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BEA Tuxedo システムのリリース 8.0 へのアップグレード
以下の節では、簡易アップグレードおよびホット・アップグレードの手順に従って、BEA WebLogic Enterprise または BEA Tuxedo アプリケーションを BEA Tuxedo 8.0 にアップグレードする方法について説明します。
アップグレードするためのマシンの準備作業
BEA Tuxedo 8.0 ソフトウェアをインストールする前に、必要なバージョンのオペレーティング・システムとコンパイラがインストールされていることを確認します。
注記 オペレーティング・システムとコンパイラをインストールするには、かなりの時間がかかります。
サポートされている各プラットフォームのオペレーティング・システムとコンパイラについては、BEA Tuxedo 8.0 プラットフォーム・データ・シートを参照してください。
アップグレード手順の選択
BEA WebLogic Enterprise または以前のバージョンの BEA Tuxedo ソフトウェアがインストールされているプラットフォームで BEA Tuxedo 8.0 をインストールする場合は、次の手順をよく読んでください。
アップグレードするためにアプリケーションをシャットダウンできる場合は、シャットダウンしてから簡易アップグレードを実行します。Windows 2000 システム上で BEA Tuxedo 8.0 を簡易アップグレードする場合は、BEA Tuxedo 8.0 をインストールする前に、Windows の [アプリケーションの追加と削除] (アンインストール) を使用してターゲット・システムの BEA WebLogic Enterprise または BEA Tuxedo ソフトウェアを削除することをお勧めします。簡易アップグレードの実行手順については、「簡易アップグレードの実行」を参照してください。
アップグレードするためにアプリケーションをシャットダウンできない場合は、ホット・アップグレードを実行すると、以下のソフトウェア製品から BEA Tuxedo 8.0 にアップグレードする際にも企業内のアプリケーションをシャットダウンする必要がありません。
既存のアプリケーションをシャットダウンしなくても、BEA Tuxedo 8.0 ソフトウェアを既存の BEA WebLogic Enterprise または BEA Tuxedo ドメインに追加したり、新しい BEA Tuxedo 8.0 アプリケーションをそれらのドメインに追加したりすることができます。ホット・アップグレードの実行手順については、「ホット・アップグレードの実行」を参照してください。
ファイルのバックアップ
インストール前にバックアップし、インストール後に復元しなければならないファイルがあります。こうしたファイルに対する変更はすべて、新しい BEA Tuxedo ソフトウェアのインストールに伴って上書きされます。
これらのファイルをもう一度変更することを避けるには、次の手順に従います。
RM
ファイルを一時的に別の場所にバックアップします。RM
ファイルには、
buildtms
や buildXAJS
などのコマンドが使用するデータベース・ベンダ固
有の設定が格納されています。このファイルは、%TUXDIR%
\udataobj
または
$TUXDIR/udataobj
ディレクトリにあります。TUXDIR
は、BEA WebLogic
Enterprise または BEA Tuxedo ソフトウェアをインストールしたディレクトリ
を表します。
webgui.ini
ファイルを一時的に別の場所にバックアップします。
webgui.ini
ファイルには、BEA Tuxedo Administration Console 用にカスタ
マイズした初期化情報が格納されています。このファイルは、
%TUXDIR%
\udataobj
\webgui
または $TUXDIR/udataobj/webgui
ディレクト
リにあります。
%TUXDIR%
ディレクトリに追加したすべてのファイルを一時的に別の場所に
移動します。
簡易アップグレードの実行
簡易アップグレードでは以下の操作を行います。
tmunloadcf(1)
コマンドを実行して、MASTER
マシンにあるテキスト形式の
コンフィギュレーション・ファイルを更新します。
MASTER
およびバックアップ・マシンに BEA Tuxedo 8.0 ソフト
ウェアをインストールします。
MASTER
マシン上で tmloadcf(1)
を実行して、テキスト形式のコンフィギュ
レーション・ファイルを再ロードします。
Windows 2000 に関するその他のアップグレード要件
Windows 2000 マシンの場合、システムがクリーンな状態で作業を始めるために、次の手順も実行してから BEA Tuxedo 8.0 ソフトウェアをインストールします。
TListen
および Tuxedo IPC Helper サービスを停止します。[スタート] メ
ニューの [設定] をポイントし[コントロール パネル]をクリックしてから、
[管理サービス] の [サービス] をクリックします。[サービス] ウィンドウが
表示されます。
