6 Oracle Machine Learning for Rクライアントのインストール
この章では、OML4Rクライアントのインストール方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
- OML4Rクライアントについて
OML4Rクライアントのコンポーネントをリストします。 - Oracle Database Instant Clientのインストール
OML4RにはOracle Database Clientソフトウェアが必要です。 - Oracle Machine Learning for Rパッケージのインストール
各クライアント・コンピュータにOML4Rをインストールします。 - OML4R Supporting Packagesのインストール
OML4R Supporting Packagesを各クライアント・コンピュータおよびOML4Rサーバーをホストするサーバーにインストールします。 - OML4R ServerへのOML4R Clientの接続
OML4Rサーバーへの接続手順。
6.1 OML4Rクライアントについて
OML4Rクライアントのコンポーネントをリストします。
OML4Rには、各クライアント・コンピュータに個別にインストールする必要のある複数のコンポーネントが含まれています。
ノート:
OML4Rのバージョンは、サーバーと各クライアント・コンピュータで同じである必要があります。また、Rのバージョンは、サーバーと各クライアント・コンピュータで同じである必要があります。OML4Rクライアントのコンポーネント
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Oracle Database Clientソフトウェア
-
OML4Rパッケージ
-
OML4R Supporting Packages
OML4Rクライアントのコンポーネントは、任意の順序でインストールできます。
次の各項では、コンポーネントについて説明します。
- Oracle Database Clientソフトウェアについて
ROracleを使用するには、Oracle Databaseクライアントをインストールする必要があります。 - OML4Rパッケージについて
OML4Rパッケージは、OML4Rをサポートする、Oracle固有のパッケージのセットです。 - OML4R Supporting Packagesについて
Supporting Packagesは、OML4Rパッケージをサポートするオープン・ソース・パッケージのセットです。
関連項目:
6.1.1 Oracle Database Clientソフトウェアについて
ROracleを使用するには、Oracle Databaseクライアントをインストールする必要があります。
ROracleは、OML4Rが使用するSupporting Packagesの1つです。RクライアントとOracle Databaseインスタンスの間で通信できるようにするには、Oracle Database Clientソフトウェアをインストールする必要があります。データベース・クライアントは、Oracle Database ClientまたはOracle Database Instant Clientのいずれかです。
-
Oracle Database Clientは、Oracle Databaseとともに配布され、データベースのOracleホームに基づきます。
-
Oracle Database Instant Clientは、無償でスタンドアロンのOracle Database Clientの実装です。Oracle Instant ClientはOracleホーム・ディレクトリに基づかず、Oracle Database Clientほどのディスク領域を必要としません。
親トピック: OML4Rクライアントについて
6.1.2 OML4Rパッケージについて
OML4Rパッケージは、OML4Rをサポートする、Oracle固有のパッケージのセットです。
これらのパッケージは、各クライアント・コンピュータおよびOML4Rサーバーをホストするサーバー・コンピュータで必要です。サーバーでは、OML4Rパッケージは、OML4Rサーバーのインストール・スクリプトによって自動でインストールされます。
ノート:
クライアントのOML4Rパッケージのバージョンは、サーバーのOML4Rパッケージのバージョンと一致する必要があります。表6-1 OML4Rパッケージ
パッケージ名 | 説明 |
---|---|
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OML4Rのトップレベルのパッケージです。 |
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オープン・ソースRの |
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OML4R用の共通の低レベル機能が含まれます。 |
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Rを介してOracle Data Miningのアルゴリズムが公開されます。 |
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探索型データ解析用のファンクションが含まれます。 |
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埋込みRがサポートされます。 |
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オープン・ソースRの |
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高度な分析的モデリング用のファンクションが含まれます。 |
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Oracle Databaseで、Rモデルを使用してデータの採点ができます。 |
|
オープン・ソースRの |
|
RとOracle Database間のXML変換がサポートされます。 |
親トピック: OML4Rクライアントについて
6.1.3 OML4R Supporting Packagesについて
Supporting Packagesは、OML4Rパッケージをサポートするオープン・ソース・パッケージのセットです。
表6-2 OML4R Supporting Packages
パッケージ名 | 説明 |
---|---|
|
トランザクション・データおよびパターン(よく使用されるアイテム・セットと相関ルール)を表示、操作、分析するためのインフラストラクチャが提供されます。 |
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OML4Rサーバーでのグラフィックのレンダリングがサポートされます。 |
