データベース管理ガイド

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DB2 の使い方

この章では、WebLogic Portal で DB2 データベースを使用するための必要手順について説明します。ここでは以下の内容を扱います。

作業を進める前に、この章全体とリリース ノートを参照してください。この章で説明するタスクはデータベース管理者が実行します。


DB2 データベースのコンフィグレーション

以下の手順を実行する前に、「WebLogic Portal のエンタープライズ品質データベース コンフィグレーションの概要」をお読みください。

データベース作成スクリプトによって、ドメイン固有のテーブルがインストールされます。サンプル スクリプトを変更し、各自の環境に必要なデータベース ユーザとテーブルスペースを作成する作業は、データベース管理者と共に行うことをお勧めします。

複数のドメインを使用する場合、または同じ DB2 のインスタンスを使用して複数の環境を実行する場合 (1 つの DB2 から開発やシステム テストを実行する場合など) は、複数のデータベース スキーマが必要です。GroupSpace では、コンテンツ管理リポジトリを追加した場合と同様に、独立したユーザが必要です。

注意 : ポータル アプリケーションが DB2 上で正常に実行されるようにするには、最低でもいくつかのコンフィグレーション パラメータを設定する必要があります。このような設定をしないと、ポータルの使用度によってはデータベースの限界を超える場合があります。DB2 データベースをコンフィグレーションする際は、次に示す設定をガイドラインとして使用してください。

DB2 データベースをコンフィグレーションするには

  1. 新規データベース オブジェクトをインストールする場合は、その前にデータベースをバックアップしてください。詳細については、お使いのデータベースのドキュメントを参照してください。
  2. WL_HOME/portal/db/oracle/admin ディレクトリにあるサンプル スクリプトを確認します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
  3. サンプル スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更することにより、以下の各データベース スキーマを作成します。
    1. メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション」に示す手順に従って、メインの WebLogic Portal ユーザとデータベース オブジェクトを作成します。
    2. GroupSpace を使用する場合は、「GroupSpace データベースのコンフィグレーション」に示す手順に従って、GroupSpace ユーザとデータベース オブジェクトを作成します。
    3. 別個の行動追跡データベースを作成する場合は、「行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成」に示す手順に従います。


メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション

メインの WebLogic Portal データベースをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. 使用できる既存の 8K のバッファプールがない場合
    1. create_bufferpool.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. 作業するデータベースに接続します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    3. Db2 connect to database user username password password
    4. create_bufferpool.sql を実行します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    5. Db2 -tf create_bufferpool.sql -v
    6. データベース インスタンスを再起動します。
  2. 8K の一時テーブルスペースが存在しない場合、または新しい 8K の一時テーブルスペースを作成する場合
    1. create_temp_tablespace.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. create_temp_tablespaces.sql を実行します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    3. Db2 -tf create_temp_tablespaces.sql -v
  3. 4K または 8K の標準テーブルスペースが存在しない場合、または新しい標準テーブルスペースを作成する場合
    1. create_tablespace.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. create_tablespaces.sql を実行します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    3. Db2 -tf create_tablespaces.sql -v
  4. メインの WebLogic Portal データベースのユーザを作成します。
    1. create_users.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. create_user.sql を実行します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    3. Db2 -tf create_user.sql -v

残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  1. ドメインの database.properties ファイルを編集用に開きます。
  2. database=db2 と設定します。
  3. メインの WebLogic Portal データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  4. db2.user=@DB_USER@
    db2.password=@DB_PASSWORD@
    db2.url=jdbc:bea:db2://@DB_HOST@:@DB_PORT@;DatabaseName=@DB_NAME@
  5. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. 次のコマンドのいずれかを入力します。
      • Windows の場合は、create_db.cmd をダブルクリックします。
      • UNIX の場合は、create_db.sh を実行します。
      • エラー メッセージが表示された場合は、create_db.log ファイルで詳細を確認してください。

  6. ドメインの JDBC データ ソース (appsGroupSpaceDataSource を除く) は、デフォルトでは PointBase を指しています。これを、DB2 を指すデータ ソースに置き換えます。これらは、WebLogic Server Administration Console を使用してコンフィグレーションするか、または、提供されているサンプルから選択し、データベース環境に合わせて変更します。BEA がサポートする各データベースおよびドライバ用の jdbc.xml 定義ファイルのサンプル (db2_bea など) を WL_HOME\portal\db\jdbc\database_driver ディレクトリから入手できます。WL_HOME\portal\db\jdbc\README.txt ファイルで説明している手順に従います。