注記 Tuxedo IPC Helper サービスは、BEA Tuxedo 8.0 では BEA procMGR と呼ばれます。
TListen
サービスのエントリまでスクロールして選択し、[停止] ボタンを
クリックします。[状態] 値が [開始] から空白に変わります。次に、Tuxedo
IPC Helper サービスまでスクロールして選択し、[停止] ボタンをクリックし
ます。エラーが発生することはありますが、サービスの [状態] 値は [開始]
から空白に変わります。[閉じる] ボタンをクリックします。
注記 WebLogic Enterprise 4.2 の C++ コンポーネントと Java コンポーネントの両方がインストールされている場合、Java ソフトウェアを先に削除してから C++ ソフトウェアを削除する必要があります。
ホット・アップグレードの実行
ホット・アップグレードを実行する前に、「ファイルのバックアップ」で説明したようにファイルをバックアップします。
ホット・アップグレードでは、バックアップ・マシンと MASTER
マシンを順にシャットダウンする必要がありますが、コンフィギュレーション内のその他のマシンはシャットダウンする必要がありません。
アップグレード前の注記
ホット・アップグレードによっていったん MASTER
マシンを BEA Tuxedo 8.0 に移行したら、バックアップ・マシンを BEA Tuxedo 8.0 にアップグレードするまで、代理のバックアップ・マシンを元に戻すことはできません。つまり、MASTER
マシンの移行は元に戻せない手順です。移行が完了したら、MASTER
マシンを以前に動作していたリリースの BEA Tuxedo ソフトウェアに戻すことはできません。
MASTER
が旧リリースの BEA Tuxedo 8.0 マシン上で tmadmin(1)
を実行する場合、UPGRADE
ファイルは現在のディレクトリにある必要があります。「ホット・アップグレードの例」を参照してください。このファイルが現在のディレクトリにあることを確認するには、たとえば、APPDIR
から tmadmin
を実行します。
移行時には、BEA Tuxedo データ記憶領域に関して次のガイドラインに従うように注意してください。
TUXCONFIG
ファイルを削除する指示が表示されます。TUXCONFIG
ファイルは、バックアップ・マシンが起動すると自動的に複製転送されるので、この指示に関して何の操作も必要ありません。TLOG
を作成します。既に TLOG
がある場合は削除します。BDMCONFIG
ファイルがある場合は、そのままにしておきます。停止時間を最短にするために、BEA Tuxedo 8.0 を MASTER
およびバックアップ・マシンにインストールしつつ、旧リリースのクライアントおよびサーバを作成したディレクトリと並行して APPDIR
によって定義される各マシンのディレクトリですべてのクライアントおよびサーバを再ビルドすることをお勧めします。つまり、旧リリースのアプリケーションと BEA Tuxedo 8.0 アプリケーションの両方を各マシンで使用できるようにします。この処理は不可欠というわけではありませんが、実行することをお勧めします。
旧リリースから移行する場合は、クライアントおよびサーバを再ビルドする必要があります。また、HP-UX では、BEA Tuxedo ソフトウェアを再インストールするたびに再ビルドする必要があります。ただし、HP-UX 共用ライブラリ・ローダは、実行時に実行可能ファイルが必要とする共用ライブラリを見つけるときに SHLIB_PATH
環境変数で指定されたパスをデフォルトでは使用しません。SHLIB_PATH
ルックアップを有効にするには、「W1, +s
」コンパイル・オプションを C または C++ コンパイラに渡す必要があります。この手順は、BEA Tuxedo システムがサポートしているその他のプラットフォームでは必要ありません。つまり、アプリケーション・プログラムを次の設定で再コンパイルしなければなりません。
CFLAGS=Wl,+s
この設定により、コンパイラはアプリケーションの再コンパイル時に +s
オプションをリンク・エディタに渡します。これにより、将来のアップグレード時にプログラムのデフォルトの動作を変更します。
注記 buildserver、buildobjserver、buildclient、および buildobjclient
コマンドは、リンク・エディタの +s
オプションをインクルードするので、+s
を明示的に指定する必要はありません。ただし、別のビルド手順を実行する場合は、+s
オプションを指定しなければなりません。
ホット・アップグレード手順
MODEL
オプションを MP
に設定します。MIGRATE
オプションを設定します。MASTER
マシンを、BEA Tuxedo 8.0 を実行してい
るバックアップ・マシンに移行します。
ホット・アップグレードの例
UNIX プラットフォームで以下のものがあるとします。
MASTER
としてコンフィギュレーションされ、旧リリースを実行する MACH1
というマシン$APPDIR1
というアプリケーション・ディレクトリが対応しています。$TUXCONFIG1
というコンフィギュレーション・ファイルが対応しています。MACH2
というマシン$APPDIR2
