ホストにドメイン内の管理サーバーのロールを割り当てることです。
場合によっては、新しいドメインの初期化や古いドメインの再初期化が必要になります。ローカル・ホストを新しいOracle Secure Backup管理ドメインの管理サーバーとして設定するには、次の構文を使用します。
obtool --initnewdomain [--adminpassword/-A passwd] [--force] [--nullpassword/-N] [--verbose/-v]
ローカル・ホストがすでに管理サーバーとして設定されている場合は、--force
を指定すると、ホストがそれ自体を再初期化します。--force
オプションが役に立つのは、パスワードを忘れた場合です。
表1-4は、obtool
ユーティリティのオンライン・ヘルプのオプションを示しています。
表1-4 オンライン・ヘルプのオプション
ヘルプ・トピック | コマンド |
---|---|
ヘルプ・トピックのリスト |
|
特定のトピックのヘルプ |
|
特定のコマンドの使用方法 |
|
特定のトピックに関連するすべてのコマンドの使用方法 |
|
用語集の単一の用語 |
|
特定のトピックに使用されるすべての用語の用語集 |
|
たとえば、ヘルプ・トピックを表示するには、次のコマンドを入力します。
ob> help topics
オンライン・ヘルプが用意されているトピックを表1-5にリストします。
表1-5 Oracle Secure Backupのコマンド・トピック
トピック | 説明 |
---|---|
advanced |
まれに使用される拡張コマンド |
backups |
データ・バックアップ操作 |
backupwindow |
バックアップ・ウィンドウ定義 |
browser |
ファイル・システム参照 |
checkpoint |
チェックポイント管理 |
class |
ユーザー・クラス権限 |
daemon |
デーモン(サービス)の表示と制御 |
dataset |
データセットの説明 |
device |
デバイス構成 |
fs |
NASデバイスに対するファイル・システム操作 |
host |
ホスト構成 |
invocation |
|
job |
スケジューラによるジョブ管理 |
library |
ライブラリおよびボリュームの管理操作 |
mediafamily |
メディア・ファミリ構成 |
miscellany |
その他のコマンド |
piece |
バックアップ・ピースの表示 |
policy |
デフォルトおよびポリシーの構成 |
ssel |
データベース・バックアップ記憶域セレクタ |
restores |
データ・リストア操作 |
schedule |
スケジュール構成 |
section |
バックアップ・セクション・データベース用コマンド |
snapshot |
NASデバイスに対するスナップショット管理 |
summary |
サマリー・レポートのスケジューリングの構成 |
user |
ユーザー構成 |
variables |
|
特定のトピックに関するコマンドのリストを表示するには、help
に続いてトピック名を入力します。たとえば、クラスのコマンドについてのヘルプを表示するには、次のコマンドを実行します。
ob> help class
サンプル出力を次に示します。
Class definition commands: chclass change the attributes of a user class lsclass list the names and attributes of one or more user classes mkclass define a user class renclass assign a new name to a user class rmclass remove a user class from the administrative domain
特定のコマンドの構文を表示するには、help
に続いてコマンド名を入力します。たとえば、lssectionコマンドのヘルプを表示するには、次のコマンドを入力します。
ob> help lssection
次の出力が表示されます。
Usage: lssection [--long | --short] [--noheader/-H] [--incomplete/-i] [--oid/-o <oid-list>]... [ { {--vid/-v <vid-list>} | {--void/-V <oid-list>} } [--file/-f <filenumber-list>]...]
