プロダクション業務ガイド

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はじめに

BEA WebLogic Portal® アプリケーションのライフサイクルは、慎重に計画および管理する必要があります。有効期間中に、通常のポータルは、開発環境、ステージング環境、およびプロダクション環境の間で繰り返し移動されます。これらの環境のコンフィグレーションと管理、および環境間でのポータルの移動プロセスのことをプロダクション業務と呼びます。

この章では、以下のトピックについて説明します。

 


プロダクション業務とは

プロダクション業務には、ポータルの開発、ステージング、プロダクション環境などのポータルのライフサイクル管理を可能にするツール、プロシージャ、方法、およびベスト プラクティスが含まれます。図 1-1 で示すように、ポータルは通常、Workshop for WebLogic を使用して開発者がチーム開発環境で開発します。開発が終わると、ポータル コンポーネントはステージング環境に移動します。ステージング環境では、ポータル管理者が WebLogic Portal Administration Console を使用してデスクトップの作成、資格の追加、コンテンツ リポジトリの設定、およびテストを実行します。プロダクション環境は、ユーザがポータル アプリケーションへのアクセスおよび対話を行う実稼動環境です。環境間の矢印は、WebLogic Portal で提供される伝播機能を使用して、ポータルやポータル リソースを環境間でやり取りできることを示します。

図 1-1 一般的な WebLogic Portal の環境

一般的な WebLogic Portal の環境

ネットワークやソフトウェア システムのアーキテクチャを検討するのと同様に、ポータル システムのプロダクション業務は、十分に検討し、慎重に計画する必要があります。特定のポータル システムのコンフィグレーション、開発チームの編成、ポータルのテストおよびコンフィグレーション、サーバのコンフィグレーション、ポータル アプリケーションのライフサイクルの管理計画について検討するのは重要なことです。このガイドでは、確実で管理のしやすいポータルの開発環境、ステージング環境、およびプロダクション環境を作成できるように、特定の方法、ツール、およびベスト プラクティスについて説明します。

 


プロダクション業務の概要

この節では、プロダクション業務の主要な要素について簡単に説明します。

チーム開発環境の設定

WebLogic Portal のチーム開発は、適切なソース コントロールを中心として行われます。ソース コントロール管理システムを正しく利用すれば、チーム メンバーが 1 つになること、開発チームの規模をすばやく拡大できること、データ損失の防止などの、多数の利点がもたらされます。

チーム開発環境の管理」では、ソース コントロールの中で共通の開発ドメイン、データベースのデータ、およびポータル アプリケーションをコンフィグレーション、格納、管理する方法を説明します。これを参考にすれば、ポータル アプリケーションの開発、ビルド、および更新をすばやく、一貫性のある方法で行うことができるようになります。

ポータル クラスタのコンフィグレーション

ポータル アプリケーションをクラスタ化することで、そのアプリケーションの高可用性およびスケーラビリティが実現されます。「ポータル クラスタのコンフィグレーション」では、クラスタ アーキテクチャの選択 (シングル クラスタ対マルチクラスタ)、およびクラスタ ドメインのコンフィグレーションについて説明します。

EAR ファイルのビルドとデプロイ

デプロイとは、エンタープライズ アーカイブ ファイル (EAR) をビルドして、送り先サーバにデプロイすることです。「ポータル アプリケーションのデプロイ」では、ポータル アプリケーションのデプロイメント計画を準備して、EAR ファイルをデプロイする手順について説明します。

ポータル アプリケーションの伝播

伝播とは、ポータル ドメイン環境間でデータベースと LDAP コンテンツを移動するプロセスです。一般的なポータル ライフサイクルでは、ポータルは以下の環境間で移動されます。

BEA には、ポータルの伝播に役立つツールがあります。これらのツールを使用すると、データベース資産および LDAP の情報を移動するだけでなく、ソース環境と対象環境の相違点や衝突の可能性について知ることができます。衝突を自動的に解決するためのポリシーを定義したり、管理者が相違点を表示して、状況に応じて適切なアクションを決定したりすることができます。このガイドでは、以下のツールを含め、各ツールについて詳しく説明します。

また、このガイドでは、伝播の方法を計画する手順を説明し、ベスト プラクティスについて詳しく説明します。詳細については、以下の節を参照してください。

ラウンドトリップ開発の実行

ラウンドトリップ開発とは、Workshop for WebLogic ベースの開発環境と、WebLogic Portal Administration Console によってポータル資産がアセンブルされてデータベースに格納されるステージング環境との間で、ポータル資産をやり取りすることです。エクスポート/インポート ユーティリティを使用すると、データベースのポータル資産を Workshop for WebLogic にロード可能な .portal.page、および .book ファイルにエクスポートできます。また、このユーティリティを使用して、図 1-2 で示すように、.portal.book、および .page ファイルをデータベースにインポートすることもできます。

図 1-2 ラウンドトリップ開発を可能にするエクスポート/インポート ユーティリティ

ラウンドトリップ開発を可能にするエクスポート/インポート ユーティリティ

ヒント : エクスポート/インポート ユーティリティは、xip ツール (発音は「zip」) とも呼ばれます。通常、開発者はこのユーティリティを使用して、資産を開発環境とステージング環境との間でやり取りします。

さらに、エクスポート/インポート ユーティリティを使用して以下のことができます。

エクスポート/インポート ユーティリティについては、「エクスポート/インポート ユーティリティの使用」を参照してください。

 


始める前に

この節では、次のトピックについて説明します。

このガイドの使い方

第 1 部 コンフィグレーションとデプロイメントには、マネージャ、開発者、および管理者に関係するトピックが記載されています。ここには、チーム開発環境の設定、EAR ファイルのデプロイ、およびポータル クラスタのコンフィグレーションに関する内容が記載されています。

第 2 部 伝播には、ステージング環境とプロダクション環境間でのポータルの伝播、およびラウンドトリップ開発に関する内容が記載されています。また、スクリプトベースの伝播についても詳しく記載されています。

関連ガイド

WebLogic Portal ライフサイクルの詳細については、BEA WebLogic Portal の概要を参照してください。


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