2 Oracle Exadata Database Machineのネットワーク要件の理解
ハードウェアの設置または構成を行う前に、Oracle Exadata Database Machineのネットワーク要件を確認します。
ノート:
読みやすさを考慮して、Oracle Exadata Database MachineとOracle Exadata Storage拡張ラックの両方に言及する場合、「Oracle Exadataラック」という名前を使用します。- ネットワーク要件の概要
Oracle Exadata Database Machineには、データベース・サーバーとストレージ・サーバーの他に、システムをネットワークに接続するための機器が含まれています。ネットワーク接続により、クライアントはデータベース・サーバーに接続できるようになります。また、リモート・システム管理も可能になります。 - ネットワーク・チャネル・ボンディングのサポート
- Oracle Exadata Database Machineのネットワーク・パーティション化
- ILOM用の別個のネットワークの構成
Oracle Exadataラックを構成または再イメージ化する際、Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)を使用して、Integrated Lights Out Manager (ILOM)用の別のネットワークを構成できます。 - デフォルトIPアドレス
Oracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.1.0以降では、NET0 IPアドレスは、システムを初めて起動するときに、エラスティック構成プロシージャによって動的に割り当てられます。 - ファイアウォール使用時のポート割当て
2.1 「ネットワーク要件の概要」
Oracle Exadata Database Machineには、データベース・サーバーとストレージ・サーバーの他に、システムをネットワークに接続するための機器が含まれています。ネットワーク接続により、クライアントはデータベース・サーバーに接続できるようになります。また、リモート・システム管理も可能になります。
この項の情報をOracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)と組み合せて使用して、Oracle Exadata Database Machine環境を構成します。
Oracle Exadata Database Machineをデプロイするには、最低限のネットワーク要件を満たす必要があります。Oracle Exadata Database Machineには3つ以上のネットワークが必要であり、追加のネットワークに使用できるインタフェースがあります。各ネットワークは、相互に異なる別個のサブネット上に存在する必要があります。バックアップ用に1つの共通の追加ネットワークをお薦めします。これはOEDAで構成できます。各ネットワークの説明は次のとおりです。
-
管理ネットワーク: この必須ネットワークは、既存の管理ネットワークに接続し、Oracle Exadata Database Machineのすべてのコンポーネントの管理作業に使用されます。サーバー、Integrated Lights Out Manager (ILOM)インタフェースおよびRDMAネットワーク・ファブリック・スイッチをラック内のイーサネット・スイッチに接続します。イーサネット・スイッチから管理ネットワークへのアップリンクが1つ必要です。
ノート:
- 各配電ユニット(PDU)のリモート監視には、管理ネットワークへの個別のアップリンクもお薦めします。この構成により、イーサネット・スイッチの障害ではなく、PDUの障害によって発生したシステムの停止を簡単に区別できます。
- 適切に保護された構成では、管理ネットワークを他のすべてのネットワークから完全に分離する必要があります。
- Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0以降では、Exadataデータベースとストレージ・サーバーを、ILOMインタフェースとは別のネットワークに配置できます。
各データベース・サーバーおよびストレージ・サーバーには、管理用のネットワーク・インタフェースが2つあります。一方は、Oracle Exadata Database Machine Two-Socketシステム上の内蔵NET0 EthernetポートまたはOracle Exadata Database Machine Eight-Socketシステム上のNEM0/NET1 Ethernetポートを介したオペレーティング・システムへの管理アクセスを提供します。他方のネットワーク・インタフェースは、NET MGT Ethernetポートを介したILOMへのアクセスを提供します。Oracle Exadata Database Machineは、NET MGTおよびNET0またはNEM0/NET0ポートがラック内のイーサネット・スイッチに接続された状態で配送されます。データベース・サーバーのNET0またはNEM0/NET0ポートは、クライアントまたはアプリケーションのネットワーク・トラフィックに使用しないでください。Oracle Exadata Storage Serverでは、これらのインタフェースに対してケーブル接続または構成の変更を行わないでください。
-
クライアント・アクセス・ネットワーク: この必須ネットワークは、データベース・サーバーを既存のクライアント・ネットワークに接続し、データベース・サーバーへのクライアント・アクセスに使用されます。アプリケーションは、Single Client Access Name(SCAN)およびOracle RAC仮想IP(VIP)アドレスを使用して、このネットワークを介してデータベースにアクセスします。データベース・サーバーではチャネル・ボンディングがサポートされているため、帯域幅の増加やデータベースへのクライアント接続が可能になります。クライアント・アクセス・ネットワークのチャネル・ボンディングをお薦めします。
次のリストでは、チャネル・ボンディング構成を説明します。
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Oracle Exadata Database Machine Two-Socketシステムでは、2つの内蔵ポートが使用されます。
Oracle Exadata Database Machine X7-2、X8-2およびX8M-2システムでは、2つの10 GbE銅線ポートまたは2つの10/25GbEファイバ・ポートが使用されます。それより前のモデル・システムでは、内蔵NET1およびNET2ポートが使用されます。
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Oracle Exadata Database Machine Eight-Socketシステム(X4-8以降)では、各ポートが異なるPCIeカード上にある2つのポートが使用されます。
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Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックでは、それぞれのNetwork Express Module (NEM)のポートが使用されます。
Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックのデータベース・サーバーの場合、NEM0/NET1とNEM0/NET2など、同じNetwork Express Module上のポートを使用すると、動作はしますが高可用性は提供されません。
ノート:
システムがクラスタの10個を超えるVIPアドレスを使用し、Oracle Clusterwareクライアント・ネットワークにVLANが構成されている場合、3桁のVLAN IDを使用する必要があります。VLAN名が15文字のオペレーティング・システムのインタフェース名制限を超える可能性があるため、4桁のVLAN IDを使用しないでください。 -
-
追加のネットワーク(オプション): データベース・サーバーは、管理ネットワークおよびクライアント・ネットワークで使用されていない利用可能なオープン・ポートを使用して、既存の追加のネットワークに接続できます。
-