また、この構文内のプレースホルダについてもヘルプを表示できます。たとえば、vid-listプレースホルダのヘルプを表示するには、次を実行します。
ob> help <vid-list>
次の出力が表示されます。
<vid-list> one or more volume IDs (<vid>s), each separated by a comma
特定のトピックに関する用語の用語集を表示するには、キーワードhelp
、トピック名およびキーワードglossary
を入力します。たとえば、次のコマンドでは、snapshotコマンドのキーワードの用語集が表示されます。
ob> help snapshot glossary
サンプル出力を次に示します。
<filesystem-name> the logical or physical name of a file system that is logically connected to a host <hostname> a name of a host assigned by the user via mkhost or renhost <numberformat> the format in which to display large numbers, one of: friendly displays large values in "KB", "MB", ... precise shows precise values (with commas) plain like precise, but eschews commas (unspecified) uses "numberformat" variable or, if unset, "friendly"
これより後の項では、obtool
の各コマンドについて説明します。
第2章「obtoolコマンド」には、obtool
の各コマンドがアルファベット順にまとめられています。obtool
オンライン・ヘルプと同様に、この項では各コマンドを次のカテゴリに分類しています。
このカテゴリのコマンドは、ファイル・システムをバックアップするリクエストを作成、表示および削除する場合に使用できます。
obtool
ユーティリティには、ファイル・システムをバックアップするために次のコマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、Recovery Manager(RMAN)によるバックアップ・ピースをリストおよび削除する場合に使用できます。バックアップ・ピースは、Oracle固有形式の物理的ファイルです。RMANバックアップ・ピースはバックアップ・イメージとしてテープに作成されます。
obtool
ユーティリティには、次のバックアップ・ピース用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、バックアップ・ウィンドウを構成する場合に使用できます。バックアップ・ウィンドウとは、スケジュールするバックアップを実行する期間を定義するものです。すべての平日(デフォルトのバックアップ・ウィンドウ)に適用する単一バックアップ・ウィンドウを指定するか、または特定の日数または日付に基づいてバックアップ・ウィンドウを微調整できます。
注意: バックアップ・ウィンドウを指定しないと、スケジュールしたバックアップが実行されません。デフォルトのバックアップ・ウィンドウは日次で00:00〜24:00です。 |
obtool
ユーティリティには、次のバックアップ・ウィンドウ用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、Oracle Secure Backupカタログを参照する場合に使用できます。Oracle Secure Backupは、スケジュール済バックアップまたはリクエストごとのバックアップを実行するたびに、バックアップする各ファイル・システム・オブジェクトの名前および属性を記録します。このデータは、管理サーバーのファイル・システムに保存されているリポジトリ(Oracle Secure Backupカタログ)に書き込まれます。管理ドメインに含まれるクライアントごとに個別のバックアップ・カタログが登録されます。
バックアップ・カタログを参照すると、データが、バックアップ元となったクライアントで表示されているものと同じファイル・システム・ツリーの形式で表示されます。たとえば、myhost
にある/home/myfile.f
ファイルをバックアップすると、myhost
のバックアップ・カタログには、バックアップ・イメージのコンテンツが/home/myfile.f
として表示されます。
バックアップ・カタログ内のファイル・システムのルートには、最上位のファイル・システム・レベルから保存されたすべてのファイルおよびディレクトリが含まれるスーパー・ディレクトリが表示されます。スーパー・ディレクトリは、バックアップ・カタログに保存されている、すべてのトップレベルのファイル・システム・オブジェクトにアクセスする開始ポイントとなります。
obtool
ユーティリティには、次の参照用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、チェックポイントをリストおよび削除する場合に使用できます。チェックポイントとは、ネットワーク接続記憶域(NAS)への再開可能バックアップ中に定期的に作成される位置マーカーで、中断されたバックアップを再開するためのテープ上の位置です。
バックアップは、次の条件を満たしている場合に再開可能です。
バックアップ・クライアントが、Data ONTAP 6.4以降を実行するNetwork Appliance Filerである。
バックアップ・イメージが、NDMPサーバーのバージョン3以降で制御されるテープ・ドライブに保存される。
restartablebackups操作ポリシーが有効である。
バックアップが、再開できるポイントの1つにまで到達済である。
各バックアップ・ジョブの開始時に、Oracle Secure Backupは、バックアップを途中から再開できるかを自動的に判定します。再開できる場合は、後でバックアップの再開に使用できるチェックポイントが定期的に設定されます。新しいチェックポイントが記録されるたびに、直前のチェックポイントが破棄されます。チェックポイントの動作を制御するには、fullbackupcheckpointfrequency、incrbackupcheckpointfrequencyおよびmaxcheckpointrestarts操作ポリシーを使用します。
