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WebLogic Server のコンフィグレーションと管理

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ノード マネージャのコンフィグレーション、起動、および停止

ノード マネージャの特長と機能については、「ノード マネージャの概要」を参照してください。以下の節では、ノード マネージャのコンフィグレーションと使用の方法について説明します。

 


ノード マネージャのコンフィグレーション

この節では、インストール後のノード マネージャのデフォルト コンフィグレーション、およびプロダクション環境向けにノード マネージャをコンフィグレーションするためのタスクについて説明します。

注意 :WebLogic 環境内の各サーバ インスタンスには、そのインスタンスがどのドメインやクラスタに含まれるかに関係なく、またそれが管理サーバであるか管理対象サーバであるかに関係なく、ユニークな名前を付ける必要があります。

デフォルト コンフィグレーション (開発環境)

ノード マネージャは、ノード マネージャと管理サーバを同じマシンで実行し、デモ用の SSL コンフィグレーションを使用するのであれば WebLogic Server のインストール後に実行することができます。デフォルトでは、以下の動作がコンフィグレーションされます。

コンフィグレーション チェックリスト (プロダクション環境)

この節では、プロダクション環境用にノード マネージャをコンフィグレーションし、その動作を調整するためのタスクについて簡単に説明します。

ノード マネージャ ホスト ファイルの設定

ノード マネージャは、同じマシンおよび信頼性のあるホストで動作している管理サーバからのコマンドを受け入れます。信頼性のあるホストは、nodemanager.hosts ファイルの IP アドレスまたは DNS 名で識別されます。このファイルは、ノード マネージャを最初に起動したときに、その実行ディレクトリに作成されます。

注意 : ノード マネージャを起動すると、そのたびにカレント ディレクトリ内に nodemanager.hosts が存在するかどうかが検索され、存在しない場合はこのファイルが作成されます。

信頼性のあるホスト ファイルの名前および位置を指定するには、trustedHosts コマンドライン引数を使用します。詳細については、「ノード マネージャ プロパティ」を参照してください。

デフォルトでは、nodemanager.hosts は空です。信頼性のあるホストを追加するには、ファイルをテキスト エディタで編集し、管理サーバが動作する信頼性のあるホストごとに 1 行追加します。すべてのホストからのコマンドをノード マネージャで受け入れるようにするには、hosts ファイルにアスタリスクを挿入します。

DNS 名で信頼性のあるホストを識別する場合は、ノード マネージャを起動するときに DNS の逆引き参照を有効にする必要があります。デフォルトでは、DNS の逆引き参照は無効です。DNS の逆引き参照は、nodemanager.properties ファイルで有効にするか、次のコマンドライン引数で有効にします。

ReverseDnsEnabled=true

注意 : nodemanager.hosts ファイルを変更した後にノード マネージャを再起動する必要はありません。

起動サービスの再コンフィグレーション

ノード マネージャは、WebLogic Server のインストール プロセスでオペレーティング システム サービス (UNIX マシンではデーモン、Windows マシンでは Windows サービス) としてインストールされます。デフォルトのオペレーティング システム サービスは、ノード マネージャを起動して localhost:5555 でリスンします。

リモート システムからのコマンドを受け入れるようにノード マネージャをコンフィグレーションする場合は、デフォルトのノード マネージャ サービスをアンインストールして、その後に localhost 以外のリスン アドレスでリスンするように再インストールします。

WL_HOME\server\bin ディレクトリ (WL_HOME は WebLogic Server の最上位インストール ディレクトリ) には、ノード マネージャ サービスをアンインストールするための uninstallNodeMgrSvc.cmd スクリプト、およびノード マネージャをサービスとしてインストールするための installNodeMgrSvc.cmd スクリプトが格納されています。

  1. uninstallNodeMgrSvc.cmd を使用してサービスを削除します。
  2. installNodeMgrSvc.cmd を編集して、ノード マネージャのリスン アドレスとリスン ポートを指定します。
  3. installNodeMgrSvc.cmd の場合と同じ編集を uninstallNodeMgrSvc.cmd でも行います。そうすれば、今後必要に応じてサービスを正常にアンインストールできます。

