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製品の概要

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BEA Tuxedo の概要

以下の節では、BEA Tuxedo 製品のアーキテクチャと主要な特長について説明します。

 


BEA Tuxedo とは

BEA Tuxedo は、Web からエンタープライズにわたる異種、分散環境にスケーラブルな多層クライアント/サーバ・アプリケーションをビルドするためのフレームワーク (ミドルウェア) です。BEA Tuxedo を使用すると、基本となるハードウェア、ネットワーク、およびデータベース環境に依存することなく分散アプリケーションを開発、管理、およびデプロイできます。

次の図に示すように、ミドルウェアは、ネットワーク内のシステム・ノード上で、クライアント/サーバ・アプリケーションとオペレーティング・システムおよびネットワーク・サービスの間に存在するソフトウェア・サービス群です。

図1-1 ミドルウェアの利用


 

ミドルウェア・サービスは、オペレーティング・システムおよびネットワーク・サービスに比べてより多くのアプリケーション・プログラミング・インターフェイス (API) セットを提供します。ミドルウェア・サービスの主な目的は、アプリケーションの接続性と相互運用性の問題の解決を支援することです。

BEA Tuxedo には、次のミドルウェア・サービスが用意されています。

BEA Tuxedo には、トランザクション管理、セキュリティ、メッセージ転送、管理と管理容易性、および 2 フェーズ・コミット処理のための XA 準拠データベース・サポートに必要な ATMI サービスと CORBA C++ オブジェクトが組み込まれています。また、多数のサーバ・マシンにまたがる分散トランザクション向けに設計された高速で信頼性の高いサーバ側メッセージ・スイッチも用意されています。

 


Tuxedo システムの略歴

BEA Tuxedo は、20 年にわたるたゆみない開発と拡張を通して高い評価と完成度を獲得したシステムです。

リリース 1.0 から 7.1

1983 年のリリース 1.0 から 2000 年のリリース 7.1 に至るまで、Tuxedo システムにはいくつもの重要な拡張と改良が重ねられました。これらは常に、クライアント・プロセスとサーバ・プロセス間の通信を簡素化および柔軟化することを目的としたものでした。進化を重ねた Tuxedo システムは、オープンな (オープン・スタンダードの) オンライン・トランザクション処理 (OLTP) ソリューションの業界標準となりました。

リリース 4.0 では、ATMI API とトランザクション処理を採用しました。.リリース 5.0 では、Tuxedo アプリケーションのフェデレーション (連合) とアプリケーション間トランザクション処理を実現する Domains コンポーネントを導入しました。リリース 7.1 では、サード・パーティ製システムのインストールを可能にするセキュリティ・プラグイン・アーキテクチャを採用しました。

またリリース 7.1 では、マルチスレッドおよびマルチコンテキストのアプリケーション・クライアントおよびサーバを開発するための ATMI 機能であるマルチスレッドとマルチコンテキストと、eXtensible Markup Language (XML) 型付きバッファを使用して ATMI アプリケーションの内部または間で XML データを交換するための XML バッファ・サポートを採用しました。リリース 7.1 では、BEA Tuxedo に初めて BEA Jolt 製品が同梱されました。

BEA Tuxedo ATMI の概要については、BEA Tuxedo ATMI のコア・コンポーネントを参照してください。

BEA Tuxedo 8.0

リリース 8.0 では、BEA CORBA API と CORBA OTM (Object Transaction Manager) 機能が搭載されました。CORBA OTM は、CORBA 準拠のプログラミング・モデルのメリットと BEA Tuxedo コア技術インフラストラクチャの実証された能力と信頼性を兼ね備えています。

BEA Tuxedo CORBA の概要については、BEA Tuxedo CORBA の構成要素を参照してください。

BEA Tuxedo 8.1

BEA Tuxedo 製品の現行リリースである 8.1 では、次の機能と拡張が追加されています。

さらに、BEA Tuxedo 8.1 には BEA Jolt 製品と BEA SNMP Agent 製品が同梱されています。BEA Tuxedo 8.1 の新機能と拡張の詳細については、BEA Tuxedo リリース・ノートを参照してください。