というアプリケーション・ディレクトリが対応しています。$TUXCONFIG2
というコンフィギュレーション・ファイルが対応しています。次の手順を参照して、アプリケーションのホット・アップグレードを実行します。
MACH1> tmshutdown -B MACH2 -l MACH2
MACH1>Run tmconfig to reset the APPDIR, TUXCONFIG, TUXDIR for MACH2
MACH2>Kill tlisten process
MACH2>Load System 8.0 if it is not already loaded
MACH2> cd $APPDIR2
MACH2> rm $TUXCONFIG2
MACH2> >UPGRADE #Indicator that upgrade being done
MACH2>Reset PATH, LD_LIBRARY_PATH, TUXCONFIG, APPDIR
MACH2>Rebuild clients and servers, create TLOG
MACH2>Start System 8.0 tlisten
MACH1> >UPGRADE #Indicator that upgrade being done
MACH1> tmboot -B MACH2 -l MACH2
MACH2> tmadmin
master
y
psr
q
MACH2> tmshutdown -B MACH1 -l MACH1
MACH2>Run tmconfig to reset the APPDIR, TUXCONFIG, TUXDIR for MACH1
MACH1>Kill tlisten process
MACH1>Load System 8.0 if it is not already loaded
MACH1> cd $APPDIR1
MACH1> rm $TUXCONFIG1
MACH1>Reset PATH, LD_LIBRARY_PATH, TUXCONFIG, APPDIR
MACH1>Rebuild clients and servers, create TLOG
MACH1>Start System 8.0 tlisten
MACH1> rm UPGRADE #Remove indicator that upgrade being done
MACH2> rm UPGRADE #Remove indicator that upgrade being done
MACH2> tmboot -B MACH1 -l MACH1
注記 上記の例で説明したアップグレードを Windows 2000 プラットフォームで実行する場合は、tlisten
プロセスを停止した後に Tuxedo IPC Helper (BEA Tuxedo 8.0 では BEA procMGR ) サービスを停止し、tlisten
プロセスを開始する前に BEA procMGR サービスを開始します。
BEA Jolt のリリース 8.0 へのアップグレード
BEA Jolt は BEA Tuxedo 8.0 と相互運用しますが、BEA Jolt リリース 1.2.1 以前は相互運用しません。したがって、BEA Tuxedo 8.0 で BEA Jolt を使用する予定がある場合は、BEA Jolt 8.0 をインストールする必要があります。
旧リリースから BEA Jolt 8.0 に直接アップグレードすることはできません。旧リリースの Jolt がインストールされている場合は、そのリリースをアンインストールしてからリリース 8.0 をインストールする必要があります。
アプリケーションの再ビルド
BEA Tuxedo システムが正しくインストールされたら、BEA Tuxedo リリース 8.0 にアップグレードしたシステム上で実行するすべてのアプリケーション・クライアントとサーバを再ビルドする必要があります。また、古い TUXCONFIG
ファイルをすべて削除し、新しくインストールされた tmloadcf(1)
を使用して、これらのファイルを再ロードする必要もあります。
BEA Tuxedo システム・アプリケーションが分散化されている場合、MASTER
ノードとバックアップ MASTER
ノードでは、コンフィギュレーションにあるノードの中で最も新しいリリースの BEA Tuxedo システムを実行しなければなりません。ワークステーション・クライアントなどほかのノードでは、以前のリリースの実行可能ファイルがそのまま使用される場合があります。たとえば、MASTER
とバックアップ MASTER
で BEA Tuxedo 8.0 を実行していても、そのほかのノードでは BEA Tuxedo 6.3 以降が使用されることがあります。
「最新リリースを実行する」というルールには、例外が 1 つあります。BEA Tuxedo システム・サーバ・マシンを BEA Tuxedo 8.0 にアップグレードせずに、BEA Tuxedo 8.0 をワークステーション・クライアントだけにインストールすることもできます。つまり、6.3 以降のリリースの場合、MASTER
が リリース 6.3 以降を実行するコンフィギュレーションに、ワークステーション・クライアントが混在してもかまいません。
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