数値範囲属性

1つのEssbaseロード・ルールを使用して数値範囲属性ディメンションを構築し、基本ディメンションのメンバーを範囲に関連付けることができます。ただし、範囲サイズが異なる場合、または属性ディメンションに複数のレベルがある場合は、セカンダリ・ステップで関連付けを作成する必要があります。

次の状況では、属性ディメンションの構築と、属性と基本ディメンションの適切なメンバーとの関連付けに1つずつ、2つのロード・ルールを使用する必要があります:

  • メンバーごとに範囲のサイズが異なる場合。

    たとえば、人口が少ない町や市には狭い範囲を定義し、中規模や大規模の市にはさらに広い範囲を定義し、首都圏には18,000,000より大きい範囲を定義できます。

  • 範囲がマルチレベルの属性ディメンションのメンバーである場合。

    たとえば、Population属性ディメンションには、人口の範囲がTowns、CitiesおよびMetropolitan Areasとして分類されているレベル1のメンバーと、その範囲を表すレベル0のメンバーがあります。

次に示すPopulation属性ディメンションは、両方の場合を示しています。Populationは、マルチレベルの数値属性ディメンションで、レベル0メンバーは様々なサイズ範囲を表します。

図14-7 様々なサイズ範囲を持つ数値属性ディメンション


このイメージは、イメージの前のテキストで説明されている、様々なサイズ範囲を持つ数値属性ディメンションを示しています。

1つのロード・ルールを使用してPopulationディメンションを構築し、もう1つのルールを使用してPopulationディメンションのメンバーを基本ディメンションのメンバーの属性として関連付ける必要があります。

範囲に対応する属性ディメンションの構築

範囲属性メンバーに対応したEssbase属性ディメンションを構築するには、まず、世代、レベルまたは親子による構築方法を使用するキューブを作成します。

ディメンション構築ルールで、属性ディメンションの名前とそれに関連付けられた基本ディメンション、および属性ディメンションを構築するためのフィールドを指定します。

ソース・データ・レコードは、昇順の属性順になっている必要があります。範囲のサイズが異なる場合は、ソース・データに属性範囲ごとのレコードを含める必要があります。

ノート:

後の構築操作で、属性メンバーを既存メンバーの間に挿入することはできません。

アウトライン・プロパティで、キューブ内のすべての数値範囲属性の必要な動作を指定します。数値範囲属性は、範囲の上位(上限を含む)または範囲の下位(下限を含む)を表すことができます。


アウトライン・プロパティは、ブール属性、日付属性および数値属性のカスタマイズに役立ちます。この例では、数値範囲属性の値は「上限を含む」です。

世代を使用する方法で範囲属性を使用してアウトラインを構築するには、数値属性値に基づいてソース・データ・レコードを昇順に並べる必要があります。次に示すように、ルール内のフィールドを定義します。最も小さい町は最初のレコードで、大きな首都圏は最後になります。

次の例は、Sample Basicに基づいたものであり、世代による構築方法を使用してアプリケーション・ワークブックにエクスポートして、再度インポートします。

図14-8 範囲を持つ数値属性ディメンションを構築するためのルール


画像の前のテキストで説明されている、範囲を持つ数値属性ディメンションを構築するためのルール。

基本ディメンション・メンバーと範囲属性の関連付け

数値属性ディメンションの範囲の構築後に、基本ディメンションのメンバーを正しい属性に関連付けるルールが必要になります。範囲属性を追加または名前変更して、関連付けが正しいことを確認するには、ディメンション構築を再実行し、変更した属性に基本メンバーを関連付けます。

ソース・データには、基本ディメンションのメンバー用のフィールドとデータ値用のフィールドがあります。Essbaseでは、これらのフィールドを使用して適切なPopulation属性を関連付けます。

次に示すようにルールを定義します。

図14-9 数値範囲属性を関連付けるためのルール


基本ディメンションのメンバーと数値範囲属性を関連付けるためのルール。新しい世代3の都市は、人口規模に基づいて市場に追加されて関連付けられます。

属性ディメンションの関連付けフィールド(フィールド3: Market、Attribute Dimension、Populationなど)では、前のフィールドの属性メンバーを範囲内に配置します。

ノート:

人口3,227,707人の都市Bostonが含まれるルールは、属性ディメンションの範囲(3,000,000まで)を超えています。範囲を超える値をソース・データ内で許可するには、1000000のような範囲サイズを入力します。Essbaseでは、範囲サイズを使用して、必要に応じて、最も値が大きい既存メンバーを超えるメンバー、または最も値が小さい既存メンバーに満たないメンバーを属性ディメンションに追加します。

注意:

基本メンバーを属性に関連付けた後、属性を追加または名前変更すると、関連付けが無効になる場合があります。数値範囲属性が「範囲の一番上」(上限を含む)と定義されており、100、200、500および1000のメンバーを含む属性ディメンションがあるとします。値556の基本ディメンション・メンバーは、属性1000に関連付けられます。範囲属性の名前を500から600に変更すると、値556の基本ディメンション・メンバーの関連付けがに無効になります。属性600に関連付ける必要がありますが、属性1000に関連付けられます。これを修正するには、ディメンション構築を再実行し、変更した属性に基本メンバーを関連付けます。

関連付けの妥当性の確認

数値範囲属性の関連付けの妥当性を確認するには、正しいEssbaseディメンション構築オプションを選択し、適切な順序で構築を実行する必要があります。属性を追加または変更するには、関連付けの修正が必要な場合があります。範囲別名を使用する場合は、別のディメンション構築で追加します。

属性ディメンションのメンバーの追加または変更: 基本ディメンションのメンバーを数値属性範囲と関連付けた後に、属性ディメンションで新規メンバーの挿入または既存メンバーの名前変更を手動で実行する場合は、次のいずれかのタスクを実行して、属性と基本メンバーの関連付けが正しいことを確認します。

  • 基本メンバーを変更後の属性ディメンションに関連付けるディメンション構築を再実行します。

  • アウトライン・エディタを使用して、手動ですべての基本ディメンションの関連付けを見直し、必要な場合は修正します。

属性ディメンションのメンバーの削除: 新しいデータでディメンションを再構築できるように、属性ディメンションのメンバーをすべて削除できます。

基本ディメンションへのメンバーの追加: 同じロード・ルールを使用して、基本ディメンションに新規メンバーを追加すると同時に、これらの新規メンバーを数値範囲属性に関連付けることができます。範囲サイズの値を指定します。

Essbaseで、最も値が大きい属性メンバーよりも大きくて範囲サイズを超える基本ディメンション値、または最も値が小さい属性メンバーより小さくて範囲サイズを超える基本ディメンション値が検出された場合、属性ディメンション内で範囲外の値に対応するメンバーが作成されます。

たとえば、数値範囲属性がアウトライン・プロパティに「範囲の一番上」(上限を含む)として定義されているとします。これは、範囲属性値がその範囲の最上位番号を表すことを意味します。サンプルの図では、Population属性ディメンションは3000000です。ソース・データに人口4,420,000のレコードが含まれていて、範囲サイズが1000000の場合、Essbaseでは属性ディメンションに4000000と5000000の2つのメンバーが追加され、値4,420,000の基本メンバーと属性5000000が関連付けられます。

図14-10 属性範囲メンバーの動的な追加


このイメージは、イメージの前のテキストで説明されている、属性ディメンションの新規メンバーを示しています。

範囲属性と基本ディメンション・メンバーを同時に追加する場合、Essbaseでは新しい属性の別名が作成されません。属性ディメンションの新規メンバーの範囲値を説明する別名が必要な場合は、ディメンション構築で別名を別途追加する必要があります。