GroupSpace データベースのコンフィグレーション

GroupSpace データベースをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. 使用できる既存の 8K のバッファプールがない場合
    1. create_bufferpool.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. 作業するデータベースに接続します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    3. Db2 connect to database user username password password
    4. create_bufferpool.sql を実行します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    5. Db2 -tf create_bufferpool.sql -v
    6. データベース インスタンスを再起動します。
  2. 8K の一時テーブルスペースが存在しない場合、または新しい 8K の一時テーブルスペースを作成する場合
    1. create_temp_tablespace.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. create_temp_tablespaces.sql を実行します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    3. Db2 -tf create_temp_tablespaces.sql -v
  3. 4K または 8K の標準テーブルスペースが存在しない場合、または新しい標準テーブルスペースを作成する場合
    1. create_tablespace.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. create_tablespaces.sql を実行します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    3. Db2 -tf create_tablespaces.sql -v
  4. GroupSpace ユーザを作成します。
    1. create_users.sql スクリプトをコピーし、環境および GroupSpace の設定に合わせて変更します。詳細については、「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. create_user.sql を実行します。たとえば、CLP からの場合は次のようにします。
    3. Db2 -tf create_user.sql -v

残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  1. ドメインの groupspace_database.properties ファイルを編集用に開きます。
  2. database=db2 と設定します。
  3. GroupSpace データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  4. db2.user=@DB_USER@
    db2.password=@DB_PASSWORD@
    db2.url=jdbc:bea:db2://@DB_HOST@:@DB_PORT@;DatabaseName=@DB_NAME@
  5. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. 次のコマンドのいずれかを入力します。
      • Windows の場合 :
      • create_db.cmd -database.properties=groupspace_database.properties
      • UNIX の場合 :
      • create_db.sh -database.properties=groupspace_database.properties

        エラー メッセージが表示された場合は、create_db_groupspace.log ファイルで詳細を確認してください。

  6. appsGroupSpaceDataSource JDBC データ ソース (デフォルトで PointBase を指す) を DB2 を指すデータ ソースに置き換えます。WebLogic Server Administration Console を使用するか、または BEA がサポートする各データベースおよびドライバ用に提供される jdbc.xml 定義ファイルのサンプル (db2_bea など) を更新します。この定義ファイルは、WL_HOME\portal\db\jdbc\database_driver から入手できます。WL_HOME\portal\db\jdbc\README.txt ファイルで説明している手順に従います。


行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成

他の WebLogic Portal データベース オブジェクトとは別の場所に行動追跡イベントを保存すると、パフォーマンスを向上させることができます。行動追跡の詳細については、『対話管理ガイド』の「イベントと行動追跡の設定」を参照してください。

注意 : デフォルトでは、行動追跡データベース オブジェクトは他の WebLogic Portal データベース オブジェクトと同じデータベースに作成されます。これらの手順を実行する必要があるのは、行動追跡イベント用に別個のデータベースをコンフィグレーションする場合だけです。

行動追跡用の別個のデータベースを作成するには

  1. スクリプト内または「表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意」に示す手順に従って、bt_create_tablespaces.sql ファイルと bt_create_users.sql ファイルを環境に合わせて編集します。
  2. CLP から bt_create_tablespaces.sql スクリプトを実行します。次に例を示す。
  3. Db2 -tf bt_create_tablespaces.sql -v

  4. CLP から bt_create_users.sql スクリプトを実行します。次に例を示す。
  5. Db2 -tf bt_create_users.sql -v

  6. 環境に応じた適切なデータベース ディレクトリ WL_HOME\portal\db\db2 に移動します。
  7. ユーザ WEBLOGIC_EVENT で接続し、次のスクリプトを実行します。
    • bt_create_tables.sql
    • bt_create_fkeys.sql
    • bt_create_indexes.sql
    • bt_create_triggers.sql
  8. パス WL_HOME\portal\db\data\required から次のスクリプトを実行します。
    • bt_insert_system_data.sql
    • bt9_insert_system_data.sql
  9. WebLogic Server Administration Console を使用して、非 XA JDBC データ ソースが行動追跡データベースにアクセスするようにコンフィグレーションします。JNDI 名 p13n.trackingDataSource をそのデータ ソースに関連付けてから、p13n.trackingDataSourcep13nDataSource から削除します。


データベース スクリプトと使用上の注意

表 8-1 は、Oracle データベースのコンフィグレーションとそのデータベース内での WebLogic Portal の作成を可能にするスクリプトについて説明します。