  4. installNodeMgrSvc.cmd を実行して、ノード マネージャをサービスとして再インストールし、更新したアドレスとポートでリスンします。

Unix システムでのノード マネージャのデーモン化

WebLogic Server には、ノード マネージャ デーモン プロセスをアンインストールおよび再インストールするためのコマンド スクリプトは用意されていません。既存のデーモンをアンインストールする手順、および新しいデーモンを設定する手順については、オペレーティング システムのマニュアルを参照してください。

  1. WebLogic Server のインストール プロセスで設定されたノード マネージャ デーモン プロセスを削除します。
  2. コマンドラインまたはスクリプトを使用して、ノード マネージャ デーモンを再インストールします。新しいデーモンを設定する前に、必要に応じて installNodeMgrSvc.cmd ファイルの内容を表示します。ただし、このコマンド ファイルは Windows 固有のファイルです。このファイルには以下が記述されています。
    • 定義しなければならない主な環境変数とローカル変数
    • ノード マネージャをデーモンとしてインストールするスクリプトに含めることのできる検証ステップ
    • リスン アドレスおよびリスン ポートにデフォルト値を設定するためのロジック
  3. ノード マネージャをデーモンとしてインストールするには、コマンドラインまたはスクリプトで少なくとも以下を行う必要があります。
    • WL_HOME の設定
    • NODEMGR_HOME の設定
    • JDK ディレクトリおよび WebLogic ディレクトリのシステム パスへの追加
    • JDK jar および WebLogic jar のクラスパスへの追加
    • LD_LIBRARY_PATH の設定
    • JAVA_VM の設定
    • NODEMGR_HOST の設定
    • NODEMGR_PORT の設定
    • PROD_NAME=BEA WebLogic Platform 8.1 の設定

詳細については、「ノード マネージャの環境変数」を参照してください。

オペレーティング システム固有の設定が必要な場合は、オペレーティング システムのマニュアルを参照してください。

ノード マネージャを使用するためのマシンのコンフィグレーション

ノード マネージャでリモート管理サーバからのコマンドを受け入れるようにするには、ノード マネージャ プロセスを実行するマシンごとにマシン定義を作成する必要があります。

マシン定義では、特定のマシンとそれがホストするサーバ インスタンスを関連付け、そのマシン上のノード マネージャ プロセスの接続属性を指定します。

マシン定義は、Administration Console の [マシン|コンフィグレーション|ノード マネージャ] タブで作成します。[リスン アドレス] ボックスには、ノード マネージャがリスンする DNS 名または IP アドレスを入力します。

管理対象サーバの起動引数のコンフィグレーション

ノード マネージャが管理対象サーバの起動に使用する起動引数は、その管理対象サーバの [サーバ|コンフィグレーション|リモートスタート] タブで指定します。この方法で管理対象サーバの起動引数を指定しない場合、ノード マネージャは独自のプロパティをデフォルトとして使用して管理対象サーバを起動します。それらのデフォルトでも管理対象サーバを起動することができますが、起動プロセスの一貫性と信頼性を確保するためには、管理対象サーバごとに起動引数をコンフィグレーションする必要があります。

サービスとしてのノード マネージャの起動」に説明されているようにノード マネージャを Windows サービスとして実行する場合は、ノード マネージャの制御下に置かれる管理対象サーバごとに以下の JVM プロパティをコンフィグレーションする必要があります。

このオプションを設定しない場合、ノード マネージャはシステムの再起動後に管理対象サーバを再起動できません。それは、次のようにイベントが起こるためです。

  1. 再起動が行われると、ノード マネージャと管理サーバのオペレーティング システム サービスが停止される前に動作中の管理対象サーバが強制終了されます。
  2. 管理対象サーバの強制終了と、ノード マネージャ サービスの停止の間の間隔に、ノード マネージャは継続して管理対象サーバをモニタし、それが強制終了されたことを検出し、再起動を行おうとします。
  3. マシンが停止しようとしているので、オペレーティング システムは管理対象サーバの再起動を許可しません。
  4. ノード マネージャは障害が発生したものとして管理対象サーバにマークを付け、マシンが再起動したときにそのサーバを起動しません。

-Xrs または -Xnohup オプションを使用して管理対象サーバを起動すると、マシンの停止時に管理対象サーバを即座に停止しないようにしてこのような状況が起こらないようになります。

サーバ インスタンスで定義できる他の起動引数については、Administration Console オンライン ヘルプの「[サーバ]-->[コンフィグレーション]-->[リモート スタート]」を参照してください。

