用途
identifyvol
コマンドは、テープ・ドライブに指定のボリュームをロードし、そのボリューム・ラベルを読み取り、ボリュームを元の記憶域要素に戻す場合に使用します。
このコマンドが便利なのは、inventoryコマンドによってoccupied
などの無効なボリューム状態が表示された場合や、有効なテープはあるがそのコンテンツを知らない場合です。テープが新しくないかラベル付けされていない場合は、identifyvol
を使用してボリュームのコンテンツをインベントリに移入できます。
前提条件
identifyvol
コマンドを使用するには、デバイスの管理およびデバイスの状態変更(manage devices and change device state)権を備えている必要があります。
構文
identifyvol::=
ident•ifyvol [ --drive/-D drivename ] [ --import/-i ] [ --obtaropt/-o obtar-option ]... [ se-range ]
意味
ボリュームを確認するテープ・ドライブの名前を指定します。テープ・ドライブ名を指定しない場合は、drive変数を設定する必要があります。
指定したボリュームの各バックアップ・イメージ・ラベルが読み取られます。デフォルトでは、identifyvol
により、ボリュームの最初のラベルのみが読み取られます。このオプションを指定すると、その他のドメインで生成されたテープに関する情報で、管理ドメイン内のボリューム・カタログを更新できます。
identifyvol
--import
では、ボリュームのバックアップ・イメージのコンテンツがカタログに追加されません。例4-27「ファイル・システム・バックアップ・イメージのカタログへの追加」では、obtar
でバックアップ・イメージのコンテンツをカタログに追加する方法が示されています。
ボリュームの読取り時にobtar
に渡されるobtar
オプションを指定します。たとえば、-J
を指定すると、デバッグ・モードが有効になり、バックアップおよびリストア記録に詳細が記述されます。obtar
オプションの詳細は、「obtarのオプション」を参照してください。
注意: obtool --import は、内部ではobtar --zz に変換されて実行されます。したがって、--import オプションを指定した場合、--obtaropt を使用してobtar -c 、-x または-t モードで使用されるオプションを指定することはできません。 |
確認するボリュームが入っている記憶域要素の範囲を指定します。se-rangeを省略すると、指定ドライブに現在ロードされているボリュームの内容が確認されます。se-rangeプレースホルダの詳細は、「se-range」を参照してください。
例
例2-38では、記憶域要素1
および3
のボリュームをドライブtape1
にロードして確認します。