 


業界標準のサポート

BEA Tuxedo システムは、The Open Group の X/Open 標準に準拠しています。これには、2 フェーズ・コミット処理のための XA 標準、X/Open ATMI API、言語国際化のための X/Open Portability Guide (XPG) 標準が含まれます。また、BEA Tuxedo は分散アプリケーション開発向けの CORBA 仕様と、あらゆるリレーショナル・データベース管理システム、オブジェクト指向データベース管理システム、ファイル・マネージャ、キュー・マネージャをサポートしています。

BEA Tuxedo システムと ATMI は、オンライン・トランザクション処理 (OLTP) の X/Open 分散トランザクション処理 (DTP) モデルをインプリメントしています。DTP モデルにより、クライアント/サーバ・アプリケーションで行われる作業のアトミックな完了が保証されます。つまり、作業が正常に行われれば関連するすべてのデータベースが適切に更新され、作業が正常に行われなければ関連するすべてのデータベースが元の状態にロールバックされます。

BEA Tuxedo システムがサポートしているその他の標準は次のとおりです。

 


主要プラットフォームのサポート

クライアント/サーバ・アプリケーションは、呼び出す (クライアント) ソフトウェアと呼び出される (サーバ) ソフトウェアを独立したプログラムに分離します。クライアント/サーバ・アプリケーションのメリットは、複数のクライアント・プロセスが 1 つのサーバ・プロセスと対話でき、それらのプロセスを同じホスト・マシンで実行する必要がないことです。このため、クライアントサーバは、それぞれの機能に適したハードウェアおよびソフトウェア・プラットフォーム上で実行できます。たとえば、クライアントはワークステーションやパーソナル・コンピュータなどの安価なプラットフォームで実行し、データベース管理サーバは問い合わせ専用に設計およびコンフィギュレーションされたプラットフォームで実行することができます。

BEA Tuxedo システムは、Microsoft Windows 2000、XP、98 などの最も一般的なクライアント・プラットフォームとさまざまな UNIX ワークステーションに移植されています。また、BEA Tuxedo システムは、Microsoft Windows 2000、Compaq Tru64 UNIX、HP-UX、IBM AIX、Red Hat Linux (Intel)、Sun Solaris (SPARC) などの主要なサーバ・プラットフォームに移植されています。

BEA Tuxedo 8.1 でサポートされているプラットフォームのリストについては、BEA Tuxedo システムのインストールA-1 ページの「BEA Tuxedo 8.1 プラットフォーム・データ・シート」を参照してください。BEA Tuxedo の旧リリースでサポートされているプラットフォームのリストについては、「Supported Platforms」 を参照してください。

 


複数のプログラミング・モデルおよびプログラミング言語のサポート

BEA Tuxedo では、2 つのプログラミング・モデルと 5 つのプログラミング言語がサポートされています。サポートされているプログラミング・モデルは ATMI と CORBA です。以下のプログラミング言語がサポートされています。

 


ミッション・クリティカルなソフトウェア

BEA Tuxedo で開発した ATMI および CORBA アプリケーションはミッション・クリティカル、つまり、高い信頼性、スケーラビリティ、セキュリティ、および管理性能を備えています。アプリケーションは企業の成長と共に発展させることができ、ネットワークのさまざまな箇所で障害が発生しても正常に実行できます。また、必要に応じて拡張および縮小できます。

 


分散トランザクション管理

BEA Tuxedo は、ATMI および CORBA アプリケーションに代わって、トランザクションをその起点 (通常クライアント) から 1 つまたは複数のサーバ・マシン、そして元のクライアントにわたって管理できます。トランザクションが完了したとき、Tuxedo はそのトランザクションに関与したすべてのシステムの状態の一貫性を保証します。Tuxedo は、トランザクションを実行し、それらをシステム間でルーティングし、それらの実行のロード・バランシングを行い、障害後にそれらを再開する方法を知っています。

