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Tuxedo アプリケーションの設定
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分散アプリケーションのネットワーク設定
ここでは、次の内容について説明します。
分散アプリケーション用のネットワーク設定
分散アプリケーションとは、BEA Tuxedo システムがインストールされた複数のコンピュータ上で動作するアプリケーションのことです。コンピュータどうしは接続されており、ハードウェアやソフトウェア、アクセス方式、および通信プロトコルにより、ネットワーク経由で通信できます。BEA Tuxedo システムは、メッセージの符号化、ルーティング、および復号化を行い、処理されたメッセージをネットワーク経由でマシンに送信します。これらのタスクは自動的に実行されます。
分散アプリケーションに必要なネットワーク機能を設定するには、コンフィギュレーション・ファイルに次のエントリを指定します。
ネットワーク上のデータの流れ
分散アプリケーションでは、データはネットワーク上で次のように送信されます。
パラレル・ネットワーク上でのデータの流れ
分散アプリケーションでは、ネットワーク上でのデータの送受信にパラレル・データ回線を使用すると、次のような利点を活用できます。
ただし、パラレル・データ回線を使用するかどうかを決定する前に、メッセージを順番に処理する必要があるかどうかを判断してください。システムでは、1 つの特定のデータ回線に会話接続をバインドすることにより、会話型メッセージの正しい順序が確保されます。
すべてのメッセージが順番に送信される必要がある場合、非会話型メッセージの順序もトラッキングされるようにアプリケーションをプログラミングします。この方法を使用する場合、パラレル・データ回線は設定しない方がよいでしょう。
次の図は、あるマシンから別のマシンへのデータの流れを示します。この図は、マシン A とマシン B で構成される例に基づいています。まず、BRIDGE は、両方のマシンに共通のネットワーク・グループである、MAGENTA_GROUP、GREEN_GROUP、および DEFAULTNET を識別します。
優先順位が同じネットワーク・グループ (NETPRIO パラメータの値が同じグループ) には、データは並列に流れます。優先順位が異なるネットワーク・グループは、フェイルオーバー用です。
図 9-1 BRIDGE 上のデータの流れ
単純な分散アプリケーションのネットワーク設定例
次の例は、単純なネットワークの設定方法を示しています。
# 以下は 2 サイトを含むコンフィギュレーション・ファイルの
# Network セクションの例です。
*NETWORK
SITE1 NADDR="//mach1:80952”
NLSADDR="//mach1:serve"
#
SITE2 NADDR="//mach386:80952"
NLSADDR="//mach386:serve"
ネットワーク・データのスケジューリングでのフェイルオーバーとフェイルバック
データは使用可能な回線のうち、優先順位が最も高い回線を流れます。すべてのネットワーク・グループに同じ優先順位が与えられている場合、データはすべてのネットワークに同時に送信されます。現在優先されているすべての回線で障害が発生すると、データは次に優先順位が高い回線に送信されます。このプロセスを「フェイルオーバー」と呼びます。フェイルオーバーが発生すると、失敗した接続は定期的に再試行されます。
優先順位の高いネットワーク接続が再確立されると、「フェイルバック」が発生し、優先順位の低い接続にはデータがスケジューリングされなくなります。優先順位がより低い接続は、通常の方法で切断されます。
すべてのネットワーク・アドレスへの接続の再試行が失敗すると、次にマシン間でのアプリケーション・データやシステム・データの送信が必要になったときに接続が再試行されます。
複数のネットグループによる設定例
First State Bank という架空の銀行で、5 台のマシン (A-E) が構成されるネットワークを想定してください。これらのマシンは 4 つのネットワーク・グループに構成され、それぞれのマシンが 2 つから 3 つのネットワーク・グループで使用されています。
注記 複数のネットワーク・グループ (NETGROUPS) を含むコンフィギュレーションでは、ハードウェアおよびソフトウェアに対する要件があります。ただし、このマニュアルでは説明していません。たとえば、マシンが、複数の物理ネットワークに参加しなければならない場合があります。各マシンの TCP/IP シンボリック・アドレスは、/etc/hosts ファイルまたは DNS (ドメイン・ネーム・サービス) で識別する必要があります。
次の例の //A_CORPORATE:5345 という形式のアドレスの文字列 A_CORPORATE は、/etc/hosts ファイルまたは DNS (ドメイン・ネーム・サービス) で指定されていることを想定しています。
First State Bank には、次の 4 つのネットワーク・グループがあります。
すべてのマシンは、DEFAULTNET (企業 WAN) に属します。さらに、各マシンは MAGENTA_GROUP または BLUE_GROUP に関連付けられます。MAGENTA_GROUP の一部のマシンは GREEN_GROUP に属しています。次の図は、ネットワークにおけるグループの構成を示しています。
