AutoUpgradeユーティリティ構成ファイル

AutoUpgrade構成ファイルには、Oracle Databaseのアップグレードを実行するために必要なすべての情報が含まれています。

AutoUpgrade構成ファイルには、グローバルおよびローカル構成パラメータが含まれています。デフォルトでは、グローバル・パラメータは構成ファイルによって扱われるすべてのデータベースに適用されます。特定のデータベースに対して指定した場合、ローカル構成パラメータは構成ファイルで指定されたグローバル・パラメータをオーバーライドします。

AutoUpgradeユーザー構成ファイルのグローバル・パラメータ

構成ファイルで扱われるすべてのOracle Databaseアップグレードのパラメータに対するデフォルトの動作を指定するには、オプションのAutoUpgradeグローバル・パラメータを使用できます。

使用上の注意

すべてのグローバル・パラメータはオプションです。すべてのグローバル・パラメータは接頭辞globalを使用します。

表3-1 Oracle Database AutoUpgradeユーティリティのグローバル構成パラメータ

パラメータ 説明

add_after_upgrade_pfile

(オプション) PFILEをアップグレードした後にパラメータを追加するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。この指定は、ユーザー構成ファイル内のすべてのデータベースに適用されます。

例:

global.add_after_upgrade_pfile=/path/to/my/add_after.ora
add_during_upgrade_pfile

(オプション) PFILEのアップグレード中にパラメータを追加するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。この指定は、ユーザー構成ファイル内のすべてのデータベースに適用されます。

global.add_during_upgrade_pfile=/path/to/my/add_during.ora

after_action

(オプション)すべてのアップグレード・ジョブが正常に終了した後に実行するカスタム・ユーザー・スクリプトのパスおよびファイル名を指定します。使用するスクリプトはname.ext (例: myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプションは、次のとおりです。

  • Unixシェル(.sh)

  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)

  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

例:

スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを停止します。

global.after_action=/path/to/my/script.sh Y 

スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを続行します。


global.after_action=/path/to/my/script.sh

autoupg_log_dir

(オプション) AutoUpgradeが使用するログ・ファイルとグローバル・モジュールに属する一時ファイルの場所を設定します。このパラメータを使用してパスを設定しない場合、ログ・ファイルはAutoUpgradeを実行する現在の場所に配置されます。

例:

global.autoupg_log_dir=/path/to/my/global/log/dir

AutoUpgrade 19.7以降、特定の接頭辞のログ・ディレクトリにあるuserconfigファイルに、異なるログ・ディレクトリ・パスを構成できます。

global.autoupg_log_dir=/path/to/my/global/log/dir
myprefix.log_dir=global.auto_log_dir:different/path

この構文が使用されると、ログ・ファイルおよび一時ファイルは、接頭辞myprefixで識別されるデータベースの次のパスに配置されます。

/path/to/my/global/log/dir/different/path

before_action

(オプション) アップグレード・ジョブを開始する前にすべてのアップグレードに対して実行するカスタム・ユーザー・スクリプトを指定します。使用するスクリプトはname.ext (例: myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。特定のアップグレード・ジョブの前にスクリプトを実行する場合は、ローカル・パラメータ(local.before_action)を使用してそのスクリプトを指定します

許可される拡張子オプションは、次のとおりです。

  • Unixシェル(.sh)

  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)

  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

例:

スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを停止します。

global.before_action=/path/to/my/script.sh Y 

スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを続行します。


global.before_action=/path/to/my/script.sh
del_after_upgrade_pfile

(オプション) PFILEのアップグレード後にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。この指定は、ユーザー構成ファイル内のすべてのデータベースに適用されます。

例:

global.del_after_upgrade_pfile=/path/to/my/del_after.ora
del_during_upgrade_pfile

(オプション) PFILEのアップグレード中にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。この指定は、ユーザー構成ファイル内のすべてのデータベースに適用されます。

例:

global.del_during_upgrade_pfile=/path/to/my/del_during.ora

drop_grp_after_upgrade

(オプション)データベースのアップグレード後に、保証付きリストア・ポイント(GRP)を削除します。このオプションを選択した場合、アップグレードが正常に完了した後にGRPが削除されます。

オプション:

