高機能計算の影響
Essbaseでの高機能計算の使用時は、式の更新、アウトラインでの勘定科目タグの変更、疎ディメンションでの関係関数の使用、データのコピーやクリア、通貨の換算、または再構築を行った場合に、データ・ブロックのクリーン/ダーティ・ステータスが必ず想定どおりになるとはかぎりません。
高機能計算を使用すると、キューブの管理方法に影響があることがあります。次のトピックを参照して、各アクションの影響を確認してください。
変更された式および勘定科目プロパティ: ブロック・ステータスへの影響
Essbaseでの高機能計算の使用時は、アウトラインを編集してメンバー式を変更するか勘定科目タグを変更しても、データ・ブロック・ステータスは変わりません。
式の変更も勘定科目プロパティの変更も、アウトラインの再構築にEssbaseが必要にならないため、このような変更の影響を受けたデータ・ブロックがダーティとしてマークされることはありません。たとえば、勘定科目ディメンションでタイム・バランス・タグを変更した場合、Essbaseによってキューブが再構築されることはなく、影響を受けたブロックがダーティとしてマークされることはありません。
その後、高機能計算をオンにした状態でデフォルトの計算を実行しても、変更は計算されません。適切なデータ・ブロックを再計算するには、計算スクリプトを使用して次のいずれかのタスクを実行します。
-
高機能計算を無効にして、変更されたメンバー式を計算します。
-
高機能計算を無効にし、FIX…ENDFIXコマンドを使用してキューブの該当サブセットを計算します。
-
高機能計算を無効にし、キューブでデフォルト(CALC ALL)計算を実行します。
関係関数と財務関数: ブロック・ステータスへの影響
関係関数または財務関数を含む、疎ディメンション・メンバーに対する式では、Essbase高機能計算でブロックがクリーンとしてマークされている場合でも、必ず再計算されます。
疎ディメンションまたは密ディメンションに対する式で関係関数(@PRIOR、@NEXTなど)または財務関数(@ACCUM、@NPV、@INTERESTなど)を使用すると、Essbaseによって、その式を含むデータ・ブロックが常に再計算されます。
詳細は、「計算スクリプトの式および高機能計算のステータス」を参照してください。
データベース再構築: ブロック・ステータスへの影響
Essbaseでの高機能計算の使用時は、キューブが再構築されるとすべてのデータ・ブロックがダーティとしてマークされます。
メンバーを密ディメンションに追加するなどの方法でデータベースを再構築するときは、すべてのデータ・ブロックの再計算が必要になる可能性があります。そのため、Essbaseは、すべてのデータ・ブロックをダーティとしてマークします。再構築されたデータベースを計算すると、すべてのブロックが計算されます。
ノート:
データベース・アウトラインの式またはデータベース・アウトラインの勘定科目プロパティを変更しても、Essbaseによってデータベースは再構築されません。該当するデータ・ブロックを再計算する必要があります。「変更された式および勘定科目プロパティ: ブロック・ステータスへの影響」を参照してください。
データのコピーとクリア: ブロック・ステータスへの影響
Essbaseでの高機能計算の使用時は、ブロックに値をコピーした場合やブロックからデータをクリアした場合に、データ・ブロックのクリーン/ダーティ・ステータスが必ず想定どおりになるとはかぎりません。
DATACOPYコマンドを使用して値をデータ・ブロックにコピーすると、コピー先のデータ・ブロックはダーティとしてマークされます。データベースを再計算すると、Essbaseによってこのブロックが計算されます。
CLEARDATAコマンドとCLEARBLOCKコマンドを使用してデータ値をクリアすると、ブロックがどのようにマークされていたかに関係なく、Essbaseによってすべてのブロックがクリアされます。
通貨の換算: ブロック・ステータスへの影響
Essbaseでの高機能計算の使用時は、通貨換算キューブがある場合、データ・ブロックのクリーン/ダーティ・ステータスが必ず想定どおりになるとはかぎりません。
CCONVコマンドを使用して通貨を換算すると、換算後のデータ・ブロックはダーティとしてマークされます。再計算すると、Essbaseによって、通貨換算したすべてのデータ・ブロックが計算されます。