|
RとOracle Database間の通信用のデータベース・インタフェース定義です。 |
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OML4Rオブジェクトに対するPNGイメージの読取りおよび書込みがサポートされます。 |
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ランダム入力を使用するツリー・フォレストに基づいた分類および回帰を提供します。 |
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RベースのOCI用のOracle Databaseインタフェースです。 |
|
成長曲線比較、限界希釈法、混合線形モデル、不等分散回帰、Tweedie分布一般化線形モデル、逆ガウス分布、ガウス求積などの統計モデリング機能が提供されます。 |
親トピック: OML4Rクライアントについて
6.2 Oracle Database Instant Clientのインストール
OML4RにはOracle Database Clientソフトウェアが必要です。
Oracle Instant Clientは、OML4Rのほとんどの構成に適しています。
このトピックの内容は次のとおりです。
- WindowsへのOracle Database Instant Clientのインストール
Oracle Database Instant ClientをWindowsにインストールする手順。 - LinuxまたはUNIXへのOracle Database Instant Clientのインストール
Oracle Database Instant Clientは、zipファイルからLinuxまたはUNIXシステムにインストールできます。
6.2.1 WindowsへのOracle Database Instant Clientのインストール
Oracle Database Instant ClientをWindowsにインストールする手順。
WindowsにOracle Instant Clientをインストールするには:
-
OML4Rクライアント・コンポーネントのインストール・ディレクトリを作成します。次に例を示します。
c:\oml4rclient_install_dir
-
Oracle Database Instant ClientのWebサイトに移動します。
-
「Oracle Instant Clientを入手する」セクションで、「ダウンロード」を選択します。
-
「Oracle Instant Clientのダウンロード」ページで「Instant Client for Microsoft Windows (x64)」を選択します。
-
ご使用のバージョンのOracle Databaseの「Instant Client Package - Basic」を選択します。
-
ファイルを、ステップ1で作成したインストール・ディレクトリに保存します。次に例を示します。
c:\oml4rclient_install_dir\instantclient-basic-windows.x64-21.3.0.0.0.zip
-
このファイルを解凍します。ファイルは
instantclient_
version
という名前のサブディレクトリに抽出されます(version
はご使用のOracle Databaseのバージョンです)。次に例を示します。c:\oml4rclient_install_dir\instantclient_21_3
-
Instant Client Downloads for Microsoft Windows (x64)ページに戻ります。
-
ライセンス契約に合意して、ご使用のバージョンのOracle Databaseの「Instant Client Package - SDK」を選択します。
-
ファイルを、ステップ1で作成したインストール・ディレクトリに保存します。
c:\oml4rclient_install_dir\instantclient-sdk-windows.x64-21.3.0.0.0.zip
-
このファイルを解凍します。ファイルは、
instantclient_
version
サブディレクトリに抽出されます。 -
環境変数
OCI_LIB64
およびPATH
にInstant Clientのフル・パスを追加します。次の手順では、これらの変数を、この例で使用しているパスc:\myoml4rclient\instantclient_21_3
に設定しています。-
Windowsの「コントロール パネル」で、「システム」を選択して「システムの詳細設定」をクリックします。
-
「詳細設定」タブで、「環境変数」をクリックします。
-
「システム環境変数」に
OCI_LIB64
が存在しない場合は作成します。OCI_LIB64
の値をc:\oml4rclient\instantclient_21_3
に設定します。 -
「システム環境変数」で
PATH
を編集してc:\oml4rclient\instantclient_21_3
を含めます。
-
6.2.2 LinuxまたはUNIXへのOracle Database Instant Clientのインストール
Oracle Database Instant Clientは、zipファイルからLinuxまたはUNIXシステムにインストールできます。
Linuxでは、RPMからインストールすることもできます。
このトピックの内容は次のとおりです。
- zipファイルからのOracle Instant Clientのインストール
Oracle Instant Clientをzipファイルからインストールする手順。 - LinuxへのRPMからのOracle Instant Clientのインストール
Oracle Instant ClientをRPMからインストールする手順。
6.3 Oracle Machine Learning for Rパッケージのインストール
各クライアント・コンピュータにOML4Rパッケージをインストールします。
サーバーでは、OML4Rパッケージが自動的にインストールに組み込まれます。
このトピックの内容は次のとおりです。
- WindowsへのOML4Rパッケージのインストール
OML4RパッケージをWindowsにインストールする手順。 - LinuxまたはUNIXへのOML4Rパッケージのインストール
OML4RパッケージをLinuxまたはUNIXにインストールする手順。
6.3.1 WindowsへのOML4Rパッケージのインストール
WindowsにOML4Rパッケージをインストールする手順。
-
Oracle Machine Learning for R DownloadsのWebサイトから、OML4Rパッケージをダウンロードします。
-
ライセンス契約に同意し、ご使用のプラットフォーム用のOML4Rパッケージを選択します。Oracle Instant Client用に作成したインストール・ディレクトリにzipファイルをダウンロードします。次に例を示します。
