高機能計算の制約事項
Essbaseキューブの一部の計算で高機能計算を使用しないようにする必要がある場合の例外的なケースを考えてみます。
高機能計算は、セル・レベルではなくデータ・ブロック・レベルで機能します。たとえば、データ値をデータ・ブロックの1つのセルにロードした場合、データ・ブロック全体がダーティとしてマークされます。
データベースで2パスが必要なCALC ALLは、正しく計算されない可能性があります。最初のパスでクリーンとしてマークされたブロックが次のパスでスキップされるためです。この問題を回避するには、高機能計算をオフにするか、データベースに対してCALC ALLを実行するのではなく、各ディメンションに対してCALC DIMを実行します。CALC ALLでは、次の状況で、データベースでの2パスが必要になります。
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勘定科目ディメンションが疎の場合
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勘定科目ディメンションが密、時間ディメンションが疎、およびアウトラインに少なくとももう1つの密ディメンションがある場合
アウトラインの式または勘定科目プロパティを変更しても、データベースの再構築は行われないため、Essbaseでは、影響を受けるブロックがダーティとしてマークされません。該当するデータ・ブロックを再計算する必要があります。「変更された式および勘定科目プロパティ: ブロック・ステータスへの影響」を参照してください。
可能なかぎり、Essbaseはメイン・データベースの計算時に2パス式と勘定科目式を計算します。ただし、場合によっては、一部の式は計算スクリプトを使用して2回計算する必要があります。計算スクリプトを使用するときには、高機能計算を無効にしてから式を再計算します。
計算スクリプトでSET CREATENONMISSINGBLKがONに設定されている場合、高機能計算はオフになり、影響を受けるブロックは、クリーンまたはダーティのいずれにマークされているかにかかわらず計算されます。