WebLogic Integration ソリューションのデプロイメント

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クラスタ デプロイメントのコンフィグレーション

この節では、クラスタ環境で Weblogic Integration (WLI) をデプロイするためのコンフィグレーションに必要な作業について説明します。

クラスタ ドメインのアーキテクチャを、「クラスタ デプロイメントの設計」の説明に従ってプランニングしたら、WLI をクラスタ環境に設定できます。そのためには、ルータ (ハードウェアおよびソフトウェア)、管理サーバ、および管理対象サーバをコンフィグレーションして、WLI リソースをそれらのサーバにデプロイする必要があります。WebLogic Server インスタンスとクラスタで構成されるドメインに対する永続的コンフィグレーションは、管理サーバの XML コンフィグレーション ファイル (config.xml) にあります。

クラスタ ドメインで WLI を設定およびデプロイするには、次の手順を実行します。

アプリケーションのデプロイメント プロセスの自動化に使用できるツールの完全なリストについては、『WebLogic Platform アプリケーションのデプロイメント』の「WebLogic Platform デプロイメントの概要」にある「プロモーション プロセスの自動化」を参照してください。

WLI を単一のサーバにデプロイする方法については、「単一サーバ デプロイメントのコンフィグレーション」を参照してください。WebLogic Platform アプリケーションの一般的なデプロイメント タスクの詳細な一覧については、『WebLogic Platform アプリケーションのデプロイメント』の「デプロイメント チェックリスト」を参照してください。

 


手順 1. コンフィグレーションの前提条件への準拠

この節では、クラスタ環境で実行される WebLogic Integration をコンフィグレーションするための以下の前提条件について説明します。

注意 : テスト環境では、1 台のマシンに複数の WebLogic Server インスタンスを割り当てることもできます。この場合、一部の WebLogic Server インスタンスを同一ノード上に異なるポート番号で配置し、他の WebLogic Server インスタンスを別の複数のノードに同一のポート番号で配置することができます。

クラスタ化された WebLogic Server インスタンスを設定する方法の詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「WebLogic クラスタの設定」を参照してください。

 


手順 2. WLI ドメインの準備

WLI デプロイメントの定義は、BEA Domain Configuration Wizard によるドメインの作成から始まります。

注意 : この節で説明するドメインの設定手順は、Domain Configuration Wizard が Windows の [スタート] メニューから GUI モードで実行されていることを前提としています。Domain Configuration Wizard の各種モードの詳細については、『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

Domain Configuration Wizard を使用して WLI ドメインを作成するには、以下の手順を完了します。

  1. [スタート] メニューから、[すべてのプログラムArrow symbolBEA ProductsArrow symbolToolsArrow symbolConfiguration Wizard] を選択します。
  2. [BEA WebLogic Configuration Wizard] の [ようこそ] ページが表示されます。

  3. [新しい WebLogic ドメインの作成] を選択して [次へ] をクリックします。[ドメイン ソースの選択] ページが表示されます。
  4. Configuration Wizard を進めると、いくつかのページが順番に表示されます。各ページで設定を指定する必要があります。以降のページに進むには [次へ] をクリックします。表 4-1 に、ドメインを正常に作成するために選択する必要があるページおよびオプションを示します。

    表 4-1 Configuration Wizard を使用したドメインのコンフィグレーション
    [Configuration Wizard] ダイアログ ボックスのページ
    アクション
    [ドメイン ソースの選択]
    以下の BEA Products について [以下の BEA Products をサポートするために、自動的にコンフィグレーションされたドメインを作成する] オプションを選択する。
    • WebLogic Server (必須)
    • WebLogic Integration
    [管理ユーザ名とパスワードのコンフィグレーション]
    ユーザ名とパスワードを指定する。
    [サーバの起動モードおよび Java SDK のコンフィグレーション]
    [プロダクション モード] を選択し、[Sun SDK] または [JRockit SDK] を選択する。
    注意 : JRockit を使用するクラスタで WebLogic Integration を実行している場合、JVM によって Stack Overflow が報告されることがある。対策をとらないと、最終的には JVM コア ダンプの原因となる。スタック オーバーフローの問題を回避するには、Thread Stack Size パラメータの値を適切に設定する必要がある。このパラメータの詳細については、「BEA JRockit JVM のチューニング」の「スレッド スタック サイズの設定」を参照。
    注意 : スレッドのスタック サイズを設定していない場合、デフォルト値は WebLogic JRockit が実行されているスレッド システムおよびプラットフォームによって異なる。
    • 32 ビット デフォルト
      Windows または Linux IA32 マシンでは、ネイティブ スレッドのスタック サイズのデフォルト値は以下のとおり。
      Win32 : 64 KB
      Linux32 : 128 KB
    • 64 ビット デフォルト
      Windows または Linux IA64 マシンでは、ネイティブ スレッドのスタック サイズのデフォルト値は以下のとおり。
      Win64 : 320 KB
      Linux64 : 1 MB
    [環境とサービスの設定のカスタマイズ]
    [はい] をクリックして、ドメイン ソースに定義された設定をコンフィグレーションする。
    [管理サーバのコンフィグレーション]
    リスン アドレスに対して管理サーバのマシン名または IP アドレスを選択または入力する。