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

例:

global.drop_grp_after_upgrade=yes

remove_underscore_parameters

(オプション)構成ファイル内のすべてのOracle Databaseについて、アップグレード中およびアップグレード後にPFILEファイルからアンダースコア(非表示)パラメータを削除します。アンダースコアのパラメータは、Oracleサポートの指示がある場合のみ使用できます。

例:

global.remove_underscore_parameters=yes

restoration

(オプション、Enterprise Editionでのみ使用可能)データベース・リストアの保証付きリストア・ポイント(GRP)を生成します。このオプションを選択すると、データベース・バックアップおよびデータベースのリストアの両方をDBAで手動で実行する必要があります。

オプション:

[yes | no]

デフォルト値はyes

例:

global.restoration=no

Standard Editionはフラッシュバック・データベースをサポートしていないため、このオプションはStandard Editionでは使用できません。データベースがStandard EditionのOracle Databaseの場合、別個のフォールバック・メカニズムを持つようにする必要があります。

target_base

(オプション)ターゲットOracleホームのターゲットORACLE_BASEパスを指定します。このパラメータを使用する必要があるのは、まれな場合のみです。

例:

global.target_base=/u01/app/oracle
sales4.target_base=/u04/app/oracle4

target_home

(分析および修正モードの場合はオプションです。アップグレードおよびデプロイ・モードの場合は必須です。)構成ファイルで指定されたすべてのデータベースのグローバル・ターゲット・ホームを設定します。同じtarget_homeを複数回指定しないようにするには、このオプションを使用します。このパラメータはローカルで上書きできます。

例:

global.target_home=/target/Oracle/home

target_version

(オプション)AutoUpgradeでアップグレードを実行するターゲット・リリース・バージョンを指定します。AutoUpgradeでは、このパラメータで指定したリリース・バージョン情報を使用して、アップグレード対象のターゲットのOracle Databaseリリースに対して正しいチェックおよび修正が使用されるようにします。このパラメータの形式は、有効なOracleバージョンのピリオド区切りの値です。

有効な値

  • 12.2
  • 18
  • 19
  • 20

このオプションは、ターゲット・ホームがシステムに存在しないか、ターゲット・ホームが12.2リリースの場合のみ必要です。それ以外の場合、AutoUpgradeはターゲット・リリース値を導出できます。

例:

global.target_version=18
employees.target_version=12.2

upgradexml

(オプション) upgrade.xmlファイルを生成します。オプション: [yes | no]

upgrade.xmlは、XMLパラメータを指定したときにアップグレード前パッケージが生成した以前のリリースのファイルと同等です。このファイルは、分析モード(mode -analyze)中に作成されます。これは、AutoUpgradeログ・ファイル用に定義された事前チェック・ディレクトリに生成されます。

例:

global.upgradexml=yes

AutoUpgrade構成ファイルのローカル・パラメータ

AutoUpgradeユーティリティのアップグレード用に特定のOracle Databaseの情報を構成するには、AutoUpgradeローカル・パラメータに情報を指定します。

使用上の注意

ローカル・パラメータは、AutoUpgrade構成ファイルで設定されたグローバル・パラメータよりも優先されます。(オプション)として示されている場合を除き、すべてのローカル・パラメータは必須です。すべてのローカル・パラメータは接頭辞を使用します(例: 特定のデータベースまたはアップグレードを識別するために定義する値で識別)。接頭辞は、構成ファイルでパラメータが適用される特定のアップグレード・ジョブを識別します。

例: 構成ファイルの最初のアップグレードのパラメータのセットでは、接頭辞salesが使用され、構成ファイル内の次のアップグレードのパラメータのセットでは、接頭辞employeesが使用されます。


sales.source_home=/u01/app/oracle/11.2.0.4/dbhome1
.
.
.
employees.sid=salescdb
employees.source_home-/03/app/oracle/18.0.0.0/dbhome1

