14.4 リージョンの管理

開発者は、コンテンツのコンテナとして機能するリージョンを作成します。

14.4.1 リージョンについて

Oracle Application Expressアプリケーションの各ページに、1つ以上のリージョンが含まれます。リージョンはページ上の領域で、コンテンツのコンテナとして機能します。各ページには任意の数のリージョンを配置できます。特定のリージョン・テンプレートによってリージョンの外観を制御できます。リージョン・テンプレートでは、リージョンの外観およびサイズの制御、枠線または背景色を使用するかどうかの指定、表示するフォントの決定を行います。また、リージョン位置に配置されるボタンの標準配置も制御します。

リージョンを使用して、ページ・コントロール(アイテムやボタンなど)をグループ化できます。追加のHTMLを生成しない単純なリージョンを作成したり、HTML表やイメージ内でコンテンツを形成する詳細なリージョンを作成できます。

リージョンはページ・テンプレート・ボディに順次表示されるか、またはリージョン位置に明示的に配置できます。ページ構造を定義するには、HTML表または今日より一般的なDIVタグを使用します。

14.4.2 リージョンの作成

ヒント:

ページ・デザイナ・ツールバーから、フォーム・リージョンを作成することも、ブレッドクラム・リージョンを作成することもできます。ページ・デザイナ・ツールバーで、「作成」メニューをクリックして「フォーム・リージョン」または「ブレッドクラム・リージョン」を選択します。

ページ・デザイナでリージョンを作成するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 中央ペインの下部にあるギャラリで、作成するリージョン・タイプを探します。コントロールまたはコンポーネントにカーソルをあわせると、それについて説明するツールチップが表示されます。

    ヒント:

    ギャラリからコンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップする以外に、ギャラリでコンポーネントを右クリックしてコンテキスト・メニューを表示することもできます。「追加先」を選択して、コンポーネントを追加する位置を選択します。

  3. 作成されるリージョン上でマウスをクリックしたまま、「レイアウト」タブの目的の位置にドラッグします。

    適切な位置にマウスが配置されると、「レイアウト」タブが暗い黄色の四角形として表示されます。マウスを離して、コンポーネントをドロップします。コンポーネントは、コンポーネント・タイプによって決定される適切なドロップ位置にのみドロップできます。

    ページ・デザイナは、次に必要なアクションを示します。エラーが発生した場合は、「保存」ボタンの横に「メッセージ」が表示されます。「メッセージ」アイコンをクリックすると、すべてのエラーを示すダイアログが表示されます。エラーを選択すると、プロパティ・エディタの関連する属性がハイライトされます。

  4. プロパティ・エディタで該当する属性を編集します。

    ヒント:

    属性のヘルプを表示するには、プロパティ・エディタで属性を選択し、中央ペインで「ヘルプ」タブをクリックします。

  5. 「保存」または「ページの保存と実行」をクリックします。

14.4.3 リージョンの編集

リージョンとは、コンテンツのコンテナとしての役割を持つページ領域のことです。ページの外観を変更するには、リージョン属性を編集します。

14.4.3.1 リージョン属性の編集

リージョン属性を編集するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブで、リージョンを選択します。

    プロパティ・エディタの右ペインにリージョン属性が表示されます。

  3. グループまたは属性を検索するには:
    • グループまたは属性の検索: 「フィルタ・プロパティ」フィールドにキーワードを入力します。プロパティ・エディタにグループまたは属性が表示されます。デフォルトの表示に戻すには、キーワードを削除します。

    • 「グループに移動」の使用: 「グループに移動」をクリックして、グループを選択します。デフォルトの表示に戻すには、「グループに移動」を再度クリックして、「すべて開く」を選択します。

