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概要
アーキテクチャ
図 3-1 に示すように、アーキテクチャはポータル アプリケーションを構築する基礎となる段階であり、アーキテクチャは他のポータルの段階の中心に位置しています。
アーキテクチャ段階では、ポータル アプリケーションとポータルの開発と管理を行うための機能に関する重要な設計を決定します。この段階では、次のようなアプリケーションのビジネス プロセスを定義します。
リソースを識別する (Web サービス、ポータル サービス、Java コントロール、データ ビュー、リモート ポータル、コンテンツ管理、検索など)。
プロセスのさまざまな時点におけるセキュリティ ニーズを確認する。
ポータル ユーザ インタフェースに表示されるプロセスの部分を設計する。
ポータルをリモート ポータルと共有するかどうかを決定する。また、アーキテクチャ段階で開発作業に必要なリソースも作成します。
適切な計画と設計を行わずにアプリケーション開発を開始しないようにしてください。アーキテクチャ段階を省略して直接開発段階に移行することにより、開発速度の点で短期的に利益を得ることができますが、プロジェクトは混乱し、一貫性を失い、スケーラビリティやパフォーマンスが低下し、管理が困難になり、最終的には開発期間が長期化することになります。
アーキテクチャを検討する際の指針となる質問は、「ポータル アプリケーション開発を開始する前に、絶対に設計し、実行しなければならない事項は何か?」ということです。開発前の実行が必須ではない項目をアーキテクチャ段階に含めてはなりません。
アーキテクチャ段階の核心をなす計画と設計は、ドメインおよびエンタープライズ アプリケーション、Web アプリケーション、個別機能領域などの複数のレベルで行われます。
この章では、アーキテクチャ段階のすべてのレベルで考慮すべき事項の概要について説明します。
この章の内容は以下のとおりです。
サンプル
この節では、アーキテクチャに関する意志決定と各レベルで作成するリソースのサンプルを示します。
ドメイン
ドメインにおけるアーキテクチャに関する意志決定とタスクは次のとおりです。
ステージング戦略を決定する (クラスタ コンフィグレーション、外部認証プロバイダへの接続、外部コンテンツ管理システムへの接続など)。
プロダクション戦略を決定する (クラスタ コンフィグレーション、外部認証プロバイダへの接続、外部コンテンツ管理システムへの接続など)。
ユーザ プロパティを外部に格納するか、または WebLogic Platform の LDAP ユーザ ストアを使用するかを決定する。
使用するデータベースを決定する。
ポータル アプリケーションに統合する外部企業システムを決定する。
チーム開発およびソース コントロール戦略を決定する。
開発者が開発環境で開発ドメインを作成するためのカスタム ドメイン テンプレート (適切な文字列置換を備える) を作成する。
開発者が開発データベースを読み込むためのカスタム SQL スクリプトを作成する。
コーディング表記規則を定義する。
アプリケーション コードとデータを環境間で移動するプロセスを定義する。
ポータル エンタープライズ アプリケーション
ポータル エンタープライズ アプリケーションにおけるアーキテクチャに関する意志決定とタスクは次のとおりです。
カスタム EJB (企業ロジック)、サーブレット、Java ソース コード、商標設定リソース、およびその他のエンタープライズ アプリケーション リソースを作成または再利用する。
開発者が開発環境を読み込むためのカスタム ポータル エンタープライズ アプリケーション テンプレートを作成する。
開発するコーポレート アプリケーション タイプを設計する (カスタム管理コンソール、エグゼクティブ ダッシュボード、コミュニティ、ASP アフィリエイト アプリケーション、ISV ブランドのアプリケーション、セルフサービス アプリケーション、OA&M アプリケーションなど)。
作成する各アプリケーション タイプのセキュリティ要件を決定する。
パフォーマンス向上のためのアプリケーション キャッシュを決定する。
ポータル Web アプリケーション
ポータル エンタープライズ アプリケーションにおけるアーキテクチャに関する意志決定とタスクは次のとおりです。
開発者が開発環境を読み込むためのカスタム ポータル Web アプリケーション テンプレートを作成する。
作成するデスクトップとコミュニティ テンプレートを決定する。
カスタム ルック アンド フィールを作成する。
カスタム JSP タグ ライブラリ、Java ソース コード、その他の Web アプリケーション リソースを作成または再利用する。
ポータル アプリケーションで使用するリモート ブック、ページ、およびポートレットがあるかどうかを決定する。
機能領域
使用する個々の WebLogic Portal 機能では、特定の設計上の意思決定が必要な事項があります。たとえば、キャンペーンを使用する場合に必要な意思決定には次のものがあります。
キャンペーンをトリガする条件を決定する (日付/時刻、ユーザ プロファイルのプロパティ、イベントなど)。
イベントを使用してキャンペーンを厳密に制御する場合は、これらのイベントを設計する。
キャンペーンのコンテンツ クエリをサポートするために必要なコンテンツ プロパティを決定する。たとえば、「春」、「夏」、「秋」、および「冬」を値として持つ「季節」プロパティを指定して、これらの値のいずれかを使用するプロダクション環境に追加したコンテンツがキャンペーンによって自動的に反映されるようにする必要がある場合があります。
特定のコンテンツ項目が表示またはクリックされる場合、その終了日までにキャンペーンを終了できるようにするかどうかを決定する。
アーキテクチャ ツールとリソース
アーキテクチャ段階で計画、設計、およびリソースを作成後、開発者はこれらのリソースをソースから取得して、設計のガイドラインに従ってアプリケーションを開発します。開発と連動して、開発者と管理者は、ステージング環境でアプリケーションとその機能をコンフィグレーションし、テストします。アプリケーションのリリースの準備が完了すると、管理者はエンド ユーザがアクセスするプロダクション環境にアプリケーションをデプロイします。各 WebLogic Portal 機能ガイドのアーキテクチャに関する節へのリンクは次のとおりです。