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管理者ガイド |
キャンペーンの作成
キャンペーンでは、サイトの訪問者に対して、それぞれにあわせてパーソナライズした 3 種類のアクション、すなわち、ページやポートレット上での個別の Web コンテンツの表示、割引の提示、事前に定義しておいた電子メール メッセージの自動送信の 3 つを使用して、ねらいを定めることができます。
WebLogic Portal が提供する数あるパーソナライゼーション ツールのなかでも、パーソナライズされたアクションを使用して訪問者を絞り込むためのオプションが最も多いのがキャンペーンです。 他の WebLogic Portal パーソナライゼーション ツールで行うのと同じようにパーソナライゼーションをトリガする以外に、キャンペーンでは、別の方法でアクションをトリガすることができます。 それが、開発者が、ショッピング カート内の商品の内容や数量に基づき、または訪問者を無作為に選択して、作成したカスタム イベントを使用する方法です。
キャンペーンは、より正確に訪問者を絞り込むだけでなく、ブラウジング セッションでは、複数のアクションをトリガし、しかも同時に複数のアクションをトリガすることもできます。
たとえば、訪問者が特定のアイテムをショッピング カートまたは注文に追加すると、その訪問者には、絞り込んだ広告をポートレットに入れて見せ、注文の割引を行い、さらに自動的に電子メール メッセージを送ることができます。 そのキャンペーンでは、他の訪問者には割引を行うけれども広告の表示や電子メールの送信は行わない、というように定義することもできます。 他の例を挙げると、「人事イントラネット」ページで社員が「自由登録」ボタンをクリックすると、ポートレットには CEO からの短いビデオ クリップが流され、401K プランの新しい基金の説明が電子メールで自動的に送られてくるというものです。
実際のキャンペーン機能を見るには、WebLogic Portal Commerce Templates サンプルを起動して、既存のキャンペーンを修正してください。
この章では、以下の内容について説明します。
キャンペーンの前提条件
キャンペーンの用途の広さと力は、キャンペーンを構成する要素によってもたらされます。 E-Business Control Center のなかでキャンペーンを作成する前に、開発者と一緒に以下の前提となる要素を作成する必要があります。 これらの要素は、以下の基本カテゴリに分けられ、それぞれの名前は整理する目的でのみ表示されます。
キャンペーンの目に見える結果(ページやポートレットに表示された絞り込まれた Web コンテンツ、割引、電子メール メッセージ)は別として、キャンペーンの機能は訪問者にはそれとはわかりません。 キャンペーンの機能は、それぞれのサイトの特定の部品のなかで、JSP タグ、イベント、または、ルールやプロパティの形で統合されています。イベントは、JSP 内で作られて使われ、ルールやプロパティは、E-Business Control Center のなかで定義され、サーバとの同期を通じてポータルで使用可能になります。
キャンペーンをサポートするためにすでに作成されている適切なインフラストラクチャを使用して、開発者がそれぞれのポータル ページやポートレットにそのインフラストラクチャを組み込みます。 たとえば、ショッピング カートを使用している場合、割引の利用や表示のサポートをそのショッピング カート JSP に組み込む必要があります。
以下の節では、E-Business Control Center でのキャンペーン定義に先立って作成しておかなければならないトリガとコンテンツについて説明します。
トリガの作成
訪問者がサイトを利用する際、いくつもの条件を定義しておいて、そこからキャンペーン アクションをトリガすることができます。 表9-1 にあるリンクに従って、使用するキャンペーン トリガを作成します。 多くの場合、トリガを設定するということは、コーディングと JSP の作業を伴う開発タスクです。 開発タスクは、各指示へのリンクに含まれています。
日付、時刻、訪問者のランダム サンプリングだけを基準にキャンペーン アクションをトリガしたい場合は、この節は省略してもかまいません。
コンテンツの作成 キャンペーンを作成する前に、キャンペーンで使用する Web コンテンツとプレースホルダ、割引、電子メール メッセージを作成する必要があります。 これらの作成に関する詳細は、表9-2 にあるリンク先に従ってください。 説明へのリンクには、どれが開発タスクで、どれが管理タスクなのかも含まれています。 キャンペーン内でグラフィックスを使用するには、コンテンツ管理システムを WebLogic Portal に接続するか、WebLogic Portal の標準コンテンツ管理サーバを使用することが必要です。 コンテンツ管理システムに接続したら、E-Business Control Center でドロップダウン リストから Web コンテンツ メタデータを使用して、Web コンテンツを JSP 上のプレースホルダに置くクエリを定義します。
キャンペーンの定義
これまでの節で説明したように、キャンペーンで使用する要素すべてを作成すると、E-Business Control Center でのキャンペーン定義の用意が整います。 作成するキャンペーン定義では、トリガをコンテンツにマップするルールを提供します。
適切なキャンペーン インフラストラクチャと定義済みのキャンペーン ルールを使用して、E-Business Control Center からサーバにキャンペーンを同期化すると、キャンペーンがアクティブになります。