  4. プロパティ・エディタで該当する属性を編集します。

    属性の詳細は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

  5. 変更を保存するには、「保存」をクリックします。ページを保存して実行するには、「ページの保存と実行」をクリックします。

14.4.3.2 リージョン位置の制御

リージョンを作成するとき、プロパティ・エディタで「レイアウト」の「位置」属性を編集することにより、その位置を指定できます。ページのユーザー・インタフェースの現在のテーマ内で定義されているテンプレート位置によって、使用可能な選択肢が決まります。

14.4.3.3 リージョンのヘッダーおよびフッターの指定

リージョンのボディ・コンテンツに加えて、プロパティ・エディタで「ヘッダー」および「フッター」属性を編集することにより、追加のHTMLがリージョンの上下に配置されるように指定できます。

すべてのレポート・リージョンで、置換文字列#TIMING#:はリージョンのレンダリングにかかる経過時間(秒)を表示できます。この置換文字列はデバッグに使用できます。

クラシック・レポート・リージョンの場合、リージョン・フッターで次の置換文字列がサポートされています。

  • #ROWS_FETCHED#: Oracle Application Expressレポート・エンジンによってフェッチされた行数(ページ・サイズ)を表示できます。これらの置換文字列を使用して、カスタマイズされたメッセージをユーザーに表示できます。次に例を示します。

    Fetched #ROWS_FETCHED# rows in #TIMING# seconds.
    
  • #TOTAL_ROWS#: レポートに使用されたSQL問合せを満たす行の合計数を表示できます。

  • #FIRST_ROW_FETCHED# および#LAST_ROW_FETCHED#: 表示される行の範囲を表示できます。次に例を示します。

    Row(s) #FIRST_ROW_FETCHED# through #LAST_ROW_FETCHED# of #ROWS_FETCHED# displayed
    

14.4.3.4 ユーザーによるページのカスタマイズの可能化

「カスタマイズ」属性を使用すると、リージョンの表示属性をユーザーがカスタマイズできるかどうかを制御できます。この機能を使用するには、ページ・テンプレートのヘッダー、ボディまたはフッター・セクションに#CUSTOMIZE#置換文字列を含める必要があります。

エンド・ユーザーによるカスタマイズが1つ以上のリージョンでサポートされる場合、「カスタマイズ」リンクがページ・テンプレートで#CUSTOMIZE#置換文字列を含めた場所に表示されます。このリンクをクリックするとウィンドウが表示され、ユーザーは、ページのリージョンを表示または非表示にできます。

エンド・ユーザーのカスタマイズを有効化するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブまたは「レイアウト」タブで、リージョンを選択します。

    プロパティ・エディタに、ページの属性が表示されます。属性は、グループに編成されます。

  3. グループまたは属性を検索するには:
    • グループまたは属性の検索: 「フィルタ・プロパティ」フィールドにキーワードを入力します。プロパティ・エディタにグループまたは属性が表示されます。デフォルトの表示に戻すには、キーワードを削除します。

    • 「グループに移動」の使用: 「グループに移動」をクリックして、グループを選択します。デフォルトの表示に戻すには、「グループに移動」を再度クリックして、「すべて開く」を選択します。

  4. 「カスタマイズ」を検索します。「カスタマイズ」で次のいずれかを選択します。
    • エンドユーザーではカスタマイズ不可

    • デフォルトでカスタマイズ可能および非表示

    • デフォルトでカスタマイズ可能および表示

  5. 「保存」をクリックします。

14.4.3.5 ページ・デザイナでのリージョン・キャッシュの使用

リージョン・キャッシュの有効化は、条件を使用しないリストを含むリージョンまたは静的HTMLを含むリージョンなどの静的リージョンのパフォーマンスの向上に効果的な方法です。

ヒント:

リージョン・キャッシュは、対話モード・レポート・リージョンに対しては使用できません。

関連項目:

『Oracle Application Express管理ガイド』のページおよびリージョン・キャッシュの管理に関する項

14.4.3.5.1 リージョン・キャッシュについて

リージョン・キャッシュの有効化は、条件を使用しないリストを含むリージョンまたは静的HTMLを含むリージョンなどの静的リージョンのパフォーマンスの向上に効果的な方法です。

