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Oracle Secure Backupリファレンス
リリース10.1
B28441-02
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mkmf

用途

mkmfコマンドは、新規メディア・ファミリを作成する場合に使用します。メディア・ファミリはバックアップ・ボリュームの名前付き分類です。メディア・ファミリを使用することで、作成時期の異なるボリュームに同じ特性を持たせることができます。たとえば、保存期間が6か月のバックアップ用メディア・ファミリを作成できます。このファミリを連続するbackupコマンドに対して指定すると、作成するすべてのボリュームの保存期間が6か月になります。

メディア・ファミリには、コンテンツ管理(デフォルト)される有効期限ポリシーかまたは時間管理される有効期限ポリシーのいずれかのみを指定できます。コンテンツ管理ポリシーでは、ボリュームに記録されたすべてのバックアップ・ピースが削除済としてマークされた時点で、そのボリュームが期限切れとなります。時間管理ポリシーでは、有効期限でボリュームが期限切れになります。有効期限はボリューム作成時刻に--writewindow時間と--retain時間を加算したものです。


関連項目:

関連コマンドについては、「メディア・ファミリ用コマンド」を参照してください。

前提条件

mkmfコマンドを使用するには、管理ドメインの構成の変更(modify administrative domain's configuration)権を備えている必要があります。

構文

mkmf::=

mkmf [ --writewindow/-w duration ] [ --retain/-r duration ]
[ [ --vidunique/-u ] |
  [ --vidfile/-F vid-pathname ] |
  [ --viddefault/-d ] |
  [ --vidfamily/-f media-family-name ] ]
[ [ --inputcomment/-i |
  [ --comment/-c comment ] ]
[ --contentmanaged/-C ] [ --append/-a ] [ --noappend/-A ]
media-family-name ...

意味

--writewindow/-w duration

メディア・ファミリの書込み可能期間を指定します。durationプレースホルダの詳細は、「duration」を参照してください。デフォルトはdisabledです。すなわち、Oracle Secure Backupはボリュームの有効期限の計算時に書込みウィンドウを考慮しません。

書込みウィンドウは、ボリューム・セットが更新(通常はバックアップ・イメージの追加)できる期間です。ファミリのすべてのボリュームは、同一のボリューム・セットの一部とみなされます。書込みウィンドウは、最初のファイルがセットの最初のボリュームに書き込まれたときに開始され、指定した期間が経過すると終了します。書込みウィンドウが終了すると、Oracle Secure Backupは次のいずれかの条件が満たされるまでボリューム・セットへの追加更新を許可しません。

  • 期限切れになる。

  • 再ラベル付けされる。

  • 再利用される。

  • ラベル付けを解除される。

  • 強制的に上書きされる。

Oracle Secure Backupがこのボリューム・セットをバックアップ操作用に使用し続けるのは、書込みウィンドウが終了するまでです。

foreverまたはdisabledをdurationとして選択すると、数値は入力できません。たとえば、書込みウィンドウを14daysに設定する、またはforeverを指定してボリューム・セットを無期限に更新可能にすることなどができます。メディア・ファミリのメンバーであるすべてのボリューム・セットが、同じ期間の間、更新用に開放されます。

--retain/-r duration

ボリューム・セットのボリュームを保存する時間の長さである保存期間を指定します。このオプションを指定した場合、このメディア・ファミリはコンテンツ管理ではなく時間管理になります。durationプレースホルダの詳細は、「duration」を参照してください。

ボリュームの有効期限はボリュームが期限切れになる日付および時刻です。Oracle Secure Backupによるこの時間の計算方法は、番号1のバックアップ・イメージ・ファイルをボリュームに書き込んだ時刻に、書込みウィンドウ期間(--writewindow)が指定されている場合は書込みウィンドウ期間を加算し、さらにボリュームの保存期間(--retain)を加算するというものです。

保存期間として指定した期間が終了するまでは、このメディア・ファミリのメンバーであるボリュームの上書きは不可能になります。1つのボリュームがfullになり、Oracle Secure Backupが次のボリュームに継続してバックアップを実行する場合は、ボリューム・セットの各ボリュームに同じ保存時間が割り当てられます。

時間管理ボリュームにはRMANバックアップを行うことができます。したがって、時間管理有効期限ポリシーのボリュームには、ファイル・システム・バックアップ・ピースとRMANバックアップ・ピースを混在できます。


注意:

RMANバックアップを時間管理ボリュームに対して行う場合は、RMANリポジトリでバックアップ・ピースが使用可能になっている場合でも、ボリュームが期限切れになり、再利用される可能性があります。この場合は、RMANでCROSSCHECKコマンドを使用し、矛盾を解消する必要があります。