BEA Tuxedo は、複数のサイトの間でアクセスされ、さまざまなデータベース製品によって管理されるデータの整合性を保証します。また、トランザクションに関与したシステムを追跡し、2 フェーズ・コミット・プロトコルを監視して、トランザクションのコミットとロールバックが各サイトで正常に処理されたことを確認します。

X/Open XA および TX への準拠

BEA Tuxedo システムは、サイト障害、ネットワーク障害、またはグローバル・リソース・デッドロック時のトランザクションの回復を管理します。BEA Tuxedo システムは、X/Open XA インターフェイスを使用してさまざまなリソース・マネージャと通信します。Tuxedo の開発者によって提唱され、X/Open によって認定されたこのインターフェイスは、トランザクション・マネージャとリソース・マネージャ間の分散トランザクションを制御するための標準インタフェースです。

BEA Tuxedo システムは、独自の ATMI トランザクション管理機能 (ルーチン、関数) に加え、トランザクション境界を判定するための X/Open TX インターフェイスを搭載しています。このインターフェイスを使用すると、アプリケーション開発者はアプリケーション内のオペレーションを 1 つにまとめ (トランザクション境界を定義し)、それらのオペレーションがすべて実行されるか、またはすべて実行されないようにできます。つまり、トランザクションは 1 つの基本作業単位としてコミットまたはロールバックされるので、マシンに障害が発生した場合でも関連するすべてのデータベースの同期が取られます。

トランザクションに関するマニュアル

トランザクションの詳細については、『BEA Tuxedo システム入門』と『BEA Tuxedo CORBA トランザクション』を参照してください。

 


スケーラビリティと性能

ビジネス環境では、アプリケーションは数百の実行コンテキスト (コンテキストはこの場合はスレッドまたはプロセス)、数万のクライアント・アプリケーション、および数百万のオブジェクトを十分な性能水準でサポートしなければならない場合があります。急激に増加する要求に晒されると、アプリケーションでは資源の不足や性能のボトルネックがすぐに明らかになります。したがって、スケーラビリティは BEA Tuxedo アプリケーションの極めて重要な特性です。

BEA Tuxedo では、作業負荷の要求を満たすためにサーバを動的に生成および終了させるか (ATMI)、またはオブジェクトを動的に活性化または非活性化させる (CORBA) ことによって、トランザクション負荷の変更に応じて分散アプリケーションを拡張できます。BEA Tuxedo は、利用可能なすべてのサービスまたはオブジェクトの間で作業負荷を分散します。

BEA Tuxedo をベースにビルドされたアプリケーションは、単一のサーバに存在する単一のクライアントでも、または数千のクライアントとサーバでも、アプリケーション・コードを変更せずにサポートできます。BEA Tuxedo システムは、アプリケーションの拡張に応じてエンド・ユーザに高い性能と応答性を提供し続けます。

スケーラビリティの詳細については、BEA Tuxedo アプリケーション実行時の管理の「Tuning a BEA Tuxedo ATMI Application」と『BEA Tuxedo CORBA アプリケーションのスケーリング、分散、およびチューニング』を参照してください。

 


高可用性と障害管理

分散クライアント/サーバ環境では、数千個もの独立したプロセッサとプロセスが連係してアプリケーションを実行する必要があります。こうした環境では、多くの障害が発生する可能性があります。BEA Tuxedo は、障害が発生した場合でも、次の方法でアプリケーションの実行を継続します。

e-ビジネス・アプリケーションへの常時アクセスの保証は、BEA Tuxedo の大きな特長です。システム・コンポーネントに対しては、アプリケーション、トランザクション、ネットワーク、およびハードウェアの障害が監視されます。障害が発生すると、BEA Tuxedo はそのコンポーネントをシステムから論理的に削除し、必要な回復手続きを管理し、メッセージとトランザクションを正常なシステムに再ルーティングします。これらはすべてエンド・ユーザに対して透過的であり、サービスの中断もありません。

