グローバル・キャッシュについて

クラスタ環境では、グローバル・キャッシュと呼ばれる共有キャッシュにアクセスするようにプレゼンテーション・サービスを構成できます。

このグローバル・キャッシュは、共有ファイル・システムのストレージ・デバイスに配置されており、パージ・イベント、シード・イベント(多くの場合はエージェントによって生成されます)、およびシード・イベントと関連付けられた結果セットを保存します。シード・イベントとパージ・イベントは、論理イベント・キューとして、時間でソートされ、共有記憶域に保存されます。個々のプレゼンテーション・サービス・ノードは、論理イベント・キューに対してプッシュおよびプルを行います。各プレゼンテーション・サービスでは、通常の問合せ用に独自のローカル問合せキャッシュが引き続き保持されます。

次の図は、クラスタ環境内でのグローバル・キャッシュを示しています。グローバル・キャッシュを共有している3つのプレゼンテーション・サービス・ノードが示されています。グローバル・キャッシュには、論理イベント・キューに保持されているシード・イベントまたはパージ・イベントが保存されています。ノード2およびノード3から共有キャッシュに向かう矢印は、プレゼンテーション・サービス・ノード2がシード・イベントをキューにプッシュし、プレゼンテーション・サービス・ノード3がパージ・イベントをキューにプッシュしていることを示します。共有記憶域から各プレゼンテーション・サービス・ノードに向かう矢印は、各ノードが共通の場所からプルしていることを示します。これは定期的に発生し、参加しているプレゼンテーション・サービス・ノードが他のプレゼンテーション・サービスによって行われた論理イベント・キューへの更新を取得できます。

プレゼンテーション・サービス・ノードは、最初にキャッシング・システムでシーディング・イベントまたはパージ・イベントをローカルに処理します。次に、共有記憶域上のグローバル・キャッシュにイベントをプッシュします。プッシュ・イベント中に、アクティブなプレゼンテーション・サービス・ノードは共有記憶域上の論理イベント・キューをロックして、シード・イベントまたはパージ・イベントをプッシュします。シードとパージが競合する場合(たとえば、あるノードが問合せをシードし、別のノードが同じ問合せをパージしようとする場合)は、最後のイベントが適用されます。

共有記憶域上のグローバル・キャッシュ内の論理イベント・キューは、個々のプレゼンテーション・サービス・ノードからのシード・イベントとパージ・イベントで構成されます。キューは、イベントのタイムスタンプでソートされます。このため、クラスタに参加しているすべてのプレゼンテーション・サービス・ノードのクロックが同期している必要があります。

プレゼンテーション・サービス・ノードは、グローバル・キャッシュを定期的にポーリングして新しいキャッシュ・エントリを検出します。このポーリングの頻度は構成可能です。共有記憶域にあるキューに入っている論理イベントのスナップショットが元のノードにプルされ、ローカル論理イベント・キューが構成されてから、処理されます。

ノート:

クラスタに参加しているすべてのプレゼンテーション・サービス・ノードに対するシード・キャッシュの移入またはパージのプロセスはリアルタイムでは実行されず、プロセスにかかる時間は、あらかじめ定義されたポーリング間隔、ネットワーク・バンド幅、CPU負荷などの複数の要因の影響を受けます。

問合せキャッシュの結果セットは大きくなりがちなため、ネットワーク・バンド幅に関する制約を受ける可能性があります。したがって、次の項目を慎重に選択する必要があります。

  • シード・キャッシュに適したキャッシュのセット

  • 共有記憶域からシード・キャッシュを取得するOracle Analyticsノードの時間間隔(ネットワークの輻輳の回避が目的)

主要なグローバル・キャッシュ・パラメータは、Fusion Middleware Controlで構成します。その他のオプションのパラメータは、クラスタに参加している各プレゼンテーション・サービス・ノードのNQSConfig.INIファイルで構成します。グローバル・キャッシュ・パラメータを設定するためのFusion Middleware Controlの使用および追加のグローバル・キャッシュ・パラメータの手動での編集を参照してください。

シード・プロシージャまたはパージ・プロシージャは、特定のプレゼンテーション・サービス・ノードに対して発行されます。そのプレゼンテーション・サービスがBIクラスタ内のノードであり、グローバル・キャッシュ・パラメータがプレゼンテーション・サービス構成ファイルで定義されている場合、シード・イベントまたはパージ・イベントは、同じクラスタ環境に参加しているすべてのプレゼンテーション・サービス・ノードに伝播されます。