AutoUpgradeユーティリティ構成ファイル
AutoUpgrade構成ファイルには、Oracle Databaseのアップグレードを実行するために必要なすべての情報が含まれています。
AutoUpgrade構成ファイルには、グローバルおよびローカル構成パラメータが含まれています。デフォルトでは、グローバル・パラメータは構成ファイルによって扱われるすべてのデータベースに適用されます。特定のデータベースに対して指定した場合、ローカル構成パラメータは構成ファイルで指定されたグローバル・パラメータをオーバーライドします。
- AutoUpgradeユーザー構成ファイルのグローバル・パラメータ
構成ファイルで扱われるすべてのOracle Databaseアップグレードのパラメータに対するデフォルトの動作を指定するには、オプションのAutoUpgradeグローバル・パラメータを使用できます。 - AutoUpgrade構成ファイルのローカル・パラメータ
AutoUpgradeユーティリティのアップグレード用に特定のOracle Databaseの情報を構成するには、AutoUpgradeローカル・パラメータに情報を指定します。 - AutoUpgrade構成ファイルのローカルに変更可能なグローバル・パラメータ
ローカルに変更可能なグローバル・パラメータは、グローバルにも、必要に応じてローカルにも設定されるパラメータです。これにより、AutoUpgradeジョブの処理をより適切に制御できます。
AutoUpgradeユーザー構成ファイルのグローバル・パラメータ
構成ファイルで扱われるすべてのOracle Databaseアップグレードのパラメータに対するデフォルトの動作を指定するには、オプションのAutoUpgradeグローバル・パラメータを使用できます。
使用上の注意
すべてのグローバル・パラメータはオプションです。すべてのグローバル・パラメータは接頭辞global
を使用します。
表3-1 Oracle Database AutoUpgradeユーティリティのグローバル構成パラメータ
パラメータ | 説明 |
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(オプション) 例:
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add_during_upgrade_pfile |
(オプション)
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(オプション)すべてのアップグレード・ジョブが正常に終了した後に実行するカスタム・ユーザー・スクリプトのパスおよびファイル名を指定します。使用するスクリプトは
デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、 例: スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを停止します。
スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを続行します。
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(オプション) AutoUpgradeが使用するログ・ファイルとグローバル・モジュールに属する一時ファイルの場所を設定します。このパラメータを使用してパスを設定しない場合、ログ・ファイルはAutoUpgradeを実行する現在の場所に配置されます。 例:
AutoUpgrade 19.7以降、特定の接頭辞のログ・ディレクトリにある
この構文が使用されると、ログ・ファイルおよび一時ファイルは、接頭辞
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(オプション) アップグレード・ジョブを開始する前にすべてのアップグレードに対して実行するカスタム・ユーザー・スクリプトを指定します。使用するスクリプトは 許可される拡張子オプションは、次のとおりです。
デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、 例: スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを停止します。
スクリプトが失敗した場合、AutoUpgradeを続行します。
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del_after_upgrade_pfile |
(オプション) 例:
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del_during_upgrade_pfile |
(オプション) 例:
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(オプション)データベースのアップグレード後に、保証付きリストア・ポイント(GRP)を削除します。このオプションを選択した場合、アップグレードが正常に完了した後にGRPが削除されます。 オプション:
デフォルト値は 例:
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(オプション)構成ファイル内のすべてのOracle Databaseについて、アップグレード中およびアップグレード後に 例:
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(オプション、Enterprise Editionでのみ使用可能)データベース・リストアの保証付きリストア・ポイント(GRP)を生成します。このオプションを選択すると、データベース・バックアップおよびデータベースのリストアの両方をDBAで手動で実行する必要があります。 オプション:
デフォルト値は 例:
Standard Editionはフラッシュバック・データベースをサポートしていないため、このオプションはStandard Editionでは使用できません。データベースがStandard EditionのOracle Databaseの場合、別個のフォールバック・メカニズムを持つようにする必要があります。 |
target_base |
(オプション)ターゲットOracleホームのターゲット 例:
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(分析および修正モードの場合はオプションです。アップグレードおよびデプロイ・モードの場合は必須です。)構成ファイルで指定されたすべてのデータベースのグローバル・ターゲット・ホームを設定します。同じ 例:
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(オプション)AutoUpgradeでアップグレードを実行するターゲット・リリース・バージョンを指定します。AutoUpgradeでは、このパラメータで指定したリリース・バージョン情報を使用して、アップグレード対象のターゲットのOracle Databaseリリースに対して正しいチェックおよび修正が使用されるようにします。このパラメータの形式は、有効なOracleバージョンのピリオド区切りの値です。 有効な値
このオプションは、ターゲット・ホームがシステムに存在しないか、ターゲット・ホームが12.2リリースの場合のみ必要です。それ以外の場合、AutoUpgradeはターゲット・リリース値を導出できます。 例:
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(オプション)
例:
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親トピック: AutoUpgradeユーティリティ構成ファイル
AutoUpgrade構成ファイルのローカル・パラメータ
AutoUpgradeユーティリティのアップグレード用に特定のOracle Databaseの情報を構成するには、AutoUpgradeローカル・パラメータに情報を指定します。
使用上の注意
ローカル・パラメータは、AutoUpgrade構成ファイルで設定されたグローバル・パラメータよりも優先されます。(オプション)として示されている場合を除き、すべてのローカル・パラメータは必須です。すべてのローカル・パラメータは接頭辞を使用します(例: 特定のデータベースまたはアップグレードを識別するために定義する値で識別)。接頭辞は、構成ファイルでパラメータが適用される特定のアップグレード・ジョブを識別します。
例: 構成ファイルの最初のアップグレードのパラメータのセットでは、接頭辞sales
が使用され、構成ファイル内の次のアップグレードのパラメータのセットでは、接頭辞employees
が使用されます。
sales.source_home=/u01/app/oracle/11.2.0.4/dbhome1
.
