コンテンツ管理ガイド

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BEA リポジトリでの WebDAV の使用

WebDAV は、Internet Explorer およびその他のアプリケーションを経由して Web サーバと通信するためのプロトコルです。BEA リポジトリで WebDAV をコンフィグレーションすると、コンテンツ寄稿者は Windows エクスプローラおよびその他の Microsoft 製アプリケーションから BEA リポジトリに直接ファイルを保存できます。

注意 : WebDAV の詳細については、「WebDAV Web サイト」 を参照してください。

この章の内容は以下のとおりです。

 


WebDAV の概要

BEA リポジトリに WebDAV サポートを追加すると、コンテンツのアクセス、作成、および更新を行うためのアプリケーション群が実質的に増えることになります。コンテンツ寄稿者は Windows エクスプローラおよび Microsoft Office アプリケーションから BEA リポジトリにファイルを追加できます。

リポジトリに WebDAV サポートを追加する前に、以下のガイドラインおよび要件を確認してください。

WebDAV のガイドライン

WebDAV を使用してリポジトリにコンテンツを追加するとき、以下のガイドラインに従います。

サポートされる Microsoft Office バージョン

WebLogic Portal に WebDAV を実装するには、Microsoft Office 2000 SP3 以降、および MSDAIPP.dll バージョン 8.103.3521.0が必要です。Microsoft による WebDAV のサポートの詳細については、「 http://www.greenbytes.de/tech/webdav/webfolder-client-list.html」を参照してください。

 


リポジトリで WebDAV を有効化

デフォルトでは、BEA リポジトリは WebDAV に対して有効化されていますが、無効化することもできます。BEA 以外のリポジトリとともに WebDAV を使用する場合は、有効化する必要があります。

注意 : WebDAV コンテンツ タイプはリポジトリにも追加する必要があります。「WebDAV でのコンテンツ タイプの使用」 を参照してください。

この節では、次のトピックについて説明します。

BEA 以外のリポジトリで WebDAV を有効化

デフォルトでは、BEA リポジトリは WebDAV に対して有効化されています。BEA 以外のリポジトリで WebDAV の使用を有効化する場合、リポジトリに WebDAV プロパティを追加する必要があります。

仮想コンテンツ リポジトリ内の BEA 以外のリポジトリで WebDAV を有効化するには、以下の手順を実行します。

  1. [管理|リポジトリ] を選択して、リポジトリのリストを表示します。
  2. [管理|リポジトリ] ツリーで各リポジトリをクリックして、リポジトリの概要を表示します。
  3. [プロパティ] セクションで、[プロパティの追加] をクリックします。
    1. [名前] フィールドで、「WEBDAV_ENABLED」と入力します。
    2. [値] フィールドに「true」と入力します。
    3. [保存] をクリックします。

WebDAV の無効化

リポジトリで WebDAV を無効化する場合、以下の手順を実行します。

  1. [管理 | リポジトリ] ツリーで、各リポジトリをクリックして、リポジトリの概要を表示します。
  2. [リポジトリ詳細] をクリックします。
  3. WEBDAV_ENABLED プロパティに false を指定します。
  4. [保存] をクリックします。

 


WebDAV でのコンテンツ タイプの使用

ユーザが WebDAV (Internet Explorer、Microsoft Word など) を使用してリポジトリにコンテンツを追加すると、コンテンツは、必用なメタデータをこのコンテンツに定義するコンテンツ タイプと自動的に関連付けられます。必要に応じて、Microsoft ドキュメントのドキュメント メタデータで自動的に取得するコンテンツ タイプを定義できます。

この節では、次のトピックについて説明します。

WebDAV が使用するコンテンツ タイプの判断方法

ユーザが WebDAV を使用してファイルをリポジトリに追加すると、WebDAV はコンテンツを格納したリポジトリ内の フォルダに関連付けされたコンテンツとコンテンツ タイプを関連付けします。