RDMAネットワーク・ファブリック(プライベート・ネットワーク): このネットワークは、データベース・サーバーとストレージ・サーバーを接続します。Oracle Databaseでは、Oracle RACクラスタのインターコネクト・トラフィックおよびOracle Exadata Storage Serverのデータへのアクセスにこのネットワークを使用します。このルーティング不可ネットワークは、Oracle Exadata Database Machineに完全に組み込まれていますが、既存のネットワークには接続しません。このネットワークはインストール時に自動的に構成されます。
Oracle Exadata System Softwareリリース19.3およびOracle Exadata Database Machine X8M以降では、RDMAネットワーク・ファブリックにRDMA over Converged Ethernet (RoCE)が使用されます。以前は、RDMAネットワーク・ファブリックにInfiniBandが使用されていました。RoCE Network Fabricで使用するスイッチおよびケーブルは、InfiniBand Network Fabricで使用するものとは異なります。
ノート:
すべてのネットワークは、相互に異なる別個のサブネット上に存在する必要があります。安全性を高めるには、管理ネットワークをその他すべてのネットワークから切り離す必要があります。Oracle Exadata Database Machineデータベース・サーバーのネットワーク要件はすべてのモデルで同一ですが、次の例外があります。
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Oracle Exadata Database Machine X7-2、X8-2およびX8M-2の内蔵ポートは、10 GbE (銅線)または10/25 GbE (ファイバ)です。
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Oracle Exadata Database Machine X6-2、Oracle Exadata Database Machine X5-2、Oracle Exadata Database Machine X4-2およびOracle Exadata Database Machine X3-2に組込みのポートは、1 GbE/10 GbEです。
-
Oracle Exadata Database Machine X2-2の内蔵ポートは1GbEです。
-
キーボード、ディスプレイおよびマウス(KVM)スイッチがあるのは、Oracle Exadata Database Machine X2-2のみです。
さらに、SFP28ポートを使用するすべてのデータベース・サーバー・ネットワーク接続には次の要件があります。
- 10ギガビット・イーサネット(10 GbE)をサポートするには、SFP+トランシーバが必要です。
- 25ギガビット・イーサネット(25 GbE)をサポートするには、SFP28トランシーバが必要です。
8ソケット・システムの起動時に、各データベース・サーバーではcellaffinity.ora
構成ファイルを生成します。cellaffinity.ora
ファイルが/etc/oracle/cell/network-config
ディレクトリに存在し、Oracle Databaseソフトウェアによって読込み可能である必要があります。
cellaffinity.ora
ファイルには、各ノードに最も近いネットワーク・インタフェース・カードのIPアドレスとNUMAノード番号とのマッピングが含まれます。Oracle Databaseはストレージ・サーバーと通信する際、このファイルを使用して最も近いネットワーク・インタフェース・カードを選択し、パフォーマンスを最適化します。このファイルは、8ソケット・システム上でのみ生成および使用されます。2ソケット・システムでは、この方法で得られる効果はなく、cellaffinity.ora
ファイルは生成されません。このファイルをテキスト・エディタで直接編集しないでください。
次の図は、RoCE Network Fabricを使用するOracle Exadata Database Machine X8Mのデフォルト・ネットワークを示しています。Oracle Exadata Database Machineを既存のネットワークに配線する際のケーブル接続を確認するには、OEDAのファイルを使用します。
図2-1 Oracle Exadata Database Machine X8Mのネットワーク図
次の図は、InfiniBand Network Fabricを使用するOracle Exadata Database Machine X7-2およびX8-2のデフォルト・ネットワークを示しています。Oracle Exadata Database Machineを既存のネットワークに配線する際のケーブル接続を確認するには、OEDAのファイルを使用します。
図2-2 Oracle Exadata Database Machine X7-2およびX8-2のネットワーク図
「図2-2 Oracle Exadata Database Machine X7-2およびX8-2のネットワーク図」の説明
次の図は、Oracle Exadata Database Machine X4-2、X5-2およびX6-2モデルのデフォルトのネットワーク図を示しています。Oracle Exadata Database Machineを既存のネットワークに配線する際のケーブル接続を確認するには、OEDAのファイルを使用します。
図2-3 Oracle Exadata Database Machine X4-2、X5-2およびX6-2モデルのネットワーク図
「図2-3 Oracle Exadata Database Machine X4-2、X5-2およびX6-2モデルのネットワーク図」の説明
次の図は、Oracle Exadata Database Machine X3-2およびOracle Exadata Database Machine X2-2のデフォルトのネットワーク図を示しています。Oracle Exadata Database Machineを既存のネットワークに配線する際のケーブル接続を確認するには、OEDAのファイルを使用します。
図2-4 Oracle Exadata Database Machine X3-2およびOracle Exadata Database Machine X2-2のネットワーク図
「図2-4 Oracle Exadata Database Machine X3-2およびOracle Exadata Database Machine X2-2のネットワーク図」の説明
ノート:
-
Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックでは、RDMAネットワーク・ファブリックに
BONDIB0
、BONDIB1
などを使用します。 -
Oracle Exadata Database Machine X2-2ラックでのみ、キーボード、ディスプレイおよびマウス(KVM)スイッチを使用できます。
-
ご使用の環境でスイッチが正しく動作するためには、複数の仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)の定義やルーティングの有効化などの追加構成が必要な場合がありますが、これは設置サービスには含まれません。追加構成が必要な場合は、Oracle Exadata Database Machineの設置時に、ネットワーク管理者が必要な構成を実行します。
2.2 ネットワーク・チャネル・ボンディングのサポート
クライアント・アクセス・ネットワークに使用するデータベース・サーバーのネットワーク・ポートをデータベース・サーバーの別のネットワークに接続すると、データベースへのクライアント接続に高帯域幅または高可用性を提供できます。結合ネットワーク構成では、Oracle RAC SCANおよびVIPアドレスは、データベース・サーバーのBONDETH0インタフェース上に定義されます。
- 結合ネットワーク構成
結合ネットワーク構成は、データベースへのクライアント接続用に複数のネットワーク・インタフェースを1つに統合する必要がある場合に使用します。 - 非結合ネットワーク構成
非結合ネットワーク構成は、ネットワーク・ボンディングを実装する必要がない場合または実装できない場合に使用します。 - 追加ネットワーク
2.2.1 結合ネットワーク構成
結合ネットワーク構成は、データベースへのクライアント接続用に複数のネットワーク・インタフェースを1つに統合する必要がある場合に使用します。
結合ネットワーク構成はデフォルトの構成です。
