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obtar -c

用途

obtar -cは、単一のバックアップ・イメージを作成する場合に使用します。obtar -cを使用すると、オンデマンド・バックアップを実行することや、別のサイトに転送可能なボリュームにデータをバックアップすることが可能です。

構文

obtar -c::=

obtar -c [ -f device ]
[ -H host ] [ -G ]
[ -v [-v] ] [ -z ]
{ [ -C directory ] pathname... }...

意味

obtar -cには多くのオプションを指定できます。この項では、使用する可能性が最も高いオプションについて説明します。obtar -cのその他のオプションについては、「obtarのオプション」を参照してください。

-f device

デバイスの名前を指定します。-fを指定しない場合は、TAPE環境変数（定義されている場合）によって指定されたデバイスに書き込まれます。

-H host

バックアップするデータが格納されているホストを指定します。-Hを指定しない場合、ローカル・ホスト上のデータが検索されます。

-G

バックアップ・イメージのコンテンツの索引をカタログに書き込み、ボリューム・ラベルを生成します。カタログ・データには、バックアップ・イメージに書き込まれたすべてのファイルおよびディレクトリの名前が含まれています。この情報を使用して、リストアするデータが含まれるバックアップ・イメージが検索されます。

obtar -cを使用してバックアップ・イメージを作成する場合、obtar -gを使用する場合に生成されるカタログ・ファイルまたはボリュームIDは通常生成されません。ただし、-Gを使用してこれらを生成することはできます。

-v [-v]

バックアップするファイルおよびディレクトリのパス名を表示します。-v -v（または-vv）を指定すると、バックアップするファイルおよびディレクトリのパス名、権限、所有者、サイズおよび最終変更日が表示されます。

-z

ラベルが付いたバックアップ・イメージを作成します。

-C directory

後続のファイルまたはディレクトリをバックアップする前に、指定されたディレクトリに移動します。このオプションを使用して、バックアップ・イメージに保存されるパス名情報を制御します。

pathname

バックアップする1つ以上のファイルまたはディレクトリを指定します。指定したファイルのコンテンツがバックアップ時に変更されると、警告メッセージが発行されます。

作成するバックアップ・イメージには、データとパス名情報が含まれます。データをリストアする場合、リストアするデータの場所としてpathnameが使用されます。データをリストアするときに使用するobtar -xコマンドには、リストアするデータの場所として別のhostまたはdirectoryを指定するためのオプションが用意されています。

pathnameがローカルまたはリモート・ファイル・システムをマウントして使用可能になるデータを参照する場合、-Xcrossmpを指定しないかぎり、このマウント・ポイントにはアクセスできません。

また、-Cオプションを使用して、バックアップ・イメージの作成時に記録されるpathname情報を変更することもできます。

例

ボリュームへのバックアップ

ボリュームにバックアップ・イメージを作成するには、-fオプションを使用してデバイス名を指定します。例4-1では、デバイスtape0にロードされたボリュームにディレクトリ/docをバックアップしています。

例4-1 ボリュームへのバックアップ

obtar -c -f tape0 /doc

複数のファイルのバックアップ

一度にバックアップするディレクトリまたはファイルを複数指定できます。例4-2では、ファイル/jane/abcとファイル/bob/xyzをバックアップしています。

例4-2 複数のファイルのバックアップ

obtar -c -f my_tape /jane/abc /bob/xyz

ディレクトリ情報の変更

-Cオプションを使用して、バックアップ・イメージに保存されるパス名情報を制御できます。-Cを使用して、検索する各パス名を含んだ上位ディレクトリを指定します。バックアップ・イメージには、このディレクトリはパス名情報の一部としては保存されません。

例4-3では、ディレクトリ/home/jane/currentをバックアップしています。ここでは、-vオプションを使用して、バックアップするデータのパス名を表示しています。

例4-3 ディレクトリ情報の変更

obtar -cv -f tape1 -C /home/jane current

current/
current/file1
current/file2

-vオプションによって表示された情報が示すように、バックアップ・イメージに記録されるパス名情報は、相対パス名currentの内容です。後でディレクトリをリストアする場合、別のディレクトリを指定しないかぎり、現行ディレクトリを基準としたcurrentという名前のディレクトリにリストアされます。

例4-4では、ファイル/test/proj3/trial7/test1および/test/proj3/trial7/test2をバックアップしています。

例4-4 ディレクトリ情報の変更

obtar -cv -f /dev/nrwst1 -C /test/proj3 trial7/test1 trial7/test2

trial7/test1
trial7/test2

バックアップ・イメージに記録されるパス名情報は、相対パス名のtrial7/test1とtrial7/test2です。後でファイルをリストアする場合、別のディレクトリを指定しないかぎり、ディレクトリtrial7内の現行作業ディレクトリにファイルがリストアされます（trial7が存在しない場合は、最初に作成されます）。