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WebLogic Server のコンフィグレーションと管理

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WebLogic Server インスタンスの Windows サービスとしての設定

Windows ホスト コンピュータの起動時に WebLogic Server インスタンスを自動的に起動する場合は、サーバを Windows サービスとして設定します。

Windows サービスとして設定した各サーバ インスタンスに対して、Windows レジストリの HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services にキーが作成されます。レジストリ エントリには、サーバの名前などの起動引数の情報が格納されます。

Windows ホストを起動すると、Windows オペレーティング システムの一部である Windows サービス コントロール マネージャ (SCM) は、Windows レジストリ キーの情報を使用して、weblogic.Server メイン クラスを呼び出します。Windows SCM は、管理サーバの起動にノード マネージャを使用するようにはコンフィグレーションできません。したがって、Windows サービスとして実行されるサーバでは、ノード マネージャのモニタ機能および自動再起動機能を使用できません。

以下のタスクにより、Windows サービスとして実行される WebLogic Server インスタンスを設定および管理できます。

 


Windows サービスの設定 : 主な手順

Windows サービスを設定するには、次の手順に従います。

  1. 以下のいずれかを実行します。
  2. 管理対象サーバを Windows サービスとしてインストールする場合は、ドメインの管理サーバの場所を指定する変数をサーバ固有のスクリプトに追加する必要があります。詳細については、「管理サーバへの接続のコンフィグレーション」を参照してください。
  3. 同じコンピュータ上で管理サーバと管理対象サーバの両方を Windows サービスとして実行するように設定する場合、管理サーバの起動サイクル完了後にのみ管理対象サーバが起動するように WebLogic Server マスター スクリプトを修正することができます。詳細については、「管理サーバより後に管理対象サーバを起動する要求」を参照してください。
  4. Windows コントロール パネルを使用して Windows サービスを停止する際に、サーバ インスタンスを正常に停止するには、Java クラスを作成して、Windows SCM がそのクラスを呼び出すようにマスター スクリプトを修正します。詳細については、「Windows コントロール パネルからの正常な停止の有効化」を参照してください。
  5. サーバ インスタンスが標準出力および標準エラーに出力するメッセージ (スタック トレースとスレッド ダンプを含む) を参照するには、標準出力および標準エラーをファイルにリダイレクトします。詳細については、「標準出力および標準エラーのファイルへのリダイレクト」を参照してください。
  6. WebLogic Server インスタンスで呼び出す Java クラスを他にも作成した場合は、これらをサーバのクラスパスに追加します。詳細については、「クラスのクラスパスへの追加」を参照してください。
  7. サーバ固有のスクリプトを実行します。詳細については、「サーバ固有のスクリプトの実行」を参照してください。

サーバ固有のスクリプトの作成

コンフィグレーション ウィザードでドメインのサーバ固有のスクリプトが既に作成されていない場合は、自分で作成する必要があります。作成するスクリプトでは、サーバ インスタンス名などサーバ固有の情報を識別する変数値を設定します。そして、そのスクリプトではマスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd を呼び出す必要があります (WL_HOME は WebLogic Server をインストールしたディレクトリ)。マスター スクリプトは beasvc ユーティリティを呼び出します。これにより、Windows レジストリにキーが追加されます。

注意 : beasvc の詳細を参照するには、コマンド プロンプトでコマンド WL_HOME\server\bin\beasvc -help を入力します。WL_HOME は、WebLogic Server のインストール先ディレクトリです。

サーバ固有のスクリプトの例は、コード リスト 6-1 を参照してください。

サーバ固有のスクリプトを作成するには、次の手順に従います。

  1. ドメインの管理サーバのルート ディレクトリ (ドメインの config.xml ファイルが格納されているディレクトリ) に、テキスト ファイルを作成します。
  2. 以下の必須 batch コマンドをテキスト ファイルに追加します。コマンドはそれぞれ別の行に記述します。
  3. 以下の省略可能batch コマンドをテキスト ファイルに追加します。各コマンドは別々の行に入れます。

注意 : JVM のヒープ サイズをデフォルト以外の値にするには、WL_HOME\common\bin\commEnv.cmdMEM_ARGS 値で指定します。ただし、この変更は同じ WL_HOME 以下にあるすべてのドメインに影響します。