次の項では、Oracle Exadata Database Machineの結合ネットワーク構成について説明します。
- Oracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsの結合ネットワーク構成
- Oracle Exadata Database Machine X7-8、X8-8およびX8M-8の結合ネットワーク構成
- Oracle Exadata Database Machine X4-8、X5-8およびX6-8の結合ネットワーク構成
- Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックの結合ネットワーク構成
親トピック: ネットワーク・チャネル・ボンディングのサポート
2.2.1.1 Oracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsの結合ネットワーク構成
Oracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsのデータベース・クライアント・アクセスに結合ネットワーク構成を使用する場合、データベース・サーバーは次のように構成されます。
- NET0ポート:
eth0
インタフェース経由の管理ネットワークを使用して、オペレーティング・システムにアクセスします。 - NET1ポート: クライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスし、NET2ポートと結合して
bondeth0
インタフェースが作成されます。 - NET2ポート: クライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスし、NET1ポートと結合して
bondeth0
インタフェースが作成されます。 - NET MGTポート: 管理ネットワークを使用してIntegrated Lights Out Manager (ILOM)にアクセスします。
初期構成時に、クライアント・アクセス・ネットワーク用にチャネル・ボンディングを構成すると、Linuxボンディング・モジュールはアクティブ・バックアップ・モード(mode=1
)用に構成されます。別のボンディング・ポリシーが望ましい場合は、初期構成後にボンディング・モジュールを再構成できます。構成の詳細は、https://www.kernel.org/doc/Documentation/networking/bonding.txtのLinux Ethernet Bonding Driver HOWTOを参照してください。
次の表では、チャネル・ボンディング使用時のOracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsデータベース・サーバーのポート接続を示します。クライアント・アクセス・ネットワークとバックアップ・ネットワークは、異なるポートを使用する必要があります(一方のネットワークが内蔵GbEポートを使用し、もう一方のネットワークがPCIeポートを使用する必要があります)。
表2-1 Oracle Exadata Database Machine X7-2、X8-2およびX8M-2のチャネル・ボンディング接続
ネットワーク | 1GbEポートを使用 | 10/25GbEポートを使用 |
---|---|---|
管理(1GbE NET0) 管理ネットワーク接続は、他のネットワークに10GbEポートを使用している場合でも1GbEポートを使用します。 |
|
|
クライアント( |
該当なし |
|
バックアップ( |
該当なし |
|
表2-2 その他のOracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsのチャネル・ボンディング接続
ネットワーク | 1GbEポートを使用 | 10GbEポートを使用 |
---|---|---|
管理(1GbE NET0) 管理ネットワーク接続は、他のネットワークに10GbEポートを使用している場合でも1GbEポートを使用します。 |
|
|
クライアント( |
|
|
バックアップ( |
|
|
ノート:
結合ネットワーク構成を使用する場合、選択したボンディング・モードをサポートできるネットワーク・スイッチを用意する必要があります。たとえば、モード4(IEEE 802.3ad動的リンク集合)を構成する場合は、このボンディング・モードをサポートできるネットワーク・スイッチを用意して構成する必要があります。特定のボンディング・ポリシーの要件は、https://www.kernel.org/doc/Documentation/networking/bonding.txtのLinux Ethernet Bonding Driver HOWTOに記載されています親トピック: 結合ネットワーク構成
2.2.1.2 Oracle Exadata Database Machine X7-8、X8-8およびX8M-8の結合ネットワーク構成
Oracle Exadata Database Machine X7-8、X8-8およびX8M-8のデータベース・クライアント・アクセスに結合ネットワーク構成を使用する場合、データベース・サーバーは次のように構成されます。
- NET0ポート:
eth0
インタフェース経由の管理ネットワークを使用して、オペレーティング・システムにアクセスします。 - 3個のPCIe 4のP1: クライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスし、13個のPCIe 12のP1ポートと結合して
bondeth0
インタフェースが作成されます。 - 13個のPCIe 6のP2: クライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスし、3個のPCIe 14のP2ポートと結合して
bondeth1
インタフェースが作成されます。 - NET MGTポート: 管理ネットワークを使用してIntegrated Lights Out Manager (ILOM)にアクセスします。
次の表では、チャネル・ボンディング使用時のOracle Exadata Database MachineX7-8、X8-8およびX8M-8データベース・サーバーのポート接続を示します。
表2-3 Oracle Exadata Database Machine X7-8、X8-8およびX8M-8のチャネル・ボンディング接続
ネットワーク | 1GbEポートを使用 | 25GbEポートを使用 |
---|---|---|
管理(NET0) 管理ネットワーク接続は、他のネットワークに10GbEポートを使用している場合でも1GbEポートを使用します。 |
|
|
クライアント( |
|
|
バックアップ( |
|
|
親トピック: 結合ネットワーク構成
2.2.1.3 Oracle Exadata Database Machine X4-8、X5-8およびX6-8の結合ネットワーク構成
Oracle Exadata Database Machine X4-8、X5-8およびX6-8のデータベース・クライアント・アクセスに結合ネットワーク構成を使用する場合、データベース・サーバーは次のように構成されます。
-
NET0ポート: ETH0インタフェース経由の管理ネットワークを使用して、オペレーティング・システムにアクセスします。
-
3 PCIe3のP0: クライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスし、13 PCIe3のP0ポートと結合してBONDETH0インタフェースが作成されます。
-
13個のPCIe3のP0: クライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスし、3個のPCIe3のP0ポートと結合してBONDETH1インタフェースが作成されます。
-
NET MGTポート: 管理ネットワークを使用してILOMにアクセスします。
次の表では、チャネル・ボンディング使用時のOracle Exadata Database Machine X4-8、X5-8およびX6-8データベース・サーバーのポート接続を示します。
表2-4 Oracle Exadata Database Machine X4-8、X5-8およびX6-8のチャネル・ボンディング接続
ネットワーク | 1GbEポートを使用 | 10GbEポートを使用 |
---|---|---|
管理(NET0) 管理ネットワーク接続は、他のネットワークに10GbEポートを使用している場合でも1GbEポートを使用します。 |
|
|
クライアント(BONDETH0) |
