8 通貨換算アプリケーションの設計および構築
Essbase通貨換算アプリケーションを構築することは、財務データをある通貨から別の通貨に変換する方法の1つです。この機能は、ブロック・ストレージ(ハイブリッド・モードを含む)キューブにのみ適用され、ASOには適用されません。
通貨換算を行うと、各国間の比較が容易になり、使用通貨が異なる複数の場所の財務データを集計できます。
たとえば、ある組織が英国の収益性データ(英ポンド単位)と日本の収益性データ(日本円単位)を分析するとします。この場合は、それぞれの現地通貨の収益性数値を比較しても無意味です。それぞれの国の相対的寄与率を把握するには、英ポンドを日本円に換算するか、日本円を英ポンドに換算するか、両方を別の共通通貨に換算する必要があります。
別の例として、北米地域全体の収益性を報告するとします。そのためには、北米地域の各国の現地通貨の値を標準化する必要があります。米国、メキシコ、カナダを北米地域合計に集計する場合に、各国の現地通貨のままで収益性データを合計しても無意味です。北米地域合計のデータが意味を持つためには、集計の前に、各現地通貨を共通通貨に換算する必要があります。
この項の各トピックでは、Sample_Currencyという名前のサンプル通貨換算アプリケーションを参照します。このアプリケーションではInterntlおよびXchgrateの2つのキューブを使用します。これらのサンプルをEssbaseファイル・カタログ内のギャラリから、圧縮済Lifecycle Management (LCM)ファイルから再作成できます。手順については、「通貨換算アプリケーションの構築および換算の実行」を参照してください。