  1. 以下の必須コマンドを、スクリプトの最後に追加します。
  2. テキスト ファイルの拡張子を .cmd にして保存します。デフォルトでは、Windows のコマンド プロンプトで拡張子 .cmdbatch ファイルが関連付けされています。

管理サーバへの接続のコンフィグレーション

管理対象サーバを Windows サービスとしてインストールする場合は、ドメインの管理サーバの場所を指定する変数を含める必要があります。管理対象サーバは、管理サーバに接続してコンフィグレーション データを取得する必要があります。

管理サーバへの接続をコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. テキスト エディタで、サーバ固有のスクリプトを開きます。
  2. コンフィグレーション ウィザードで作成したスクリプトを修正する場合は、domain-name\installService.cmd (domain-name は作成したドメインの名前) のコピーを作成し、そのコピーを開くことをお勧めします。

  3. テキスト ファイルで、SETLOCAL コマンドと call コマンドの間に、以下のコマンドを作成します。
  4. set ADMIN_URL=protocol://listen-address:listen-port

    各要素の説明は次のとおりです。

    詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「管理サーバへの接続のコンフィグレーション」を参照してください。

    例については、コード リスト 6-1 の太字部分を参照してください。

  5. サーバ固有のスクリプトへの変更を保存します。

コード リスト 6-1サーバを Windows サービスとして設定するためのスクリプト例

echo off
SETLOCAL
set DOMAIN_NAME=myWLSdomain 
set USERDOMAIN_HOME=d:\bea\user_projects\domains\myWLSdomain
set SERVER_NAME=myWLSserver
set PRODUCTION_MODE=true
set
JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.Stdout="d:\bea\user_projects\domains\myWLSdomain\
stdout.txt" -Dweblogic.Stderr="d:\bea\user_projects\domains\myWLSdomain\
stderr.txt"
set ADMIN_URL=http://adminserver:7501 
set MEM_ARGS=-Xms40m -Xmx250m
call "d:\bea\weblogic81\server\bin\installSvc.cmd"
ENDLOCAL

管理サーバより後に管理対象サーバを起動する要求

同じコンピュータ上で管理サーバと管理対象サーバの両方を Windows サービスとして実行するように設定する場合、管理サーバが起動した後にだけ管理対象サーバが起動するように指定することができます。

管理対象サーバが管理サーバの Windows サービスより後に起動するように要求するには、次の手順に従います。

  1. マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd のバックアップ コピーを作成します。
  2. 管理サーバがすでに Windows サービスとしてインストールされている場合は、そのサービスを削除します。詳細については、「Windows サービスとしてのサーバの削除」を参照してください。
  3. 管理サーバを Windows サービスとしてインストール (または再インストール) する前に、次の作業を行います。
    1. テキスト エディタで、マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd を開きます。
    2. このスクリプトの最後のコマンドにより beasvc が呼び出されます。これは、Windows レジストリを変更する WebLogic Server ユーティリティです。

    3. installSvc.cmd で、beasvc ユーティリティを呼び出すコマンドに次の引数を追加します。
    4. -delay:delay_milliseconds

    この引数は、Windows SCM が SERVER_START_PENDING から STARTED にサービスのステータスを変更するまでのミリ秒数を指定します。

    たとえば、管理サーバがその起動サイクルを完了して要求のリスンを開始するために 2 分かかる場合は、-delay=120000 のように指定します。Windows ホスト コンピュータを起動すると、Windows SCM は 2 分間 SERVER_START_PENDING のステータスを報告します。その後に、ステータスは STARTED に変わります。

    管理サーバの修正された beasvc 呼び出しは、次のようになります。

    "%WL_HOME%\server\bin\beasvc" -install
    -svcname:"%DOMAIN_NAME%_%SERVER_NAME%"
    -delay:120000
    -javahome:"%JAVA_HOME%" -execdir:"%USERDOMAIN_HOME%"
    -extrapath:"%WL_HOME%\server\bin" -password:"%WLS_PW%"
    -cmdline:%CMDLINE%

    beasvc の詳細を参照するには、コマンド プロンプトでコマンド WL_HOME\server\bin\beasvc -help を入力します。WL_HOME は、WebLogic Server のインストール先ディレクトリです。

  4. 管理サーバ Windows サービスをインストールします。
  5. 管理対象サーバを Windows サービスとしてインストールする前に、次の操作を行います。
    1. テキスト エディタで、マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd を開きます。
    2. installSvc.cmd で、beasvc ユーティリティを呼び出すコマンドに次の引数を追加します。
    3. -depend:Administration-Server-service-name