    注意 : 管理サーバのコンフィグレーションでは、デフォルトのサーバ名 (AdminServer) をそのまま使用することが推奨される。

    [管理対象サーバのコンフィグレーション]
    必要な数だけ管理対象サーバを追加する。

    注意 : ロード バランシングに http ルータが必要な場合はここで追加する。

    [クラスタのコンフィグレーション]
    クラスタを追加し、マルチキャスト アドレスを定義する。
    マルチキャスト アドレスは、クラスタ メンバー間の通信に使用されます。クラスタ化されたサーバは、1 つの専用マルチキャスト アドレスを共有する必要があります。ネットワーク上の各クラスタに対して、ユニークなマルチキャスト アドレスとポート番号の組み合わせを割り当てる必要があります。ネットワーク上の 2 つのクラスタが同じマルチキャスト アドレスを使用する場合、異なるポートを使用する必要があります。クラスタのマルチキャスト アドレスが異なる場合は、同じポートを使用するか、またはデフォルトのポート (7001) をそのまま使用することもできます。マルチキャスト メッセージをサポートするため、1 つのクラスタ内の管理サーバおよび管理対象サーバを同じサブネット上に配置する必要があります。

    注意 : WLI は、1 つのドメインで複数の WLI クラスタを使用しないことを前提にしている。ドメインは WebLogic Server クラスタを含むこともできる。

    [サーバのクラスタへの割り当て]
    クラスタに以前作成した管理対象サーバをすべて追加する。

    注意 : 管理対象サーバを HTTP ルータとしてコンフィグレーションしている場合は、クラスタに追加しない。

    [マシンのコンフィグレーション]
    クラスタで使用する物理的なマシンのタイプをコンフィグレーションする。
    [サーバのマシンへの割り当て]
    WebLogic Server の各インスタンスを、そのインスタンスを実行するクラスタ内のマシンに割り当てる。
    注意 : 複数ノード クラスタ (異なるマシン上の別々の管理対象サーバ) の作成方法については、『pack および unpack コマンドを使用したテンプレートとドメインの作成』の「リモート マシンにおける管理対象サーバの作成と起動 : 主な手順」を参照。
    [JDBC データ ソースのコンフィグレーション]
    使用するデータベースに関する情報を使用して各データ ソースをコンフィグレーションする。
    [データベース スクリプトの実行]
    cgDataSource-nonXA および p13nDataSource データ ソースのスクリプトを実行する。
    [JMS ファイル ストアのコンフィグレーション]
    JMS ファイル ストアのコンフィグレーション設定を定義する。
    [WebLogic ドメインの確認]
    ここまでの設定を確認する。
    [WebLogic ドメインの作成]
    [WebLogic ドメインの作成] ページで各フィールドに次の値を指定し、[作成] をクリックする。
    • [ドメイン名] には、ドメイン名を指定する。
    • [ドメインの場所] には、<Base Directory>\bea\user_projects\domains を指定する。
    • [アプリケーションの場所:] には、<Base Directory>\bea\user_projects\applications を指定する。
    ドメインが正常に作成されたら、[管理サーバの起動] チェック ボックスをオンにして [完了] をクリックする。

Configuration Wizard を使用しないでドメインをコンフィグレーションする方法については、『WebLogic Platform アプリケーションのデプロイメント』の「WebLogic ドメインの作成とコンフィグレーション」に記載の「対象ドメインのコンフィグレーション用ツール」を参照してください。