リージョン・キャッシュを有効化すると、Application Expressエンジンによって、リージョンを動的にレンダリングするかわりにキャッシュされた(または格納された)リポジトリからリージョンをレンダリングします。実際のセッション識別子はキャッシュされないことに注意してください。かわりに、Application Expressエンジンでは、&SESSION.置換文字列がキャッシュされ、キャッシュされたリージョンをレンダリングしたカレント・セッションが表示時に代入されます。たとえば、リージョンにリンクが含まれ、リンクにセッションが含まれる場合、リンクがすべてのセッションで動作するようにするため、完全なセッションはキャッシュされません。

Application Expressエンジンは、リージョンが定義した条件を満たす場合にのみキャッシュからレンダリングします。また、リージョンは、ユーザーまたはキャッシュされた独立したユーザーに対してのみキャッシュできます。

14.4.3.5.2 ページ・デザイナでのリージョン・キャッシュの有効化

リージョン・キャッシュを有効化するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブまたは「レイアウト」タブで、リージョンを選択します。

    プロパティ・エディタに、ページの属性が表示されます。属性は、グループに編成されます。

  3. グループまたは属性を検索するには:
    • グループまたは属性の検索: 「フィルタ・プロパティ」フィールドにキーワードを入力します。プロパティ・エディタにグループまたは属性が表示されます。デフォルトの表示に戻すには、キーワードを削除します。

    • 「グループに移動」の使用: 「グループに移動」をクリックして、グループを選択します。デフォルトの表示に戻すには、「グループに移動」を再度クリックして、「すべて開く」を選択します。

  4. 「サーバー・キャッシュ」を検索します。「キャッシュ」で、次のいずれかを選択します。
    • 無効 - コンテンツはキャッシュされず、リクエストごとに計算されます。

    • 有効 - コンテンツはキャッシュされ、すべてのユーザーによって利用されます。

    • ユーザー別のキャッシュ - コンテンツはユーザーごとにキャッシュされます。

    • セッション別のキャッシュ - コンテンツはセッションごとにキャッシュされます。

  5. 「保存」をクリックします。

14.4.3.6 静的リージョンIDの指定

カスタムJavaScriptまたはカスケード・スタイルシートの作成時に静的リージョンIDを指定すると有用です。リージョンの編集ページの「静的ID」属性を使用して、リージョンを一意に識別できます。リージョン・テンプレート、ヘッダー、フッターまたはボディの#REGION_STATIC_ID#置換文字列を使用してリージョンを参照できます。

静的リージョンIDを含めるには、HTML要素IDとしてリージョン・コンテナ・オブジェクト(表またはDIV)に割り当てます。HTML要素のIDはページ全体で一意である必要があります。たとえば、ページHTMLを有効にしておくため、ボタンとリージョンのIDを同じにすることはできません。

静的リージョンIDを指定するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブまたは「レイアウト」タブで、リージョンを選択します。

    プロパティ・エディタに、ページの属性が表示されます。属性は、グループに編成されます。

  3. グループまたは属性を検索するには:
    • グループまたは属性の検索: 「フィルタ・プロパティ」フィールドにキーワードを入力します。プロパティ・エディタにグループまたは属性が表示されます。デフォルトの表示に戻すには、キーワードを削除します。

    • 「グループに移動」の使用: 「グループに移動」をクリックして、グループを選択します。デフォルトの表示に戻すには、「グループに移動」を再度クリックして、「すべて開く」を選択します。

  4. 「詳細」を検索します。静的ID属性を編集します。
    1. 「詳細」「静的ID」を検索します。

    2. 「静的ID」に、このリージョンの静的IDを入力します。定義されている場合、これが置換文字列#REGION_STATIC_ID#でリージョンのIDとして使用され、リージョンのカスタムJavaScript動作を開発する際に役立ちます。これが定義されていない場合、リージョンによって内部IDが生成されます。