      Administration-Server-service-name は、管理サーバ Windows サービスの名前です。サービス名を確認するには、Windows サービスのコントロール パネルを参照します。

    このオプションを使用すると、Windows SCM は管理サーバ Windows サービスから STARTED が報告されるのを待ってから管理対象サーバ Windows サービスを起動します。

    たとえば、管理対象サーバの修正後の beasvc の呼び出しは次のようになります。

    "%WL_HOME%\server\bin\beasvc" -install
    -svcname:"%DOMAIN_NAME%_%SERVER_NAME%"
    -depend:"myDomain_myAdminServer"
    -javahome:"%JAVA_HOME%" -execdir:"%USERDOMAIN_HOME%"
    -extrapath:"%WL_HOME%\server\bin" -password:"%WLS_PW%"
    -cmdline:%CMDLINE%

    Windows SCM が STARTED を報告するタイミングをコンフィグレーションする必要がある場合は、-delay:delay_milliseconds オプションを管理対象サーバ Windows サービスに追加することもできます。

Windows コントロール パネルからの正常な停止の有効化

デフォルトでは、Windows コントロール パネルを使用してサーバ インスタンスを停止すると、Windows サービス コントロール マネージャ (SCM) がサーバの Java 仮想マシン (JVM) を強制停止します。JVM を強制停止すると、サーバは直ちにすべての処理を終了します。セッション データはすべて失われます。サーバが config.xml ファイルへの書き込みを行っている間に管理サーバの JVM を強制停止すると、config.xml ファイルが破損する可能性があります。

Windows コントロール パネルからの正常な停止を有効化するには、次の手順に従います。

  1. weblogic.management.runtime.ServerRuntime.shutdown() メソッドを呼び出す Java クラスを作成します。
  2. このメソッドにより、サーバは処理中の全作業を完了後に正常に停止されます。そのようなクラスの例については、「サーバ インスタンスを停止する Java クラス」を参照してください。

  3. マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd のバックアップ コピーを作成します。
  4. テキスト エディタでマスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd を開いて、以下の作業を行います。
    1. 作成したクラスを set CLASSPATH 文に追加します。
    2. たとえば、c:\myJar というファイルにクラスをアーカイブした場合、修正文は次のようになります。
      set
      CLASSPATH=%JAVA_HOME%\lib\tools.jar;%WL_HOME%\server\lib\weblogic_sp
      .jar;%WL_HOME%\server\lib\weblogic.jar;
      c:\myJar;%CLASSPATH%

    3. スクリプトの最後の行に beasvc ユーティリティを呼び出す次の引数を追加します。
      -stopclass:javaclass
      javaclass は、作成したクラスの完全なクラスパス名です。この引数により javaclass がロードされ、その後 public void static stop() メソッドが呼び出されます。
    4. たとえば、コード リスト 6-2 のクラスを com.myClasses にパッケージ化した場合、修正された beasvc コマンドは次のようになります。
      修正された beasvc の呼び出しは次のようになります。

      "%WL_HOME%\server\bin\beasvc" -install
      -svcname:"%DOMAIN_NAME%_%SERVER_NAME%"
      -stopclass:com.myClasses.ServerStopper
      -javahome:"%JAVA_HOME%" -execdir:"%USERDOMAIN_HOME%"
      -extrapath:"%WL_HOME%\server\bin" -password:"%WLS_PW%"
      -cmdline:%CMDLINE%

      beasvc の詳細を参照するには、コマンド プロンプトでコマンド WL_HOME\server\bin\beasvc -help を入力します。WL_HOME は、WebLogic Server のインストール先ディレクトリです。

  5. Administration Console の [制御起動/停止] タブで、管理対象サーバの正常な停止動作をコンフィグレーションします。
  6. 正常な停止操作ですべての HTTP セッションが直ちに中止されるのかどうかを指定でき、強制停止が実行されるまでに正常な停止操作が待機する時間をコンフィグレーションできます。詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「正常な停止の制御」を参照してください。

  7. Windows SCM で指定されているデフォルトのタイムアウト値の修正を検討します。
  8. デフォルトでは、Windows 2000 のコントロール パネルを使用して Windows サービスを停止する場合、Windows SCM はサービスの停止を 30 秒間待機してからサービスを強制終了し、システムのイベント ログにタイムアウト メッセージを出力します。