管理サーバのアドレスの確実な定義

ノード マネージャ プロセスに接続する各管理サーバでは、リスン アドレスを確実に定義する必要があります。管理サーバのリスン アドレスが定義されていない場合、ノード マネージャが管理対象サーバを起動するときに、その対象のサーバがコンフィグレーション情報の取得で localhost にアクセスするよう指示されます。

リスン アドレスは、Administration Console の [サーバ|コンフィグレーション|全般] タブで設定します。

ノード マネージャに対する SSL のコンフィグレーション

ノード マネージャは、双方向 SSL を使用して管理サーバおよび管理対象サーバと通信します。

WebLogic Server のデフォルト インストールには、SSL をそのまま使用することを可能にするデモ用の ID キーストアおよび信頼キーストアが含まれています。それらのキーストア (DemoIdentity.jks および DemoTrust.jks) は、WLSHome/server/lib にインストールされます。開発およびテスト目的の場合は、このキーストア コンフィグレーションで十分です。

プロダクション環境用の SSL のコンフィグレーションには、ノード マネージャと、ノード マネージャが通信する管理サーバおよび管理対象サーバの各々の ID と信頼を取得してから、適切な ID と信頼を使って、ノード マネージャ、管理サーバ、および管理対象サーバをコンフィグレーションすることが含まれます。また、ホスト名検証の使用と管理ポートを考慮に入れる必要があります。プロダクション用の SSL コンポーネントのコンフィグレーション方法については、『WebLogic Security の管理』の「SSL のコンフィグレーション」を参照してください。

nodemanager.properties の検討

多くの環境において、明示的に定義する必要のあるノード マネージャ プロパティは nodemanager.properties の SSL 関連のプロパティのみです (「ノード マネージャに対する SSL のコンフィグレーション」を参照)。ただし、nodemanager.properties には、環境や設定によっては指定することも必要な SSL 以外のプロパティも格納されます。 次に例を示します。

これらのオプションや、JavaHomeWeblogicHomeReverseDNSEnabled などのオプションは、nodemanager.properties で必要に応じて設定できます。定義するプロパティを決定する際には、「ノード マネージャ プロパティ」にあるプロパティの説明を元に検討してください。

必要に応じて、ノード マネージャが動作する各システムで nodemanager.properties を更新してください。

注意 : nodemanager.properties は、WebLogic Server をインストールした後、初めてノード マネージャを起動したときのディレクトリに作成されます。ノード マネージャを起動すると、そのたびにカレント ディレクトリ内に nodemanager.properties が存在するかどうかが検索され、存在しない場合はこのファイルが作成されます。

このファイルには、ノード マネージャがいったん起動するまではアクセスできません。

管理対象サーバのモニタ、停止、および再起動のコンフィグレーション

ノード マネージャのデフォルトのモニタ、停止、および再起動動作は、「デフォルト コンフィグレーション (開発環境)」で説明されています。動作を再コンフィグレーションするには、Administration Console オンライン ヘルプの「管理対象サーバの自動状態モニタ、停止、および再起動のコンフィグレーション」を参照してください。

注意 : これらの機能は、「管理対象サーバの自動再起動の前提条件」で説明されている条件が満たされている場合に利用できます。

 


ノード マネージャの起動と停止

以下の節では、ノード マネージャの起動方法、必須の環境変数、およびコマンドライン引数について説明します。

事前に必要なコンフィグレーションの手順については、「デフォルト コンフィグレーション (開発環境)」または「コンフィグレーション チェックリスト (プロダクション環境)」を参照してください。

サービスとしてのノード マネージャの起動

WebLogic Server のインストール プロセスでは、ノード マネージャが自動的にサービスとしてインストールされます。したがって、ノード マネージャはシステムの起動時に自動的に起動します。デフォルトでは、ノード マネージャは localhost でリスンします。ノード マネージャでリモート システムからのコマンドを受け入れるようにする場合は、デフォルトのノード マネージャ サービスをアンインストールして、その後に localhost 以外のリスン アドレスでリスンするように再インストールします。詳細については、「起動サービスの再コンフィグレーション」を参照してください。

