アダプタの開発

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カスタム開発環境の作成

警告 : サンプル アダプタは直接変更しないことを強くお勧めします。変更する場合は、この章で説明する GenerateAdapterTemplate ユーティリティを使用してアダプタのコピーを作成し、そのコピーに必要な変更を加えます。サンプル アダプタ自体を変更すると (または GenerateAdapterTemplate を使用せずにコピーを作成すると)、予期しない動作やサポートされない動作を起こすことがあります。

サンプル アダプタ (「サンプル アダプタ」を参照) を使いやすくするため、ADK には GenerateAdapterTemplate というコマンドライン ユーティリティが用意されています。このユーティリティを使用して、サンプル ツリーのクローンを作成し、新しいアダプタ開発ツリーを作成できます。

この節では、以下の内容を扱います。

 


アダプタ設定ワークシート

アダプタ設定ワークシートは、開発対象のアダプタに関する重要なデータを特定して収集するための質問表といえます。実際のワークシートは、「アダプタ設定ワークシート」を参照してください。

このワークシートは、EIS タイプ、ベンダ、バージョン、デプロイメントのロケールおよび地域言語、アダプタ論理名、アダプタがサービスをサポートするかどうかなど、アダプタの重要情報を確認する 20 の質問で構成されています。GenerateAdapterTemplate を実行すると、これらの情報を入力するように要求されます。入力した情報が処理されると、アダプタのカスタム開発ツリーが作成されます。

 


GenerateAdapterTemplate の使い方

この節では、GenerateAdapterTemplate の使用方法を説明します。必要な手順は次のとおりです。

手順 1 : GenerateAdapterTemplate の実行

このツールを使用するには

  1. WLI_HOME/adapters/utils ディレクトリからコマンドラインを開き、以下のいずれかのコマンドを実行します。
    • Windows NT の場合 : GenerateAdapterTemplate.cmd
    • UNIX の場合 : GenerateAdapterTemplate.sh
    • システムが応答し、以下のように表示されます。

      ***************************************************************
      Welcome! This program helps you generate a new adapter development tree
      by cloning the ADK's sample adapter development tree.
      Do you wish to continue? (yes or no); default='yes':

      Windows システムの場合は、手順 2 に進みます。手順 2 が完了すると、手順 3 のプロンプトが表示されます。

      Windows 以外のシステムの場合は、手順 3 に進みます。

  2. 〔Enter〕を押して [yes] を選択します。Windows システムの場合、以下のコードページ リストからコンソールのコードページの値を選択します。
  3. Cp437 - United States
    Cp850 - Multilingual (Latin I)
    Cp852 - Slavic (Latin II)
    Cp855 - Cyrillic (Russian)
    Cp857 - Turkish
    Cp860 - Portuguese
    Cp861 - Icelandic
    Cp863 - Canadian-French
    Cp865 - Nordic
    Cp866 - Russian
    Cp869 - Modern Greek
    MS932 - Japanese
    Enter your console's codepage; default='Cp437':

    コードページがわからない場合は、新しい DOS コンソール プロンプトを起動して、コンソール プロンプトで chcp と入力します。Windows のバージョンにもよりますが、このコマンドによってコンソールのコードページの値が表示されます。

  4. 〔Enter〕を押して [yes] を選択します。
  5. システムが応答し、以下のように表示されます。

    Please choose a name for the root directory of your adapter development
    tree (NOTE: this directory will be created under WLI_HOME/adapters):
  6. ユニークな覚えやすいディレクトリ名 (dir_name) を入力し、〔Enter〕を押します。
  7. システムが応答し、以下のように表示されます。

    created directory WLI_HOME/adapters/dir_name
    Enter the EIS type for your adapter:

    このシステムから出力されるパス名の dir_name は新しいディレクトリの名前を示します。

    注意 : 既存のディレクトリ名を入力した場合、システムは以下のように応答します。

    WLI_HOME/adapters/dir_name already exists, please choose
    a new directory that does not already exist!

    Please choose a name for the root directory of your adapter
    development tree:
  8. アダプタを接続する EIS タイプの識別子を入力します。〔Enter〕を押します。
  9. システムが応答し、以下のように表示されます。

    Enter a short description for your adapter:
  10. 開発対象のアダプタの簡単な説明を入力し、〔Enter〕を押します。
  11. システムが応答し、以下のように表示されます。

    Enter the major version number for your adapter; default='1':
  12. 〔Enter〕を押してデフォルトを使用するか、適切なバージョン番号を入力し、〔Enter〕を押します。
  13. システムが応答し、以下のように表示されます。

    Enter the minor version number for your adapter; default='0':
  14. 〔Enter〕を押してデフォルトを使用するか、適切なマイナー バージョン番号を入力し、〔Enter〕を押します。
  15. システムが応答し、以下のように表示されます。