図 9-2 ネットワーク・グループの例
この例では、マシン A と B は以下のグループに対するアドレスを持ちます。
マシン C は以下のグループに対するアドレスを持ちます。
マシン D と E は以下のグループに対するアドレスを持ちます。
ローカル・エリア・ネットワークはロケーション間でルーティングされないため、マシン D (BLUE_GROUP LAN 内) は、共通の単一のアドレス、つまり企業 WAN ネットワーク・アドレスのみを使用してマシン A (GREEN_GROUP LAN 内) とやり取りします。
サンプル・ネットワークのコンフィギュレーション・ファイル
前の節で説明したネットワークを設定するため、First State Bank の管理者は、以下に示すように、UBBCONFIG ファイルの NETGROUPS および NETWORK セクションで各グループを定義します。
*NETGROUPS
DEFAULTNET NETGRPNO = 0 NETPRIO = 100 #default
BLUE_GROUP NETGRPNO = 9 NETPRIO = 200
MAGENTA_GROUP NETGRPNO = 125 NETPRIO = 200
GREEN_GROUP NETGRPNO = 13 NETPRIO = 300
*NETWORK
A NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//A_CORPORATE:5723”
A NETGROUP=MAGENTA_GROUP NADDR="//A_MAGENTA:5724"
A NETGROUP=GREEN_GROUP NADDR="//A_GREEN:5725"
B NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//B_CORPORATE:5723"
B NETGROUP=MAGENTA_GROUP NADDR="//B_MAGENTA:5724"
B NETGROUP=GREEN_GROUP NADDR="//B_GREEN:5725"
C NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//C_CORPORATE:5723"
C NETGROUP=MAGENTA_GROUP NADDR="//C_MAGENTA:5724"
D NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//D_CORPORATE:5723"
D NETGROUP=BLUE_GROUP NADDR="//D_BLUE:5726"
E NETGROUP=DEFAULTNET NADDR="//E_CORPORATE:5723"
E NETGROUP=BLUE_GROUP NADDR="//E_BLUE:5726"
各ネットワーク・グループへの優先順位の割り当て
ネットワークの BRIDGE プロセスの機能を最大限に生かすには、各ネットワーク・グループを表す NETGROUP に適切に優先順位を割り当てます。NETGROUP の優先順位を割り当てる場合は、以下の点を念頭に置いてください。
ネットワーク・グループへの優先順位の割り当て例
次の図は、First State Bank の管理者が使用可能なネットワーク・グループに優先順位を割り当てる方法を示しています。
図 9-3 ネットワーク・グループへの優先順位の割り当て
NETGROUPS セクションおよび NETWORK セクションの例
最も優先順位の低いネットワーク・グループは、デフォルトのネットワーク・グループとして予約されます。つまり、ほかのネットワーク・グループがすべて使用不可能にならない限り、このグループは使用されません。したがって、分単位で課金される衛星回線など、特定のネットワークの使用を制限する場合は、そのネットワークをデフォルトのネットワーク・グループとして指定します。
デフォルトのネットワーク・グループに優先順位を割り当てるには、ほかのグループと同じように、DEFAULTNET の NETPRIO バラメータを設定します。DEFAULTNET の NETPRIO を指定しないと、以下の例に示すようにデフォルト値の 100 が使用されます。
*NETGROUP
DEFAULTNET NETGRPNO = 0 NETPRIO = 100
DEFAULTNET では、ネットワーク・グループ番号 (NETGRPNO) の値を 0 に指定しなければなりません。これ以外の値は無効です。NETGRPNO の値は、エントリごとに一意でなければなりません。
一方、複数のネットワーク・グループに対して、同じ NETPRIO の値を割り当てることもできます。たとえば、First State Bank のコンフィギュレーション・ファイルで、MAGENTA_GROUP と GREEN_GROUP に同じネットワーク優先順位 (NETPRIO=200) を割り当てることができます。
各ネットワーク・アドレス (NETWORK) は、デフォルトで DEFAULTNET ネットワーク・グループに関連付けられます。このパラメータは、エントリ間の統一性を保ちたい場合、または定義されるネットワーク・アドレスを 2 つ目のネットワーク・グループに関連付けたい場合に、明示的に指定することができます。
*NETWORK
D NETGROUP=BLUE_GROUP NADDR="//D_BLUE:5726"
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