コマンドまたはスクリプトを使用したノード マネージャの起動

オペレーティング システム サービスとしてノード マネージャを実行することはお勧めではありますが、コマンド プロンプトまたはスクリプトを使用してノード マネージャを手動で起動することもできます。ノード マネージャで必要とされる環境変数については「ノード マネージャの環境変数」、コマンドライン オプションについては「ノード マネージャ プロパティ」で説明します。

ノード マネージャのサンプル起動スクリプトは、WL_HOME\server\bin ディレクトリにインストールされます。WL_HOME は、WebLogic Server の最上位インストール ディレクトリです。 Windows システムでは startNodeManager.cmd、UNIX システムでは startNodeManager.sh を使用します。

これらのスクリプトは必須の環境変数を設定し、WL_HOME/common/nodemanager でノード マネージャを起動します。ノード マネージャは、このディレクトリを出力とログ ファイルを格納するための作業ディレクトリとして使用します。別の作業ディレクトリを指定するには、テキスト エディタで起動スクリプトを編集し、NODEMGR_HOME 変数の値を目的のディレクトリに設定します。

サンプル起動スクリプトを編集して、コマンド修飾子で、ノード マネージャ プロセスの適切なリスン アドレスおよびポート番号が設定されるようにしてください。

ノード マネージャを起動するためのコマンド構文

WebLogic Server 8.1 では、ノード マネージャのプロパティをコマンドラインで入力するか、ノード マネージャを起動したディレクトリにインストールされる nodemanager.properties ファイルで定義できます。

コマンドラインで指定された値は、nodemanager.properties の値をオーバーライドします。

ノード マネージャを起動するための構文は次のとおりです。

java [java_property=value ...] -D[nodemanager_property=value]
-D[server_property=value] weblogic.NodeManager

注意 : WebLogic Server 8.1 では、weblogic.nodeManager.NodeManager に新しいラッパーが提供されます。その新しいラッパーは、weblogic.NodeManager です。

このコマンドラインで、java_propertyjava 実行可能ファイルの直接引数 (-ms-mx など) です。CLASSPATH 環境変数を設定しなかった場合、-classpath オプションを使用して必須のノード マネージャ クラスを指定します。

ノード マネージャは、双方向 SSL を使用して管理サーバおよび管理対象サーバと通信します。ノード マネージャを起動するときには、SSL 通信に関連したセキュリティ コンポーネントを識別する起動引数を指定する必要があります。ノード マネージャのすべてのコマンドライン引数については、「ノード マネージャ プロパティ」を参照してください。

注意 : Solaris または HP UX 以外の UNIX オペレーティング システム上でノード マネージャを実行する場合、java コマンドラインに渡すパラメータでスペースを使用することはできません。たとえば次のコマンドは、big iron にスペースが含まれているので無効です。

-Dweblogic.Name="big iron"

ノード マネージャの環境変数

ノード マネージャを起動する前に、いくつかの環境変数を設定しておく必要があります。ドメインの環境変数は、起動スクリプトまたはコマンドラインで設定できます。WebLogic Server に付属のサンプル起動スクリプト (Windows システムでは startNodeManager.cmd、UNIX システムでは startNodeManager.sh) は、次の表にある必須変数を設定します。

表 5-1 ノード マネージャの環境変数

環境変数

説明

JAVA_HOME

ノード マネージャに使用する JDK のルート ディレクトリ。次に例を示す。

set JAVA_HOME=c:\bea\jdk131

ノード マネージャには、WebLogic Server と同じ JDK のバージョンに関する必要条件がある。

WL_HOME

WebLogic Server のインストール ディレクトリ。次に例を示す。

set WL_HOME=c:\bea\weblogic700

PATH

WebLogic Server bin ディレクトリと Java 実行ファイルのパスを指定する必要がある。次に例を示す。

set PATH=%WL_HOME%\server\bin;%JAVA_HOME%\bin;%PATH%

LD_LIBRARY_
PATH

(UNIX のみ)

HP UX および Solaris システムの場合、ネイティブ ノード マネージャ ライブラリのパスを指定する必要がある。

Solaris の例 :

LD_LIBRARY_PATH:$WL_HOME/server/lib/solaris:$WL_HOME/server/lib/solaris/oci816_8

HP UX の例 :

SHLIB_PATH=$SHLIB_PATH:$WL_HOME/server/lib/hpux11:$WL_HOME/server/lib/hpux11/oci816_8

