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この節では、aiConfigurator
ユーティリティを使用してアプリケーション ビュー、アダプタ、接続ファクトリ記述子の環境固有の情報を変更する方法について説明します。
注意 : | aiConfigurator ユーティリティは、実行を開始していないドメインのみで実行してください。実行中のドメイン サーバでは、このユーティリティを使用しないでください。実行中のドメイン サーバでこのユーティリティを使用した場合、動作結果は保証されません。 |
アプリケーション ビューでは、環境変数を使用することで、環境固有の情報をパラメータ化し、ビジネス指向の情報から分離することができます。このパラメータ化を行った場合、新しい環境のニーズに合うようにパラメータ値を変更することが必要になります。アダプタ インスタンスと接続ファクトリには、環境固有の情報を含めることもできます。
(Java クラスの com.bea.wlai.management.util.Configurator
をベースにした) aiConfigurator
ユーティリティにより、管理者は、アプリケーション ビュー、アダプタ、接続ファクトリ記述子の環境固有の情報を変更できます。これにより、管理者は、Application Integration リソースを事前にコンフィグレーションし、新しい対象環境に適切にデプロイすることができます。WebLogic Integration Administration Console を使用すると、これらのリソースをさらに調整できます。aiConfigurator
ユーティリティは次の場所にあります。
WL_HOME
/integration/bin/aiConfigurator.cmd
(または .sh
)
このユーティリティにより、WebLogic Integration コンフィグレーションの永続ストアが更新され、また、アプリケーション ビューの EJB コンテンツをパブリッシュすることもできます。これにより、新しい環境のニーズに合わせることができます。実行時には、新しくカスタマイズした情報は、永続ストアから取得され、アプリケーション ビュー、アダプタ インスタンスまたは接続ファクトリがメモリに格納されている状態に対して適用されます。
「DBMS サンプル アダプタのデータベース タイプとインスタンスの切り替え」では、aiConfigurator
ユーティリティの使用例と、DBMS サンプル アダプタを使用するときのデータベース タイプとインスタンスの変更方法について説明します。DBMS サンプル アダプタの詳細については、『アダプタの開発』を参照してください。
aiConfigurator
ユーティリティは、通常、アプリケーション ビューの環境変数や、アダプタ、接続ファクトリの実行時の設定を上書きするのに使用します。このとき、元の記述子は変更されません。また、このユーティリティにより、指定した値でアプリケーション ビューの環境変数のデフォルト値を置換し、アダプタ インスタンスや接続ファクトリの設定は元の記述子のままにすることができます。後者の機能は、ユーザが後から値を変更することが予想される場合に便利です。
aiConfigurator
ユーティリティの使用例を次に示します。
aiConfigurator -appNameapp_name
-appFileapp_file
-domainRootDirdomain_root_dir
[-updateDesignTime]
[ -configAppView
-appViewNameapp_view_name
[ -dump |
< -varsvars
|properties_file
-varname
=value
-eventAdapterNamequalified_name
-serviceAdapterNamequalified_name
-serviceFactoryNamename
-autoSuspendEnabled true|false
-autoSuspendTimeoutinteger_seconds
-suspendedRequestRetryIntervalinteger_seconds
-suspendedEventRetryIntervalinteger_seconds
>
]
]
[ -configAdapter
-appViewNameapp_view_name
-adapterNameadapter_instance_name
[ -dump |
< -propsprops
|properties_file
-propname
=value
-inboundMessagingTargetscomma-separated_server_names
-autoSuspendEnabled true|false
-autoSuspendTimeoutinteger_seconds
>
]
]
[ -configFactory
-appViewNameapp_view_name
-adapterNameadapter_instance_name
-factoryNameconnection_factory_name
[ -dump |
< -propsprops
|properties_file
-propname
=value
-minPoolSizeinteger
-maxPoolSizeinteger
>
]
]
appName
は、コンフィグレーションするアプリケーション名。appFile
は、アプリケーションを含むディレクトリまたは EAR アーカイブ。domainRootDir
は、アプリケーションをデプロイするドメインのルート ディレクトリ。updateDesignTime
は、変更された値を設計時の情報と WebLogic Integration 永続コンフィグレーション ストアに強制的に戻す。この引数を使用しない場合、すべての変更は、WebLogic Integration 永続コンフィグレーション ストアの未変更の設計時情報の近くに保存されます。アプリケーション ビューの場合、設計時の記述子に永続的に戻されるのは可変の値のみです。他のすべての設定は、WebLogic Integration 永続コンフィグレーション ストアの値が維持されます。vars
と props
は、name
=value
という形式をとる。
アプリケーション ビューでは、次の種類の情報を更新できます。
注意 : | -updateDesignTime 引数を使用して、設計時記述子を更新できるアプリケーション ビュー情報は、環境変数だけです。 |
-var
