レコードに対する操作の実行
Essbaseデータ・ロード・ルール内またはディメンション構築ルール内のフィールドを使用して、ソース内のレコードの選択基準または拒否基準を定義できます。データ・ロードでのEssbaseによるヘッダー・レコード処理方法を示すようにルールをカスタマイズすることもできます。
レコードの選択と拒否
Essbaseデータ・ロード・ルールおよびディメンション構築ルールのフィールドにフィルタを作成すると、レコードの正確な選択基準と拒否基準を定義できます。たとえば、キューブにレコードをロードする前に、特定のレコードを拒否できます。
レコードの選択
選択基準を設定して、Essbaseでデータベースにロードするレコードまたはディメンション構築に使用するレコードを指定できます。選択基準は、Essbaseがレコードをロードするために、レコード内の1つ以上のフィールドが満たす必要のある文字列および数値の条件です。レコード内の1つ以上のフィールドが選択基準を満たしていない場合、Essbaseでそのレコードはロードされません。1つ以上の選択基準を定義できます。たとえば、データ・ソースから2019 Budgetデータのみをロードするには、最初のフィールドがBudgetで、2番目のフィールドが2019のレコードのみをロードする選択基準を作成します。複数のフィールドに選択基準を定義する場合は、Essbaseで基準を組み合せる方法を指定できます。
レコードの拒否
拒否基準を設定することにより、Essbaseによって無視されるレコードを指定できます。拒否基準は、レコード内の1つ以上のフィールドが満たされると、Essbaseがレコードを拒否する文字列および数値の条件です。1つ以上の拒否基準を定義できます。レコード内に拒否基準を満たすフィールドがない場合、そのレコードはEssbaseによってロードされます。たとえば、データソースのActualデータを拒否してBudgetデータのみをロードするには、最初のフィールドがActualであるレコードを拒否する拒否基準を作成します。
複数の選択基準と拒否基準の組合せ
複数のフィールドに選択基準および拒否基準を定義する場合、Essbaseが複数のフィールドでルールを組み合せる方法(基準にANDとORのどちらを論理的に関連付けるか)を指定できます。ブール・グループからANDを選択した場合、フィールドはすべての基準に一致する必要があります。ORを選択した場合、フィールドは1つの基準にのみ一致する必要があります。データ・ロード・フィールドおよびディメンション構築フィールドに対して、グローバルなブール設定は、ルール内のすべての選択操作または拒否操作に適用されます。
ノート:
選択基準と拒否基準が同じレコードに適用された場合(同じレコードに対して選択基準と拒否基準を定義した場合)、そのレコードは拒否されます。
レコードにフィルタを適用するには:
-
基準を適用するフィールドを選択します。
-
「フィールド・プロパティ」をクリックしてから、「フィルタ」をクリックします。
-
「+」アイコンをクリックして、フィルタを追加します。
-
フィルタ基準はいくつでも必要な数だけ追加できます。この「選択」に対する説明は、「拒否」の基準にも該当します。フィールドに適用される「選択」/「拒否」の基準により、Essbaseキューブへのロード時に、データ・ロードまたはディメンション構築のレコードの承認または拒否のために満たされるフィルタを定義します。フィルタ処理のオプションには、特定の値の文字列一致または数値一致、論理結合オプションおよび大文字と小文字の区別があります。
たとえば、「条件」は、「文字列フィルタ」を選択すると、その条件が文字列一致に適用されます。「文字列フィルタ」を選択していない場合、その条件は数値に適用されます。
文字列一致の場合は、「文字列フィルタ」をクリックしてから次の条件を選択します。
「=」
は、指定の値が文字列に完全一致する必要があることを意味します「<>」
は、指定の値が文字列と一致しない必要があることを意味します「含む」
は、指定した文字列の一致が検出される必要があることを意味します「含まない」
は、指定した文字列の一致が検出されない必要があることを意味します- 大文字と小文字の区別はオプションで適用できます
データ値(数値)一致の場合は、算術条件演算子を必要に応じて使用します(
=、<>、>、<、>=、<=
)。 -
複数のフィルタを定義する場合は、論理結合演算子(「AND」または「OR」)を選択します。「AND」は、定義した選択基準または拒否基準のすべてに適合する必要があることを意味します(いずれかの条件が所定のレコードに対して満たされない場合、そのレコードにはフィルタが適用されません)。「OR」は、その逆を意味します(いずれかの基準が所定のレコードで満たされる場合は、フィルタが適用されます)。