CLASSPATH

ノード マネージャ CLASSPATH は、ノード マネージャを起動するための java コマンドラインのオプションか、または環境変数として設定できる。

Windows NT の例 :

set CLASSPATH=.;%WL_HOME%\server\lib\weblogic_sp.jar;%WL_HOME%\server\lib\weblogic.jar

ノード マネージャ プロパティ

ノード マネージャ プロパティは、ノード マネージャ プロセスのさまざまなコンフィグレーション設定を定義します。ノード マネージャ プロパティは、コマンドラインで指定するか、nodemanager.properties ファイルで定義できます。nodemanager.properties ファイルは、WebLogic Server がインストールされた後、最初にノード マネージャを起動したディレクトリに作成されます。コマンドラインで指定された値は、nodemanager.properties の値をオーバーライドします。

表 5-2 に、ノード マネージャのプロパティについて示します。

表 5-2 ノード マネージャのプロパティ

ノード マネージャ プロパティ

説明

デフォルト値

CustomIdentityAlias

エイリアスは、プライベート キーをキーストアにロードするときに指定する。このプロパティは、Keystores プロパティが CustomIdentityandCustom
Trust
または CustomIdentityAndJava
StandardTrust
に設定されている場合に必須。

なし

CustomIdentityKey
StoreFileName

ID キーストア (ノード マネージャのプライベート キーを格納するキーストア) のファイル名を指定する。このプロパティは、Keystores プロパティが CustomIdentityand CustomTrust または CustomIdentity
AndJavaStandardTrust
に設定されている場合は必須。

なし

CustomIdentityKey
StorePassPhrase

ID キーストアの作成時に定義されたパスワードを指定する。このフィールドが必須か省略可能かは、キーストアのタイプによって異なる。すべてのキーストアで、キーストアに書き込むためにはパスワードが必須。ただし、一部のキーストアでは読み込みにパスワードを必要としない。WebLogic Server はキーストアから読み込むだけなので、このプロパティを定義するかどうかはキーストアの要件による。

なし

CustomIdentityKey
StoreType

ID キーストアのタイプを指定する。通常は JKS。このプロパティは省略可能。

java.
security
のデフォルト キーストア タイプ

CustomIdentityPrivate
KeyPassPhrase

ID キーストアから WebLogic Server のプライベート キーを取得するために使用するパスワードを指定する。このプロパティは、Keystores プロパティが CustomIdentityand CustomTrust または CustomIdentityAndJavaStandard
Trust
に設定されている場合は必須。

なし

CustomTrustKeyPass
Phrase

キー ファイル内の暗号化されたプライベート キーにアクセスするためのパスワード。

なし

CustomTrustKeyStore
FileName

信頼キーストア (ノード マネージャの信頼性のある CA 証明書を格納するキーストア) のファイル名を指定する。このプロパティは、Keystores プロパティが Custom
IdentityandCustomTrust
に設定されている場合は必須。

なし

CustomTrustKeyStore
PassPhrase

信頼キーストアの作成時に定義されたパスワードを指定する。このフィールドが必須か省略可能かは、キーストアのタイプによって異なる。すべてのキーストアで、キーストアに書き込むためにはパスワードが必須。ただし、一部のキーストアでは読み込みにパスワードを必要としない。WebLogic Server はキーストアから読み込むだけなので、このプロパティを定義するかどうかはキーストアの要件による。

なし

CustomTrustKeyStore
Type

信頼キーストアのタイプを指定する。通常は JKS。このプロパティは省略可能。

java.security のデフォルト キーストア タイプ

JavaHome

このマシン上の管理対象サーバを起動するためにノード マネージャで使用する Java ホーム ディレクトリ (管理対象サーバの [リモート スタート] タブで Java ホームがコンフィグレーションされていない場合)。どちらでも指定されていない場合、ノード マネージャはノード マネージャ プロセスで定義された Java ホームを使用する。

なし

JavaStandardTrustKey
StorePassPhrase

信頼キーストアの作成時に定義されたパスワードを指定する。このフィールドが必須か省略可能かは、キーストアのタイプによって異なる。すべてのキーストアで、キーストアに書き込むためにはパスワードが必須。ただし、一部のキーストアでは読み込みにパスワードを必要としない。WebLogic Server はキーストアから読み込むだけなので、このプロパティを定義するかどうかはキーストアの要件による。このプロパティは、Keystores プロパティが CustomIdentityandJavaStandard
Trust
または DemoIdentityAndDemoTrust に設定されている場合は必須。