 


セキュリティ

BEA Tuxedo のセキュリティには、認証、認可、および BEA Tuxedo アプリケーションをネットワークにデプロイするときのデータのプライバシを保証するための暗号化が含まれています。サポートされている暗号化は 2 レベルです。1 つは BEA Tuxedo 独自のリンク・レベルの暗号化 (LLE) を使用したネットワーク・レベルの暗号化で、もう 1 つはセキュア・ソケット・レイヤ (SSL) プロトコルと公開鍵暗号化を使用したアプリケーション・レベルの暗号化です。

BEA Tuxedo セキュリティをほかのセキュリティ・システムと統合するために、BEA Tuxedo は次のセキュリティ・プラグイン・インターフェイスを備えています。このプラグイン・インターフェイスを使用すると、独自のセキュリティ・プラグインを自由に定義して動的に追加できます。

図1-2 BEA Tuxedo のセキュリティ・プラグイン・アーキテクチャ


 

ATMI および CORBA アプリケーションのセキュリティの詳細については、『BEA Tuxedo のセキュリティ機能』『BEA Tuxedo CORBA アプリケーションのセキュリティ機能』を参照してください。

BEA Tuxedo ソフトウェアの旧リリースまたは BEA WebLogic Enterprise と相互運用するときのセキュリティ、または BEA WebLogic Server と相互運用するときのセキュリティについては、『BEA Tuxedo の相互運用性』を参照してください。

 


管理ツール

BEA Tuxedo システムでは、BEA Tuxedo ATMI または CORBA 環境において、同じ管理タスクを行うための複数の手段が用意されています。次の図に、アプリケーションのコンフィギュレーション・ファイルへの書き込みや、実行時の BEA Tuxedo アプリケーション管理に使用できる BEA Tuxedo ツールを示します。

図1-3 管理ツールの概略


 

これらのツール使用すると、BEA Tuxedo アプリケーションの管理に加え、アプリケーション障害が発生したときに障害の分離と回復を行うことができます。BEA Tuxedo は、さまざまなタイプの障害から自動的に回復できます。ただし、一部の障害 (ほとんどは最も重大な障害) では、実際にどのような障害が発生したかをユーザが調べる必要があります。

BEA Tuxedo Administration Console

BEA Tuxedo Administration Console は、BEA Tuxedo アプリケーションに関するほとんどの管理タスクとコンフィギュレーション・タスクを実行するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェイスです。管理者は、コンフィギュレーション情報を表示および変更し、システム内の各コンポーネントの状態を把握し、さまざまな項目 (実行された要求やキューに登録された要求など) に関する統計情報を取得できます。

BEA Tuxedo Administration Console は、Java アプレットのセットとしてインプリメントされているので、Java 対応の Web ブラウザをサポートするほとんどのプラットフォームで実行できます。BEA Tuxedo Administration Console のサーバ側コンポーネントは、BEA Tuxedo アプリケーションのサーバ・マシンの 1 つに存在します。Administration Console を使用するには、そのサーバの URL を入力し、Java アプレットをダウンロードする必要があります。

BEA Tuxedo Administration Console の起動手続きについては、BEA Tuxedo システムのインストール7-1 ページの「BEA Tuxedo Administration Console の起動」 を参照してください。BEA Tuxedo Administration Console の使い方については、コンソールから直接ヘルプを参照するか、『BEA Tuxedo Administration Console Online Help』を参照してください。また、BEA Tuxedo システム入門4-1 ページの「BEA Tuxedo Management Tools」も参照してください。

注記 制限事項: BEA Tuxedo Administration Console は、BEA Tuxedo リリース 7.1 の後に追加された新機能に合わせて更新されていません。

