3 Oracle Private Cloud Appliance X3-2、X4-2、X5-2を使用するための準備
これらの前提条件の構成タスクを実行して、Oracle Private Cloud Appliance X3-2、X4-2およびX5-2を使用する環境を設定します。
サポートされているソフトウェア
Private Cloud Applianceに付属する次のソフトウェアによって、スケーラビリティ、ソフトウェア定義仮想ネットワーク、GUIベース管理が可能になります。
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Oracle VM。Oracle VMはアプリケーション駆動型のサーバー仮想化であり、高いスケーラビリティの提供と迅速なアプリケーションのデプロイを目的に設計および構築されています。Oracle VMは最大128個のvCPUと、Linux、Oracle Solaris、Microsoft Windowsなど各種ゲストのOSをサポートします。Oracle VMは、アプリケーションのデプロイを迅速化するように最適化もされています。
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Oracle SDNソフトウェア: Oracle SDNはネットワークやストレージに対して動的にサーバーを接続します。どのサーバーにもある物理的なストレージやネットワーク・カードを各サーバーにインストールする必要がなくなり、オンザフライでデプロイできる仮想ネットワーク・インタフェース・カード(vNIC)と仮想ホスト・バス・アダプタ(vHBA)に置き換わります。これらの仮想リソースは、アプリケーションやオペレーティング・システムからは、対応する物理リソースと同じように認識されます。Oracle Virtual Networkingは、Wire-Onceソリューションとソフトウェア定義の単純なネットワーク構成を利用することで、複雑なデータ・センターへのデプロイを簡素化します。
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Oracle Private Cloud Applianceのコントローラ・ソフトウェア: コントローラ・ソフトウェアを使用すると、ユーザーはシステム・ハードウェアの管理と監視、ソフトウェア・アップグレードの実行、仮想リソース(仮想サーバー、仮想ネットワークおよびストレージ)の作成と管理、すべてのシステム・リソースの利用率についてのリアルタイム監視が可能となります。コントローラ・ソフトウェアは2個の専用管理ノード上で稼働し、高可用性向けに構成されたこれらのノードは、障害発生時に自動フェイルオーバーを実行します。これにはGUIダッシュボードからアクセスできます。
サポートされているハードウェア
Oracle VTプラグインを使用して、次のように様々なOracle PCAターゲットのパフォーマンスを監視できます。
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ベース・ラック: Oracle PCAは、次のコンポーネントで構成されます。
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2から25個のコンピュート・ノード。
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2個の管理ノード。
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2個のNM2-36 Sunインフィニバンド・スイッチ。
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2個のES1-24イーサネット・スイッチ。
ノート:
これらのスイッチは、Opusスイッチ・ファミリの一部です。ファクトリILOMバージョンは、システム・インフラストラクチャ・プラグインによってサポートされません。最新バージョンに更新されるまで、PCAプラグインでサポートされるのは「稼働中」/「停止中」ステータスの監視のみです。 -
2個のFabric Interconnectスイッチ。
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1台のOracle ZFS Storage Appliance ZS3-ESまたはZS5-ES。「ノート」を参照してください。
ノート:
既存のOracle PCAラックにはZS3-ESクラスタ・ストレージ・アレイが含まれ、Oracle PCAラックの新しいモデルにはZS5-ESクラスタ・ストレージ・アレイが含まれます。
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コンピュート・ノード: ベース・ラックは、最大25個のコンピュート・ノードをサポートできます。ベース・ラックは、次のOracleサーバーからのコンピュート・ノードの混在をサポートします。
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X7–2
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X6–2
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X5-2
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X4-2
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X3-2
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仮想ネットワーク: Private Cloud Applianceハードウェア構成ごとに、データ・センターのイーサネット・ネットワークへのゲートウェイとして機能する次の複数の冗長コンポーネントが含まれます。
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QDRインフィニバンド・スイッチ。
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Oracle Fabric Interconnectシステム。
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内蔵ストレージ: Oracle Private Cloud Applianceは、エンタープライズ・クラスの完全内蔵型Oracle ZFS Storage ZS3-ESを搭載しており、管理環境を一元的に格納するとともに、VM向けのデータ・ストレージを提供します。
Oracle Private Cloud Applianceでは、内蔵ストレージから、Oracle ZFS Storage Applianceまたは他のストレージ・ベンダー提供のサポート対象ストレージを搭載した外部のデータ・センター・ラックへ、ストレージ容量を拡大できます。
前提条件
次の前提条件が満たされていることを確認してください。
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Oracle Private Cloud Appliance (PCA)コントローラ・ソフトウェアがバージョン2.1.1以上であること。
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管理ノード、コンピュート・ノード、インフィニバンド・スイッチおよびOracle ZFS Storage ApplianceのILOMバージョンが3.1以上であること。
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フェイルオーバー機能を使用するには、手順に従って共有ストレージの管理ノードにエージェントをインストールする必要があります。詳細は、「Oracle PCAへの管理エージェントのインストール」を参照してください。
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Linux x86-64エージェント・ソフトウェア。
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Oracle Enterprise Manager VTプラグイン。
Oracle Private Cloud ApplianceでFabric Interconnectを監視するための前提条件