c:\oml4rclient_install_dir\ore-client-win-x86_64-1.5.1.zip
ノート: すべてのOML4Rクライアント・コンポーネントで、同じインストール・ディレクトリを選択してください。
-
このファイルを解凍します。コンテンツは、
client
サブディレクトリに抽出されます。この項の最後の例で示すとおり、結果のインストール・ディレクトリにはOracle Instant ClientおよびOML4Rパッケージが含まれます。
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次の方法のいずれかを選択して、WindowsにOML4Rパッケージをインストールします。
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Rコンソールからのインストール
-
Windowsの「スタート」メニューからR x64を起動します。
-
client
ディレクトリの各ZIPファイルに対して、次のRコマンドを実行します。install.packages("oml4rclient_install_dir/client/client_package_name.zip', repos=NULL)
各パッケージのインストールが正常に完了するごとに、次のメッセージがRコンソールに表示されます。
package 'package_name' successfully unpacked and MD5 sums checked
-
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R GUIからのインストール
-
Windowsの「スタート」メニューからR x64を起動します。
-
R GUI (64ビット)のメニュー・バーで「Packages」を選択します。
-
「Packages」メニューで、「Install package(s) from local zip files」を選択します。
-
client
ディレクトリに移動します。 -
ディレクトリのすべてのファイルを選択します。
-
開くをクリックします。
各パッケージがインストールされるごとに、次のメッセージがRコンソールに表示されます。
package 'package_name' successfully unpacked and MD5 sums checked
-
-
Windowsコマンド・プロンプトからのインストール
-
Windowsの「スタート」メニューからR x64を起動します。
-
Windowsのコマンド・ウィンドウを開きます。
-
client
ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。R CMD INSTALL OREbase_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREcommon_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREstats_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREgraphcs_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREeda_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREembed_1.5.1.zip R CMD INSTALL ORExml_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREdm_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREdplyr_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREmodels_1.5.1.zip R CMD INSTALL OREpredict_1.5.1.zip R CMD INSTALL ORE_1.5.1.zip
各パッケージがインストールされるごとに、次のメッセージが表示されます。
package 'package_name' successfully unpacked and MD5 sums checked
-
-
例6-1 Client PackagesおよびInstant Clientを含むClientのインストール・ディレクトリ
c:\oml4rclient_install_dir \client \ORE_1.5.1.zip \OREbase_1.5.1.zip \OREcommon_1.5.1.zip \OREdm_1.5.1.zip \OREdplyr_1.5.1.zip \OREeda_1.5.1.zip \OREembed_1.5.1.zip \OREgraphics_1.5.1.zip \OREmodels_1.5.1.zip \OREpredict_1.5.1.zip \OREstats_1.5.1.zip \ORExml_1.5.1.zip \instantclient_12_1 instantclient-basic-linux.x64-12.1.0.2.0.zip instantclient-sdk-linux.x64-12.1.0.2.0.zip ore-client-win-x86_64-1.5.1.zip
6.4 OML4R Supporting Packagesのインストール
OML4R Supporting Packagesを各クライアント・コンピュータおよびOML4Rサーバーをホストするサーバーにインストールします。
このトピックの内容は次のとおりです。
- WindowsへのSupporting Packagesのインストール
Supporting PackagesをWindowsにインストールする手順。 - LinuxまたはUNIXへのSupporting Packagesのインストール
Supporting PackagesをLinuxまたはUNIXにインストールする手順。
6.4.1 WindowsへのSupporting Packagesのインストール
Supporting PackagesをWindowsにインストールする手順。
-
Oracle Machine Learning for R DownloadsのWebサイトから、Supporting Packagesをダウンロードします。
-
ご使用のプラットフォームおよびRバージョン用のSupporting Packagesを選択し、ライセンス契約に同意します。Oracle Instant Client用に作成したインストール・ディレクトリにzipファイルをダウンロードします。次に例を示します。
c:\oml4rclient_install_dir\ore-supporting-win-x86_64-1.5.1.zip