メディア・ファミリを時間管理からコンテンツ管理に変更するには、chmfコマンドで--contentmanagedを指定します。

--vidunique/-u

メディア・ファミリ内で一意のボリュームIDを作成します。最初のボリュームIDは文字列media-family-name-000001であり、以降使用されるボリュームには、最後のボリューム順序番号部分が1ずつ加算された文字列がボリュームIDとして設定されます。たとえば、MYVOLUME-000001MYVOLUMEメディア・ファミリの1番目のボリュームに対するボリュームIDになり、MYVOLUME-000002は2番目のボリュームに対するIDになります。以降も同様にIDが作成されます。

--vidfile/-F vid-pathname

作成するメディア・ファミリのボリューム順序ファイルの名前を指定します。相対ファイル名または絶対ファイル名を指定します。相対ファイル名の場合、ファイルは管理サーバーの管理ディレクトリに作成されます。

このファイルは、Oracle Secure Backupによって自動作成されないため、手動で作成する必要があります。--vidfileオプションを選択した場合は、テキスト・エディタを使用してvid-接頭辞をカスタマイズします。メディア・ファミリに割り当てる最初のボリュームIDを、たとえばMYVOLUME-000001のように1行のテキストとして入力します。

--viddefault/-d

システム・デフォルトを指定します。すなわち、メディア・ファミリが割り当てられていない場合、Oracle Secure Backupは同じボリュームID順序を使用します。デフォルトの最初のボリュームIDはVOL000001であり、以降使用されるボリュームには、1ずつ加算されたボリュームIDが設定されます。

--vidfamily/-f media-family-name

media-family-nameで指定するメディア・ファミリで使用するのと同じボリュームID順序を使用します。

--inputcomment/-i

メディア・ファミリに対するコメントの入力(オプション)を可能にします。

--comment/-c comment

メディア・ファミリに関して保存する必要がある情報を指定します。コメント内に空白を含める場合は、コメントを引用符で囲みます。

--contentmanaged/-C

このメディア・ファミリのボリュームを時間管理しないでコンテンツ管理するように指定します。この有効期限ポリシーを使用するボリュームは、RMANバックアップでの使用を想定しています。ファイル・システム・バックアップをコンテンツ管理ボリュームに書き込むことはできません。

コンテンツ管理ボリュームは、すべてのバックアップ・イメージ・セクションが削除済にマークされた場合には上書きできます。バックアップ・ピースはRecovery Managerまたはobtoolrmpieceコマンドで削除できます。コンテンツ管理ボリューム・セットのボリュームは、同じセットの他のボリュームが期限切れになる前に期限切れになる場合があります。

メディア・ファミリをコンテンツ管理から時間管理に変更するには、chmfコマンドで--retainを指定します。

--append/-a

追加バックアップ・イメージをメディア・ファミリのボリュームに追加できることを指定します(デフォルト)。

ボリュームの期限切れまで時間があり、テープが残っている場合でも、Oracle Secure Backupはメディア・ファミリの最新のボリューム順序番号よりも番号の小さいボリュームには書き込みません。バックアップでは必ずメディア・ファミリの最新のボリュームへの追加が試みられます。このボリュームがfullの場合は、新しいボリュームに書き込まれます。

--noappend/-A

追加バックアップ・イメージをメディア・ファミリのボリュームに追加できないよう指定します。このオプションを指定すると、1ボリューム・セットには1つのバックアップ・イメージのみが含まれるようになります。これは全体バックアップを行い、そのテープを使用してオリジナルのファイル・システムを再作成する場合に有効です。

media-family-name ...

作成するメディア・ファミリの名前を指定します。メディア・ファミリ名は大/小文字が区別され、英数字で始める必要があります。使用できるのは文字、数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオドのみです(空白は不可)。最大31文字までです。

例2-89では、time-man-familyという名前の時間管理されるメディア・ファミリを作成します。ボリューム・セットのボリュームは7日間更新可能です。保存期間は28日間であるため、メディア・ファミリのボリュームはOracle Secure Backupによる最初の書込みから35日後に期限切れになります。

例2-89 時間管理メディア・ファミリの作成

ob> mkmf --vidunique --writewindow 7days --retain 28days time-man-family

例2-90では、content-man-familyという名前のコンテンツ管理メディア・ファミリを作成します。書込みウィンドウにforeverが指定されているため、このファミリのボリュームは無期限に更新可能です。ボリュームが期限切れになるのは、RMANでボリューム上のすべてのバックアップ・ピースのステータスがDELETEDになったときです。

例2-90 コンテンツ管理メディア・ファミリの作成

ob> mkmf --vidunique --writewindow forever content-man-family