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Oracle Secure Backupリファレンス
リリース10.1
B28441-02
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backup

用途

backupコマンドは、ファイル・システム・バックアップ・リクエストを作成する場合に使用します。ファイル・システムのバックアップは、Recovery Manager(RMAN)によって開始されるデータベースのバックアップとは異なっています。

バックアップ・リクエストは、--goオプション付きでbackupコマンドを実行するまで、obtoolでローカルに保持されます。Oracle Secure Backupにより、リクエストがスケジューラに転送され、転送されると同時にジョブになり、実行できるようになります。

backupコマンドにより行われるバックアップを、オンデマンド・バックアップと呼びます。オンデマンド・バックアップは1度のみ実行され、ただちに、または将来の指定された時刻に実行されます。これとは対照的に、スケジュール・バックアップはユーザー指定のスケジュールに基づいて実行されます。このスケジュールは、mkschedコマンドによって作成されます。

Oracle Secure Backupは、バックアップを実行するたびに、バックアップする各ファイル・システムのオブジェクトの名前および属性を記録します。このデータは、管理サーバーに保存されているOracle Secure Backupカタログに書き込まれます。管理ドメインに含まれるクライアントごとに個別のバックアップ・カタログが登録されます。


関連項目:


前提条件

--privilegedオプションを指定する場合は、特権ユーザーとしてのバックアップ実行(perform backups as privileged user)権を備えている必要があります。そうでない場合は、自分によるバックアップ実行(perform backups as self)権を備えている必要があります。

構文

backup::=

bac•kup [ --level/-l backup-level ] [ --priority/-p schedule-priority ]
[ --at/-a date-time ] [ --family/-f media-family-name ]
[ --restrict/-r restriction[,restriction]... ]
[ --privileged/-g | --unprivileged/-G ]
[ --expirerequest/-x duration] [ --quiet/-q ]
{ --dataset/-D dataset-name... | --go }

意味

--level/-l backup-level

バックアップ・レベルを指定します。デフォルト・レベルは0です。backup-levelプレースホルダの詳細は、「backup-level」を参照してください。

--priority/-p schedule-priority

バックアップにスケジュールの優先度を割り当てます。デフォルトの優先度は100です。schedule-priorityプレースホルダの詳細は、「schedule-priority」を参照してください。

--at/-a date-time

バックアップを実行する日付と、オプションで時刻を指定します。デフォルトでは、バックアップはただちに実行対象になります。将来の日付を指定すると、バックアップは、即時にではなく指定した日時に実行できるようになります。date-timeプレースホルダの詳細は、「date-time」を参照してください。

--family/-f media-family-name

バックアップに使用するメディア・ファミリを定義します。メディア・ファミリを定義しなかった場合は、Oracle Secure Backupにより、デフォルトでnullメディア・ファミリに設定されます。この場合、ボリュームには有効期限がなく、その書込みウィンドウは無期限になります。デフォルトでは、VOLがボリュームIDの接頭文字として使用されます(例: ボリュームID VOL000002)。

--restrict/-r restriction ...

バックアップに使用可能な1つ以上のデバイスを識別する管理ドメインで、デバイス、ホスト、またはデバイスとホストのペアを定義します。restrictionプレースホルダの詳細は、「restriction」を参照してください。

デバイスの制約がない場合は、バックアップは最初に利用可能なデバイスで実行されます。制約は、デバイス名(mkdevまたはchdevによって割当て)として、またはデバイス・アタッチメントとして指定できます。

--privileged/-g

特権モードでバックアップが実行されるようにリクエストします。

LinuxおよびUNIXのホストでは、特権バックアップはrootオペレーティング・システムIDで実行されます。たとえば、Oracle Secure Backupユーザーjoebloggは、オペレーティング・システム・アカウントrootを使用してバックアップを実行します。Windowsシステムでは、バックアップは、Windowsクライアント上のOracle Secure Backupサービスと同じアカウントで実行されます。

--unprivileged/-G

非特権モード(デフォルト)でバックアップが実行されるようにリクエストします。

mkuserコマンドでOracle Secure Backupユーザーを作成するか、chuserコマンドでユーザーを変更するときは、オペレーティング・システム・ユーザーをOracle Secure Backupユーザーに関連付けます。Oracle Secure Backupユーザーが非特権バックアップまたはリストアをホストに対して実行する場合、そのホストはOracle Secure Backupユーザーに関連付けられたオペレーティング・システム・ユーザーIDを使用してアクセスされます。たとえば、LinuxユーザーjbloggがOracle Secure Backupユーザーjoebloggに関連付けられているとします。obtooljoebloggとしてログオンし、Linuxホストの非特権バックアップを行うと、バックアップはオペレーティング・システム・アカウントjbloggで実行され、jbloggからアクセス可能なファイルのみがバックアップされます。