    -stopclass を使用してサーバを正常に停止する場合は、サーバが処理を正常に終了するまでにかかる時間は 30 秒を超える可能性があります。

    Windows 2000 でタイムアウト期間をコンフィグレーションするには、レジストリ キー
    HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control に、ServicesPipeTimeout という名前の REG_DWORD レジストリ値を作成します。

    キー値の単位はミリ秒とします。

    この値は、Windows オペレーティング システムの起動中にレジストリから読み込まれ、インストールされているすべてのサービスに影響を及ぼします。

  9. WebLogic Server のマスター スクリプトへの変更を保存します。

サーバ インスタンスを停止する Java クラス

以下の Java クラスは、サーバ インスタンスの停止に Java Management Extensions (JMX) を使用します。 各サーバは、JMX Managed Bean (MBean) を使用して、管理の属性および操作を公開します。そのような MBean の 1 つである ServerRuntime では、サーバを正常に停止する shutdown() メソッドが公開されています。

コード リスト 6-2 のクラスでは、管理 MBeanHome インタフェースを使用します。このインタフェースは、ドメイン内のすべてのサーバ インスタンスの ServerRuntime MBean 操作を取得し、呼び出すことができます。

JMX プログラミングの詳細については、『WebLogic JMX Service プログラマーズ ガイド』を参照してください。ServerRuntime MBean の詳細については、WebLogic Server の Javadoc を参照してください。

コード リスト 6-2サーバ インスタンスを停止する Java クラス

import java.util.Set;
import java.util.Iterator;
import java.rmi.RemoteException;
import javax.naming.Context;
import javax.management.ObjectName;
import weblogic.jndi.Environment;
import weblogic.management.MBeanHome;
import weblogic.management.WebLogicMBean;
import weblogic.management.configuration.ServerMBean;
import weblogic.management.runtime.ServerRuntimeMBean;
import weblogic.management.runtime.ServerStates;
import weblogic.management.WebLogicObjectName;
public class ServerStopper {
public static void stop() throws Exception {
MBeanHome home = null;
    //管理サーバの url
String url = "t3://qa113:7001";
String username = "system";
String password = "gumby1234";
ServerRuntimeMBean serverRuntime = null;
Set mbeanSet = null;
Iterator mbeanIterator = null;
    try {
// ContextClassloader を設定してアサーションを防止
URL[] urls = { new File("/").toURL() };
Thread.currentThread().setContextClassLoader(new
URLClassLoader(urls));
      Environment env = new Environment();
env.setProviderUrl(url);
env.setSecurityPrincipal(username);
env.setSecurityCredentials(password);
Context ctx = env.getInitialContext();
home = (MBeanHome)
ctx.lookup("weblogic.management.adminhome");
mbeanSet = home.getMBeansByType("ServerRuntime");
mbeanIterator = mbeanSet.iterator();
      while(mbeanIterator.hasNext()) {
serverRuntime = (ServerRuntimeMBean)mbeanIterator.next();
        if(serverRuntime.getState().equals(ServerStates.RUNNING)){
            serverRuntime.shutdown();
}
}
    } catch (Exception e) {
e.printStackTrace();
}
}
}

標準出力および標準エラーのファイルへのリダイレクト

デフォルトでは、WebLogic Server インスタンスを Windows サービスとしてインストールした場合、サーバまたはその JVM が標準出力および標準エラーに出力するメッセージは見ることができません。

メッセージを表示するには、標準出力および標準エラーをファイルにリダイレクトする必要があります。

  1. マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd のバックアップ コピーを作成します。
  2. テキスト エディタで、マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd を開きます。
  3. installSvc.cmd で、スクリプトの最後のコマンドが beasvc ユーティリティを呼び出します。beasvc コマンドの最後で、次のコマンド オプションを追加します。
  4. -log:"pathname "
    pathname は、サーバの標準出力および標準エラー メッセージを格納するファイルの絶対パスとファイル名です。

    修正後の beasvc コマンドは次のようになります。

    "%WL_HOME%\server\bin\beasvc" -install
    -svcname:"%DOMAIN_NAME%_%SERVER_NAME%"
    -javahome:"%JAVA_HOME%" -execdir:"%USERDOMAIN_HOME%"
    -extrapath:"%WL_HOME%\server\bin" -password:"%WLS_PW%"
    -cmdline:%CMDLINE%
    -log:"d:\bea\user_projects\domains\myWLSdomain\myWLSserver-stdout.txt"