表3-2 Oracle Database AutoUpgradeユーティリティのローカル構成パラメータ

パラメータ 説明

add_after_upgrade_pfile

(オプション)アップグレード後にパラメータを追加するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

例:

sales3.add_after_upgrade_pfile=/path/to/my/pfile_add.ora

add_during_upgrade_pfile

(オプション)アップグレード時にパラメータを追加するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

例:

sales3.add_during_upgrade_pfile=/path/to/my/newpfile.ora

after_action

(オプション)接頭辞指定で識別されるデータベースのアップグレード・ジョブの完了後に実行するカスタム・アクションを指定します。

使用するスクリプトはname.ext (例: myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプションは、次のとおりです。

  • Unixシェル(.sh)

  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)

  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)

  • Oracle SQLファイル(.sql)。接頭辞によって指定されたローカル操作のみ。

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

グローバルのafter_actionパラメータとは対照的に、ローカルのafter_actionパラメータはSQLスクリプトを指定でき、非CDBのOracleホーム上のターゲットOracleデータベース・バイナリまたはCDB$ROOTを使用してデータベースで実行されます。追加のコンテナ固有のアクションを実行する場合、コード内でこれらを設定する必要があります。より複雑なシナリオでは、シェルでコンテナ固有のアクションを実行できます。

例:

AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを指定します。

sales2.after_action=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します。

sales3.after_action=/user/path/script.sh 

before_action

(オプション)接頭辞で指定される特定のデータベース・ジョブのアップグレード・ジョブの起動前に実行するカスタム・アクションを指定します。すべてのアップグレード・ジョブの前にスクリプトを実行する場合は、ローカル・パラメータ (global.before_action)を使用してそのスクリプトを指定します

使用するスクリプトはname.ext (例: myscript.sh)の形式である必要があります。これにより、AutoUpgradeは実行するスクリプトのタイプを識別できます。許可される拡張子オプションは、次のとおりです。

  • Unixシェル(.sh)

  • Microsoft Windowsバッチ(.bat.cmd)

  • Microsoft Windows PowerShell (.ps1)

  • Oracle SQLファイル(.sql)。接頭辞によって指定されたローカル操作の場合のみ。

デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、Yフラグを使用してAutoUpgradeが停止するように指定します。スクリプトが0とは異なるステータスで終了すると、失敗して完了したとみなされます。

グローバルbefore_actionパラメータとは対照的に、ローカルbefore_actionパラメータはSQLスクリプトを指定でき、これは前のリリースのOracle Databaseバイナリを使用して、ソース・データベースのOracleホームのデータベースで実行されます。スクリプトは非CDBのOracleホームまたはCDB$ROOTで実行されます。追加のコンテナ固有のアクションを実行する場合、コード内でこれらを設定する必要があります。より複雑なシナリオでは、シェルでコンテナ固有のアクションを実行できます。

例:

AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のようにYフラグを指定します。

sales.before_action=/user/path/script.sh Y 

AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します。

sales4.before_action=/user/path/script.sh 

checklist

(オプション)ポリシーまたはセキュリティ上の問題のために自動的に実装しない修正など、AutoUpgradeによって実行される修正のデフォルト・リストをオーバーライドするために使用できるチェックリストへのパスを指定します。

他のAutoUpgradeモードでこのパラメータを使用するには、analyzeモードでAutoUpgradeを実行する必要があります。AutoUpgradeで分析が終了すると、事前チェック・ディレクトリ(dbname_checklist.cfg)の下のデータベース名によって識別されるチェックリスト・ファイルを検索できます。ファイルを手動で更新して、AutoUpgradeでバイパスする修正を除外し、ファイルを新しい名前で保存します。AutoUpgradeを再度実行すると、作成したチェックリスト・ファイルを指すパラメータを指定し、個々のデータベースに対して実行された修正を変更できます。チェックリスト・ファイル・パスを指定しない場合、アップグレード時に実行される修正のセットは、指定したデプロイ・モードで作成される最新バージョンのチェックリスト・ファイルです。

例:

sales.checklist=/u01/app/oracle/upgrade-jobs/salesdb_checklist.cfg

前述の例では、salesdb_checklist.cfgはデータベースsalesdbのチェックリスト構成ファイルです。

del_after_upgrade_pfile

(オプション)アップグレード後にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

例:

sales3.del_after_upgrade_pfile=/path/to/my/pfile_del.ora

del_during_upgrade_pfile

(オプション)アップグレード時にパラメータを削除するPFILEのパスおよびファイル名を指定します。

例:

sales3.del_during_upgrade_pfile=/path/to/my/oldpfile.ora

env

(オプション)ORACLE_SIDORACLE_HOMEORACLE_BASEおよびTNS_ADMINを除く、オペレーティング・システム・カスタム環境変数を指定します。