直下のフォルダにコンテンツ タイプが関連付けされていない場合、WebDAV はフォルダに関連付けされたコンテンツ タイプを発見するまでリポジトリ ツリーの上層に移動します。コンテンツ フォルダにコンテンツ タイプがまったく関連付けされていない場合、リポジトリに関連付けされたコンテンツ タイプを使用します。図 7-1 で示す例では、Biographies フォルダにコンテンツ タイプが関連付けされていない場合、Biographies フォルダに追加されたコンテンツは Books フォルダに関連付けされたコンテンツ タイプを使用します。

注意 : ファイルシステム リポジトリを使用する場合、コンテンツ タイプをフォルダと関連付けできません。よって、WebDAV でファイルシステム リポジトリを使用するとき、リポジトリに追加されるすべてのコンテンツはデフォルトのコンテンツ タイプを使用します。

コンテンツ タイプが Microsoft ドキュメント プロパティに対応して定義されていると、WebDAV はシステム プロパティ (作成日など) に加えてこれらのプロパティ値を自動的に転送します。ただし、ユーザがコンテンツをチェックインするか、管理者定義のプロパティを入力するには、Portal Administration Console にログインする必要があります。

図 7-1 WebDAV コンテンツでのコンテンツ タイプとフォルダの使用

WebDAV コンテンツでのコンテンツ タイプとフォルダの使用

コンテンツ タイプをフォルダに関連付けする詳細については、「フォルダの作成」を参照してください。

WebDAV コンテンツ タイプの定義

ユーザがコンテンツを追加する場合、WebDAV で使用するデフォルトのコンテンツ タイプを定義する必要があります。WebDAV で追加したコンテンツとメタデータを関連付けるために使用可能なコンテンツ タイプをフォルダ レベルで割り当てることができますが、リポジトリ共通の WebDAV コンテンツ タイプでは、コンテンツは常にコンテンツ タイプに関連付けられます。

WebDAV コンテンツ用のデフォルト コンテンツ タイプを定義するには、以下の手順に従います。

  1. [管理|リポジトリ] を選択して、リポジトリのリストを表示します。
  2. [管理|リポジトリ] ツリーで各リポジトリをクリックして、リポジトリの概要を表示します。
  3. [プロパティ] セクションで、[プロパティの追加] をクリックします。
    1. [名前] フィールドで、「WEBDAV_TYPE」と入力します。
    2. [値] フィールドに、使用する新しいコンテンツ タイプの名前を入力します。WebDAV でのコンテンツ タイプの使用
    3. [保存] をクリックします。

Microsoft ドキュメント プロパティをマップするコンテンツ タイプの作成

Microsoft Office プログラムからコンテンツを直接追加すると、Microsoft ドキュメント プロパティからプロパティ値を使用して、リポジトリをコンフィグレーションして自動的にメタデータを入力することができます。

たとえば、Microsoft Word 文書に「タイトル」、「作成者」および「分類」のようなプロパティを持たせることができます。Microsoft Word ([ファイル|プロパティ]) を使用してドキュメントにこれらのプロパティを設定すると、WebDAV からリポジトリにインポートされて追加のコンテンツ ファイルに関連付けられます。

注意 : Microsoft 文書プロパティの値は、コンテンツ タイプに設定した任意のデフォルト値をオーバーライドします。

この機能を使用するには、Microsoft 文書のプロパティと一致するプロパティをリポジトリ用の WebDAV コンテンツ タイプに含める必要があります。WebDAV コンテンツ タイプにプロパティを追加するか、既存のコンテンツ タイプ プロパティ名を Microsoft プロパティ名にマップする必要があります。

リポジトリに追加された Microsoft 文書で使用するコンテンツ タイプに WebDAV を使用して定義する場合、表 7-1 に示すプロパティ名を使用してください。コンテンツ タイプの作成の詳細については、「コンテンツ タイプの作成」を参照してください。

制限

キーワードのリストなど、多値のプロパティを WebDAV を使用して Microsoft コンテンツに追加することはできません。すべてのプロパティ値は単値として定義する必要があります。