|
|
バックアップ(BONDETH1) |
|
|
親トピック: 結合ネットワーク構成
2.2.1.4 Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックの結合ネットワーク構成
Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックのデータベース・クライアント・アクセスに結合ネットワーク構成を使用する場合、データベース・サーバーは次のように構成されます。
-
NEM0/NET0ポート: ETH0インタフェース経由の管理ネットワークを使用して、オペレーティング・システムにアクセスします。
-
NEM0/NET1ポート: クライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスし、NEM1/NET3ポートと結合してBONDETH0インタフェースが作成されます。
-
NEM1/NET3ポート: クライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスし、NEM0/NET1ポートと結合してBONDETH0インタフェースが作成されます。
-
NET MGTポート: 管理ネットワークを使用してILOMにアクセスします。
表2-5に、チャネル・ボンディング使用時のOracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックのデータベース・サーバーのポート接続を示します。NEM0ポートは左、NEM1ポートは右にあります。
表2-5 Oracle Exadata Database Machine X2-8およびX3-8フル・ラックのチャネル・ボンディング接続
ネットワーク | 1GbEポートを使用 | 10GbEポートを使用 |
---|---|---|
管理(NET0) |
|
|
クライアント(BONDETH0) |
|
|
バックアップ(BONDETH1) |
|
|
初期構成時に、クライアント・アクセス・ネットワーク用にチャネル・ボンディングを構成すると、Linuxボンディング・モジュールはアクティブ・バックアップ・モード(mode=1
)用に構成されます。別のボンディング・ポリシーが望ましい場合は、初期構成後にボンディング・モジュールを再構成できます。構成の詳細は、Oracle Exadata Database Machineのデータベース・サーバーの/usr/share/doc/kernel-doc-2.6.18/Documentation/networking/bonding.txt
ディレクトリにある「Linux Ethernet Bonding Driver HOWTO」を参照してください。
ノート:
結合ネットワーク構成を使用する場合、選択したボンディング・モードをサポートできるネットワーク・スイッチを用意する必要があります。たとえば、モード4(IEEE 802.3ad動的リンク集合)を構成する場合は、このボンディング・モードをサポートできるネットワーク・スイッチを用意して構成する必要があります。特定のボンディング・ポリシーの要件は、「Linux Ethernet Bonding Driver HOWTO」を参照してください。
親トピック: 結合ネットワーク構成
2.2.2 非結合ネットワーク構成
非結合ネットワーク構成は、ネットワーク・ボンディングを実装する必要がない場合または実装できない場合に使用します。
ノート:
非結合ネットワークはOracle Exadata Database Machine X7-2以降のシステムではサポートされていません。次の項では、Oracle Exadata Database Machineの非結合ネットワーク構成について説明します。
- Oracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsの非結合ネットワーク構成
- Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8の非結合ネットワーク構成
- Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックの非結合ネットワーク構成
- Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックの非結合ネットワーク構成
親トピック: ネットワーク・チャネル・ボンディングのサポート
2.2.2.1 Oracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsの非結合ネットワーク構成
Oracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsに非結合ネットワーク構成を使用する場合、データベース・サーバーは次のように構成されます。
-
NET0ポート: ETH0インタフェース経由の管理ネットワークを使用して、オペレーティング・システムにアクセスします。
-
NET1ポート: ETH1インタフェース経由でクライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスします。Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC) SCANおよびVIPアドレスは、このインタフェース上に定義されます。
-
NET MGTポート: 管理ネットワークを使用してIntegrated Lights Out Manager(ILOM)にアクセスします。
次の図では、ボンディングを使用しない場合のOracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsのネットワーク図を示します。
図2-5 ボンディングを使用しないOracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsのネットワーク図
「図2-5 ボンディングを使用しないOracle Exadata Database Machine Two-Socket Systemsのネットワーク図」の説明
親トピック: 非結合ネットワーク構成
2.2.2.2 Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8の非結合ネットワーク構成
Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8に非結合ネットワーク構成を使用する場合、データベース・サーバーは次のように構成されます。
-
NET0ポート: ETH0インタフェース経由の管理ネットワークを使用して、オペレーティング・システムにアクセスします。
-
NET1ポート: ETH1インタフェース経由でクライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスします。Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC) SCANおよびVIPアドレスは、このインタフェース上に定義されます。
-
NET MGTポート: 管理ネットワークを使用してILOMにアクセスします。
ノート:
Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8は、InfiniBandプライベート・ネットワークにBONDIB0、BONDIB1などを使用します。
親トピック: 非結合ネットワーク構成
2.2.2.3 Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックの非結合ネットワーク構成
Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックに非結合ネットワーク構成を使用する場合、データベース・サーバーは次のように構成されます。
-
NET0ポート: ETH0インタフェース経由の管理ネットワークを使用して、オペレーティング・システムにアクセスします。
-
NET1ポート: ETH1インタフェース経由でクライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスします。Oracle RAC SCANおよびVIPアドレスは、このインタフェース上に定義されます。
-
NET MGTポート: 管理ネットワークを使用してILOMにアクセスします。
ノート:
Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラックは、InfiniBandプライベート・ネットワークにBONDIB0、BONDIB1などを使用します。