引数で指定するか、-vars
引数によってプロパティ ファイルで指定します。-eventAdapterName
引数で指定します。 注意 : | このオプションは慎重に使用してください。指定する名前は、完全修飾名で、インテグレーション サーバにデプロイされる既知のアダプタ インスタンスのものでなければなりません。たとえば、別のアプリケーション ビューがアダプタ インスタンスを使用している場合で、DeploymentOrder と他の設定に基づいて現在のアプリケーション ビューがデプロイされる前に、その別のアプリケーション ビューが確実にデプロイされる場合などです。 |
-serviceAdapterName
引数で指定します。注意 : | このオプションは慎重に使用してください。指定する名前は、完全修飾名で、インテグレーション サーバにデプロイされる既知のアダプタ インスタンスのものでなければなりません。たとえば、別のアプリケーション ビューがアダプタ インスタンスを使用している場合で、DeploymentOrder と他の設定に基づいて現在のアプリケーション ビューがデプロイされる前に、その別のアプリケーション ビューが確実にデプロイされる場合などです。 |
-serviceFactoryName
引数で指定します。注意 : | 指定する名前は、このアプリケーション ビューのサービスに使用されているアダプタ インスタンス (-serviceAdapterName 引数) 内の接続ファクトリ名でなければなりません。 |
-autoSuspendEnabled
引数を true
または false
に設定することにより、自動サスペンド機能を有効化または無効化します。 -autoSuspendTimeout
引数で、自動サスペンドがタイムアウトするまでの秒数を指定します。-suspendedRequestRetryInterval
引数で、サスペンドされた要求を再試行する間隔を秒単位で指定します。-suspendedEventRetryInterval
引数で、サスペンドされたイベントの再試行の間隔を秒単位で指定します。注意 : | 現在、サスペンドされたイベントの再試行間隔の値は、aiConfigurator ユーティリティでは使用されていません。また、AppViewDeploymentMBean では、setSuspendedEventRetryInterval() メソッドが定義されません。サスペンドされた要求の再試行間隔の値は、非同期のサービス要求とイベントの再試行間隔の両方で使用されます。 |
注意 : | -updateDesignTime 引数で、設計時記述子を更新できるアダプタ インスタンスの情報は、イベント生成プロパティだけです。 |
注意 : | -updateDesignTime 引数で、設計時記述子を更新できる接続ファクトリの情報は、サービス呼び出しプロパティだけです。 |
-config
*
引数の後に -dump
引数を渡すことにより、Application Integration の各情報について現在の設定を確認できます。これは、環境固有のコンフィグレーションを段階的に実行する場合や、長期にわたって変化する場合に便利です。
この節では、aiConfigurator
ユーティリティの使用方法の例として、WebLogic Integration のサンプル アプリケーションについて説明します。また、このアプリケーションのサンプルを、PointBase データベースではなく、Oracle データベースで実行するためのコンフィグレーション方法についても説明します。
サンプルをコンフィグレーションするには、再コンフィグレーションが必要な Application Integration の情報のそれぞれに対して aiConfigurator
ユーティリティを実行します。現在の sampleApp/ApplicationIntegration
ディレクトリには、2 つのアプリケーション ビュー (FunctionDemo.CustomerMgmt
と InsertBasedEvents
) があります。これらのアプリケーション ビューはそれぞれ、1 つのアダプタ インスタンスと、アダプタ インスタンス内の 1 つの接続ファクトリを使用します。aiConfigurator
ユーティリティでは、これらが順番に実行されます。
各アプリケーション ビューで、新しい Oracle 環境に合うように変数セットを更新します。DBMS サンプル アダプタの場合は、これがイベントとサービスで使用されるテーブルのカタログとスキーマの限定子の設定になります。
Application Integration サンプルでは、次の 3 つの変数を定義しました。
アダプタ インスタンスの場合、イベント生成プロパティを更新し、イベント ステージング テーブルの適切なカタログとスキーマを反映する必要があります。
接続ファクトリの場合、DB タイプ、JDBC ドライバの URL、および元の PointBase 環境固有のプロパティを更新する必要があります。これらのプロパティは、使用しているプラットフォームの switchDB
スクリプトを使用して変更します。このスクリプトは、aiConfigurator
ユーティリティの -updateDesignTime
引数によって、更新を設計時の情報に強制的に戻します。これにより、Oracle の設計時環境でこれらの情報を編集できるようになります。
Application Integration のサンプルとサンプル ドメインで使用するデータベースを切り替えるには、次を実行します。
config.xml
ファイルにある JDBCConnectionPool
要素を Oracle インスタンスを指すように変更します。これには、JDBC ドライバのクラス名と JDBC URL の指定と、新しいデータベース インスタンスのプール プロパティのユーザ名/パスワードの設定が必要です。詳細については、WebLogic Server のドキュメントを参照してください。switchDb
スクリプトを実行します。このスクリプトは、WL_HOME
/samples/integration/sampleApp/ApplicationIntegration
ディレクトリにあります。これにより、sampleApp
に含まれるアプリケーション ビュー、アダプタ、接続ファクトリの記述子が更新され、新しいデータベースのタイプとインスタンスが反映されます。switchDb
ユーティリティの使用方法を次に示します。使用方法 : switchDb (db_type
) (db_server
) (db_name
) (db_user
) (db_password
)