ドメイン コンフィグレーション ファイルの編集

WLI ドメインには 2 つのコンフィグレーション ファイルが作成されます。

config.xml を編集してコンフィグレーションにセキュリティ機能を指定する方法については、「プロキシ サーバまたはファイアウォール情報のドメイン コンフィグレーションへの追加」を参照してください。config.xml の詳細については、『BEA WebLogic Server 10.0 Domain Configuration Schema Reference』を参照してください。

wli-config.properties については、「wli-config.properties コンフィグレーション ファイル」を参照してください。

プロキシ サーバまたはファイアウォール情報のドメイン コンフィグレーションへの追加

プロキシ サーバまたはファイアウォールの背後で Web サービスを使用する場合は、config.xml ファイルを編集して、そのプロキシ サーバまたはファイアウォールに関する情報を追加する必要があります。

プロキシ サーバまたはファイアウォールの情報をドメイン コンフィグレーションに追加するには、次の手順を実行します。

  1. テキスト エディタで config.xml を開きます。
  2. config.xml ファイルで、以下のタグで始まる行を検索します。
  3. <Cluster
  4. 次の 3 つの属性を Cluster 属性リストに追加します。
  5. FrontendHTTPPort=”proxyPort” FrontendHTTPSPort=”proxySSLPort” FrontendHost=”proxyServerHost

    たとえば、次のリストは、config.xml ファイルで指定されているクラスタ アドレスとファイアウォールの例です。クラスタ名は MyCluster、プロキシ サーバ名は MyProxy です。

    <Cluster ClusterAddress="127.0.0.1:7001,127.0.0.2:7001,127.0.0.3,127.0.0.4:7001" FrontendHTTPPort=”7006” FrontendHTTPSPort=”7007” FrontendHost=”MyProxy” MulticastAddress="127.0.0.5" MulticastPort="7010" Name="MyCluster"/>
  6. 変更内容を保存し、config.xml ファイルを閉じます。

 


手順 3. WebLogic Integration のセキュリティ コンフィグレーション

クラスタに SSL をコンフィグレーションするには、WebLogic Server Administration Console を使用します。セキュリティ機能がマルチノード クラスタにデプロイされているドメインの場合は、クラスタ内の各マシンに対して、キーストア、サーバ証明書、プライベート キーなどもコンフィグレーションする必要があります。各マシンに独立したキーストアを使用するか、すべてのマシンで利用可能な場合は単一のキーストアを使用します。

また、セキュリティ管理者はクラスタの共有または個別キーストアに一貫性があることを確認する必要があります。新しい証明を追加するときに、プライベート キーも追加する場合には、キーストアの一貫性がなくなることがります。たとえば、WebLogic Integration Administration Console を使用してリモートのトレーディング パートナの証明書を追加する場合、キーストアをクラスタの各管理対象サーバで使用する ID キーストアにインポートすることもできます。ただし、このオプションは、プライベート キーがこれらのキーストアに挿入されている場合は、セキュリティの考慮により利用できません。

実行する必要がある作業の詳細については、以下を参照してください。

WebLogic Platform アプリケーションのセキュリティのコンフィグレーションに関する一般情報については、『WebLogic Platform アプリケーションのデプロイメント』の「セキュリティのコンフィグレーション」を参照してください。

 


手順 4. ドメイン内の管理対象サーバの起動とモニタ

この節では、クラスタ ドメインのサーバを起動する方法について説明します。

WebLogic Platform アプリケーション用のサーバの起動に関する情報については、『WebLogic Platform アプリケーションのデプロイメント』の「WebLogic ドメインの作成とコンフィグレーション」にある「Starting the Servers」を参照してください。

管理対象サーバの起動

Node Manager がコンフィグレーションされているドメインのサーバを起動するには、次の手順を実行します。

注意 : 管理対象サーバは、コマンドラインで <domain-directory>/bin から以下のコマンドを使用して起動することもできます。
注意 : startManagedWebLogic.cmd <managed-server-name> <admin-url>
  1. 管理対象サーバをホストする各マシンでノード マネージャを起動します (まだ起動していなかった場合)。
  2. ノード マネージャの起動方法については、『ノード マネージャ管理者ガイド』を参照してください。

  3. まだ起動していない場合は、WebLogic Server Administration Console を起動します。
  4. WebLogic Server Administration Console (必要な場合は管理サーバ) を起動する手順については、『BEA WebLogic Server および BEA WebLogic Express の紹介』の「WebLogic Server システム管理の概要」に記載されている「Administration Console の起動」を参照してください。