    Enter the vendor name for your adapter: 
  16. ベンダ名を入力し、〔Enter〕を押します。
  17. システムが応答し、以下のように表示されます。

    Enter an adapter logical name; default='default_name':
  18. 〔Enter〕を押してデフォルトをそのまま使用するか、使用するアダプタ論理名を入力します。〔Enter〕を押します。デフォルトのアダプタ論理名 (`default_name') は、WebLogic Integration で推奨されるフォーマットである
    vendor name_EIS-type_version-number に従っています。
  19. システムが応答し、以下のように表示されます。

    Enter the Java package base name for your adapter 
    (e.g. sample adapter's is sample): Java package base name
  20. パッケージ フォーマットに従って Java パッケージの基本名を入力し、〔Enter〕を押します。パッケージ フォーマットの名前は、ドットで区切られた以下の文字列で構成されます。
    • 組織の Web サイトの URL で使用される拡張子 (.com.org または .edu など)。
    • 会社名。
    • 追加のアダプタ識別子。たとえば、次のようになります。com.your_co.adapter.EIS
    • システムが応答し、以下のように表示されます。

      The following information will be used to generate your new
      adapter development environment:
      EIS Type = 'SAP R/3'
      Description = 'description'
      Major Version = '1'
      Minor Version = '0'
      Vendor = 'vendor_name'
      Adapter Logical Name = 'adapter_logical_name'
      Java Package Base = 'com.java.package.base'
      Are you satisfied with these values? (enter yes or no or q to quit);
      default='yes':
  21. 内容を確認し、〔Enter〕を押します。
  22. 適切なビルド情報が表示されます。

    注意 : no と入力すると、手順 4 に戻ります。q (終了を意味する) と入力すると、アプリケーションが終了します。

手順 2 : ツリーの再構築

クローン作成処理が終了したら、新しいディレクトリに移動し、ADK のビルド ツールである Ant を使用してツリー全体を再構築します。Ant の詳細については、「Ant ベースのビルド プロセス」を参照してください。

注意 : UNIX システムで Ant コマンドを実行する場合、ファイル拡張子を明示的に入力する必要があります。たとえば、ant.sh release と入力します。UNIX システムで ant release と入力しても、ant.sh は検出されません。

Ant を使用してツリーを再構築するには、以下の手順に従います。

  1. WLI_HOME/adapters/ADAPTER/utils にある antEnv.cmd (Windows) または antEnv.sh (UNIX) を編集します。
  2. 以下の変数を、有効なパスに設定します。
    • BEA_HOME - 使用する BEA 製品の最上位ディレクトリ。例 : c:/bea
    • WL_HOME - WebLogic Integration ディレクトリの場所。
    • WL_HOME - 使用する WebLogic Server ディレクトリの場所。
    • JAVA_HOME - 使用する Java 開発キットの場所。
    • ANT_HOME - Ant ディレクトリの場所。通常は、WLI_HOME/adapters/utils
    • 注意 : この操作はインストーラによって自動的に行われますが、これらの設定に基づいて Ant 処理が実行されることに注意してください。

      UNIX システムの場合、WLI_HOME/adapters/utils の Ant ファイルに対し、すべての実行パーミッションを設定する必要があります。実行パーミッションを追加するには、以下のコマンドを入力します。
      chmod u+x ant.sh
  3. コマンドラインから antEnv.cmd (Windows) または antEnv.sh (UNIX) を実行し、シェルに必要な環境変数を設定します。
  4. WLI_HOME/adapters/ADAPTER/project ディレクトリから ant.cmd release (Windows) または ant.sh release (UNIX) を実行し、アダプタを構築します (ADAPTER を新しいアダプタの開発ルート名に置き換える)。
  5. ant release を実行すると、アダプタ用の Javadoc が生成されます。この Javadoc は、以下の場所で表示できます。

    WLI_HOME/adapters/ADAPTER/docs/overview.html

    このファイルには、構築したアダプタを WebLogic Integration 環境でデプロイする場合の、各環境に応じた指示が記載されています。具体的には、config.xml エントリと、既存のパスの置換値が定義されています。また、このファイルにはマッピング情報も定義されています。

    手順 4 : WebLogic Integration へのアダプタのデプロイ」で説明するように、アダプタを簡単にデプロイするために、overview.html の内容を直接 config.xml にコピーします。

手順 3 : アダプタのテスト

アダプタをデプロイする前に、アダプタの動作をテストする必要があります。サービスとイベントを作成し、テストします。「DBMS サンプル アダプタを使用したアダプタ開発方法の学習」に記載されている手順を、アダプタを使用する際の手引きとして使用できます。テストが正常に完了したら、作成したアダプタのクローンを EIS のニーズに合わせてカスタマイズできます。

手順 4 : WebLogic Integration へのアダプタのデプロイ

アダプタのデプロイは、手動でも WebLogic Server Administration Console からでも実行できます。詳細については、「アダプタのデプロイ」を参照してください。


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