.
.
employees.sid=salescdb
employees.source_home-/03/app/oracle/18.0.0.0/dbhome1
表3-2 Oracle Database AutoUpgradeユーティリティのローカル構成パラメータ
パラメータ | 説明 |
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(オプション)アップグレード後にパラメータを追加する 例:
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(オプション)アップグレード時にパラメータを追加する 例:
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(オプション)接頭辞指定で識別されるデータベースのアップグレード・ジョブの完了後に実行するカスタム・アクションを指定します。 使用するスクリプトは
デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、 グローバルの 例: AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のように
AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します。
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(オプション)接頭辞で指定される特定のデータベース・ジョブのアップグレード・ジョブの起動前に実行するカスタム・アクションを指定します。すべてのアップグレード・ジョブの前にスクリプトを実行する場合は、ローカル・パラメータ ( 使用するスクリプトは
デフォルトでは、スクリプトが失敗すると、AutoUpgradeが引き続き実行されます。オペレーティング・システムがスクリプトの失敗を検出した場合、 グローバル 例: AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合にAutoUpgradeを停止するには、次のように
AutoUpgradeが処理を開始する前に、指定したスクリプトを実行します。スクリプトが失敗した場合実行を継続するには、次のようにAutoUpgradeを設定します。
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(オプション)ポリシーまたはセキュリティ上の問題のために自動的に実装しない修正など、AutoUpgradeによって実行される修正のデフォルト・リストをオーバーライドするために使用できるチェックリストへのパスを指定します。 他のAutoUpgradeモードでこのパラメータを使用するには、 例:
前述の例では、 |
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(オプション)アップグレード後にパラメータを削除する 例:
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(オプション)アップグレード時にパラメータを削除する 例:
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(オプション) ユース・ケース: このパラメータを使用して、データベース 例:
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(オプション)データベースのアップグレード後に、保証付きリストア・ポイント(GRP)を削除します。このオプションを選択した場合、アップグレードが正常に完了した後にGRPが削除されます。 オプション:
デフォルト値は 例:
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(AutoUpgrade19.8のオプション)パラメータの接頭辞で識別されるアップグレード・ジョブに含まれるデータベース・セットにあるデータベース・アップグレード用に生成されるログ・ファイルの場所を設定します。デフォルトでは、値は 設定すると、AutoUpgradeは、指定したローカル・ログ・ファイル・パスに基づいて階層ディレクトリを作成します。たとえば、ジョブ識別子の接頭辞は
チルダ( 例:
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(オプション)アップグレードを実行するPDBのリストを設定します。このパラメータは、マルチテナント・アーキテクチャ(CDB)データベースのアップグレードにのみ適用されます。非CDBデータベースを接続およびアップグレードしている場合、このパラメータは無視されます。 PDBリストはカンマ区切りです。リストには、PDB名またはアスタリスク( 例:
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(オプション)データベースのリストアに保証付きリストア・ポイント(GRP)を生成します。 オプション:
デフォルト値は 例:
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(オプション)アップグレードの一部として
例:
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(必須)アップグレードするデータベースのOracleシステム識別子(SID)を示します。 例:
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( 例:
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(オプション)ソース・データベース・ホームの 例:
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(オプション)アップグレード・ジョブを実行する将来の起動時間を設定します。このパラメータは、アップグレード・ジョブをスケジュールしてサーバーの負荷を分散し、複数のジョブが即時に起動されないようにするために使用します。 値は、 例:
設定できる値:
日付要素または時刻要素に誤ったデリミネータを使用しているか、間違った日付書式または時間書式を使用している値は無効です。 例:
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target_base |