さらに、WebDAV を使用して Microsoft コンテンツを更新する場合、プロパティ値を削除することはできません。たとえば、Microsoft 文書にプロパティ値を追加してこの文書を WebDAV を使用してリポジトリに追加する場合、そのプロパティ値を削除するには Portal Administration Console を使用する必要があります。[Document Properties] ダイアログのプロパティ値を削除した後で WebDAV を使用してもう一同コンテンツをリポジトリに追加すると、そのプロパティはリポジトリで削除されません。

注意 : 表 7-1 に示すすべてのドキュメント プロパティがどの Microsoft ドキュメントにも適用される訳ではありません。たとえば、プロパティの一部は Microsoft PowerPoint ドキュメントに適用されますが、Microsoft Word ドキュメントには適用されません。

表 7-1 WebDAV がサポートする標準 Microsoft ドキュメント プロパティ 
名前
説明
データ型
MSO_AUTHOR
ドキュメントの作成者
String
MSO_TITLE
ドキュメントのタイトル
String
MSO_CREATE_DATE_TIME
ドキュメントが作成された日時
Calendar
MSO_LAST_MODIFY_AUTHOR
ドキュメントを最終更新した作成者
String
MSO_APPLICATION_NAME
Microsoft Word、Microsoft Excel などのドキュメントを作成したアプリケーション。
String
MSO_PAGE_COUNT
ドキュメントのページ数
Long
MSO_LAST_MODIFY_DATE
ドキュメントを最終更新した日付。
Calendar
MS0_KEYWORDS
ドキュメント内のキーワード。
String
MSO_COMMENTS
ユーザのコメント
String
MSO_SUBJECT
件名。
String
MSO_LAST_PRINT_DATE_TIME
最後にドキュメントを印刷した日時。
Calendar
MSO_REVISION_NUMBER
ドキュメントの改訂番号。
String
MSO_WORD_COUNT
ドキュメントの文字カウント。
Long
MSO_TEMPLATE_NAME
このドキュメントを作成したテンプレート。Word 文書で使用される。カスタム テンプレートが使用されていないかぎり、通常のドット 「.」を使用する。
String
MSO_MANAGER
マネージャ フィールド。
String
MSO_LINE_COUNT
ドキュメントの行数。
Long
MSO_CATEGORY
カテゴリ フィールド。
String
MSO_COMPANY
企業フィールド。
String
MSO_SLIDE_COUNT
PowerPoint プレゼンテーション内のスライド。
Long
MSO_PARAGRAPH_COUNT
ドキュメント内の段落数。
Long

既存のコンテンツ タイプ プロパティへの Microsoft プロパティのマップ

コンテンツ タイプに Microsoft プロパティ名を使用しない場合、リポジトリ設定を変更して、コンテンツ タイプ プロパティを Microsoft プロパティにマップできます。

たとえば、「件名」というプロパティを含むコンテンツ タイプがあるとします。このプロパティを使用して WebDAV を追加した Microsoft ドキュメントからメタデータを収集すると、MSO_TITLE プロパティをコンテンツ タイプ内の「タイトル」にマップします。

注意 : マッピングするためには、プロパティのデータ型が一致している必要があります。たとえば、Microsoft プロパティに string データ型がある場合、それをマップするコンテンツ タイプ プロパティにも string データ型が必用です。

WebDAV コンテンツ タイプに Microsoft ドキュメント プロパティをマップするには、以下の手順に従います。

  1. [管理 | リポジトリ] ツリーで、各リポジトリをクリックして、リポジトリの概要を表示します。
  2. [プロパティ] セクションで、[プロパティの追加] をクリックします。
    1. [名前] フィールドで、コンテンツ タイプ プロパティ名にマップする Microsoft ドキュメント プロパティの名を入力します。
    2. [値] フィールドに、マップする既存のコンテンツ タイプ プロパティ名を入力します。
    3. すべての Microsoft プロパティを既存のコンテンツ タイプ プロパティにマップするには、上記の手順を繰り返します。