ノート: すべてのOML4Rクライアント・コンポーネントで、同じインストール・ディレクトリを選択してください。
-
このファイルを解凍します。コンテンツは、
supporting
サブディレクトリに抽出されます。この項の最後の例で示すとおり、結果のインストール・ディレクトリにはすべてのクライアント・コンポーネント(Oracle Instant Client、OML4RパッケージおよびOML4R Supporting Packages)が含まれます。
-
次の方法のいずれかを選択して、WindowsにSupporting Packagesをインストールします。
-
Rコンソールからのインストール
-
Windowsの「スタート」メニューからR x64を起動します。
-
client
ディレクトリの各ZIPファイルに対して、次のRコマンドを実行します。install.packages("oml4rclient_install_dir/support/support_package_name.zip', repos=NULL)
各パッケージのインストールが正常に完了するごとに、次のメッセージがRコンソールに表示されます。
package 'package_name' successfully unpacked and MD5 sums checked
-
-
R GUIからのインストール
-
Windowsの「スタート」メニューからR x64を起動します。
-
R GUI (64ビット)のメニュー・バーで「Packages」を選択します。
-
「Packages」メニューで、「Install package(s) from local zip files」を選択します。
-
support
ディレクトリに移動します。 -
ディレクトリのすべてのファイルを選択します。
-
開くをクリックします。
各パッケージがインストールされるごとに、次のメッセージがRコンソールに表示されます。
package 'package_name' successfully unpacked and MD5 sums checked
-
-
Windowsコマンド・プロンプトからのインストール
-
Windowsの「スタート」メニューからR x64を起動します。
-
Windowsのコマンド・ウィンドウを開きます。
-
client
ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。R CMD INSTALL ROracle_version.zip R CMD INSTALL arules_version.zip R CMD INSTALL Cairo_version.zip R CMD INSTALL DBI_version.zip R CMD INSTALL png_version.zip R CMD INSTALL randomForest_version.zip R CMD INSTALL statmod_version.zip
各パッケージがインストールされるごとに、次のメッセージが表示されます。
package 'package_name' successfully unpacked and MD5 sums checked
-
-
例6-2 すべてのクライアント・コンポーネントを含むClientのインストール・ディレクトリ
c:\oml4rclient_install_dir \client \instantclient_version \supporting \arules_version.zip \Cairo_version.zip \DBI_version.zip \png_version.zip \randomForest_version.zip \ROracle_version.zip \statmod_version.zip instantclient-basic-linux.x64-version.zip instantclient-sdk-linux.x64-version.zip ore-client-win-x86_64-version.zip ore-supporting-win-x86_64-version.zip
6.4.2 LinuxまたはUNIXへのSupporting Packagesのインストール
Supporting PackagesをLinuxまたはUNIXにインストールする手順。
Linuxの場合は、Cairoおよびpngの依存関係を確認します
Cairo
パッケージとpng
パッケージを使用するには、次のオペレーティング・システム依存性が存在する必要があります。
Cairo
には、cairo-devel
パッケージが必要です。png
には、libpng-devel
パッケージが必要です。
これらの依存性の存在を確認するには、次の手順を実行します。
- 次のコマンドを実行します。
$ rpm -qa libpng-devel $ rpm -qa cairo-devel
RPMがインストールされている場合は、RPMの名前が返されます。
$ rpm -qa cairo-devel cairo-devel-1.15.12-3.el7.i686 cairo-devel-1.15.12-3.el7.x86_64 $ rpm -qa libpng-devel libpng-devel-1.5.13-7.el7_2.x86_64 libpng-devel-1.5.13-7.el7_2.i686
- その出力が返されない場合、RPMはインストールされていません。インストールするには、rootとして次のコマンドを実行します。
$ yum install cairo-devel $ yum install libpng-devel
6.5 OML4RサーバーへのOML4Rクライアントの接続
OML4Rサーバーへの接続手順。
OML4RクライアントをOML4Rサーバーに接続するには、ORE
スクリプトを使用してRを起動します。
$ ORE R> library(ORE)
次の例では、ユーザーOMLUSER
とパスワードOMLUSERpsw
で接続しています。
-
リモート・データベースの場合は、Oracle Databaseサービス識別子(SID)、ホスト名および接続のポートを指定します。
ore.connect(user="OMLUSER", sid="orcl", host="severname", password="OMLUSERpsw", port=1521, all=TRUE)
ノート:
パスワードやその他接続の詳細を埋込みRスクリプトに指定することを避けるには、Oracleウォレットを使用します。Oracle Machine Learning for R接続のOracleウォレットの作成を参照してください。
-
ローカル・データベースの場合は、次のように接続を指定します。
ore.connect("OMLUSER", password="OMLUSERpsw", conn_string="", all=TRUE)
関連項目:
OML4Rサーバーへの接続の詳細は、Oracle Machine Learning for Rユーザーズ・ガイドを参照してください