親トピック: 非結合ネットワーク構成
2.2.2.4 Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックの非結合ネットワーク構成
Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラック、Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックの非結合ネットワーク構成を使用する場合、データベース・サーバーは次のように構成されます。
-
NEM0/NET0ポート: ETH0インタフェース経由の管理ネットワークを使用して、オペレーティング・システムにアクセスします。このネットワークでは1GbEポートを使用する必要があります。
-
NEM0/NET1ポート: ETH1インタフェース経由でクライアント・アクセス・ネットワークを使用してデータベースにアクセスします。Oracle RAC SCANおよびVIPアドレスは、このインタフェース上に定義されます。
-
NET MGTポート: 管理ネットワークを使用してIntegrated Lights Out Manager(ILOM)にアクセスします。
ノート:
Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラック、Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびOracle Exadata Database Machine X2-8フル・ラックでは、InfiniBandプライベート・ネットワークにBONDIB0、BONDIB1などを使用します。
親トピック: 非結合ネットワーク構成
2.2.3 追加ネットワーク
-
Oracle Exadata Database Machine X7-2以降:
- 結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に2個のオープン・ポートがあります(10/25GbE PCIポート)。
-
Oracle Exadata Database Machine Two-Socket Systems (X2-2からX6-2)上:
- 非結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に4個のオープン・ポートがあります(NET2、NET3、および2個の追加の10GbEポート)。
- 結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に3個のオープン・ポートがあります(NET3、および2個の追加の10GbEポート)。
-
Oracle Exadata Database Machine X7-8以降:
- 結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に13個のオープン・ポートがあります(5個の1/10GbEポートおよび8個のオープン10/25GbE PCIポート)。
-
Oracle Exadata Database Machine X5-8およびX6-8上:
- 非結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に18個のオープン・ポートがあります(10個の1GbEポートおよび8個の10GbEポート)。
- 結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に15個のオープン・ポートがあります(7個の1GbEポートおよび8個のオープン10GbEポート)。
-
Oracle Exadata Database Machine X4-8フル・ラック上:
- 非結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に16個のオープン・ポートがあります(8個の1GbEポートおよび8個の10GbEポート)。
- 結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に15個のオープン・ポートがあります(7個の1GbEポートおよび8個のオープン10GbEポート)。
-
Oracle Exadata Database Machine X3-8フル・ラックおよびX2-8フル・ラック上:
- 非結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に14個のオープン・ポートがあります(NEM0/NET2、NEM0/NET3、NEM1/NET0、NEM1/NET1、NEM1/NET2、NEM1/NET3、および8個の追加の10GbEポート)。
- 結合ネットワーク構成: 各データベース・サーバー上に13個のオープン・ポートがあります(NEM0/NET2、NEM0/NET3、NEM1/NET0、NEM1/NET1、NEM1/NET2、および8個の追加の10GbEポート)。
これらの追加のネットワーク・ポートの使用はオプションで、その構成は要件および使用できるネットワーク・インフラストラクチャによって異なります。たとえば、専用テープ・バックアップ・ネットワークへの接続や障害時リカバリ・ネットワークへの接続にこれらのインタフェースを使用できます。
親トピック: ネットワーク・チャネル・ボンディングのサポート
2.3 Oracle Exadata Database Machineのネットワーク・パーティション化
Oracle Exadata Database Machineでは、各種メカニズムを使用したネットワーク・パーティション化がサポートされています。
- カスタマ向けネットワークのVLANサポート
Oracle Exadata Database Machineでは、クライアント、バックアップ、管理およびILOMの各ネットワークと同時にネットワーク・パーティション化を実装するためにVLANを使用できます。 - RoCE Network FabricによるAccess VLANサポート
Oracle Exadata Database Machineでは、RoCE Network Fabric全体でサーバー・レベルの分離を実装するために、Access VLAN設定を使用できます。 - Exadata Secure RDMA Fabric Isolationの使用
Oracle Exadata System Softwareリリース20.1.0以降、RoCE Network Fabricは、Exadata Secure RDMA Fabric Isolationを有効化するように構成できます。 - InfiniBand Network Fabricによるネットワーク分離のためのInfiniBandパーティションの使用
InfiniBandパーティションでは、相互の通信が許可されるInfiniBandのノードまたはメンバーのグループを定義します。
2.3.1 カスタマ向けネットワークのVLANサポート
Oracle Exadata Database Machineでは、クライアント、バックアップ、管理およびILOMの各ネットワークと同時にネットワーク・パーティション化を実装するためにVLANを使用できます。
デフォルトでは、ネットワーク・スイッチは最小限に構成されていて、VLANタグ付けはありません。VLANタグ付けを使用する場合は、最初のデプロイメント時にお客様が構成できます。また、お客様は最初のデプロイメント後にVLANタグ付けを構成することもできます。これは、物理マシンと仮想マシン(VM)の両方のデプロイメントに当てはまります。
ノート:
-
Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)は物理デプロイメントとVMデプロイメントの両方でVLANタグ付けをサポートしています。
-
ネットワークVLANタグ付けは、パブリック・ネットワーク上のOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)でサポートされます。
-
クライアント・ネットワークとバックアップVLANネットワーク・ネットワークが結合されている必要があります。管理ネットワークが結合されることはありません。
-
バックアップ・ネットワークが、タグ付けされたVLANネットワーク上にある場合、クラスタ・ネットワークは、タグ付けされた異なるVLANネットワークにある必要があります。
-
バックアップおよびクライアント・ネットワークは、同一のネットワーク・ケーブルを共有できます。
-