注意: 再開可能バックアップ機能を使用する場合は、管理サーバー上の/tmp ディレクトリが最低1GBの空き領域を持つパーティション上にあることを確認します。 |
obtool
ユーティリティには、次のチェックポイント用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、クラスを構成する場合に使用できます。クラスとは、ユーザーに付与される一連の権限を定義するものです。クラスには複数のユーザーを割り当てることができますが、各ユーザーは1つのクラスのみのメンバーになります。クラスはUNIXのグループに似ていますが、クラスでは、Oracle Secure Backupの要件に合うように調整された、より詳細なアクセス権が定義されます。
Oracle Secure Backupでは、自動的に複数のクラスが事前定義されます。これらのクラスの詳細は、付録B「クラスおよび権限」を参照してください。これらのクラスに対しては、ユーザー定義クラスに対するのと同様の操作を実行できます。
obtool
ユーティリティには、次のクラス用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、Oracle Secure Backupデーモンを構成する場合に使用できます。デーモンとは、バックグラウンドで稼働し、事前定義された時刻に、または特定のイベントに応じて、指定の操作を実行するプロセスまたはサービスです。
obtool
ユーティリティには、次のデーモン用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、Oracle構成データを管理する場合に使用できます。
Oracle構成データはデータベース・バックアップ記憶域セレクタに保存されます。記憶域セレクタの作成、命名、変更は、構成の変更権のあるクラスに属すユーザーによって行われます。ホスト、デバイスおよびユーザーなど、その他の構成オブジェクトと同様に、記憶域セレクタは管理サーバーに保存されます。
記憶域セレクタにより、ユーザーはデータベース・バックアップ操作を詳細に制御できます。Oracle Secure Backupは、記憶域セレクタ内にカプセル化されている情報を使用して、Recovery Manager(RMAN)と接続します。付録E「RMANメディア管理パラメータ」の説明にあるように、RMANにメディア管理パラメータを指定することで、記憶域セレクタを上書きすることができます。
obtool
ユーティリティには、次のOracle構成コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、Oracle Secure Backupデータセットを作成および構成する場合に使用できます。データセット・ファイルとは、Oracle Secure Backupのバックアップ対象となるホストおよびパスを記述する編集可能なファイルです。
データセット・ファイルは、Oracle Secure Backupにより、管理サーバーのファイル・システムにおいて保存および管理されます。WindowsおよびUNIXのファイル・システムと同様に、Oracle Secure Backupのデータセットは、ネーミング・ツリー内に編成されます。必要に応じてデータセット・ディレクトリを作成することで、データ定義を編成することができます。ディレクトリをネストできる最深レベルは10個です。
データセット・ファイルのサンプルは、Oracle Secure Backupホームのsamples
サブディレクトリに含まれています。データセットを定義し始める前にこれらのデータセット・ファイルを参照することで、独自のデータセットの構成計画を決定する方法がわかります。
データセットの詳細は、『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。
obtool
ユーティリティには、次のデータセット用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、デバイスをOracle Secure Backup用に構成する場合に使用できます。デバイスは、ユーザー定義デバイス名によって識別されるテープ・ドライブまたはテープ・ライブラリです。
obtool
ユーティリティには、次のデバイス用コマンドが用意されています。
lsfsコマンドは、NDMPでアクセスされるNASデバイス上のファイル・システムをリストする場合に使用できます。
このカテゴリのコマンドは、1つ以上のホストを構成する場合に使用できます。ホストとは、Oracle Secure Backup管理サーバー・ネットワークでTCP/IPを介してアクセス可能なマシンです。ホストは、ホスト名とIPアドレスのペアで識別されます。
obtool
ユーティリティには、次のホスト用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、backupまたはrestoreコマンドで定義したバックアップまたはリストア操作のジョブを管理する場合に使用できます。
obtool
ユーティリティには、次のジョブ用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、テープ・ライブラリのコンテンツを管理する場合に使用できます。ライブラリは、SCSIコマンドを使用してメディアを保存場所とテープ・ドライブの間で移動できるメディア・チェンジャです。
大部分のライブラリ用コマンドでは、リクエストされた操作に応じて、--library/-L
または--drive/-D
オプションを使用できます。これらのオプションは次の方法で対話します。
コマンドにライブラリを指定する必要がある場合、ライブラリはドライブのIDにより一意に識別されるため、指定するのはライブラリまたはドライブのいずれでもかまいません。
コマンドにドライブを指定する必要がある場合、ライブラリ名ではドライブを一意に識別するには不十分な場合があるため、必ずドライブを指定します。
ライブラリおよびドライブを指定しない場合は、obtool
はlibraryおよびdrive変数を使用します(付録C「obtoolの変数」を参照)。
obtool
ユーティリティには、次のライブラリ用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、メディア・ファミリを構成する場合に使用できます。メディア・ファミリとは、次の特性を共有するバックアップ・ボリュームの、名前付きの分類です。
ボリュームID順序
有効期限ポリシー
ボリューム書込みウィンドウと呼ばれる、書込み可能期間