--expirerequest/-x duration

バックアップ・ジョブが最初に実行できるようになってから、指定されたdurationの間実行されない場合、そのジョブは削除されます。--atオプションを指定した場合は、--atで指定された日付と時刻がその期間の開始になります。--atオプションを指定しなかった場合は、backupコマンドが実行された時点がその期間の開始になります。

durationプレースホルダの詳細は、「duration」を参照してください。

--quiet/-q

バックアップ・ジョブがスケジューラにディスパッチされたとき、ジョブIDまたはステータス情報が表示されません。このオプションは、--goオプションと組み合せて使用します。

--dataset/-D dataset-name ...

データセット・ファイルを指定します。このファイルは、バックアップするデータまたはデータセット・ディレクトリを定義したものです。データセット・ディレクトリの名前を指定すると、そのディレクトリ・ツリー内に含まれているすべてのデータセット・ファイルを指定したことと同じです。--dataset--goオプションは、相互排他的ではありません。

デフォルトでは、obtoolによって開始されたファイル・システム・バックアップは、複数のマウント・ポイントにアクセスしません。データセット・ファイルで使用できるマウント・ポイント文については、「データセット文」を参照してください。

--go

リクエスト・キューに配置されたすべてのバックアップ・リクエストが、Oracle Secure Backupスケジューラに送信されます。バックアップ・リクエストは、--goオプション付きでbackupコマンドを実行するかobtoolを終了するまで、obtoolでローカルに保持されます。--goを指定しないでobtoolを終了すると、キューに配置されたバックアップ・リクエストはすべて破棄されます。リクエストを削除する前に、obtoolにより、警告が表示されます。

2人のユーザーが同じOracle Secure Backupユーザーとしてobtoolにログインしたが、そのうち1人のユーザーがバックアップ・リクエストを作成(ただし、--goを指定しない)した場合、lsbackupを発行する際に、もう1人のユーザーにはそのリクエストは表示されません。

バックアップ・リクエストがスケジューラに転送されると、スケジューラではバックアップ・リクエストごとにジョブを作成し、ジョブ・リストに追加します。ジョブはこの時点で実行できるようになります。ジョブに対して--atオプションを指定した場合は、このジョブは指定の時刻になるまで実行できません。

Oracle Secure Backupでは、オンデマンド・バックアップ・ジョブごとにIDを割り当てます。このIDは、ログイン・ユーザーのユーザー名、スラッシュおよび一意の数値IDで構成されます。オンデマンド・バックアップのジョブIDの例は、sbt/233のようになります。

例2-3に示すのは、優先度10の特権バックアップです。バックアップするデータは、home.dsファイルによって定義されます。このファイルの内容は次のエントリであり、brhost2/homeディレクトリをバックアップするように指定したものだとします。

include host brhost2
include path /home

バックアップは、6月14日の午後10時に実行するようスケジュールされています。

例2-3 全体バックアップの実行

ob> backup --level full --at 2005/06/14.22:00 --priority 10 --privileged
--dataset home.ds --go
Info: backup request 1 (dataset home.ds) submitted; job id is admin/6.

例2-4 では、2つのオンデマンド・バックアップ・リクエストが作成されます。1つはデータセットのdatadir.ds用であり、もう1つはデータセットのdatadir2.ds用です。それぞれが個別のテープ・ドライブにバックアップされます。backup --goコマンドにより、各リクエストがスケジューラに転送されます。lsjobコマンドでは、ジョブに関する情報が表示されます。

例2-4 個別デバイスへのバックアップの制限

ob> backup --level 0 --restrict tape1 --dataset datadir.ds
ob> backup --level 0 --restrict tape2 --dataset datadir2.ds
ob> backup --go
Info: backup request 1 (dataset datadir.ds) submitted; job id is admin/8.
Info: backup request 2 (dataset datadir2.ds) submitted; job id is admin/9.
ob> lsjob --long admin/8 admin/9
admin/8:
    Type:                   dataset datadir.ds
    Level:                  full
    Family:                 (null)
    Scheduled time:         none
    State:                  completed successfully at 2005/05/17.16:30
    Priority:               100
    Privileged op:          no
    Run on host:            (administrative server)
    Attempts:               1
admin/9:
    Type:                   dataset datadir2.ds
    Level:                  full
    Family:                 (null)
    Scheduled time:         none
    State:                  completed successfully at 2005/05/17.16:30
    Priority:               100
    Privileged op:          no
    Run on host:            (administrative server)
    Attempts:               1