なし

KeyStores

ID (プライベート キーとデジタル証明書) および信頼 (信頼性のある CA 証明書) を検索するためにノード マネージャで使用するキーストア コンフィグレーションを示す。指定できる値は次のとおり。

  • DemoIdentityAndDemoTrust

デフォルトでコンフィグレーションされる BEA_HOME\server\lib ディレクトリに配置されたデモ用の ID キーストアおよび信頼キーストアを使用する。デモ用の信頼キーストアは、Java 標準信頼キーストア (JAVA_HOME\jre\lib
\security\cacerts
) のすべての認証局を信頼する。

  • CustomIdentityAndJavaStandard
    Trust

独自に作成したキーストア、および JAVA_HOME\jre\lib\security
\cacerts
ディレクトリの cacerts ファイルで定義されている信頼性のある CA を使用する。

  • CustomIdentityAndCustomTrust

独自に作成した ID キーストアおよび信頼性のあるキーストアを使用する。

DemoIdentityAndDemoTrust

ListenAddress

ノード マネージャの動作するマシンが接続要求をリスンできるアドレス。この引数は、weblogic.nodemanager.listen
Address
の代わりに使用する。

null

この設定を使用すると、ノード マネージャはマシンの IP アドレスでリスンする。

weblogic.nodemanager.listenAddress (非推奨)

ノード マネージャが接続要求をリスンするアドレス。これは非推奨の引数なので、代わりにListenAddress を使用すること。

null

この設定を使用すると、ノード マネージャはマシンの IP アドレスでリスンする。

ListenPort

ノード マネージャが接続要求をリスンする TCP ポート番号。この引数は、weblogic.nodemanager.
listenPort
の代わりに使用する。

5555

weblogic.nodemanager.listenPort (非推奨)

ノード マネージャが接続要求をリスンする TCP ポート番号。これは非推奨の引数なので、代わりにListenPort を使用すること。

5555

NativeVersionEnabled

true に設定すると、オペレーティング システムのネイティブ ノード マネージャ ライブラリが使用される。

Windows、Solaris、HP UX、Linux on Intel、Linux on Z-Series、および AIX の各オペレーティング システムについてのみ、ネイティブ ノード マネージャ ライブラリが使用可能。その他のオペレーティング システムについては、非ネイティブ ノード マネージャ ライブラリのみが使用可能。

上記オペレーティング システム以外の UNIX システムでは、このプロパティを false に設定してノード マネージャを非ネイティブ モードで実行する。その場合ノード マネージャは、StartTemplate プロパティで指定された起動スクリプトを使用して管理対象サーバを起動する。

true

ReverseDnsEnabled

信頼性のあるホスト ファイルのエントリに (IP アドレスの代わりに) DNS 名を登録できるかどうかを指定する。

false

SavedLogsDirectory

ノード マネージャがログ ファイルを格納するディレクトリのパス。ノード マネージャは、savedLogsDirectoryNodeManagerLogs というサブディレクトリを作成する。

./NodeManagerLogs

ScavangerDelaySeconds

起動する管理対象サーバが接続してくることをノード マネージャが期待する期間。この期間に管理対象サーバが接続してこない場合、その管理対象サーバの状態は UNKNOWN と宣言され、タスクは失敗する。

管理対象サーバをモニタしている途中でいったん停止した後にノード マネージャが再起動した場合、ノード マネージャはこの期間、管理対象サーバが接続してくるのを待ち、接続してこなければその管理対象サーバを再起動する。ノード マネージャがサービスとして動作している場合は、マシンのクラッシュの後にこの機能が役立つ。

60 秒

StartTemplate

UNIX システムの場合は、管理対象サーバを起動するためのスクリプト ファイルのパス (WL_HOME を基準とした相対パス) を指定する。

たとえば、StartTemplate=mytemplate.sh と指定する場合、mytemplate.sh$WL_HOME ディレクトリになければならない。

注意 : NativeVersionEnabled プロパティが false に設定されている場合にのみ、ノード マネージャは指定された起動スクリプトを使用して管理対象サーバを起動する。