キャンペーンは、設定した条件に基づいて開始、終了します。 たとえば、7 月 1 日にキャンペーンを同期化しても、キャンペーンの開始日が「7 月 4 日以降」であれば、キャンペーンは 7 月 4 日になるまでは開始されません。
キャンペーンを作成する際、テスト環境で作成し同期化して、プロダクション サイトにデプロイする前に、バグを解決する必要があります。
注意: キャンペーンは、キャンペーンとは独立して作成されたプレースホルダ、割引、セグメント、イベント、カタログの詳細、およびさまざまなプロパティ セットから成り立っているため、そのうちのいずれかを変更すると、キャンペーンに影響する可能性があります。 これら独立した項目のいずれかに対する変更については、開発者と調整してください。
この節では、以下の項目を含む、キャンペーンの定義について説明します。
ステップ 1: キャンペーン ファイルの作成
E-Business Control Center でキャンペーンを定義すると、キャンペーンのルールが XML ファイルにストアされます。 キャンペーン ファイルは、以下の手順で作成します。
<ドメイン>/beaApps/portalApp-project/portalApp-project
図9-1 新しいキャンペーン ファイルの作成
プロセスの始めにファイルを作成して保存すると、ファイルが不完全であっても、キャンペーンを定義するとその作業を保存することができます。
ステップ 2: キャンペーンの全般情報の入力
キャンペーン スポンサーとは、 キャンペーンの委託元である人または組織のことです。 E-Business Control Center では、[エクスプローラ] ウィンドウで [キャンペーン検索] アイコンをクリックすると、キャンペーン スポンサーを検索キーの一部として使用し、検索することができます。 アイコンは、[ビジネス ロジック] タブでのみ使用できます。
ステップ 3: シナリオとアクションの作成
キャンペーンには 1 つ以上のシナリオが含まれます。 シナリオには、アクションが含まれ、アクションでは、キャンペーンの動作を定義します。 シナリオを使用して、アクションの論理グループを作成します。 たとえば、すべての電子メール アクションが含まれるシナリオを作成したり、給付を受けるための自由登録など、共通の目標をサポートする別のタイプのアクションが含まれるシナリオを作成することができます。
シナリオの作成
以下の手順に従って、シナリオを作成します。
図9-3 [シナリオ プロパティ] ウィンドウ
シナリオ アクションの作成
シナリオを作成したら、アクションを追加する必要があります。 シナリオに追加できるアクションには、広告アクション、電子メールアクション、割引アクションの 3 つのタイプがあります。
この節では、以下の内容について説明します。
注意: アクションを作成したら、その後アクションを作成する際には、すでに作成したアクションを複製することにより、作成時間を節約できます。 そのためには、複製したいアクションを選択し、[コピー] ボタンをクリックします。
広告アクション
広告アクションを作成する際、ページやポートレットに表示する適切な Web コンテンツを、コンテンツ管理システムから選択する条件を定義します。 クエリを定義することになるので、クエリは Web コンテンツのセットを複数返す場合があります。 WebLogic Portal に多数返されるコンテンツのなかから 1 つ選択させるのではなく、Web コンテンツの特定の 1 つを絞り込みたい場合には、求めるコンテンツそのものを取り出せるようにクエリを厳密に定義します。
このタイプのアクションを作成する場合、実行中のサーバにログインできなければなりません。
以下の手順に従って、広告アクションを作成します。
図9-4 [新規の広告アクション] ウィンドウ
図9-5 クエリで使用するためのプロパティの選択
図9-6 [プレースホルダの選択] ウィンドウ
図9-7 新しいシナリオ
電子メール アクション
電子メール アクション(トリガされたときに訪問者に自動的に電子メールを送信するアクション)を指定するには、その一環として、作成済みの電子メール メッセージを参照する必要があります。 詳細については、表9-2 の前提となるタスクを参照してください。
このタイプのアクションを作成する場合、実行中のサーバにログインできなければなりません。
以下の手順に従って、電子メール アクションを作成します。
図9-8 [新規の電子メール アクション] ウィンドウ
図9-10 [電子メール コンテンツの選択] ウィンドウ
割引アクション
割引アクションは、一定の条件を満たす場合に購入セッション中の訪問者に割引を提供します。 たとえば、訪問者が特定のアイテムをショッピング カートに入れたり、特定の日時にログインした場合に、その訪問者は割引を受けられます。
割引アクションを指定するには、その一環として、定義済み割引のリストから割引を選択する必要があります。 使用する割引は、あらかじめ定義してあるかどうか確認してください。 詳細については、表9-2 の前提となるタスクを参照してください。
以下の手順に従って、割引アクションを作成します。
図9-11 [新規の割引アクション] ウィンドウ
図9-12 [割引の選択] ウィンドウ
シナリオおよびアクションの変更と削除
シナリオまたはアクションを変更するには、キャンペーン エディタ ウィンドウのなかで変更するものをダブルクリックし、その属性を変更します。
シナリオまたはアクションを削除するには、キャンペーン エディタ ウィンドウのなかで削除するものを選択し、[削除] をクリックします。
ステップ 4: キャンペーンの開始/停止の条件の定義
キャンペーン開始日時を設定でき、また、キャンペーンの停止を日時で指定したり、またはキャンペーンの一定の目的を達成した時点で停止することができます。 キャンペーンの目標は、Web コンテンツの表示回数や、それがクリックされた回数で決定します。