  5. デフォルトでは、24 時間おきに、Windows サービスはメッセージを pathname-yyyy_mm_dd-hh_mm_ss という名前形式のファイルにアーカイブします。新しいメッセージは、前の手順で指定したファイルに集められます。
  6. デフォルト動作の変更については、「デフォルト ローテーション基準の変更」を参照してください。

サービスをインストールして Windows ホストを再起動した後、サーバが標準出力または標準エラーに書き込むメッセージを参照するには、以下のいずれかを行います。

デフォルト ローテーション基準の変更

デフォルトでは、24 時間おきに、Windows サービスはメッセージを pathname-yyyy_mm_dd-hh_mm_ss という名前形式のファイルにアーカイブします。新しいメッセージは、サービスを設定するときに指定したファイルに集められます。

時間間隔を変更するか、あるいは時間間隔の代わりにメッセージ ファイルのサイズに基づいてローテーションが起こるように設定することもできます。

Windows サービスがメッセージ ファイルをローテーションするデフォルトの基準を変更するには、次の手順を行います。

  1. Windows サービスが実行中の場合は、それを停止します。
  2. -log: pathname 引数で指定したファイルを編集します。ファイルがない場合は作成します。
  3. たとえば、前節の手順 3 のサンプル コマンドを発行した場合は、d:\bea\wlserver6.1\config\mydomain\myserver-stdout.txt というファイルを作成します。

  4. 以下のいずれかを実行します。

WebLogic Server インスタンスがスレッド ダンプを標準出力に出力するようにするには、以下のいずれかを行います。

例 :
D:\bea\weblogic81\server\bin\beasvc -dump -svcname:mydomain_myserver

クラスのクラスパスへの追加

クラスパスとは、JVM が呼び出せる Java クラスの場所の宣言です。WebLogic Server のマスター スクリプトを使用してサーバ インスタンスを Windows サービスとしてインストールする場合、マスター スクリプトでは、サーバ インスタンスの実行に必要なすべてのクラスが指定されます。独自の Java クラスを追加して WebLogic Server を拡張する場合は、それらをクラスパスに追加する必要があります。

クラスパスにクラスを追加するには、次の手順に従います。

  1. マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd のバックアップ コピーを作成します。
  2. テキスト エディタで、マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd を開きます。
  3. set CLASSPATH 文にクラスを追加します。
  4. たとえば、c:\myJar というファイルにクラスをアーカイブした場合、修正文は次のようになります。
    set
    CLASSPATH=%JAVA_HOME%\lib\tools.jar;%WL_HOME%\server\lib\weblogic_sp.
    jar;%WL_HOME%\server\lib\weblogic.jar;
    c:\myJar;%CLASSPATH%

    注意 : Win32 システムには、コマンドラインの長さについて 2K の制限があります。Windows サービス起動のためのクラスパス設定が非常に長い場合は、2K の制限を超えることがあります。

    この制限に対処するには、次の操作を行う必要があります。

    1. set CLASSPATH コマンドの値を別個のテキスト ファイルに記述します。
    2. マスター スクリプト WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd で、set CMDLINE コマンドを見つけます。
    3. set CMDLINE コマンドの -classpath \"%CLASSPATH%\" オプションを以下のオプションと置き換えます。
    4. -classpath @pathname\filename
      pathname\filename は、クラスパス値が含まれるファイルの絶対パスと名前です。

      次に例を示します。

      set CMDLINE="%JAVA_VM% %MEM_ARGS% %JAVA_OPTIONS%
      -classpath @c:\myClasspath.txt -Dweblogic.Name=%SERVER_NAME% -Dbea.home=\"D:\bea_70sp2\" -Dweblogic.management.username=%WLS_USER% -Dweblogic.management.server=\"%ADMIN_URL%\" -Dweblogic.ProductionModeEnabled=%STARTMODE% -Djava.security.policy=\"%WL_HOME%\server\lib\weblogic.policy\" weblogic.Server"

