用途
lsvol
コマンドは、ライブラリ内のボリュームまたはボリューム・カタログ内のボリュームをリストする場合に使用します。
Oracle Secure Backupでは、次のSCSI用語を使用してライブラリの基本コンポーネントが記述されます。
インポート/エクスポート要素。lsvol
の出力内では接頭辞iee
付きで表示されます。ドアを開けずにボリュームをライブラリの内外へ移動するために使用されます(したがって、完全な物理インベントリを行うことが必要)。メール・スロット(郵便ポストの差出し口)と呼ばれることもあり、物理的に特定のライブラリにのみ存在します。
メディア転送要素。lsvol
の出力内ではmte
として表示されます。記憶域要素からテープ・ドライブなどの別の要素にボリュームを移動します。
各要素には、ユーザーとOracle Secure Backupが識別用に使用する名前があります。たとえば、最初の記憶域要素は通常se1
、最初のテープ・ドライブはdte1
と、それぞれネーミングされます。記憶域要素を参照する場合は、se
の接頭辞を省略できます。ライブラリ内のドライブはdte
として参照できます(ライブラリでドライブが1つのみのとき)。
前提条件
lsvol
コマンドを使用するには、デバイス情報の問合せおよび表示(query and display information about devices)権を備えている必要があります。
構文
構文1
ライブラリ内のボリュームをリスト(インベントリ)する場合は、次の構文を使用します。「構文1の意味」を参照してください。
lsv•ol [ --library/-L libraryname | --drive/-D drivename ] [ --long/-l ]
構文2
ボリューム・カタログ内のボリュームをリストする場合は、次の構文を使用します。「構文2の意味」を参照してください。
lsv•ol [ --short/-s | --long/-l ] [ --relation/-r ] [ --members/-m ] [ --noheader/-H ] [ --contents/-c ] { --all/-a | { [ --vid/-v vid[,vid]... ] [ --barcode/-b tag[,tag]... ] [ --vset/-V vsetid[,vsetid]... ] [ --family/-f media-family-name[,media-family-name]... ] [ --attribute/-A volume-attr[,volume-attr]... ] [ --oid/-o oid[,oid]... ] }... [ --novid/-n | --nobarcode/-N ] }
意味
構文1の意味
リストするボリュームが搭載されているライブラリの名前を指定します。
--library
または--drive
を指定しない場合は、libraryまたはdrive変数の値が使用されます。これらのいずれの変数値も取得できない場合は、警告が発行されます。
リストするボリュームが搭載されているライブラリにあるテープ・ドライブの名前を指定します。
--library
または--drive
を指定しない場合は、libraryまたはdrive変数の値が使用されます。これらのいずれの変数値も取得できない場合は、警告が発行されます。
長い形式でボリューム情報が表示されます。lsvol --long
をその他のオプションなしで指定した場合は、DTE、MTE、およびライブラリの記憶域要素のインベントリが表示されます。特定のボリュームに対して--long
を指定すると、OID、ボリュームID、バーコード、ボリューム順序などが表示されます。
構文2の意味
短い形式でボリューム情報が表示されます。各ボリュームのボリュームIDのみが表示されます。
長い形式でボリューム情報が表示されます。
指定されたその他のオプションに基づいてボリュームをグループ化します。たとえば、--family
オプションを指定している場合は、obtool
により、指定したメディア・ファミリに属するボリュームを基準にしてソートが行われます。
表示される各ボリュームのボリューム・セット・メンバーがすべて表示されます。このオプションはデフォルトです。
ヘッダー出力なしで情報が表示されます。
各ボリュームのコンテンツに関する情報が表示されます。
ボリューム・カタログ内のすべてのボリュームが表示されます。
ボリュームID、vidを持つボリュームが表示されます。vidプレースホルダの詳細は、「vid」を参照してください。
バーコードtagを持つボリュームが表示されます。
ボリューム・セットvsetidのメンバーであるボリュームが表示されます。vsetidは、ボリューム・セット内の最初のボリュームのvidを表します。vidプレースホルダの詳細は、「vid」を参照してください。
指定されたメディア・ファミリのすべてのボリュームが表示されます。media-family-nameプレースホルダは、mkmfまたはrenmfコマンドで割り当てられたメディア・ファミリの名前を表します。
属性volume-attrを持つボリュームがすべて表示されます。このプレースホルダの有効な値は次のとおりです。
o•pen
: ボリュームが書込みできるように開いています。
c•losed
: ボリュームが書込みできないように閉じています。
e•xpired
: ボリュームが失効しています。
u•nexpired
: ボリュームが失効していません。
指定したoidを持つボリュームが表示されます。oidプレースホルダの詳細は、「oid」を参照してください。
ボリュームIDのないボリュームが表示されます。
バーコードのないボリュームが表示されます。
出力
表2-22で、lsvol
コマンドの出力について説明します。
表2-22 lsvolの出力
列 | 意味 |
---|---|
VOID |
ボリュームのカタログ識別子。 |
Seq |
ボリューム・セットにおけるテープの番号。 |
Volume ID |
一意のボリュームID。通常、メディア・ファミリに、増分する数値を付加したもの。 |
Barcode |
テープに添付されたバーコード・ラベルのID。 |
Family |
メディア・ファミリ名。 |
Created |
ボリュームに最初に書込みが行われた日付。 |
Attributes |
保存または有効期限に関する特性。 |
例
例2-78では、ライブラリlib1
に含まれるボリュームをリストしています。サンプル出力はページに収まるようにあらかじめ折り返されています。
例2-78 ライブラリ内のボリュームの表示
ob> lsvol --long --library lib1 Inventory of library lib1: in mte: vacant in 1: volume VOL000002, barcode ADE201, oid 110, 16962752 kb remaining in 2: volume VOL000001, barcode ADE203, oid 102, 17619328 kb remaining in 3: vacant in 4: vacant in iee1: vacant in iee2: vacant in iee3: vacant in dte: volume RMAN-DEFAULT-000002, barcode ADE202, oid 112, 17017984 kb remaining, content manages reuse, lastse 3
例2-79では、ボリュームVOL000001
のコンテンツを表示しています。サンプル出力はページに収まるようにあらかじめ折り返されています。