    ヒント:

    入力した静的IDをリージョンで使用するには、テンプレートに#REGION_STATIC_ID#置換文字列が含まれている必要があります。

  5. 「保存」をクリックします。

14.4.3.7 リージョン・イメージの追加

「リージョン・イメージ」および「イメージ・タグ属性」を使用すると、リージョンの左上にイメージを追加できます。

リージョン・イメージを追加するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブまたは「レイアウト」タブで、リージョンを選択します。

    プロパティ・エディタにリージョン属性が表示されます。属性は、グループに編成されます。

  3. グループまたは属性を検索するには:
    • グループまたは属性の検索: 「フィルタ・プロパティ」フィールドにキーワードを入力します。プロパティ・エディタにグループまたは属性が表示されます。デフォルトの表示に戻すには、キーワードを削除します。

    • 「グループに移動」の使用: 「グループに移動」をクリックして、グループを選択します。デフォルトの表示に戻すには、「グループに移動」を再度クリックして、「すべて開く」を選択します。

  4. 「詳細」を検索します。次の属性を編集します。
    • リージョン・イメージ - リージョンの左上に表示されるイメージへの参照を入力します。このイメージの表示に使用される表タグを制御することはできません。

    • イメージ・タグ属性 - イメージHTMLに含めるイメージ・タグ属性を入力します。これは、高さ、幅またはイメージのALTテキスト(装飾的なイメージではない場合)などの属性に使用できます。

      イメージ・タグ属性にALTが定義されていない場合、Application Expressはデフォルトで装飾的なイメージとしてイメージをレンダリングします(空のALTタグなど)。

  5. 「保存」をクリックします。

14.4.3.8 リージョン表示セレクタの作成

「リージョン表示セレクタ」リージョンでは、ページの各リージョンに表示と非表示のコントロールを表示できます。

リージョン表示セレクタを作成するには:

  1. リージョン・ページ・セレクタに含めるページおよびリージョンを作成します。
  2. セレクタに含める各リージョンで、「リージョン表示セレクタ」属性を「オン」に設定します。
  3. ギャラリで、「リージョン表示セレクタ」リージョンを右クリックして「追加先」を選択し、適切な位置を選択します。

    ヒント:

    ギャラリからドラッグ・アンド・ドロップすることもできます。ギャラリから、「リージョン表示セレクタ」リージョンを選択して、「レイアウト」タブの適切な位置にドラッグします。

  4. プロパティ・エディタでリージョン属性を編集します。
    1. 指定タイトル - リージョン・タイトルを入力します。リージョン・タイトルは、リージョン・テンプレートに定義されている場合にのみ表示されます。
    2. 詳細リージョン表示セレクタ: このリージョンをリージョン表示セレクタに含める場合、「オン」を選択します。この属性は、リージョン表示セレクタのリージョン・タイプが定義されてページ上に表示できる場合にのみ使用されます。

      ヒント:

      属性の詳細は、プロパティ・エディタで属性を選択し、中央ペインで「ヘルプ」タブをクリックして、参照してください。

  5. 「保存」をクリックします。

14.4.4 リージョンのコピー

ノート:

「ツリー」タイプのリージョンには複数のリージョンが含まれるため、コピーできません。

リージョンをコピーするには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レイアウト」タブでリージョンを右クリックし、「コピー先」を選択して、サブメニューからコピー先を選択します。

ヒント:

リージョンを別のページにコピーするには、「レンダリング」タブでリージョンを選択し、右クリックして「他のページにコピー」を選択します。画面に表示されるステップに従います。

14.4.5 リージョンの削除

リージョンを削除するには:

  1. ページ・デザイナでページを表示します。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. ページを選択します。
    ページ・デザイナが表示されます。
  2. 「レンダリング」タブで1つ以上のリージョンを選択します。
  3. 右クリックして「削除」を選択します。
  4. 「保存」をクリックします。