注意: 設定する日時は、それぞれの時間帯域の日時です。 他の時間帯域に属する訪問者に対しては、サイトの時間帯域にあわせてキャンペーンの開始/停止が行われます。
キャンペーンの開始/停止と割引の開始/停止を揃えたい場合があるでしょう。
キャンペーンの開始日時の設定
図9-13 キャンペーンの [開始/停止] ペイン
図9-14 キャンペーン開始日の設定
日時によるキャンペーンの停止
[開始/停止] ペイン(図 9-13)で、[停止日] および [停止時刻] を入力します。
目標によるキャンペーンの停止
シナリオで広告アクションを使用する予定があり、Web コンテンツに関係する一定の目標が達成されたらキャンペーンを終了したい場合には、停止日以前でも目標を成した時点でキャンペーンを停止することができます。
キャンペーン終了条件の指定は、Web コンテンツに関連するインプレッション(ビュー)の回数、Web コンテンツのクリックスルー回数、あるいはその両者の組み合わせに基づいて行うことができます。
次の手順に従って、一定数のインプレッションまたはクリックスルーが発生した時点でキャンペーンを停止します。
図9-15 [目標の詳細] ウィンドウ
ステップ 5: キャンペーンの同期化
キャンペーンの作成、変更、削除を行った後、その変更を反映させるために E-Business Control Center からサーバに対して同期化する必要があります。 図 9-17 に示すように、E-Business Control Center ツールバーにある [同期] ボタンをクリックします。 ログインするよう表示される場合、WebLogic Server システム管理者または WebLogic Portal システム管理者としてログインする必要があります。
図9-17 サーバへの同期化
E-Business Control Center をサーバと接続するための設定の詳細については、E-Business Control Center の設定を参照してください。
キャンペーンのデバッグと変更
作成の済んだキャンペーンをテストする際には、キャンペーンをリセットして、初めてデプロイされた状態で動作させると好都合です。 そうすると、キャンペーンをどのように変更すればよいか分かりやすいでしょう。
キャンペーンのデバッグ
E-Business Control Center には、デバッグを主目的としたオプション機能が用意されており、それを利用すれば以下の操作を行えます。
以下の手順に従って、キャンペーン状態をリセットします。 この手順を使用するには、WebLogic Server システム管理者または WebLogic Portal システム管理者として実行中のサーバにログインすることが必要です。
図9-18 [キャンペーン状態のリセット] ウィンドウ
同期後に [キャンペーン状態のリセット] ウィンドウを自動的に表示するように E-Business Control Center を設定することもできます。 これを行うには、[ツール|プロジェクトの設定] を選択します。 [同期] タブで、[アクティブなキャンペーンのリセット オプションを表示する] オプションを選択し、[OK] をクリックします。 こうすれば、同期を行うたびに、同期が完了したとき [同期中] ステータス表示ウィンドウで [閉じる] ボタンをクリックすると、[キャンペーン状態のリセット] ウィンドウが表示され、そこでキャンペーンの状態を初期化できるようになります。
キャンペーンの変更
キャンペーンを変更するには、E-Business Control Center のエクスプローラ ウィンドウで [キャンペーン] アイコンをクリックし、変更するキャンペーンをダブルクリックします。 キャンペーンを保存し、E-Business Control Center のツールバーにある [同期] ボタンをクリックして、行った変更を必ず同期化してください。
E-Business Control Center をサーバと接続するための設定の詳細については、 E-Business Control Center の設定を参照してください。
キャンペーンの削除
キャンペーンを削除する前に、削除に代わる以下の案について考えてください。
キャンペーンを削除するには、E-Business Control Center のエクスプローラ ウィンドウの [キャンペーン] アイコンをクリックし、削除するキャンペーンを選択して、エクスプローラ ウィンドウのツールバーにある [削除] アイコンをクリックします。
キャンペーンを非アクティブにする/再度アクティブにする
キャンペーンは、いったん保存されると、アクティブとみなされます。 つまり、同期後は、指定した開始日時と停止日時の間で適切な条件が満たされていれば実行できる状態になっています。
何らかの理由で、アクティブなキャンペーンを実行できなくしたり、指定した停止日時より前(または、キャンペーンに終了目標が設定されている場合には、それらの終了目標が達成される前)に実施中のキャンペーンを停止したい場合には、以下の手順に従います。
キャンペーンを再びアクティブにしたくなったらいつでも、[開始/停止] ペインで [このキャンペーンを非アクティブにする] オプションの選択を解除し、確認プロンプトに対して [OK] をクリックしたあと、キャンペーンを保存して同期化します。
目標達成により終了したキャンペーンの
再アクティブ化
キャンペーンが目標達成により終了日時より前に終了した場合には、目標達成と終了の原因となった広告インプレッションや広告クリックスルーをリセットすることで、そのキャンペーンを再度アクティブにすることができます。
この手順を使用するには、WebLogic Server システム管理者または WebLogic Portal システム管理者として実行中のサーバにログインすることが必要です。