  5. WebLogic Server のマスター スクリプトへの変更を保存します。

サーバ固有のスクリプトの実行

注意 : サーバ固有のスクリプトを実行するには、Windows レジストリを修正する権限のあるユーザ アカウントで Windows コンピュータにログインする必要があります。

プロダクション環境で Windows サービスをインストールする場合は、管理者レベルの特権を持つオペレーティング システム ユーザ アカウントでサービスを実行しないことをお勧めします。詳細については、「サービスが実行されるユーザ アカウントの検証」を参照してください。

サーバ固有のスクリプトを実行するには、次の手順を行います。

  1. コマンド プロンプトを開いて、管理サーバのルート ディレクトリに移動します。これは、サーバ固有のスクリプトが格納されているディレクトリです。
  2. サーバ固有のスクリプトの名前を入力します。
  3. コマンド プロンプトは、スクリプトを batch ファイルとして実行します。

    スクリプトが正常に実行されると、
    DOMAIN_NAME_SERVER_NAME という名前の Windows サービスが作成され、以下のような行が標準出力に出力されます。
    mydomain_myserver installed.

    デフォルトでは標準出力は、サーバ固有の batch ファイルを実行するコマンド プロンプトです。

  4. WL_HOME\server\bin\installSvc.cmd マスター スクリプトを変更した場合は、他のサーバ インスタンスの設定にスクリプトを使用できるように、変更箇所を元に戻しておくことを検討してください。

設定の確認

WebLogic Server が Windows サービスとして正常に設定されていることを確認するには、次の手順に従います。

  1. コマンド ウィンドウを開き、次のコマンドを入力します。
    set PATH=WL_HOME\server\bin;%PATH%
  2. ドメイン ディレクトリのすぐ上のディレクトリに移動します。たとえば、BEA_HOME\user_domains\mydomain に設定されていることを確認するには、BEA_HOME\user_domains に移動します。
  3. 次のように入力します。
    beasvc -debug "yourServiceName"
  4. たとえば、beasvc -debug "mydomain_myserver" です。

正常に設定されている場合は、beasvc -debug コマンドによってサーバが起動されます。 スクリプトが以下のようなエラーを返す場合は、正しいサービス名を指定したかどうか確認してください。
Unable to open Registry Key .......System\CurrentControlSet\Services\beasvc example_examplesServer\Parameters

サービスが実行されるユーザ アカウントの検証

プロダクション環境では、WebLogic Server Windows サービスはアクセス権を制限した特殊なオペレーティング システム ユーザ アカウントで実行します。たとえば、その OS ユーザは BEA ファイルとドメイン ファイルのみに対するアクセス権を持ちます。これは、それらのファイルにアクセスできる唯一のユーザ カウントでなければなりません。

特殊な OS ユーザ アカウントで WebLogic Server インスタンスが実行されるようにするには、次の手順を行います。

  1. コントロール パネルの [サービス] を開きます。
  2. Windows 2000 の場合 :

    1. [スタート] メニューを選択します。
    2. [スタート] メニューの [設定コントロール パネル] を選択します。
    3. [コントロール パネル] ウィンドウで、[管理ツール] フォルダを開きます。
    4. [管理ツール] ウィンドウで、[サービス] を開きます。
  3. コントロール パネルの [サービス] で WebLogic Server Windows サービスを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。
  4. [プロパティ] ウィンドウで、[ログオン] タブをクリックします。
  5. [ログオン] の下で [アカウント] を選択します。特殊な OS ユーザ アカウントのユーザ名とパスワードを入力します。
  6. [OK] をクリックします。

注意 : ネットワーク ドライブにアクセスする際に、Windows サービスはそのネットワーク ドライブを共有していた Windows サービスと同じユーザ名で動作している必要があります。

コントロール パネルを使用したサーバ インスタンスの停止と再起動

Windows サービスとして実行されるようサーバ インスタンスを設定したら、コントロール パネルの [サービス] を使用して、サーバを停止および再起動できます。

デフォルトでは、Windows コントロール パネルを使用してサーバ インスタンスを停止すると、Windows サービス コントロール マネージャ (SCM) がサーバの Java 仮想マシン (JVM) を強制停止します。JVM を強制停止すると、サーバは直ちにすべての処理を終了します。セッション データはすべて失われます。サーバが config.xml ファイルへの書き込みを行っている間に管理サーバの JVM を強制停止すると、config.xml ファイルが破損する可能性があります。Windows のコントロール パネルによって正常な停止を可能にするための詳細については、「Windows コントロール パネルからの正常な停止の有効化」を参照してください。

