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このチュートリアルでは、MedRec ソース ファイルとコンパイル済みクラスを保持するメイン プロジェクト ディレクトリを作成する方法を説明します。また、高レベルなディレクトリ構造および MedRec アプリケーション スイートのコンポーネントについても説明します。
後続のチュートリアルで、エンタープライズ アプリケーションとそのサブコンポーネント (Web アプリケーション、EJB、Web サービス) をビルドおよびデプロイしやすくする開発ディレクトリ構造と WebLogic Server の Ant タスクについてより詳しく説明しています。
WebLogic Server によるアプリケーションのビルド方法としては、Apache Ant が最適です。Ant は、Java ベースのビルド ツールです。Ant の利点の 1 つは、これがシェルベースのコマンドではなく、Java クラスで拡張されていることです。WebLogic Server 分割開発ディレクトリ環境を使用してアプリケーションをコンパイル、ビルド、デプロイ、パッケージ化するためのさまざまな Ant 拡張クラスを利用できます。
このチュートリアルを始める前に、以下のことを行ってください。
MedRec アプリケーション スイートのソース ディレクトリ構造を作成するには、次の手順に従います。
まず、MedRec エンタープライズ アプリケーションおよびクライアント プログラムのソース ファイルと出力ファイルを格納する最上位プロジェクト ディレクトリを作成します。このディレクトリは medrec_tutorial
という名前にします。
prompt> mkdir c:\medrec_tutorial
BEA では、MedRec アプリケーションのソース コード全体を含む .zip
ファイルを提供しています。ソース コード ファイルはこのチュートリアルで使用されます。この .zip
ファイルには、MedRec アプリケーションの一部のコンパイル済みクラスを格納した build ディレクトリと、このチュートリアルの手順に対応する XML ファイルも含まれています。
プロジェクト ディレクトリに、必要なファイルとディレクトリを格納するには、次の手順に従います。
c:\medrec_tutorial
ディレクトリに格納します。prompt> c:\bea\user_projects\domains\MedRecDomain\bin\setDomainEnv.cmd
.zip
ファイルを復元します。prompt> cd c:\medrec_tutorial
prompt> jar xvf medrec_tutorial.zip
次のファイルおよびサブディレクトリが作成されていることを確認してください。
prompt> dir
Directory of C:\medrec_tutorial
07/24/2006 02:42 PM <DIR> .
07/24/2006 02:42 PM <DIR> ..
07/24/2006 02:42 PM <DIR> build
07/24/2006 02:42 PM <DIR> dist
07/24/2006 02:42 PM 493 install.properties
07/24/2006 02:42 PM <DIR> lib
07/24/2006 02:42 PM 6,821,985 medrec_tutorial.zip
07/24/2006 02:42 PM <DIR> META-INF
07/24/2006 02:42 PM <DIR> src
07/24/2006 02:42 PM 996 substitute.xml
\build
ディレクトリには、さまざまな MedRec ビルド スクリプトで生成されたクラスが格納されます。編集可能なソース ファイルやデプロイメント記述子は格納されません。これらは \src
にあります。\build
内の各サブディレクトリは MedRec クライアント (\clients
)、または MedRec アプリケーション (\medrecEar
、\physicianEar
、\initEar
、および \startBrowserEar
アプリケーション) のコンパイル済みクラスを表します。
\build
ディレクトリの内容を見ると、MedRec アプリケーションを構成する多くのクラスがすでにビルドされていることがわかります。特に、すべての medrecEar
および startBrowserEar
アプリケーションと、physicianEar
アプリケーションの Web サービスは、あらかじめコンパイルされています。physicianEar
アプリケーションでまだコンパイルされていないのは、このチュートリアルで操作する部分 (EJB と Web アプリケーション) です。このように、利便性のためにあらかじめコンパイルされているので、自分でビルドしなくても、MedRec アプリケーションのさまざまなディレクトリやコンパイル クラスをすぐに参照できます。後続のチュートリアルでは、通常の開発プロセスの一部として、wlcompile
や jwsc
などの WebLogic Ant タスクを使用して、MedRec アプリケーションの一部および全部を再コンパイルする方法を示します。
\src