カスタム Microsoft ドキュメント プロパティの使用

Microsoft ドキュメント (提供済み以外のドキュメント) のカスタム メータ データを収集できます。

たとえば、Microsoft Word では、ユーザは [ユーザー設定] タブを使用してドキュメントにカスタム プロパティを追加できます。これらのカスタム プロパティが WebDAV コンテンツ タイプにも定義されている場合、または既存のコンテンツ タイプ プロパティにマップされている場合、自動的にコンテンツに関連付けられます。

Microsoft ドキュメント プロパティ名やデータ型と一致する WebDAV コンテンツ タイプに対応するプロパティを追加するか、Microsoft プロパティを既存のタイプにマップすることができます。「既存のコンテンツ タイプ プロパティへの Microsoft プロパティのマップ」を参照してください。

 


BEA リポジトリでの WebDAV の使用

コンテンツ寄稿者は、WebDAV の機能を活用するには個々の環境をコンフィグレーションする必要があります。Windows エクスプローラおよび Microsoft Office アプリケーションがサポートされます。以下の手順を実行すると、WebLogic Portal がサポートする WebDAV 機能をすべて有効化します。

この節では、次のトピックについて説明します。

環境で WebDAV を有効化

コンテンツ寄稿者がローカル マシンから WebDAV を使用するには、ファイルを保存する Web 上の場所としてリポジトリを認識するように環境を有効化する必要があります。

個別の環境で WebDAV を有効化するには、以下の手順を実行します。

  1. Internet Explorer を開きます。
  2. [ファイル|開く] を選択して、[ファイルを開く] ダイアログを開きます。
  3. [ファイルを開く] ダイアログで WebDAV を実行中の URL を入力します。たとえば、http://<host_machine>:<port>/<portalEARName>Webdav と入力します。
  4. [Web フォルダとして開く] チェックボックスをオンにします。
  5. [OK] をクリックします。
  6. ログインするよう求められるので、ポータルのログイン名およびパスワードを入力します。

BEA リポジトリは Windows エクスプローラ内のフォルダとして表示されます。他のフォルダと同様に Windows エクスプローラを使用して BEA リポジトリの内容を参照できます。

BEA リポジトリへの Microsoft Word 文書の追加

WebDAV を使用するようにローカル環境をコンフィグレーションすると、Microsoft Office アプリケーションからリポジトリに直接ファイルを保存できます。ここの例では、Microsoft Word 文書を BEA リポジトリに追加する方法を説明します。

注意 : BEA リポジトリにコンテンツを追加する場合は、WebDAV のガイドラインに従う必要があります。「WebDAV のガイドライン」を参照してください。
  1. Microsoft Word から [ファイル|名前を付けて保存] を選択します。
  2. [名前を付けて保存] ダイアログで BEA リポジトリの場所に移動します。
  3. [保存] をクリックします。
  4. まだログインしていない場合、ログインを求めるメッセージが表示されます。Portal Administration Console へのログインに使用するユーザ名とパスワードを入力します。

ファイルは、デフォルトのコンテンツ タイプが使用されてリポジトリに追加されます。デフォルト値およびバージョン番号、日付などのシステム プロパティは自動的に入力されます。詳細については、「BEA リポジトリでの WebDAV の使用」を参照してください。

ファイルをリポジトリに追加した後、Portal Administration Console にログインして、仮想コンテンツ リポジトリを使用してその他のコンテンツ プロパティを追加したファイルに関連付けします。コンテンツ プロパティ追加の詳細については、「コンテンツの追加」を参照してください。

BEA リポジトリへの Windows エクスプローラを使用したファイルの追加

Windows エクスプローラを使用してファイルを BEA リポジトリに追加できます。リポジトリのフォルダにファイルをドラッグ アンド ドロップできます。

注意 : BEA リポジトリにコンテンツを追加する場合は、WebDAV のガイドラインに従う必要があります。「WebDAV のガイドライン」を参照してください。

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