Windows サービスとしてインストールされている WebLogic Server インスタンスを停止または再起動するには、次の手順に従います。

  1. [スタート設定コントロール パネル] を選択します。
  2. Windows 2000 で、コントロール パネルの [管理ツール] を開きます。次に、コントロール パネルの [サービス] を開きます。
  3. Windows NT では、[コントロール パネル] から直接、[サービス] を選択して開きます。

  4. [サービス] ダイアログ ボックスで、作成したサービスを見つけます。デフォルトでは、サービス名は「beasvc」で始まります。
  5. サービス名を右クリックして、ショートカット メニューからコマンドを選択します。

Windows サービスとしてのサーバの削除

WebLogic Server インスタンスを実行する Windows サービスを削除するには、beasvc ユーティリティが Windows レジストリから関連のキーを削除するように指定したスクリプトを使用できます。Windows サービスを削除しても、ドメインのコンフィグレーション ファイルに保存されているサーバ インスタンスのコンフィグレーションには影響はありません。Windows サービスを削除した後は、WebLogic Server インスタンスを起動スクリプトで、または管理対象サーバの場合はノード マネージャで起動できます。

コンフィグレーション ウィザードでドメインのスクリプトが既に作成されていない場合は、自分で作成する必要があります。このスクリプトでは、サーバ インスタンス名などサーバ固有の情報を識別する変数値を設定します。そして、そのスクリプトではマスター アンインストール スクリプト WL_HOME\server\bin\uninstallSvc.cmd を呼び出します (WL_HOME は WebLogic Server をインストールしたディレクトリ)。マスター スクリプトは beasvc ユーティリティを呼び出します。これにより、Windows レジストリからキーが削除されます。

サーバ固有のアンインストーラ スクリプトの例は、コード リスト 6-3 を参照してください。

WebLogic Server インスタンスを実行する Windows サービスを削除するスクリプトを作成するには、次の手順に従います。

  1. ドメインの管理サーバのルート ディレクトリ (ドメインの config.xml ファイルが格納されているディレクトリ) に、テキスト ファイルを作成します。
  2. 以下の必須 batch コマンドをテキスト ファイルに追加します。コマンドはそれぞれ別の行に記述します。
  3. テキスト ファイルの拡張子を .cmd にして保存します。デフォルトでは、Windows のコマンド プロンプトで拡張子 .cmdbatch ファイルが関連付けされています。
  4. サーバ固有のスクリプトの名前を入力します。
  5. コマンド プロンプトは、スクリプトを batch ファイルとして実行します。

削除スクリプトは正常に実行されると、標準出力に以下のような行を出力します。
mydomain_myserver removed.

デフォルトでは、標準出力は、batch ファイルを実行するコマンド プロンプトです。

コード リスト 6-3Windows サービスを削除するスクリプト

echo off
SETLOCAL
set DOMAIN_NAME=myWLSdomain 
set SERVER_NAME=myWLSserver
call "D:\bea\weblogic81\server\bin\uninstallSvc.cmd"
ENDLOCAL

Windows サービスとしてのサーバ設定に対する起動資格の変更

WebLogic Server インスタンスが別のユーザ資格に基づいて実行されるように Windows サービスを変更するには、以下の処理のいずれかを実行します。

  1. WebLogic Server インスタンスを実行する Windows サービスをアンインストールします。詳細については、「Windows サービスとしてのサーバの削除」を参照してください。
  2. テキスト エディタで、サービスのインストールに使用したスクリプトを開き、set WLS_USER コマンドや set WLS_PW コマンドのための値として新しいユーザ名やパスワードを入力します。この値は Windows レジストリでは暗号化されます。
  3. スクリプトへの変更を保存します。
  4. サーバ固有のスクリプトの名前を入力します。
  5. コマンド プロンプトは、スクリプトを batch ファイルとして実行します。

    スクリプトが正常に実行されると、
    DOMAIN_NAME_SERVER_NAME という名前の Windows サービスが作成され、以下のような行が標準出力に出力されます。
    mydomain_myserver installed.

    デフォルトでは標準出力は、サーバ固有の batch ファイルを実行するコマンド プロンプトです。

  6. (省略可能) スクリプト ファイルからユーザ名とパスワードを削除します。

 

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