検索の統合

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はじめに

BEA WebLogic Portal® は、高度な検索機能を数多く提供しています。WebLogic Portal の検索エンジンを実装して、別個のコンテンツ管理システム、CRM システムなどのリレーショナル データベース、および外部 Web サイトと統合できます。これらの情報のソースは、プリパッケージ ポートレットを介してポータル ユーザに公開でき、また開発者は新しいポートレットを作成して、コンテンツ ソースを検索するビジネス ロジックを実装できます。

この章の内容は以下のとおりです。

 


検索の概要

WebLogic Portal に含まれている検索コンポーネントを使用すると、データベース、他の Web サイト、ファイル システムなどの複数のソースからのデータおよび情報をポータルに組み込むことができます。

WebLogic Portal 検索コンポーネントは連携して動作し、エンタープライズおよびインターネット上の各種リソースからのコンテンツを集約、分類、およびパーソナライズします。たとえば、知識ベース ポータル内に検索を組み込むと、ポータル ユーザは複数のサポート データベースを検索して、結果を表示できます。

WebLogic Portal の検索ツールは、いったんコンフィグレーションすると、指定したソース内のコンテンツのインデックスを継続的に作成し、ポータル ユーザがソースに対して常にクエリを行える状態にします。このコンテンツは初期状態のポートレットを介して表示できます。また独自のポートレットを記述して、必要に応じて検索機能をカスタマイズできます。

WebLogic Portal は、Autonomy® 検索を利用して検索機能を提供します。Autonomy コンポーネントの概要については、「始める前に」を参照してください。

 


ポータル ライフサイクルにおける検索

このガイドで説明するタスクは、ポータル ライフサイクルに従って構成されています。ポータル ライフサイクルの詳細については、『WebLogic Portal の概要ガイド』を参照してください。ポータル ライフサイクルには、アーキテクチャ、開発、ステージング、プロダクションの 4 つの段階があります。

図 1-1 は、検索がどのようにポータル ライフサイクルに当てはまるか表したものです。

図 1-1 検索とライフサイクルの 4 つの段階との対応

検索とライフサイクルの 4 つの段階との対応

アーキテクチャ段階

アーキテクチャ段階では、ポータルで使用できるようにするエンタープライズ コンテンツを決定し、この情報を検索できるようにするポータル環境内のユーザを決定します。

次の章では、アーキテクチャ段階のタスクについて説明します。

開発段階

開発段階では、検索ポートレットをポータルに追加し、API を使用してコンテンツを取得し、また必要に応じてポータル ユーザに検索機能を表示するポートレットを記述します。

次の章では、開発段階のタスクについて説明します。

ステージング段階

ステージング段階では、プロダクション環境を準備します。この段階では、検索コンフィグレーションを再構成してデプロイメントのコンフィグレーションと一致させます。また、プロダクション環境での実行時にツールで検索をコンフィグレーションできるようにします。

次の章では、ステージング段階のタスクについて説明します。

プロダクション段階

アプリケーションをデプロイし、プロダクション環境で実行した後、キャッシュ、検索頻度などの内容に合わせてポータル検索を調整できます。

次の章では、プロダクション段階のタスクについて説明します。

 