コマンド行インターフェイス

BEA Tuxedo アプリケーションを動的に変更するために必要な機能のほとんどは、tmadmin コマンドと tmconfig コマンドによって提供されます。BEA Tuxedo Domains コンフィギュレーションを動的に変更するために必要な機能のほとんどは、dmadmin コマンドによって提供されます。各コマンドは、さまざまな管理タスク (システム実行時のコンフィギュレーション・エントリの変更など) を実行するためのサブコマンドを持つインタラクティブなメタコマンドです。

これらのコマンドの詳細については、BEA Tuxedo コマンド・リファレンスの「tmadmin(1)」、「tmconfig, wtmconfig(1)」、および「dmadmin(1)」を参照してください。また、BEA Tuxedo システム入門4-1 ページの「BEA Tuxedo Management Tools」も参照してください。

MIB インターフェイス

MIB インターフェイスは、BEA Tuxedo 管理情報ベース内のシステム設定を直接アクセスおよび操作するためのアプリケーション・プログラミング・インターフェイスです。このインターフェイスを使用すると、Tuxedo アプリケーションを一括管理できます。MIB インターフェイスは、Tuxedo 開発者がビジネス・クリティカルなクライアント/サーバ・アプリケーションを開発するために使用するのと同じ API を使用するため、非常に強力です。

Tuxedo には、アクセス制御リスト、ディスク・ベースのキュー、Domains、イベント、コア Tuxedo、およびワークステーション拡張を管理するための MIB インターフェイスが用意されています。対応する MIB コンポーネント名は、ACL_MIBAPPQ_MIBDM_MIBEVENT_MIBTM_MIB、および WS_MIB です。MIB インターフェイスを通して、管理者は Tuxedo 掲示板に MIB オブジェクトの現在の状態をプログラマティックに問い合わせ、次に特定の MIB 値を設定およびリセットするか、新しい MIB オブジェクトを作成して管理上の変更を加えることによってアプリケーションを管理します。

MIB インターフェイスを通して実行できる管理機能は、フェイルオーバーおよびフォールバック状態のときに非常に役立ちます。MIB プログラミング・インターフェイスは、フェイルオーバー状態で発生するあらゆる問題を処理するための唯一の手段です。フェイルオーバー時には、スクリプトを使用してクライアント MIB プログラムを実行して、シャットダウン、サーバ・グループの移行、アプリケーションの状態の検証などのタスクを行うことができます。

BEA Tuxedo MIB の詳細については、BEA Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法の「ACL_MIB(5)」、「APPQ_MIB(5)」、「DM_MIB(5)」、「EVENT_MIB(5)」「MIB(5)」、「TM_MIB(5)」、および「WS_MIB(5)」を (「MIB(5)」ページから) 参照してください。また、BEA Tuxedo システム入門4-1 ページの「BEA Tuxedo Management Tools」も参照してください。

 


クライアントおよびサーバ・コンポーネント

次の図に、BEA Tuxedo のクライアントおよびサーバ・コンポーネントと、クライアントとサーバ間の接続を示します。この図には、リモート Tuxedo クライアントだけが示されています。

図1-4 BEA Tuxedo のクライアントおよびサーバ・コンポーネント


 


 

リモート Tuxedo クライアント (ATMI (/WS)、Jolt、CORBA C++、CORBA Java、または ActiveX クライアント) は、ネットワーク接続と 1 組の Tuxedo ゲートウェイ・プロセス (Workstation Listener/Handler (WSL/WSH)、Jolt Server Listener/Handler (JSL/JSH)、または IIOP Listener/Handler (ISL/ISH)) を介して Tuxedo サーバに接続します。リモート Tuxedo クライアントは、Tuxedo サーバ・アプリケーションの一部ではないマシン (通常ワークステーションまたはパーソナル・コンピュータ) で動作することも、 Tuxedo サーバ・アプリケーションの一部であるマシン上で動作することもあります。後者のケースでは、ローカル・オペレーティング・システムはネットワークに送信されるメッセージをインターセプトし、ローカルに実行されている目的のプロセス (Tuxedo リモート・クライアントまたはハンドラ・プロセス) にリダイレクトします。