(オプション)ターゲットOracleホームのターゲット 例:
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target_cdb |
(オプション)非CDBのOracleデータベースが接続されるターゲットCDBのSIDを指定します。このパラメータは、非CDBのOracleデータベースをアップグレードおよび変換する場合に必須です。 例:
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(オプション)非CDBからPDBへの変換中に、 例: この例では、変換中にPDBターゲット・オプションPDB_FILE_NAME_CONVERTが実行され、文字列 upg1.target_pdb_copy_option=file_name_convert=('sales', 'depsales') 前の例では、AutoUpgradeは、非CDBからPDBへの変換中にターゲットPDBで文字列 |
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(オプション)ターゲットCDBに接続された後に、非CDBのソースOracleデータベースに割り当てる名前を指定します。デフォルト値では、非CDBのOracleデータベースの一意のデータベース名が使用されます。CDBに接続するときに非CDBの既存の名前とは異なる名前を指定する場合は、このパラメータを設定する必要があります。 例:
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(オプション)ターゲット・データベース・ホームのTNS_ADMINディレクトリへのパスを指定します。 例:
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(オプション)AutoUpgradeプロセスの一部としてタイムゾーンのアップグレードの実行を有効または無効にします。データ整合性を維持するには、データベースのアップグレード時にタイムゾーン設定をアップグレードすることをお薦めします。特に、 例:
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(オプション)現在のユーザー構成が有効なノードを指定します。デフォルト値は このパラメータの目的は、AutoUpgradeで使用する構成ファイルにリストされているデータベースがAutoUpgradeで処理されないようにすることです。ここで、 ユース・ケース: 構成ファイル 例:
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親トピック: AutoUpgradeユーティリティ構成ファイル
AutoUpgrade構成ファイルのローカルに変更可能なグローバル・パラメータ
ローカルに変更可能なグローバル・パラメータは、グローバルにも、必要に応じてローカルにも設定されるパラメータです。これにより、AutoUpgradeジョブの処理をより適切に制御できます。
使用上の注意
ローカルに変更可能なグローバル・パラメータは必須パラメータです。これらのパラメータは、AutoUpgrade構成ファイルでグローバルまたはローカルのいずれかに定義する必要があります。ローカルで変更可能なグローバル・パラメータでは、接頭辞global
を使用して、AutoUpgrade構成ファイルのすべてのジョブのグローバル・パラメータとして値を設定できますが、同じ構成ファイル内の特定のジョブのローカル・ジョブ接頭辞で同じパラメータを再設定することもできます。ローカルで変更可能なグローバル・パラメータのみを、各AutoUpgradeジョブのローカル・パラメータとして設定することもできます。
ローカルで変更可能なグローバル・パラメータがグローバル接頭辞とローカル・ジョブ接頭辞の両方で設定されている場合、ローカルに変更されたパラメータ値は、パラメータで使用する接頭辞によって識別されるジョブのグローバル・パラメータ値をオーバーライドします。使用する構文の形式は、global.target_home=Global target Oracle homeおよびdatabase.target_home=local target Oracle homeです。
例:
AutoUpgrade構成ファイルでは、必須パラメータtarget_home
が1つのOracleホーム・パスにグローバルに設定されます。ただし、構成ファイルでは、同じパラメータが別のOracleホーム・パスに対してローカルに設定されます。AutoUpgradeは構成ファイル内のジョブを処理すると、接頭辞upgrade3
で定義されたジョブのtarget_home
にローカルに定義されたパスを使用し、グローバル・パラメータ設定をオーバーライドします。
global.target_home=/u01/app/oracle/19.0.0.0/dbhome01
upgrade3.target_home=/u03/app/oracle3/12.2.0.1/dbhome3
表3-3 AutoUpgrade構成ファイルのローカルに変更可能なグローバル・パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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(オプション)AutoUpgradeでアップグレードを実行するターゲット・リリース・バージョンを指定します。AutoUpgradeでは、このパラメータで指定したリリース・バージョン情報を使用して、アップグレード対象のターゲットのOracle Databaseリリースに対して正しいチェックおよび修正が使用されるようにします。このパラメータの形式は、有効なOracleバージョンのピリオド区切りの値です。 有効な値
このオプションは、ターゲット・ホームがシステムに存在しないか、ターゲット・ホームが12.2リリースの場合のみ必要です。それ以外の場合、AutoUpgradeはターゲット・リリース値を導出できます。 例:
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target_home |
ターゲットOracleホーム( 例:
モードが |
target_base |
(オプション)ターゲットOracleホームのターゲット 例:
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親トピック: AutoUpgradeユーティリティ構成ファイル