StartTemplate は、ネイティブ ノード マネージャ ライブラリがない Unix システムの場合にのみ使用される。

独自の起動テンプレート スクリプトを作成する場合は、例として nodemenager.sh を参照。

./nodemanager.sh

TrustedHosts

ノード マネージャが使用する信頼性のあるホスト ファイルのパス。ノード マネージャは、その中のホストで動作する管理サーバからの要求のみ受け付ける。このファイルを編集しても、ノード マネージャを再起動する必要はない。このファイルに localhost を含める必要はない。「ノード マネージャ ホスト ファイルの設定」を参照。

./nodemanager.hosts

WeblogicHome

WebLogic Server がインストールされるルート ディレクトリ。[リモート スタート] タブでルート ディレクトリがコンフィグレーションされていない管理対象サーバで -Dweblogic.RootDirectory のデフォルト値として使用する。どちらでも指定されていない場合、ノード マネージャはそれが動作するディレクトリで管理対象サーバを起動する。

なし

サーバ プロパティ

ノード マネージャは、管理対象サーバの起動時に次の表で定義されているサーバ プロパティを使用します。それらの値は、管理対象サーバの [リモート スタート] タブで定義できます。あるいは、ノード マネージャを起動するときにコマンドラインで指定することもできます。[リモート スタート] タブで指定された値は、コマンドラインで指定された値に優先します。

表 5-3 サーバ プロパティ

サーバ プロパティ

説明

デフォルト値

bea.home

このマシンの管理対象サーバが使用する BEA ホーム ディレクトリを指定する。

なし

java.security.policy

管理対象サーバが使用するセキュリティ ポリシー ファイルのパスを指定する。

なし

ノード マネージャの停止

ノード マネージャ プロセスを停止するには、それが動作しているコマンド シェルを閉じます。

管理対象サーバをモニタ中のノード マネージャ プロセスを停止する場合、そのノード マネージャ プロセスが停止しているときには管理対象サーバを停止しないでください。ノード マネージャは、それがダウンしているときには管理対象サーバで行われた停止に気付きません。ノード マネージャが再起動したときに、それがモニタしていた管理対象サーバが動作していないと、ノード マネージャは自動的にその管理対象サーバを再起動します。

 


ノード マネージャのトラブルシューティング

以下の節では、ノード マネージャの問題を診断および解決する方法について説明します。個々の管理対象サーバの起動または停止に関する問題を解決するには、ノード マネージャのログ ファイルを利用します。ノード マネージャのコンフィグレーションおよび起動に関する問題の解決には、「一般的な問題の修正」に示す手順を利用してください。

ノード マネージャのログ ファイル

ノード マネージャは、それ専用のログ ファイルを生成します。そのログ ファイルには、ノード マネージャの起動と状態のメッセージが格納されます。ノード マネージャのログ ファイルは、ノード マネージャを起動するディレクトリの NodeManagerLogs/NodeManagerInternal サブディレクトリに書き込まれます。デフォルトのノード マネージャは、WL_HOME/common/nodemanager で起動します。その場合、ノード マネージャのログ ファイルは WL_HOME/common/nodemanager/NodeManagerLogs/NodeManagerInternal に格納されます。

ログ ファイルには、nm_hostname_date-time.log という名前が付けられます。date-time は、ノード マネージャが起動した時間を示します。

ノード マネージャは起動するたびに新しいログ ファイルを作成するため、NodeManagerLogs サブディレクトリを定期的に削除して古いログ ファイルによって占有されているスペースを解放する必要があります。

管理対象サーバのログ ファイル

WebLogic Server インスタンスを起動するときには、起動またはエラーのメッセージが STDOUT または STDERROR、およびサーバ ログ ファイルに出力されます。ログ ファイルを参照するには、Administration Console の左ペインでサーバを右クリックして [サーバ ログの表示] オプションを選択するか、任意のサーバ タブ ページで [サーバ ログの表示] リンクを選択します。

ノード マネージャでサーバ インスタンスを起動すると、そのサーバ インスタンスの起動およびエラーのメッセージは NodeManagerLogs/domain_serverName ディレクトリのログ ファイルに書き込まれます。domain_serverName は、ドメイン名と管理対象サーバ名を示します。NodeManagerLogs は、ノード マネージャを起動したディレクトリのサブディレクトリです。デフォルトのノード マネージャは、WL_HOME/common/nodemanager で起動します。その場合、管理対象サーバのログ ファイルは WL_HOME/common/nodemanager/NodeManagerLogs/domain_serverName に格納されます。