ネイティブ Tuxedo クライアント (ネイティブ ATMI クライアントまたはネイティブ CORBA C++ クライアント) は、Tuxedo サーバ・アプリケーションの一部であるマシンに存在し、プロセス間通信を使用して Tuxedo インフラストラクチャを介して Tuxedo サーバに接続します。ネイティブ Jolt、CORBA Java、および ActiveX クライアントはサポートされていません。これらのクライアントは、1 組の JSL/JSH または ISL/ISH ゲートウェイ・プロセスを通してのみ Tuxedo サーバにアクセスできます。

次に、BEA Tuxedo のクライアントとサーバ間の接続をより詳しく理解できるよう、前の図に示したほかのコンポーネントについて簡単に説明します。

ActiveX

Microsoft 社によって開発されたクライアント側コンポーネント・モデル。ActiveX は、Windows プラットフォームのみで動作する独自技術です。ActiveX は、Component Object Model (COM)/Distributed COM (DCOM) をベースに構築されています。

IIOP

インターネット ORB 間プロトコル (Internet Inter-ORB Protocol)。IIOP は、インターネット (TCP/IP) を介した CORBA ORB 間の通信に使用するプロトコルです。

IIOPS

SSL プロトコルを使用する IIOP。

LLE

リンク・レベルの暗号化BEA Tuxedo サーバ・マシン間のネットワーク・リンクでデータの機密性を実現するための BEA Tuxedo プロトコル。

SSL

セキュア・ソケット・レイヤ。インターネット (TCP/IP) 上での保護された通信を実現するための標準プロトコルです。

BEA Tuxedo クライアント・コンポーネント

BEA Tuxedo 8.1 には、次のクライアント・コンポーネント・ソフトウェアが組み込まれています。

BEA Tuxedo サーバ・コンポーネント

BEA Tuxedo 8.1 には、次のサーバ・コンポーネント・ソフトウェアが組み込まれています。

 


呼び出し機能

次の表に、BEA システム上にビルドされるアプリケーションの呼び出し機能を示します。BEA Tuxedo アプリケーションは、複数の BEA Tuxedo サーバ・マシンにまたがることができ、ATMI サービス、CORBA オブジェクト、またはその両方を提供できます。

Table 1-1

コンポーネント . .

呼び出す対象 . .

使用する機能 . .

ATMI クライアント *

ATMI サービス

WSL/WSH

Jolt クライアント

ATMI サービス

JSL/JSH

CORBA C++ クライアント *

CORBA C++ オブジェクト

ISL/ISH

CORBA Java クライアント

CORBA C++ オブジェクト

ISL/ISH

ActiveX クライアント

CORBA C++ オブジェクト

ISL/ISH

ATMI サーバ

ATMI サービス

Tuxedo インフラストラクチャ

CORBA C++ オブジェクト

CORBA C++ オブジェクト

Tuxedo インフラストラクチャ

CORBA C++ オブジェクト

ATMI サービス

Tuxedo インフラストラクチャ

* ネイティブ Tuxedo ATMI または CORBA C++ クライアントはリスナまたはハンドラ・ゲートウェイ・プロセスを使用しません。


 

BEA Tuxedo 8.1 と BEA Tuxedo ソフトウェアの旧リリース、BEA WebLogic Enterprise、およびサード・パーティ製品を相互運用する方法、および BEA Tuxedo 8.1 と BEA WebLogic Server を相互運用する方法については、『BEA Tuxedo の相互運用性』を参照してください。

注記 BEA Tuxedo クライアントは、別の BEA Tuxedo クライアントを呼び出すことができません。

クライアント・サーバ間呼び出し機能

BEA Tuxedo アプリケーションでは、次のクライアント・サーバ間呼び出しがサポートされています。

サーバ間呼び出し機能

次の表に、BEA Tuxedo ATMI および CORBA C++ アプリケーション・サーバ間の呼び出し機能を示します。

図1-5 BEA Tuxedo ATMI および CORBA C++ サーバ間の呼び出し


 