書込みウィンドウおよび有効期限ポリシーを使用することで、テープのリサイクルを制御できます。これらの設定のデフォルトでは、テープに無期限に書き込め、テープを無期限に保存できます。設定に制限を設けることで、事前設定した間隔ごとに自動的にテープを上書きできるようになります。
Oracle Secure Backupのインストールには、RMAN-DEFAULT
というデフォルトのコンテンツ管理メディア・ファミリが含まれています。RMAN-DEFAULT
がRMANによって使用されるのは、RMANジョブにメディア・ファミリが未指定で、一致するバックアップ記憶域セレクタが存在しない場合です。このデフォルトのメディア・ファミリは削除または名前の変更をすることはできません。ただし、指定した属性をchmf
で変更することはできます。
obtool
ユーティリティには、次のメディア・ファミリ用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、ポリシーを作成および管理する場合に使用できます。デフォルトおよびポリシーは、管理ドメイン内でのOracle Secure Backupの動作を制御する構成データです。ポリシーを使用することで、Oracle Secure Backupの多数の特性を調整できます。ポリシーおよびポリシー・クラスの完全リストが、付録A「デフォルトおよびポリシー」に記載されています。
ポリシー・クラスとはポリシーをグループ化したものです。各ポリシー・クラスには、特定分野のOracle Secure Backup操作を記述したポリシーが含まれます。クラスおよびポリシーのリストを表示するには、lspコマンドを使用します。
obtool
ユーティリティには、次のポリシー用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、優先ネットワーク・インタフェース(PNI)を構成する場合に使用できます。1つのネットワークにおいて、クライアントと、そのクライアントのかわりに操作を実行するサーバーとの間で、複数の物理接続が可能です。たとえば、2台のホストで、イーサネット接続とFDDI接続の両方を実現できます。PNIコマンドは、各クライアントにデータを送信するサーバーのネットワーク・インタフェースを指定する場合に使用できます。
obtool
ユーティリティには、次の優先ネットワーク・インタフェース用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、ファイル・システム・データをバックアップするタイミングをOracle Secure Backupに指示するバックアップ・スケジュールを構成する場合に使用できます。バックアップ・スケジュールには次を記述します。
バックアップを実行するタイミングを指定するトリガー。バックアップを実行する日時として、特定の曜日、毎月の日付、四半期ごとの日付または1年に1回の日付、および時刻を指定します。
バックアップ対象のデータを記述する各データセット・ファイルの名前。Oracle Secure Backupは、各データセット・ファイル内のホスト名、パス名、除外ルールおよびその他の情報を使用します。
使用するメディア・ファミリの名前。Oracle Secure Backupは、メディア・ファミリを使用して、選択された特性をバックアップに割り当てます。
obtool
ユーティリティには、次のスケジュール用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、バックアップ・セクションを管理する場合に使用できます。Oracle Secure Backupは、ファイル・システムまたはデータベースのバックアップ時に、バックアップ・イメージを1つ以上のテープに作成します。バックアップ・セクションとは、1つの物理ボリュームを占有しているバックアップ・イメージを構成する部分のことです。単一ボリューム全体を占有するバックアップ・イメージに含まれるバックアップ・セクションは、1つです。
obtool
ユーティリティには、次のセクション用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、スナップショットを管理する場合に使用できます。スナップショットとは、ボリュームまたはファイル・システムの完全なコピーです。スナップショットは、Data ONTAP 6.4以降を実行するNetwork Appliance Filer用にのみサポートされています。
obtool
ユーティリティには、次のスナップショット用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、ジョブ・サマリーを構成する場合に使用できます。ジョブ・サマリーとは、バックアップおよびリストア操作が成功したかどうかを示すために生成されるテキスト・ファイルのレポートです。ジョブ・サマリーのスケジュールは、Oracle Secure Backupがジョブ・サマリーを生成するためのユーザー定義のスケジュールです。
Oracle Secure Backupは、バックアップおよびリストア・ジョブのステータスを列挙したジョブ・サマリーを生成し、電子メールで送信できます。これらのサマリーを1つ以上生成するようにOracle Secure Backupを構成できます。サマリーごとに次を選択できます。
Oracle Secure Backupがサマリーを作成するスケジュール
サマリーが対象とする期間の開始時間(終了時間は常にサマリー生成時間になります)
サマリーの電子メール送信先とするユーザー
各ジョブ・サマリーには次のセクションがあります。
保留中のジョブ
準備完了および実行中のジョブ
成功したジョブ
失敗したジョブ
obtool
ユーティリティには、次のジョブ・サマリー用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、Oracle Secure BackupにログインしてOracle Secure Backupを使用できるようにユーザー・アカウントを構成する場合に使用できます。ユーザーを構成するには、管理ドメインの構成の変更(modify administrative domain's configuration)権のあるクラスに属している必要があります。
obtool
ユーティリティには、次のユーザー用コマンドが用意されています。
このカテゴリのコマンドは、Oracle Secure Backup操作を制御する多数の内部変数を管理する場合に使用できます。obtool
変数の完全リストは、付録C「obtoolの変数」を参照してください。また、オンライン・ヘルプにあるこのリストにアクセスするには、次のコマンドを実行します。
ob> help var