NodeManagerLogs ディレクトリには、そのマシン上でノード マネージャ プロセスによって起動された管理対象サーバごとに 1 つのサブディレクトリが格納されます。

サーバ ディレクトリに格納されるログ ファイルは次のとおりです。

[サーバ|モニタ|リモート スタートの出力] タブでは、サーバの標準出力とエラー メッセージ、および特定の管理対象サーバに対するノード マネージャのログ メッセージを参照できます。

ノード マネージャ クライアントのログ

管理サーバが起動したディレクトリに作成される NodeManagerClientLogs ディレクトリには、管理サーバに存在するノード マネージャ クライアントで使用されるログ ファイルが格納されます。

NodeManagerClientLogs ディレクトリには、ノード マネージャを通じて起動が試行された管理対象サーバごとにサブディレクトリが存在します。それらのサブディレクトリの各ログは、サーバ プロセスの起動や強制停止といった処理の試行に対応します。ログ ファイルの名前には、アクションが試行された時刻を示すタイムスタンプが含まれます。

一般的な問題の修正

次の表に、一般的なノード マネージャの問題とその解決方法を示します。

表 5-4 ノード マネージャのトラブルシューティング

症状

説明

エラー メッセージ : Could not start server 'MyServer' via Node Manager - reason: 'Target machine configuration not found'.

管理対象サーバをマシンに割り当てていない。「ノード マネージャを使用するためのマシンのコンフィグレーション」の手順に従う。

エラー メッセージ : <SecureSocketListener: Could not setup context and create a secure socket on 172.17.13.26:7001>

ノード マネージャ プロセスが指定されたマシン上で実行されていない可能性がある。「ノード マネージャの起動と停止」を参照。

サーバの自動状態モニタ属性をコンフィグレーションしたが、ノード マネージャがサーバを自動的に再起動しない。

サーバを自動的に再起動するには、自動状態モニタ属性のほかにサーバの自動再起動属性をコンフィグレーションする必要がある。「管理対象サーバのモニタ、停止、および再起動のコンフィグレーション」および「ノード マネージャの起動と停止」を参照。

また、ノード マネージャを使用して管理対象サーバを起動する必要がある。ノード マネージャの外部で起動した管理対象サーバ (コマンドラインで直接起動したサーバなど) を自動的に再起動することはできない。

管理対象サーバ上のアプリケーションが参照用に間違ったディレクトリを使用している。

WebLogic Server にデプロイされるアプリケーションでは、現在の作業ディレクトリを決めてかからないようにする。ファイルのルックアップは、通常は、ServerMBean.getRootDirectory() メソッドで取得したルート ディレクトリを基準に行う (デフォルトは「.」ディレクトリ)。たとえば、ファイルのルックアップを実行するには、次のようなコードを使用する。

String rootDir = ServerMBean.getRootDirectory();
 //アプリケーションのルート ディレクトリ
File f = new File(rootDir + File.separator +
"foo.in");

次のようなシンプルなコードは使用しない。

File f = new File("foo.in");

ノード マネージャを使用して起動されるサーバにアプリケーションがデプロイされる場合は、代わりに次のメソッド呼び出しを使用する。

String rootDir //アプリケーションのルート ディレクトリ
if ((rootDir = ServerMBean.getRootDirectory()) ==
 null) rootDir =
 ServerStartMBean.getRootDirectory();
File f = new File(rootDir + File.separator +
 "foo.in");

ServerStartMBean.getRootDirectory() メソッドは、ノード マネージャを使用して起動するようにサーバをコンフィグレーションする際に指定した Root Directory 値を取得する。これは、Administration Console の [コンフィグレーション|リモートスタート] ページで指定された Root Directory 属性に対応する。

ノード マネージャと管理対象サーバの状態

ノード マネージャでは、サーバの再起動時に使用するために、管理対象サーバについて独自の内部的な状態が定義されています。ノード マネージャが管理対象サーバを再起動するようにコンフィグレーションされている場合は、再起動の過程で Administration Console に以下の状態が示されます。

 

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