Enterprise Manager for Virtualization 13.3.1.0以降、Private Cloud ApplianceのFabric Interconnectターゲットでは、Fabric Interconnectの詳細な監視が可能になります。Oracle Fabric Interconnectsを正常に監視するには、次の前提条件が満たされていることを確認する必要があります。
証明書のインポート
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Oracle Fabric Interconnectの
root
資格証明を使用して、OFM UI (https://<PCA_Management_Node>:8443/xms/Login.jsf
)にログインします。PCA_Management_Node
はVIPホスト名です。ブラウザに例外を追加し(必要な場合)、証明書を自分のブラウザに格納されている証明書のリストからファイルにエクスポートします。
OFM UIに最初にアクセスすると、次のような画面が表示され、例外を追加できます。
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「例外の追加」をクリックします
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「表示」をクリックして、証明書を確認します。
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「詳細」タブをクリックして、証明書の詳細を表示します。
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「エクスポート」をクリックして、証明書をローカル・ホストにエクスポート/ダウンロードします。
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「セキュリティ例外を承認」をクリックします。
OFM UIログイン・ページにリダイレクトされます。
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エージェントがインストールされるプライベート・クラウド・アプライアンスのアクティブ管理ノード上のEnterprise Managerエージェントのキーストアに、Oracle Fabric Manager証明書をインポートします。
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Oracle Fabric Interconnectの証明書ファイルをインポートするには、アクティブPCA管理ノードにコピーする必要があります。前述のスクリーンショットを使用してEnterprise Managerエージェントに証明書ファイルをインポートできます。Enterprise Managerエージェント・ユーザーとして次のコマンドを実行します。
#<agentHome>/bin/emctl secure add_trust_cert_to_jks -trust_certs_loc <location_of_certificate_file> -alias ofm_cert
ノート:
パスワードの入力を求められたら、パスワードwelcomeを入力します。
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Oracle Private Cloud Appliance v2.3.3以下では、次の追加ステップを実行する必要があります。
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Oracle Enterprise Manager OVNプラグインをダウンロードします。
ダウンロードするには、
http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/xsigo-1870185.html
に移動してから、OFMプラグイン、EM OVNプラグインの順に進みます。 -
次のステップを実行して、Private Cloud Applianceアクティブ管理ノードにEM OVNプラグインをインストールします。
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ダウンロードした
OVM plugin zip
ファイルをアクティブ管理ノードの一時領域にアップロードします。 -
zipファイルを解凍して、
*.rpm
ファイルを取得します。 -
次のコマンドを実行してrpmファイルをインストールします。
rpm -ivh xsigo-xms-emovn-<version>.noarch.rpm
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Oracle Fabric Interconnectの
root
資格証明を使用して、OFM UI (https://<PCA_Management_Node>:8443/xms/Login.jsf
)にログインします。PCA_Management_Node
はVIPホスト名です。 - 左側のパネルで、プラグイン>プラグイン・マネージャの順に移動します。
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緑の+アイコンをクリックしてプラグインを追加します。
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ポップアップ・ウィンドウでemovnと入力し、送信をクリックします。
これにより、emovnプラグインが追加されます。
前述のEM OVNプラグインのインストールおよび証明書のインポートは、Fabric Managerの実行中にスタンバイ管理ノードからも実行する必要があります。これは、管理ノードのフェイルオーバーの発生時に、Oracle Fabric Interconnectモニタリングをシームレスに続行できるようにするためです。
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ノート:
Oracle Private Cloud Appliance v2.3.3以下の場合
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rpmはリモートでインストールできますが、ユーザーは手動でスタンバイ・ノードにフェイルオーバーし、そのノードで実行されているFabric Managerでプラグインをインストールする必要があります。
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このインストール時に管理ノードのフェイルオーバーがオプションでない場合、このステップは、管理ノードが実際にスタンバイ・ノードにフェイルオーバーするタイミングまで遅延する可能性があります。
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スタンバイ・ノードのファブリック・マネージャ・インスタンスで、このEM OVNプラグインがインストールされ、その証明書がエージェントにインポートされるまで、ファブリック相互接続メトリックにはメトリック収集エラーが表示されます。
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証明書がインストールされていない場合、メトリックの表示中およびFabric Interconnectターゲットの検出中に、エラー・ログにSSLハンドシェイク・エラーが記録されることもあります。
Oracle Private Cloud Applianceに接続された外部ZFSサーバーを監視する前提条件
Enterprise Manager for Virtualization 13.3.1.0以降、プライベート・クラウド・アプライアンスに接続された外部ZFSサーバーは、Enterprise Managerのプライベート・クラウド・アプライアンス・ターゲットに関連付けることができます。アソシエーションが成功すると、ZFSサーバーがプライベート・クラウド・アプライアンスのホームページに表示されます。
ZFSサーバーをプライベート・クラウド・アプライアンスに関連付けるには、システム・インフラストラクチャZFS記憶域サーバーのガイド付き検出プロセスを使用して、Enterprise Managerですでに検出されている必要があります。次に、プライベート・クラウド・アプライアンス・ターゲット・ホーム・ページに移動し、「プライベート・クラウド・アプライアンス」ドロップダウン・メニューをクリックします。
ZFSサーバーを関連付けるには、外部ZFSストレージの管理メニュー項目に移動します。
正常に関連付けされると、ZFSサーバーがプライベート・クラウド・アプライアンスのホームページに表示されます。