図に示すように、CORBA C++ オブジェクトには BEA Tuxedo サービスの AMI 呼び出しを含めることができます。例については、『BEA Tuxedo CORBA University サンプル・アプリケーション』の Wrapper University サンプル・アプリケーションを参照してください。

 


ドメイン

BEA Tuxedo ドメイン (アプリケーション) は、1 個のコンフィギュレーション・ファイルによって定義および制御されます。Tuxedo ドメインは、ネットワークで接続された多くの Tuxedo システム・プロセス、1 つまたは複数のアプリケーション・クライアント・プロセス、1 つまたは複数のアプリケーション・サーバ・プロセス、および 1 台または複数台のマシンで構成されます。Tuxedo ドメインは 1 つの単位として管理されます。

BEA Tuxedo ドメインは、ATMI サービス、CORBA オブジェクト、またはその両方を提供できます。次の例の Tuxedo ドメインでは、ATMI サービスと CORBA オブジェクトが混在しています。

図1-6 BEA Tuxedo ドメインの概略


 

BEA Tuxedo 用語では、ドメインとアプリケーション (ビジネス・アプリケーション) は同じです。BEA Tuxedo ユーザ・マニュアルでは、どちらも同義語として使用されています。Tuxedo で現在実行されているビジネス・アプリケーションの例には、航空券およびホテルの予約システム、認可システム、株式売買システム、銀行取引システム、ATM などがあります。

Tuxedo ドメインの詳細については、BEA Tuxedo の重要な用語と概念を参照してください。Tuxedo ドメイン間の相互接続については、BEA Tuxedo Domainsを参照してください。

 


BEA Jolt について

BEA Jolt は、リモート Java クライアントが既存の BEA Tuxedo ATMI サービスにアクセスするための Java クラス・ライブラリと API です。BEA Jolt を使用すると、Tuxedo ATMI サービス (アプリケーション・メッセージング、コンポーネント管理、分散トランザクション処理など) を通常の Web ブラウザからリモートに呼び出せるクライアント・アプレットおよびアプリケーションをビルドできます。

BEA Jolt は既存の Tuxedo ATMI アプリケーションの機能を拡張し、イントラネットやインターネットにも対応できます。また、BEA WebLogic Server から Tuxedo ATMI サービスを呼び出せるようになります。詳細については、BEA Jolt によって Tuxedo サービスを Web アクセス可能にするを参照してください。

BEA Jolt のライセンス

BEA Jolt 8.1 は BEA Tuxedo 8.1 に付属しており、BEA Tuxedo 8.1 のライセンスで管理できます。BEA Jolt は、単体で販売およびライセンス供与される製品です。

BEA Jolt のマニュアル

BEA Jolt の詳細については、次のマニュアルを参照してください。

 


BEA SNMP エージェントについて

BEA Tuxedo 8.1 の BEA SNMP エージェントを使用すると、SNMP 準拠のネットワーク管理フレームワークで BEA Tuxedo 8.1 システムと BEA Tuxedo 8.1 アプリケーションを管理できます。BEA SNMP エージェントは、Simple Network Management Protocol バージョン 1 (SNMPv1) 仕様に準拠しています。

BEA SNMP エージェントは、Tuxedo アプリケーションから SNMP ベースのシステム管理コンソールへの SNMP リンクを提供します。また、任意のベンダの複数の SNMP エージェントとサブジェージェントを同じマシンで実行できます。

BEA SNMP エージェントのライセンス

BEA SNMP エージェント 8.1 は BEA Tuxedo 8.1 に付属しており、Tuxedo 8.1 製品の一部であると見なされます。したがって、BEA SNMP エージェントを使用するために必要な製品ライセンスは、ホスト Windows または UNIX システムで有効な BEA Tuxedo 8.1 ライセンスのみです。

BEA SNMP エージェントのマニュアル

BEA SNMP エージェントの詳細については、次のマニュアルを参照してください。

 

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