ユース・ケース:

このパラメータを使用して、データベースsqlnet.oraファイルに示されている環境設定(Oracleウォレットに使用されるセキュア・ソケット・レイヤー暗号スイートなど)を指定します。

例:

sales2.env=VARIABLE1:/value1/,VARIABLE2:/value2/

drop_grp_after_upgrade

(オプション)データベースのアップグレード後に、保証付きリストア・ポイント(GRP)を削除します。このオプションを選択した場合、アップグレードが正常に完了した後にGRPが削除されます。

オプション:

[yes | no]

デフォルト値はnoです。

例:

sales.drop_grp_after_upgrade=yes

log_dir

(AutoUpgrade19.8のオプション)パラメータの接頭辞で識別されるアップグレード・ジョブに含まれるデータベース・セットにあるデータベース・アップグレード用に生成されるログ・ファイルの場所を設定します。デフォルトでは、値はglobal autoupg_log_dirパラメータに設定されている値と同じです。

設定すると、AutoUpgradeは、指定したローカル・ログ・ファイル・パスに基づいて階層ディレクトリを作成します。たとえば、ジョブ識別子の接頭辞はsalesで、log_dirupgrade-jobsとして識別され、stage1stage2およびstagenはアップグレードのステージを表します。

/u01/app/oracle/upgrade-jobs
                                      /temp/
                                      /sales/
                                      /sales/stage1
                                      /sales/stage2
                                      /sales/stagen

チルダ(~)など、パスにワイルド・カードを使用することはできません。完全なパスを使用する必要があります。

例:

salesdb.log_dir=/u01/app/oracle/upgrade-jobs

pdbs

(オプション)アップグレードを実行するPDBのリストを設定します。このパラメータは、マルチテナント・アーキテクチャ(CDB)データベースのアップグレードにのみ適用されます。非CDBデータベースを接続およびアップグレードしている場合、このパラメータは無視されます。

PDBリストはカンマ区切りです。リストには、PDB名またはアスタリスク(*)のいずれかを含めることができます。これは、AutoUpgradeの実行時にCDBでオープンしているすべてのPDBをアップグレードすることを示します。PDBがマウントされた状態の場合、分析モードで実行しているとき、AutoUpgradeはそのPDBを無視します。パラメータを指定しない場合、CDB内のすべてのPDBがアップグレードされます。ただし、PDBがマウント状態であり、デプロイ・モードが修正、デプロイまたはアップグレードの場合、PDBは読取り/書込みモードまたはアップグレード・モード(あるいはその両方)でオープンされると、ステージを実行できます。

例:

sales1.pdbs=pdb1, pdb2, pdbn
   upgr1.pdbs=*

restoration

(オプション)データベースのリストアに保証付きリストア・ポイント(GRP)を生成します。restoration=noを設定する場合は、データベースのバックアップおよびリストアを手動で実行する必要があります。このオプションは、NOARCHIVELOGモードで動作するデータベース、およびOracle Flashbackテクノロジ機能のフラッシュバック・データベースがサポートされていないStandard EditionおよびSE2のデータベースに使用します。

オプション:

[yes | no]

デフォルト値はyes

例:

sales1.restoration=no

run_utlrp

(オプション)アップグレードの一部としてutlrpを有効または無効にします。

utlrpユーティリティは、データベース・アップグレード時に無効になるすべてのデータ・ディクショナリ・オブジェクトを再コンパイルします。Oracle Databaseのすべてのアップグレード後にこのユーティリティを実行することをお薦めします。オプション: yesno。デフォルトでは有効です(yes)。

例:

prefix.run_utlrp=yes

sid

(必須)アップグレードするデータベースのOracleシステム識別子(SID)を示します。

例:

sales1.sid=salesdb

source_home

(analyzefixupsおよびdeployモードの場合は必須です。アップグレード・モードの場合はオプションです。)アップグレードするデータベースの現在のOracleホーム(ORACLE_HOME)。upgradeモードの場合、ソース・ホームとターゲット・ホームの値は同じパスにできます。