ディレクトリには、すべての MedRec アプリケーションの完全なソースが含まれます。後続のほとんどのチュートリアルでこのディレクトリを扱います。「手順 4 : ソース ディレクトリの内容を確認する」では、\src
のサブディレクトリについて説明します。
\build
および \src
の両方で、1 つの分割開発ディレクトリです。weblogic.Deployer
または「チュートリアル 9 : 開発環境の MedRec のデプロイ」で説明する wldeploy
Ant タスクを使用して、MedRec の各アプリケーションを開発用サーバの \build
のサブディレクトリ (\build\medrecEar
など) にデプロイできます。WebLogic Server は、該当する \build
サブディレクトリにある .beabuild.txt
ファイルを調べて、(\src
にある) 必要なデプロイメント記述子を探します。
\dist
ディレクトリも出力ディレクトリです。「チュートリアル 14 : 配布用の MedRec のパッケージ化」で、wlpackage
タスクで作成する .ear
アーカイブ ファイルまたは展開された .ear
ディレクトリを格納します。現在は、\build
ディレクトリ内のコンパイル済みクラスの一部に対応する、いくつかの JAR ファイルしか格納されていません。\dist
ディレクトリには、最終的には、さまざまな MedRec アプリケーションの展開された完全な .ear
ディレクトリが格納されます。\dist
ディレクトリは、開発時のアプリケーションのコンパイルやデプロイに必須ではないため、分割開発ディレクトリ構造とは見なされません。開発プロセス完了後に完成した最終的なアプリケーション (.ear
ファイルまたは展開された .ear
ディレクトリ) の格納にのみ使用されます。
\lib
ディレクトリには、いくつかの MedRec アプリケーションに必要なコンパイル済みのサードパーティの .jar
ファイルが含まれています。struts および log4j の .jar
ファイルがサポートされます。
\src
サブディレクトリには MedRec アプリケーションの完全なアプリケーション ソースが含まれています。後続のほとんどのチュートリアルで、このサブディレクトリを使用します。インストールした \src
ディレクトリを確認してください。
prompt> dir src
Directory of C:\medrec_tutorial\src
07/24/2006 02:42 PM <DIR> .
07/24/2006 02:42 PM <DIR> ..
07/24/2006 02:42 PM 19,736 build.html
07/24/2006 02:42 PM 2,938 build.xml
07/24/2006 02:42 PM <DIR> clients
07/24/2006 02:42 PM <DIR> common
07/24/2006 02:42 PM <DIR> initEar
07/24/2006 02:42 PM 4,546 medrec.properties
07/24/2006 02:42 PM <DIR> medrecEar
07/24/2006 02:42 PM <DIR> physicianEar
07/24/2006 02:42 PM <DIR> security
07/24/2006 02:42 PM <DIR> startBrowserEar
medrec_tutorial¥src
ディレクトリの最上位にある build.xml
ファイル (およびこれをブラウザで表示できるようにした build.html
) は、プロジェクト全体のビルド ファイルです。このファイルにより、以下の処理が行われます。
「チュートリアル 13 : MedRec プロジェクト全体のコンパイル」で WebLogic Server インスタンスをプロダクション モードに移行する前に、このプロジェクト レベルの build.xml
を使用します。ただし、この時点ではまだ使用しないでください。次のいくつかのチュートリアルを完了して、このスクリプトが呼び出すアプリケーション レベルの build.xml
ファイルを作成する必要があります。
\src
ディレクトリには、プロジェクト レベルの build.xml
ファイルおよび各アプリケーションのサブディレクトリの build.xml
ファイルで使用されるプロパティ値を定義する medrec.properties
ファイルも含まれます。
\src
の各サブディレクトリは、デプロイ可能な MedRec アプリケーション、またはアプリケーションで使用する MedRec コンポーネントのいずれかを表します。
\clients
には、MedRec Web サービスの Java クライアントおよび C# クライアントのソース ファイルが含まれます。\common
には、MedRec エンタープライズ アプリケーション間で共有される Java クラスのソース ファイルが含まれます。内容は以下のとおりです。\initEar
サブディレクトリには、データベースを 6 秒ごとにポーリングしてシステムに新しいユーザが追加されたかどうかをチェックする、カスタム MBean を実装して登録するアプリケーションが含まれます。このアプリケーションを使用して、独自のカスタム MBean を登録できます。 \medrecEar