表示されるレコードの設定
ロード・ルール・プレビューに表示されるレコード数は指定可能です。また、データ・ロードまたはディメンション構築から特定の数のレコードをスキップするようにEssbaseに指示することも可能です。
たとえば、次の新しいデータ・ロード・ルール定義では、最初の2
つのレコードがデータ・ロードからスキップされます(ただし、プレビューでは省略されません)。10件以上のレコードはプレビューに表示されません(この制限は、データ・ロード操作には影響しません)。

ノート:
Essbaseは、スキップするレコードをカウントするとき、ヘッダー・レコードをデータ・レコードと同様に扱います。
ヘッダー・レコードの処理
ヘッダー・レコードは、Essbaseデータ・ロード・ルールでは使用することもスキップすることもでき、ディメンション構築ルールではスキップする必要があります。そのルール内のフィールドを使用して、ソース・データにヘッダー・レコードが存在する場合のEssbaseによるヘッダー・レコードの処理方法を指定できます。
データ・ソースには、次のものが含まれていることがあります。
-
データ・レコード(メンバー・フィールドおよびデータ・フィールドが含まれます)
-
ヘッダー・レコード。ソース・データの内容を示しています
ノート:
SQLデータのロード時には、データ・ロード・ルールでヘッダー・レコードを含めることはできません。
次に、ヘッダー・レコードが含まれるデータ・ファイルの例を示します。
"Product","Market","Year","Scenario","Sales","COGS"
"100-10","New York","Jan","Actual","678","271"
"100-10","New York","Jan","Budget","640","260"
"100-10","New York","Feb","Actual","645","258"
"100-10","New York","Feb","Budget","610","240"
"100-10","New York","Mar","Actual","675","270"
"100-10","New York","Mar","Budget","640","250"
"100-10","New York","Apr","Budget","670","270"
"100-10","New York","May","Actual","756","302"
"100-10","New York","May","Budget","710","280"
"100-10","New York","Jun","Actual","890","356"
"100-10","New York","Jun","Budget","840","340"
ヘッダー・レコードとディメンション構築ルール
ヘッダー・レコードは、ディメンション構築ルールに役立つものではありません。ヘッダー・レコードをスキップするディメンション構築ルールを設計するには:
-
前に示したようなテキスト・ファイルをSample Basicキューブ・ディレクトリにアップロードします。
-
「アプリケーション」ページで、アプリケーション名(Sample)をクリックし、データベース名(Basic)をクリックします。
-
「スクリプト」をクリックし、「ルール」をクリックします。
-
「作成」をクリックして、「ディメンション構築(標準)」を選択します。
-
ルールに任意の名前を付けます。
-
「ソース・タイプ」には、「ファイル」を選択します。「ファイル」では、ソース・データ・ファイルまでナビゲートします。
-
「ヘッダー・レコード番号」を1に増分します。
-
データをプレビューして、「続行」をクリックします。
プレビューからヘッダー・レコードが省略されています。
ヘッダー・レコードとデータ・ロード・ルール
ヘッダー・レコードは、データ・ロード・ルールで使用することもスキップすることもできます。ヘッダー・レコードを取り込むデータ・ロード・ルールを設計するには:
-
前述の手順のステップ1から3を実行します。
-
「作成」をクリックして、「データ・ロード」を選択します。
-
ルールに任意の名前を付けます。
-
「ソース・タイプ」には、「ファイル」を選択します。「ファイル」では、ソース・データ・ファイルまでナビゲートします。
-
「データ・ロード・レコード番号」を1に増分します。
-
データをプレビューして、「続行」をクリックします。
プレビューでは、ヘッダー情報がフィールド・プロパティに取り込まれています。