例:

sales2.source_home=/path/to/my/source/oracle/home

source_tns_admin_dir

(オプション)ソース・データベース・ホームのTNS_ADMINディレクトリへのパスを指定します。

例:

sales1.source_tns_admin_dir=/u01/app/oracle/12.2/dbhome01/network/admin

start_time

(オプション)アップグレード・ジョブを実行する将来の起動時間を設定します。このパラメータは、アップグレード・ジョブをスケジュールしてサーバーの負荷を分散し、複数のジョブが即時に起動されないようにするために使用します。

値は、now (すぐに開始)の形式にするか、英語日付書式の形式DD/MM/YYYYまたはMM/DD/YYYYにする必要があります。ここで、MMは月、DDは日、YYYYは年です。値を設定しない場合、デフォルトはnowです。

例:

sales1.start_time=now
sales2.start_time=01/11/2019 01:30:15

設定できる値:

now
30/12/2018 15:30:00
01/11/2019 01:30:15
2/5/2019 3:30:50

start_time値をnowに設定して複数のジョブが起動されると、AutoUpgradeではシステムで使用可能なリソースに基づいて起動時間をスケジュールします。ジョブの起動時間は数分単位でずれる場合があります。

日付要素または時刻要素に誤ったデリミネータを使用しているか、間違った日付書式または時間書式を使用している値は無効です。

例:

30-12-2018 15:30:00
01/11/2019 3:30:15pm
2019/06/01 01:30:15   
target_base

(オプション)ターゲットOracleホームのターゲットORACLE_BASEパスを指定します。

例:

target_base=/u01/app/oracle
sales4.target_base=/u04/app/oracle4
target_cdb

(オプション)非CDBのOracleデータベースが接続されるターゲットCDBのSIDを指定します。このパラメータは、非CDBのOracleデータベースをアップグレードおよび変換する場合に必須です。

例:


emp.target_cdb=salescdb

target_pdb_copy_option

(オプション)非CDBからPDBへの変換中に、CREATE DATABASE文のCREATE_PLUGGABLE_DATABASE句の一部としてPDB初期化パラメータの変更オプションを実行するかどうかを指定します。

例:

この例では、変換中にPDBターゲット・オプションPDB_FILE_NAME_CONVERTが実行され、文字列salesを使用してdepsalesを使用する既存のファイルの名前がマップされます。

upg1.target_pdb_copy_option=file_name_convert=('sales', 'depsales')

前の例では、AutoUpgradeは、非CDBからPDBへの変換中にターゲットPDBで文字列salesdepsalesに置き換えるように指示されています。

target_pdb_name

(オプション)ターゲットCDBに接続された後に、非CDBのソースOracleデータベースに割り当てる名前を指定します。デフォルト値では、非CDBのOracleデータベースの一意のデータベース名が使用されます。CDBに接続するときに非CDBの既存の名前とは異なる名前を指定する場合は、このパラメータを設定する必要があります。

例:

emp.target_pdb_name=sales2

target_tns_admin_dir

(オプション)ターゲット・データベース・ホームのTNS_ADMINディレクトリへのパスを指定します。

例:

sales1.target_tns_admin_dir=/u01/app/oracle/19.0.0.0/dbhome01/network/admin

timezone_upg

(オプション)AutoUpgradeプロセスの一部としてタイムゾーンのアップグレードの実行を有効または無効にします。データ整合性を維持するには、データベースのアップグレード時にタイムゾーン設定をアップグレードすることをお薦めします。特に、timestamp with time zone表の列など、タイムゾーンに依存するデータがある場合、タイムゾーンをアップグレードします。この設定は、チェックリスト・ファイルで修正を上書きすることで無効にできることに注意してください。オプション: yesno。デフォルトでは有効です(yes)。

例:

sales1.timezone_upg=yes

upgrade_node

(オプション)現在のユーザー構成が有効なノードを指定します。デフォルト値はlocalhostです。

このパラメータの目的は、AutoUpgradeで使用する構成ファイルにリストされているデータベースがAutoUpgradeで処理されないようにすることです。ここで、upgrade_nodeパラメータの値は現在のホスト名に対応していません。AutoUpgradeをリモートで実行することはできません。キーワードlocalhostをワイルド・カードとして使用して、ローカル・ホストのデータベースを処理するように指定できます。