始める前に

WebLogic Portal は、Autonomy® 検索を利用して検索機能を提供します。Autonomy で提供される検索機能には以下のものがあります。

表 1-1 は、Autonomy 検索ツールのコンポーネントと、各コンポーネントが提供する内容をまとめたものです。

表 1-1 WebLogic Portal で使用される Autonomy 検索コンポーネント
Autonomy コンポーネント
処理の内容 :
Autonomy IDOL Server
IDOL (Intelligent Data Operating Layer) サーバは、コンテンツのインデックス作成と、ポータルから作成されるコンテンツ クエリの処理を担当する。
Autonomy IDOL Server の詳細については、『Autonomy IDOL Server のドキュメント』を参照してください。
Autonomy DiSH
DiSH (Distributed Service Handler) は、IDOL (Intelligent Data Operating Layer) のメンテナンス、管理、制御、およびモニタ機能を提供する。これらの機能は不可欠である。DiSH により、中央からすべての Autonomy サービスと統合された方法で通信できる。
DiSH は Autonomy Service Dashboard で管理できる。Autonomy DiSH の詳細については、『Autonomy DiSH のドキュメント』を参照してください。
Autonomy Service Dashboard
Autonomy Service Dashboard は、スタンドアロンのフロントエンド Web アプリケーションである。Autonomy Service Dashboard は、フェッチなど、すべての Autonomy 子サービスをモニタおよび制御するためのバックエンド プロセスを提供する、1 つまたは複数の DiSH (Autonomy Distributed Service Handler) モジュールと通信する。
Autonomy Service Dashboard の詳細については、『Autonomy DiSH のドキュメント』を参照してください。
Autonomy HTTP Fetch
HTTP Fetch により、インターネット サイトまたはイントラネット サイトのドキュメントをリモート サーバから集約し、Autonomy IDOL Server 内にそれらのドキュメントのインデックスを作成できる。
HTTPFetch の詳細については、『Autonomy HTTP Fetch のドキュメント』を参照してください。
Autonomy ODBC Fetch
ODBC Fetch は Autonomy コネクタで、ODBC データ ソースに保存されているデータを自動的に取得し、それを IDX ファイル形式にインポートして、Autonomy IDOL Server にそのインデックスを作成する。
ODBC Fetch の詳細については、『Autonomy ODBC Fetch のドキュメント』を参照してください。
Autonomy File System Fetch
File System Fetch は、ローカル マシンまたはネットワーク マシン上のファイル システム (Novell、NT、UNIX ファイル システム、Samba がマウントされたサーバなど) を解析して新しいドキュメントを検出し、それらを Autonomy IDOL Server 内に集約する。File System Fetch は、ファイル システムと IDOL サーバのビューを同期させ、削除されたファイルが自動的に IDOL サーバから除去されるようにし、またファイルへの変更が自動的に反映されるようにする。
Autonomy File System Fetch の詳細については、『Autonomy File System Fetch のドキュメント』を参照してください。
Autonomy ポートレット
Autonomy ポートレットは、検索機能をポータルに統合できるように設計されている。
Autonomy ポートレットの詳細については、「Autonomy ポートレットのインストール」を参照。
Autonomy ポートレットの詳細については、『Autonomy Portlets for WebLogic Portal Guide』または『Autonomy Portlets User Guide』を参照してください。

Autonomy 製品の特定

Autonomy は、WebLogic Portal および WebLogic Platform インストーラにバンドルされています。ファイルは \\WebLogic_HOME\portal\thirdparty\autonomy-wlp92 ディレクトリにあります。

Autonomy モジュールのライセンス

Autonomy のライセンス モデルは、Autonomy サーバ 1 つにつきポータル 1 つです。プロダクション、開発のそれぞれにおいて 1 つのインスタンスをインストールでき、またポータル デプロイメント内にフェイルオーバ インスタンスをインストールできます。

Autonomy に含まれている評価ライセンスで許可されるドキュメント制限は 10,000 です。WebLogic Portal を購入すると、完全な Autonomy プロダクション ライセンスが提供されます。プロダクション ライセンスのドキュメント制限は 500,000 です。

検索に必要な CPU 数の決定

プロダクション インスタンスに必要な CPU の数は、エクスポーズしているドキュメントの数とタイプ、およびエクスポーズの方法 (たとえば、自動化検索、ユーザ駆動など) によって異なります。

CPU の単一インスタンスで数万人のユーザおよび数百万のドキュメントをサポートできる可能性があります。追加ライセンスについては、必要に応じて、BEA または Autonomy の販売代理店にお問い合わせください。

オペレーティング システムの選択

開発モード時には、Autonomy サービスは、ホスト コンピュータのオペレーティング システムのために自動的に起動し、開発者がポータル開発中に Autonomy を使用できるようにします。

ただし、ポータルをデプロイし、ポータル環境内に Autonomy をインストールする場合、オペレーティング システムに対応するバージョンの Autonomy を、Autonomy サービスを実行するサーバにインストールする必要があります。Autonomy サービスのインストールとデプロイについては、「ステージングの検索機能」を参照してください。

注意 : どのオペレーティング システムでも、Autonomy のバイナリ実行ファイルの名前には拡張子 .exe (Windows スタイル) が付きます。

システム要件

ポータル アプリケーションに Autonomy 検索をコンフィグレーションする場合、Autonomy のシステム要件に注意する必要があります。「Autonomy 検索ガイドのシステム要件」を参照してください。

アップグレードとサポート

BEA では、Autonomy コンポーネントのフロントライン サポートを提供しています。BEA サポート部門までお問い合わせください。BEA サポートは、必要に応じて追加のバックライン サポートについて Autonomy に連絡します。また Autonomy から追加のコネクタ (フェッチ) およびツールも入手できます。

リソース

このガイドを再確認して、WebLogic Portal がどのように Autonomy 検索を使用するか理解してください。追加情報については、『Autonomy のドキュメント』を参照してください。


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