クライアント・ネットワークおよびバックアップ・ネットワークでのVLANタグ付けは、すべてのハードウェア・モデルのIPv4およびIPv6でサポートされます。Oracle Databaseバージョン12.1.0.2以降のIPv6サポートには、パッチ22289350も必要になります。
-
VMデプロイメントでは、IPv6 VLANがサポートされません。
-
管理ネットワークでのVLANタグ付けは、2ソケット・サーバーについてはX3-2以上、および8ソケット・サーバーについてはX4-8以上のIPv4アドレスによってのみサポートされます。
-
クライアント・ネットワークでVLANタグ付けを使用するときに、システムで使用するOracle Clusterware仮想IP (VIP)アドレスが10個を超える場合は、3桁のVLAN IDを使用する必要があります。VLAN名がオペレーティング・システムのインタフェース名制限(15文字)を超える可能性があるため、4桁のVLAN IDは使用しないでください。
2.3.2 RoCE Network FabricによるAccess VLANサポート
Oracle Exadata Database Machineでは、RoCE Network Fabric全体でサーバー・レベルの分離を実装するために、Access VLAN設定を使用できます。
デフォルトでは、Oracle Exadata Database Machineは、サーバーre0
およびre1
のインタフェースで、すべてのRoCE Network Fabricプライベート・ネットワーク・トラフィックにAccess VLAN ID 3888を使用します。この設定により、すべてのデータベース・サーバーとストレージ・サーバーは相互に無制限の通信が可能になります。これは、多くのシステム構成に適しています。ただし、Access VLAN IDは、サーバー・レベルの分離を実装するためにデフォルト以外の値に変更できます。
この機能は、Oracle Exadata Database Machine X8Mシステム内に隔離されたサーバーのグループを作成するために使用できます。たとえば、ハーフ・ラックX8M-2システム内に2つの隔離されたサーバー・グループを作成できます。
- データベース・サーバー1および2、ストレージ・サーバー1、2および3は、VLAN ID 3888を使用
- データベース・サーバー3および4、ストレージ・サーバー4、5、6および7は、VLAN ID 3889を使用
この構成では次のようになります。
- データベース・サーバー1および2は、ストレージ・サーバー1、2および3にのみアクセスできます。ただし、ストレージ・サーバー4、5、6または7にはアクセスできません。
- データベース・サーバー3および4は、ストレージ・サーバー4、5、6および7にのみアクセスできます。ただし、ストレージ・サーバー1、2および3にはアクセスできません。
- データベース・サーバー1および2のOracle Linux KVMゲストは相互に通信できますが、データベース・サーバー3および4のゲストとは通信できません。
- データベース・サーバー3および4のOracle Linux KVMゲストは相互に通信できますが、データベース・サーバー1および2のゲストとは通信できません。
2.3.3 Exadata Secure RDMA Fabric Isolationの使用
Oracle Exadata System Softwareリリース20.1.0以降、RoCE Network Fabricは、Exadata Secure RDMA Fabric Isolationを有効化するように構成できます。
Exadata Secure RDMA Fabric Isolationにより、RDMA over Converged Ethernet (RoCE)を使用するOracle Exadata Database Machineシステムでは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)クラスタの静的なネットワーク分離が可能になります。
Secure Fabricは、Oracle Exadata Database Machineにある複数のテナントの安全な統合に向けた重要なインフラストラクチャを提供します。ここでは、各テナントが専用の仮想マシン(VM)クラスタに配置されます。この機能を使用する場合は、次の事項を確認してください。
- 個別のクラスタ内のデータベース・サーバーは、相互に通信できません。それらは、ネットワーク上で相互に完全に分離されます。
- 複数のクラスタ内のデータベース・サーバーは、すべてのストレージ・サーバーのリソースを共有できます。ただし、異なるクラスタが同じストレージ・ネットワークを共有していても、クラスタ間のネットワーク・トラフィックが発生することはありません。
Exadata Secure RDMA Fabric Isolationでは、RoCE VLANを使用して、VMクラスタが別のVMクラスタからのネットワーク・パケットを認識できないようにします。Secure Fabricでは、二重VLANタグ付けシステムを使用します。このシステムでは、一方のタグでネットワーク・パーティションを識別し、もう一方のタグでパーティション内でのサーバーのメンバーシップ・レベルを指定します。それぞれのネットワーク・パーティション内では、完全なメンバーシップを持つパーティションは、その他のすべてのパーティション・メンバー(完全メンバーと制限メンバーを含む)と通信できます。制限付きメンバーシップを持つパーティション・メンバーは、その他の制限付きメンバーシップのパーティション・メンバーと通信できません。ただし、制限付きメンバーシップを持つパーティション・メンバーは、その他の完全メンバーシップのパーティション・メンバーと通信できます。
Secure Fabricでは、それぞれのデータベース・クラスタが、Oracle RACノード間メッセージングをサポートするデータベース・サーバー間のクラスタ・ネットワーキングに、専用のネットワーク・パーティションとVLAN IDを使用します。このパーティションでは、すべてのデータベース・サーバーが完全メンバーになります。これらは、パーティション内で無制限に通信できますが、別のパーティション内のデータベース・サーバーとは通信できません。
もう一方のパーティションでは、個別のVLAN IDによって、ストレージ・ネットワーク・パーティションをサポートします。ストレージ・サーバーは、ストレージ・ネットワーク・パーティション内の完全メンバーであり、どのデータベース・サーバーVMも制限付きメンバーです。ストレージ・ネットワーク・パーティションを使用することで、次のことが可能になります。
- 各データベース・サーバーは、すべてのストレージ・サーバーと通信できます。
- 各ストレージ・サーバーは、サポート対象のすべてのデータベース・サーバーと通信できます。
- ストレージ・サーバーは、セル間操作を実行するために相互に直接通信できます。
クラスタ・ネットワーク・パーティションとストレージ・ネットワーク・パーティションをサポートするために、各データベース・サーバーVMは4つの仮想インタフェースで配線されます。
clre0
およびclre1
では、クラスタ・ネットワーク・パーティションをサポートします。-
stre0
およびstre1
では、ストレージ・ネットワーク・パーティションをサポートします。該当する
stre0
およびstre1
インタフェースは、それぞれのストレージ・サーバーにも配線されます。
それぞれのサーバーでは、RoCEネットワーク・インタフェース・カードが、VLANタグの強制適用を実行するハイパーバイザのスイッチのように動作します。これはKVMホスト・レベルで実施されるため、データベース・サーバーVMのソフトウェア脆弱性の悪用や不適切な構成によってクラスタの分離をバイパスすることはできません。
このリリースでは、Secure Fabricは、Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)を使用した最初のシステム・デプロイメントの一環としてのみ有効化できます。既存のX8MシステムのSecure Fabricは、システムをワイプしてから、OEDAを使用して再デプロイしないと有効化できません。有効化されている場合、Secure Fabricは、同じRoCE Network Fabricを共有するすべてのサーバーとクラスタに適用されます。
Secure Fabricを使用するには、次の操作が必要です。
-
Secure Fabricが有効になるようにRoCE Network Fabricスイッチ・ハードウェアを構成します。スイッチの構成が完了すると、リーフ・スイッチのポートは、複数のVLAN IDのネットワーク・トラフィックを伝送できるトランク・ポートになります。
