用途
obtar -t
は、バックアップ・イメージに含まれるファイルおよびディレクトリの名前をリストする場合に使用します。バックアップ・イメージのコンテンツ全体をリストすることも、バックアップ・イメージの一部のみをリストすることもできます。バックアップ・イメージをカタログに追加するには、-Gt
を指定します。obtar -t
では、NDMPバックアップはリストまたはインポートされません。
構文
obtar -t::=
obtar -t [ -fdevice
] [ -F { cur |file-number
} ] [ -Gvz ] [pathname
]...
意味
obtar -t
には多くのオプションを指定できます。この項では、使用する可能性が最も高いオプションについて説明します。obtar -t
のその他のオプションについては、「obtarのオプション」を参照してください。
device
デバイスの名前を指定します。-f
を指定しない場合は、TAPE
環境変数(定義されている場合)によって指定されたデバイスからデータが読み取られます。
cur
| file-number
}ボリューム・セットにおけるバックアップ・イメージの番号を指定します。現在ロードされているボリュームとは異なるボリューム上に指定ファイルがある場合、必要なボリューム変更を行うように求められます。-F
を指定しない場合は、ボリュームの現行位置にあるバックアップ・イメージが読み取られます。
cur
を指定した場合は、ボリュームの現行位置にあるバックアップ・イメージが読み取られます。これがデフォルト設定です。
file-numberを指定する場合は、指定したファイル位置にあるバックアップ・イメージが読み取られます。
バックアップ・イメージのコンテンツに関する追加情報を表示します。この出力は、UNIXのls -l
コマンドと似ています。追加情報には、ファイルとディレクトリの権限、所有者、サイズおよび最終変更日が含まれます。
pathname
リストするファイルまたはディレクトリのパス名を1つ以上指定します。ディレクトリを指定すると、そのディレクトリのコンテンツが再帰的にリストされます。このパス名引数を指定しない場合は、ボリュームの現行位置か、-F
オプションで指定した場所にあるバックアップ・イメージのコンテンツがすべてリストされます。
例
バックアップ・イメージのコンテンツの表示
例4-21では、デバイスtape1
にロードされたボリュームにおいて現行位置にあるバックアップ・イメージのコンテンツを表示しています。
ボリューム・セットにあるイメージのコンテンツの表示
ボリューム・セットに含まれる特定のバックアップ・イメージのコンテンツを表示するには、-F
オプションを使用します。例4-22では、バックアップ・イメージ4のコンテンツを表示しています。
例4-22 ボリューム・セットにあるバックアップ・イメージのコンテンツの表示
# obtar -t -f tape1 -F 4 doc/ doc/chap1 doc/chap2 test/ test/file1 test/file2
バックアップ・イメージに関する追加情報の表示
バックアップ・イメージに関する追加情報を表示するには、-v
オプションを使用します。例4-23では、-v
オプションを使用して、バックアップ・イメージ4に関する追加情報に表示しています。
例4-23 バックアップ・イメージに関する追加情報の表示
# obtar -t -v -f tape1 -F 4 drwxrwxr-x jane/rd 0 Feb 24 16:53 2000 doc/ -rw-r--r-- jane/rd 225 Feb 24 15:17 2000 doc/chap1 -rwxrwxr-x jane/rd 779 Feb 24 15:17 2000 doc/chap2 drwxrwxr-x jane/rd 0 Feb 24 16:55 2000 test/ -rwxrwxr-x jane/rd 779 Feb 24 16:54 2000 test/file1 -rw-r--r-- jane/rd 225 Feb 24 16:54 2000 test/file2
イメージ内のファイルに関する情報の表示
バックアップ・イメージに含まれる特定のファイルまたはディレクトリに関する情報を表示するには、ファイルまたはディレクトリの名前をコマンドラインの最後の引数として含めます。例4-24では、バックアップ・イメージ4に含まれるディレクトリtest
に関する情報を表示しています。
複数のディレクトリに関する情報の表示
バックアップ・イメージに含まれているパス名を複数指定できます。例4-25では、ディレクトリtest
およびdoc
に関する情報を表示しています。各ディレクトリは、バックアップ・イメージ内にあるのと同じ順序でリストされます。
例4-25 複数のディレクトリに関する情報の表示
# obtar -t -f tape1 -F 4 test doc doc/ doc/chap1 doc/chap2 test/ test/file1 test/file2
ボリューム・ラベルの表示
-z
オプションを使用して、バックアップ・イメージのコンテンツとともにボリューム・ラベルを表示します。例4-26は、この技術を使用した例を示しています。
例4-26 ボリューム・ラベルの表示
# obtar -t -z -f tape1 -F 5 Volume label: Volume ID: VOL000003 Volume sequence: 1 Volume set owner: jane Volume set created: Mon Mar 1 19:44:05 2000 Archive label: File number: 5 File section: 1 Owner: jane Client host: campy Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Mon Mar 1 19:44:05 2000 test1/ test1/file1 test1/file2
バックアップ・イメージのカタログへの追加
-G
オプションを使用して、バックアップ・イメージのコンテンツをカタログに追加します。例4-27では、テープ・ドライブtape1
にロードされたボリューム上のバックアップ・イメージ1をカタログに追加しています(出力の一部のみが示されています)。例4-27でイメージに含まれているのは、1つのファイル・システムのバックアップです。一度にカタログに追加できるバックアップ・イメージは1つのみのためです。
例4-27 ファイル・システムのバックアップ・イメージのカタログへの追加
# obtar -f tape1 -tG -F 1 Volume label: Volume tag: DEV100 Volume ID: VOL000001 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Tue Nov 22 15:57:36 2005 Archive label: File number: 1 File section: 1 Owner: root Client host: stadf56 Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Tue Nov 22 15:57:36 2005 /home/someuser/ /home/someuser/.ICEauthority /home/someuser/.Xauthority /home/someuser/.aliases /home/someuser/.bash_history /home/someuser/.bash_logout /home/someuser/.bash_profile /home/someuser/.bashrc . . .
例4-28でも、テープ・ドライブtape1
にロードされたボリューム上のバックアップ・イメージ1をカタログに追加しています。この例でイメージに含まれているのは、アーカイブREDOログのRMANバックアップです。
例4-28 RMANバックアップ・イメージのカタログへの追加
# obtar -f tape1 -tG -F 1 Volume label: Volume tag: ADE202 Volume ID: RMAN-DEFAULT-000002 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Mon Feb 13 10:36:13 2006 Media family: RMAN-DEFAULT Volume set expires: never; content manages reuse Archive label: File number: 1 File section: 1 Owner: root Client host: stadv07 Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Mon Feb 13 10:36:13 2006 Backup piece name: 05hba0cd_1_1 Backup db name: ob Backup db id: 1585728012 Backup copy number: non-multiplexed backup Backup content: archivelog