ユース・ケース:

構成ファイルconfig.cfgには、10個のデータベースが含まれています。そのデータベースのうちの5つは、upgrade_nodeの値がdenver01に設定されています。残りの5つは、upgrade_nodeの値がdenver02に設定されています。AutoUpgradeが構成ファイルconfig.cfgを使用してサーバーdenver01で実行される場合、AutoUpgradeはupgrade_nodedenver01に設定されているデータベースのみを処理します。upgrade_nodedenver02に設定されているデータベースは無視されます。hostnameユーティリティは、アップグレード・ノードを解決するために使用される値を識別します

例:

hostname
denver02
sales1.upgrade_node=denver01

AutoUpgrade構成ファイルのローカルに変更可能なグローバル・パラメータ

ローカルに変更可能なグローバル・パラメータは、グローバルにも、必要に応じてローカルにも設定されるパラメータです。これにより、AutoUpgradeジョブの処理をより適切に制御できます。

使用上の注意

ローカルに変更可能なグローバル・パラメータは必須パラメータです。これらのパラメータは、AutoUpgrade構成ファイルでグローバルまたはローカルのいずれかに定義する必要があります。ローカルで変更可能なグローバル・パラメータでは、接頭辞globalを使用して、AutoUpgrade構成ファイルのすべてのジョブのグローバル・パラメータとして値を設定できますが、同じ構成ファイル内の特定のジョブのローカル・ジョブ接頭辞で同じパラメータを再設定することもできます。ローカルで変更可能なグローバル・パラメータのみを、各AutoUpgradeジョブのローカル・パラメータとして設定することもできます。

ローカルで変更可能なグローバル・パラメータがグローバル接頭辞とローカル・ジョブ接頭辞の両方で設定されている場合、ローカルに変更されたパラメータ値は、パラメータで使用する接頭辞によって識別されるジョブのグローバル・パラメータ値をオーバーライドします。使用する構文の形式は、global.target_home=Global target Oracle homeおよびdatabase.target_home=local target Oracle homeです。

例:

AutoUpgrade構成ファイルでは、必須パラメータtarget_homeが1つのOracleホーム・パスにグローバルに設定されます。ただし、構成ファイルでは、同じパラメータが別のOracleホーム・パスに対してローカルに設定されます。AutoUpgradeは構成ファイル内のジョブを処理すると、接頭辞upgrade3で定義されたジョブのtarget_homeにローカルに定義されたパスを使用し、グローバル・パラメータ設定をオーバーライドします。

global.target_home=/u01/app/oracle/19.0.0.0/dbhome01
upgrade3.target_home=/u03/app/oracle3/12.2.0.1/dbhome3

表3-3 AutoUpgrade構成ファイルのローカルに変更可能なグローバル・パラメータ

パラメータ 説明

target_version

(オプション)AutoUpgradeでアップグレードを実行するターゲット・リリース・バージョンを指定します。AutoUpgradeでは、このパラメータで指定したリリース・バージョン情報を使用して、アップグレード対象のターゲットのOracle Databaseリリースに対して正しいチェックおよび修正が使用されるようにします。このパラメータの形式は、有効なOracleバージョンのピリオド区切りの値です。

有効な値

  • 12.2
  • 18
  • 19
  • 20

このオプションは、ターゲット・ホームがシステムに存在しないか、ターゲット・ホームが12.2リリースの場合のみ必要です。それ以外の場合、AutoUpgradeはターゲット・リリース値を導出できます。

例:

global.target_version=18
employees.target_version=12.2
target_home

ターゲットOracleホーム(ORACLE_HOME)パスを指定します。

例:

global.target_home=/u01/app/oracle/19.0.0/dbhome01
sales4.target_home=/u04/app/oracle4/19.0.0/dbhome04

モードがANALYZEまたはFIXUPSの場合、パラメータtarget_homeはオプションです。

target_base

(オプション)ターゲットOracleホームのターゲットORACLE_BASEパスを指定します。

例:

global.target_base=/u01/app/oracle
sales4.target_base=/u04/app/oracle4