スイッチの構成は、Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)を使用した最初のシステム・デプロイメントよりも前に実施する必要があります。「Exadata Secure RDMA Fabric Isolationを有効にするためのCisco Nexus C9336C-FX2スイッチの構成」を参照してください。
- Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)を使用した最初のシステム・デプロイメントの一環として、Secure Fabricを有効にするオプションを選択して、すべてのネットワーク・パーティションにVLAN IDを指定します。「Oracle Exadata Deployment Assistantの使用」の「クラスタ・ネットワーク」を参照してください。
2.3.4 InfiniBand Network Fabricによるネットワーク分離のためのInfiniBandパーティションの使用
InfiniBandパーティションは、相互の通信を許可されるInfiniBandノードまたはメンバーのグループを定義します。
InfiniBandパーティションにより、InfiniBand Network Fabricを使用したシステムの異なるクラスタ間でネットワークの分離が可能になります。
InfiniBandのパーティションは、マスター・サブネット・マネージャで作成および管理します。それぞれのパーティションは、一意のパーティション・キーによって識別されます。このキーは、パーティション・メンバーがパーティション内の通信の際に使用します。パーティション内のメンバーは、そのメンバー間でのみ通信できます。
Oracle Exadata Database Machineでは、それぞれのデータベース・クラスタが、データベース・サーバー間のクラスタ・ネットワーキングに専用のネットワーク・パーティションを使用します。すべてのデータベース・サーバーは、パーティション内で無制限に通信できますが、別のパーティション内のデータベース・サーバーとは通信できません。もう一方のパーティションでは、各データベース・クラスタと各ストレージ・サーバーの間で通信が可能です。このパーティションを使用することで、データベース・サーバーはすべてのストレージ・サーバーと通信できるようになり、ストレージ・サーバーはサポート対象のすべてのデータベース・サーバーと通信できるようなります。さらに、ストレージ・サーバーは、セル間操作を実行するために相互に直接通信できるようになります。
InfiniBandパーティションは、物理マシンまたは仮想マシン(VM)のデプロイメントで使用できます。
詳細は、「InfiniBandパーティションの構成」を参照してください。
2.4 ILOM用の別個のネットワークの構成
Oracle Exadataラックを構成または再イメージ化する際、Oracle Exadata Deployment Assistant(OEDA)を使用して、Integrated Lights Out Manager(ILOM)用の別のネットワークを構成できます。
Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0よりも前のリリースでは、ExadataサーバーとILOMインタフェースは特定の機能(アラート通知など)のために相互にネットワーク・アクセスできることが必要です。Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0以降では、これまでにサポートされていたすべての機能を維持しながら、このネットワーク依存性が取り除かれています。現在、ILOMインタフェースは、完全に別のネットワークに構成できます。
2.5 デフォルトIPアドレス
Oracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.1.0以降では、NET0 IPアドレスは、システムを初めて起動するときに、エラスティック構成プロシージャによって動的に割り当てられます。
NET0のデフォルトのIPアドレスは、172.16.2.1から172.16.7.254の範囲です。以前のリリースでは、Oracle Exadata Database Machineには出荷時にデフォルトIPアドレスが設定され、IPアドレスの範囲は192.168.1.1から192.168.1.203でした。
ノート:
Oracle Exadata Database Machineをネットワークに接続する前に、これらのIPアドレスがネットワークの他のアドレスと競合しないことを確認します。Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)によって生成されるcheckip.sh
スクリプトを使用して、競合をチェックします。Oracle Exadata Database MachineのDNSエントリが作成された後に、checkip.sh
スクリプトをネットワークで実行しますが、Oracle Exadata Database Machineが構成またはネットワーク接続される前に実行してください。マシンが配送される前にチェックが計画プロセスの一部として完了している場合でも、構成遅延を避けるために、このスクリプトを実行することをお薦めします。ラックの構成前のネットワーク構成の確認を参照してください。
OEDAをMicrosoft Windowsシステムで実行した場合、生成されるスクリプトはcheckip.bat
になります。
2.6 ファイアウォール使用時のポート割当て
次の表に、Oracle Exadata Database Machineのサービスで使用されるポートを示します。ネットワーク通信でファイアウォールを経由してアクセスする必要がある場合は、リストを確認して必要なポートをオープンします。クライアント・ネットワークにあるポート1521以外のすべてのポートは管理ネットワークにあります。
表2-6 ファイアウォールのオープン・ポート
ソース | ターゲット | プロトコル | ポート | ネットワーク | アプリケーション |
---|---|---|---|---|---|
任意 |
データベース・サーバー、ストレージ・セル、およびデータベース・サーバー、Exadata Storage Server、RDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのILOM |
TCP経由のSSH |
22 |
管理 |
SSH |
任意 |
KVM |
TCP経由のSSH |
22 |
管理 |
MPUIQ-SRLモジュールへのシリアル・セッション用SSH |
Exadata Storage Server |
SMTP電子メール・サーバー |
SMTP |
25 |
管理 |
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol) |
任意 |
データベース・サーバー、Exadata Storage ServerおよびRDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのILOM |
HTTP |
80 |
管理 |
Web (ユーザー構成可能) |
任意 |
PDU |
HTTP |
80 |
管理 |
ブラウザ・インタフェース |
任意 |
KVM |
HTTP |
80 |
管理 |
JavaアプレットのAvocentビデオ・ビューアのダウンロード |
任意 |
rpcbind |
TCP |
111 |
管理 |
rpcbind |
データベース管理 |
NTPサーバー |
UDP経由のNTP |
123 |
クライアント |
送信ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP) |
データベース・サーバー、Exadata Storage Server、ILOM、RDMAネットワーク・ファブリック・スイッチおよびCiscoスイッチ |
NTPサーバー |
UDP経由のNTP |
123 |
管理 |
送信NTP |
任意 |
データベース・サーバー、Exadata Storage ServerおよびRDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのILOM |
UDP経由のSNMP |
161 |
管理 |
SNMP (Simple Network Management Protocol)(ユーザー構成可能) |
任意 |
PDU |
UDP経由のSNMP |
