2 Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース4へのアップグレードのスタート・ガイド

この章では、Enterprise Manager 13cリリース4にアップグレードするプロセスの概要について説明します。

この章の具体的な内容は次のとおりです。

重要:

  • Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース4用にサポートされているOracle Management Service (OMS)のリリースは、13cリリース3および13cリリース2です。このため、以前のリリースのOMSがある場合は、最初にそれを13cリリース2または13cリリース3にアップグレードしてから、13cリリース4にアップグレードする必要があります。

  • Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース4用にサポートされているOracle Management Agent (管理エージェント)のリリースは、13cリリース3および13cリリース2です。したがって、旧リリースの管理エージェントがある場合は、OMSを13cリリース4にアップグレードする前に、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールにあるエージェント・アップグレード・コンソールを使用して管理エージェントを13cリリース2または13cリリース3に必ずアップグレードしてください。

単一OMSまたは複数OMSの非HA環境での13cリリース4へのアップグレード

1つのOMSまたは複数のOMSの非HA (非高可用性)環境でEnterprise Manager Cloud Control 13cリリース4にアップグレードするには、次のステップに従います。

[オプション] アップグレードの準備をします。アップグレード・プロセスを十分に把握し、影響を理解し、アップグレードに関連する重要事項を確認します。

アップグレードに関連する事項 アップグレードに関連する事項 アップグレードに関連する事項

OMS、リポジトリ、中央エージェントおよびプラグインのアップグレード

Enterprise Managerシステムのアップグレードは3ステップ・プロセスで、まず前提条件を満たし、次にインストーラを実行してOMS、リポジトリ、中央エージェントおよびプラグインをアップグレードした後、アップグレード後タスクを実行する必要があります。インストーラでは、アップグレード・プロセスを順に示し、OMSのみならず、リポジトリ、中央エージェントおよび既存のプラグインをアップグレードします。既存のプラグインのアップグレードに加えて、必要な新しいプラグインを追加でデプロイすることもできます。

ステップ1: 前提条件を満たす

アップグレードを開始する前に、環境がアップグレードできる状態になるように、アップグレードの前提条件を満たします。

ステップ2: OMS、リポジトリおよびプラグインのアップグレード

インストーラを実行し、アップグレード・オプションを選択してEnterprise Managerシステムをアップグレードします。

OMSおよび管理リポジトリをアップグレードする方法は様々ですが、インストーラを使用した対話モード、レスポンス・ファイルを使用したサイレント・モード、インストーラまたはレスポンス・ファイルを使用したソフトウェアのみモードがあります。ここでは、インストーラを使用した対話モードのステップのみを示します。

ステップ3: 中央エージェントのアップグレード

OMSインスタンスのアップグレード後、中央エージェントをすぐにアップグレードします。中央エージェントは、エージェント・アップグレード・コンソールを使用してのみアップグレードできます。

OMSインスタンスのアップグレード後、中央エージェントをすぐにアップグレードすることをお薦めします。ただし、OMSインスタンスのアップグレード後、なんらかの理由で中央エージェントをすぐにアップグレードできない場合は、少なくともJDK 1.7u111パッチを中央エージェントに適用してください。そうしないと、GC WLSドメインのターゲットがEnterprise Manager Cloud Controlコンソールでモニターされません。この問題は、中央エージェントがアップグレードされると発生しません。

ステップ4: アップグレード後タスクの実行

アップグレード後タスクを実行して、アップグレードが成功したことを確認します。

スタンドアロン・エージェントのアップグレード

アップグレードは、スタンドアロン・エージェントをすべてアップグレードして初めて完了します。スタンドアロン・エージェントのアップグレードは3ステップ・プロセスで、まずエージェント・アップグレード・コンソールを使用してスタンドアロン・エージェントのいずれかをアップグレードし、次にそのスタンドアロン・エージェントからゴールド・イメージを作成した後、そのゴールド・イメージを使用して残りのスタンドアロン・エージェントをアップグレードする必要があります。

ステップ1: スタンドアロン・エージェントのアップグレード

前提条件として、まず、スタンドアロン・エージェントのいずれかをアップグレードします。

ステップ2: エージェント・ゴールド・イメージの作成

エージェント・ゴールド・イメージおよびイメージ・バージョンを作成します。それを現行バージョンに設定し、スタンドアロン・エージェントをそのバージョンにサブスクライブします。

  1. 「ゴールド・エージェント・イメージ」ホームページを使用したエージェント・ゴールド・イメージの作成

  2. 「ゴールド・エージェント・イメージ」ホームページを使用したエージェント・ゴールド・イメージ・バージョンの作成

  3. 「ゴールド・エージェント・イメージ」ホームページを使用して特定のエージェント・ゴールド・イメージ・バージョンを現行バージョンとして設定

  4. 「ゴールド・エージェント・イメージ」ホームページを使用したエージェント・ゴールド・イメージへの管理エージェントのサブスクライブ

ステップ3: スタンドアロン・エージェントの更新

エージェント・ゴールド・イメージを使用して、その他すべてのスタンドアロン・エージェントを更新します。

「ゴールド・エージェント・イメージ」ホームページを使用したエージェント・ゴールド・イメージ・バージョンによるスタンドアロン管理エージェントの更新

HA環境(記憶域レプリケーションを使用してスタンバイOMSが作成されるプライマリおよびスタンバイOMSインスタンス)での13cリリース4へのアップグレード

記憶域レプリケーションを使用してスタンバイOMSを作成する際に、プライマリおよびスタンバイOMSインスタンスをアップグレードするには、次のステップに従います。

  1. プライマリEnterprise Managerサイト、OMSおよび管理エージェントの両方をアップグレードします。アップグレード・プロセス時にプライマリOMSが停止するため、停止時間が発生します。詳細は、単一OMSまたは複数OMSの非HA環境での13cリリース4へのアップグレードを参照してください。
  2. スタンバイ・ストレージ・サーバー上の新しいミドルウェア・ホームを確認します。新しいミドルウェア・ホームもスタンバイ・ストレージ・サーバーにレプリケートされていることを確認するために、システム管理者に連絡をします。

ノート:

この手順の一部としてスタンバイOMSを削除する必要はありません。