表 8-1 データベース スクリプトと使用上の注意
スクリプト名
説明
create_user.sql
DB2 の createtabbindadd、および connect 特権をスキーマ オーナー ユーザに付与する。
IBM DB2 データベースではオペレーティング システムを使用してユーザを認証するため、データベース スキーマ オブジェクトを所有するオペレーティング システム ユーザを作成する必要がある。

注意 : このスクリプトのコピーを作成し、編集して、<<WEBLOGIC>> をスキーマ ユーザ名に置き換える。

メインの WebLogic Portal データベースでは、スキーマ ユーザ名は通常 WEBLOGIC

注意 : GroupSpace を使用するには、追加のユーザを作成する必要がある。

GroupSpace データベースでは、スキーマ ユーザ名は通常 WEBLOGIC_GROUPSPACE

注意 : 追加のコンテンツ管理リポジトリを作成する場合は、そのリポジトリ用に別のユーザ名を持つスキーマを作成する必要がある。詳細については、『コンテンツ管理ガイド』を参照。

create_bufferpool.sql
まだ作成されていない場合は、8K のバッファプールを作成する。新しいバッファプールを利用するには、DB2 をいったん終了し、再起動する必要がある。
8K のバッファプール名を変更するには、スクリプトを編集する。デフォルトのバッファプール名は BP8K
create_tablespaces.sql
4K および 8K の標準テーブルスペースを作成する。適切なサイズの既存の標準テーブルスペースを使用する場合、このスクリプトを実行する必要はない。メインの WebLogic Portal データベース、GroupSpace データベース、および追加のコンテンツ管理リポジトリには、新規と既存のどちらのテーブルスペースも使用できる。

注意 : このスクリプトのコピーを作成し、編集して、<<WEBLOGIC>> を適切なテーブルスペースとユーザ名に置き換える。環境に合わせて、ディスクの有効な場所を反映するようにスクリプトを編集する必要もある。

メインの WebLogic Portal データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • 行サイズが 4K より小さいテーブルのテーブルスペース : WEBLOGIC_DATA_4K
  • 行サイズが 4K より大きく 8K より小さいテーブルのテーブルスペース : WEBLOGIC_DATA_8K
  • データベース ユーザ : WEBLOGIC
メインの GroupSpace データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • 行サイズが 4K より小さいテーブルのテーブルスペース : WEBLOGIC_GROUPSPACE_DATA_4K
  • 行サイズが 4K より大きく 8K より小さいテーブルのテーブルスペース : WEBLOGIC_DATA_8K
  • データベース ユーザ : WEBLOGIC_GROUPSPACE
create_temp_tablespaces.sql
8K の一時テーブルスペースを作成する。適切なサイズの既存の一時テーブルスペースを使用する場合、このスクリプトを実行する必要はない。メインの WebLogic Portal データベース、GroupSpace データベース、および追加のコンテンツ管理リポジトリには、新規と既存のどちらのテーブルスペースも使用できる。
デフォルトの一時テーブルスペース名は TEMPSPACE_8K

注意 : 適切なバッファプール名を使用するには、このスクリプトを編集する。環境に合わせて、ディスクの有効な場所を反映するようにスクリプトを編集する必要もある。

statistics_build.sql
データベース オプティマイザで必要なデータベース統計を計算するテーブルごとに、runstats コマンドのファイルを作成する。定期的に、およびデータベースのデータに重要な変更が生じた場合は必ず、統計を更新する。
install_report.sql
WEBLOGIC スキーマ内で作成されたデータベース オブジェクトに関する情報インストール レポートを生成する。
bt_create_tablespace.sql
WEBLOGIC_EVENT_DATA テーブルスペースを作成する。

注意 : 各自の環境の有効な物理ディスクの場所 (event_container) を指定し、DB2 のデフォルトのバッファプール以外のバッファプールを使用するにはスクリプトを編集する。

bt_create_users.sql
WEBLOGIC_EVENT スキーマ オーナー ユーザを作成し、DB2 の createtabbindadd、および connect 特権をスキーマ オーナー ユーザに付与する。
IBM DB2 データベースではオペレーティング システムを使用してユーザを認証するため、データベース スキーマ オブジェクトを所有するオペレーティング システム ユーザを作成する必要がある。
スクリプトを編集して、スキーマ ユーザ名とシステム管理者のパスワードを変更する。
デフォルトのスキーマ オーナー ユーザ名は WEBLOGIC_EVENT


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