および \physicianEar
サブディレクトリには、MedRec アプリケーション スイートを構成するメインのエンタープライズ アプリケーションが含まれます。これらのサブディレクトリでは、ビルドおよびデプロイに WebLogic Server 9.2 開発ディレクトリ構造と Ant タスクが使用されます。詳細については、後続のチュートリアルで説明します。\security
サブディレクトリには、アプリケーション間で共有される MedRec 認証プロバイダが含まれます。\startupBrowserEar
サブディレクトリには、Windows マシンで MedRec を起動したときにブラウザを自動的に起動して MedRec のメイン インデックス JSP をロードするリスナ クラスが含まれます。このアプリケーションは以降のチュートリアルで直接的には扱いません。ただし、このアプリケーションは MedRec のビルド プロセスの過程でコンパイルされます。
ZIP ファイルを解凍した最上位のプロジェクト ディレクトリには、WebLogic Server と MedRec ドメイン ディレクトリをホストするコンピュータの名前など、環境のローカルな情報を指定する install.properties
というファイルが含まれています。環境に固有の情報でこのファイルを編集した後、substitute.xml
Ant ファイルを実行します。この Ant ファイルでは、このプロパティ ファイルを使用して、解凍されたファイル内のプレースホルダをローカルな値で置き換えます。
prompt> notepad c:\medrec_tutorial\install.properties
SERVER_HOSTNAME
プロパティを編集します。SERVER_HOSTNAME=myhost.mycompany.com
MedRecDomain
を作成するときに、管理サーバのポート番号として 7101
と 7102
を使用しなかった場合は、適切なポートを指すように SERVER_PORT
および SERVER_SSL_PORT
プロパティを編集します。SERVER_PORT=7101
SERVER_SSL_PORT=7102
c:/bea/weblogic92
) を指すように、WL_HOME
プロパティを編集します。WL_HOME=c:/bea/weblogic92
MEDREC_HOME_DIR
プロパティを編集します。MEDREC_HOME_DIR=c:/medrec_tutorial
MEDREC_DOMAIN_DIR
プロパティを編集します。MEDREC_DOMAIN_DIR=c:/bea/user_projects/domains/MedRecDomain
install.properties
ファイルを保存して閉じます。c:\medrec_tutorial
ディレクトリに移動して、substitute.xml
スクリプトを実行します。prompt> cd c:\medrec_tutorial
prompt> ant -f substitute.xml
置換スクリプトが完了するまで数秒かかる可能性があります。最後に以下のような出力が表示されます。
Buildfile: substitute.xml
replace:
BUILD SUCCESSFUL
Total time: 23 seconds
\myProject
- 最上位レベルのプロジェクト ディレクトリ\myProject\myEarBuild
- コンパイルされたファイルや生成されたファイルを格納する出力ディレクトリ\myProject\myEarSrc
- エンタープライズ アプリケーションのソース ファイルおよび編集可能なコンテンツ
「チュートリアル 6 : WebLogic Server の分割ディレクトリ構造について」で説明する WebLogic 分割開発ディレクトリ構造と Ant タスクを使用したアプリケーション開発は、この最小限のディレクトリ構造で十分に可能です。
MedRec アプリケーション スイートは、患者ユーザ ロール、医師ユーザ ロール、および管理者ユーザ ロールの 3 つの個別のアプリケーションで構成されます。各ユーザ ロールの個別のアプリケーションを使用して、必要に応じて WebLogic Server の各インスタンスに各アプリケーション機能を配布できます。たとえば、(WebLogic Server と共に任意でインストールされる) MedRec サンプル ドメインでは、簡単なデモ用に、3 つのアプリケーションすべてが 1 つのサーバ インスタンスにデプロイされます。MedRec チュートリアルでも、1 つのサーバ ドメインにアプリケーションをデプロイします。開発環境では、これが一般的です。ただし、MedRec アプリケーションと Physician アプリケーションを (異なるドメインの) 2 つの異なるサーバ インスタンスにデプロイし、アプリケーション間で Web サービスを使用することもできます。
MedRec プロジェクト ディレクトリには、Web サービスを使用して MedRec にアクセスするクライアント アプリケーションをコンパイルするためのサブディレクトリも含まれます。
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