161 |
管理 |
SNMP (ユーザー構成可能) |
任意 |
KVM |
UDP経由のSNMP |
161 |
管理 |
SNMP (ユーザー構成可能) |
Exadata Storage Server |
SNMPサブスクライバ(Oracle Enterprise Manager Cloud ControlまたはSNMPマネージャ) |
SNMP |
162 |
管理 |
SNMPバージョン1(SNMPv1)送信トラップ(ユーザー構成可能) |
データベース・サーバー、Exadata Storage Server、およびデータベース・サーバー、Exadata Storage Server、RDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのILOM |
ASRマネージャ |
SNMP |
162 |
管理 |
ASRマネージャに送信したテレメトリ・メッセージ |
データベース・サーバー、Exadata Storage ServerおよびRDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのILOM (X8Mラックを除く) |
任意 |
UDP経由のIPMI |
162 |
管理 |
送信IPMI(Intelligent Platform Management Interface)プラットフォーム・イベント・トラップ(PET) |
PDU |
SNMPトラップの受信者 |
UDP経由のSNMP |
162 |
管理 |
送信SNMPv2トラップ |
KVM |
SNMPトラップの受信者 |
UDP経由のSNMP |
162 |
管理 |
送信SNMPv2トラップ |
ASRマネージャ |
ASRバックエンド |
HTTPS |
443 |
管理 |
ASRバックエンドに送信した遠隔測定情報メッセージ |
ASRマネージャ |
ASRバックエンド |
HTTPS |
8100 16161 |
管理 | Diagpackのアップロード |
任意 |
データベース・サーバー、Exadata Storage ServerおよびRDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのILOM |
HTTPS |
443 |
管理 |
Web (ユーザー構成可能) |
任意 |
PDU |
HTTPS |
443 |
管理 |
ブラウザ・インタフェース |
任意 |
KVM |
HTTPS |
443 |
管理 |
MergePoint UtilityスイッチおよびKVMセッション用ブラウザ・インタフェース |
Exadata Storage Server |
SMTPSクライアント |
SMTPS |
465 |
管理 |
Simple Mail Transfer Protocol, Secure (構成されている場合) |
データベース・サーバー、Exadata Storage Server、およびデータベース・サーバー、Exadata Storage Server、RDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのILOM |
Syslogサーバー |
UDP経由のSyslog |
514 |
管理 |
送信Syslog |
PDU |
Syslogサーバー |
UDP経由のSyslog |
514 |
管理 |
送信Syslog |
KVM |
Syslogサーバー |
UDP経由のSyslog |
514 |
管理 |
送信Syslog |
任意 |
データベース・サーバー、Exadata Storage ServerおよびRDMAネットワーク・ファブリック・スイッチのILOM (X8Mサーバーには適用されません) |
UDP経由のIPMI |
623 |
管理 |
IPMI |
任意 |
plathwsvcd |
TCP |
723 |
管理 |
|
任意 |
evnd |
TCP |
791 |
管理 |
|
任意 |
partitiond |
TCP |
867 |
管理 |
|
任意 |
データベース・サーバー |
TCP |
1521 |
クライアント |
データベース・リスナー |
任意 |
KVM |
TCP |
2068 |
管理 |
キーボードおよびマウス送信、またはビデオ送信のためのKVMセッション・データ |
任意 |
tgtd |
TCP |
3260 |
管理 |
SCSIターゲット・デーモン |
任意 |
TCP |
3872 |
管理 |
Java EMエージェント |
|
ストレージ・サーバー |
RDMA over Converged Ethernet (RoCE)システムのFNDD (ノード停止の高速検出) |
TCP |
5053 |
管理 |
|
任意 |
Cisco Smart Install |
TCP |
4786 |
管理 |
Cisco Smart Install |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
TCP |
5120 |
管理 |
ILOMリモート・コンソール: CD |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
TCP |
5121 |
管理 |
ILOMリモート・コンソール: キーボードおよびマウス |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
TCP |
5123 |
管理 |
ILOMリモート・コンソール: ディスケット |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
TCP |
5555 |
管理 |
ILOMリモート・コンソール: 暗号化 |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
TCP |
5556 |
管理 |
ILOMリモート・コンソール: 認証 |
任意 |
Oracle Notification Service |
TCP |
6200 |
管理 |
Oracle Notification Service |
ASRマネージャ |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
HTTP |
6481 |
管理 |
アセット・アクティブ化用サービス・タグ・リスナー |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
TCP |
6481 |
管理 |
ILOMリモート・コンソール: Servicetagデーモン |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
TCP |
7578 |
管理 |
ILOMリモート・コンソール: ビデオ |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage ServerのILOM |
TCP |
7579 |
管理 |
ILOMリモート・コンソール: シリアル |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage Server |
TCP |
7777 |
両方 |
Oracle Enterprise Manager Grid Control HTTPコンソール・ポート |
任意 |
データベース・サーバーおよびExadata Storage Server |
TCP |
7799 |
両方 |
Oracle Enterprise Manager Grid Control HTTPSコンソール・ポート |
任意 |
Oracle WebLogic |
TCP |
7878 8888 |
管理 |
管理サーバー(MS) ノート: Oracle Exadata System Softwareリリース20.1.0よりも前のリリースにのみ適用されます。 |
Diagpackのアップロード |
データベース・サーバーおよびExadata Storage Server |
8100 16161 |
|||
任意 |
rpc.statd |
TCP |
21408 40801 41460 47431 |
管理 |
rpc.statd |
任意 |
gpnpd.bin |
TCP |
19193 (IPv6) 25194 |
管理 |
gpnpd.bin |
関連項目:
『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Linux and UNIX』の付録E「Oracle Databaseのポート番号の管理」