  5. Administration Console のナビゲーション ツリーで、各管理対象サーバの名前を順に選択します。
  6. [コンフィグレーション] タブを選択し、[リモートスタート] タブを選択します。管理対象サーバに使用するプロパティをノード マネージャで設定します。
  7. ノード マネージャの使用に関するプロパティの設定方法については、Administration Console オンライン ヘルプの「サーバの起動と停止を参照してください。

  8. [コントロール] タブを選択します。
  9. [このサーバを起動...] をクリックします。
  10. サーバ起動コマンドに対する、WebLogic Server Administration Console から行う他の設定の影響については、Administration Console オンライン ヘルプを参照してください。

サーバのモニタとシャットダウン

起動が完了すると、WebLogic Server Administration Console を使用して、デプロイメントとステータスを確認できます。WebLogic Server Administration Console を使用したサーバのモニタについては、『WebLogic Server パフォーマンス チューニング ガイド』の「WebLogic Server ドメインのモニタ」を参照してください。WLI ドメインのモニタについては、「パフォーマンスに関するヒント」の「実行時のチューニング上の問題」を参照してください。

注意 : クラスタ コンフィグレーションでは、ビジネス プロセスの実行時や WebLogic Integration Administration Console の使用時に、WebLogic Server Administration Cnsole のホストとなっている WebLogic Server の WebLogic Server Console ウィンドウに、次のエラー メッセージが表示されることがあります。
注意 : Failed to initialize clustered process configuration backend
注意 : この問題に遭遇した場合は、そのクラスタに対して ClusterAddress 属性を設定する必要があります。この設定方法については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「WebLogic クラスタの設定」で「クラスタ アドレス」を参照してください。

WLI アプリケーションをシャットダウンする場合は、WebLogic Server Administration Console を使用します。

注意 : コマンド ウィンドウを閉じる、〔Ctrl〕+〔c〕を押す、などの操作で WLI を閉じないことをお勧めします。

アプリケーションを正常にシャットダウンする手順については、Administration Console オンライン ヘルプの「すべてのサーバの正常な停止」と「サーバの起動または停止」を参照してください。

 


手順 5. WLI アプリケーションのデプロイ

WLI ドメインをコンフィグレーションし、セキュリティで保護したら、クラスタに WLI アプリケーションをデプロイできます。WebLogic Server Administration Console を使用して、WLI アプリケーションを含む EAR ファイルをデプロイします。

アプリケーションに必要なキューは、WebLogic Server Administration Console を使用して手動で作成する必要があります。

注意 : Workshop 開発環境では、アプリケーションに対して、非同期要求と非同期要求エラーのキューおよび会話状態テーブルが自動的に作成されます。プロダクション環境では、これらのキューおよびテーブルを手動で作成する必要があります。クラスタ デプロイメントでは、これらのキューは、各管理対象サーバ上に物理メンバーを持つ分散送り先であることが必要です。
注意 : これらのリソースのコンフィグレーション方法については、『WebLogic Platform アプリケーションのデプロイメント』の「WebLogic ドメインの作成とコンフィグレーション」にある「Adding Resources Required by the Application From the wlw-manifext.xml File」を参照してください。

WebLogic Server Administration Console を使用して JMS リソースをコンフィグレーションする方法については、「WebLogic Server へのアプリケーションのデプロイメント」を参照してください。

注意 : WLI ソリューションで RDBMS イベント ジェネレータを使用している場合は、キューの再配信の設定を適切にコンフィグレーションしてください。再配信の設定をコンフィグレーションする手順については、「RDBMS イベント ジェネレータ」を参照してください。

EAR ファイルをデプロイする手順については、Administration Console オンライン ヘルプの「エンタープライズ アプリケーション」で「新しいエンタープライズ アプリケーションまたは Web サービスのコンフィグレーションとデプロイメント」を参照してください。

対話型コンソール環境の外部から WLI アプリケーションをビルド、コンフィグレーション、デプロイできる自動化スクリプトのサンプルについては、WLI の『ソリューション サンプル』および PO Sample を参照してください。

注意 : コード サンプルおよびユーティリティは dev2dev に掲載されていますが、BEA のサポート対象外の製品です。

アプリケーションのデプロイメント プロセスの自動化に使用できるツールの完全なリストについては、『WebLogic Platform アプリケーションのデプロイメント』の「WebLogic Platform デプロイメントの概要」にある「プロモーション プロセスの自動化」を参照してください。


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