高機能計算の使用方法

高機能計算は、ブロック・ストレージ・キューブでデフォルトで有効になっています。最初のフル計算を実行すると、Essbaseによってすべてのブロックが計算されます。キューブ全体を再計算すると、Essbaseは各ブロックをチェックして、それがクリーンとしてマークされているのかダーティとしてマークされているのかを確認します。部分的なキューブ計算時に不要な再計算を回避します。

この項では、高機能計算のオンとオフについて、および様々なタイプの計算での高機能計算の使用について説明します。

高機能計算のオンまたはオフ

Essbaseブロック・ストレージ・キューブでは、デフォルトで高機能計算がオンになっています。また、UPDATECALC構成設定または計算スクリプトのSET UPDATECALCコマンドを使用して、オンまたはオフにすることもできます。

デフォルトでは、高機能計算はオンです。デフォルトを変更するには、UPDATECALC構成設定を使用します。

計算スクリプトの実行中に高機能計算をオンまたはオフにするには、計算スクリプトでSET UPDATECALCコマンドを使用します。

デフォルトのフル計算での高機能計算

Essbaseブロック・ストレージ・キューブのフル計算(CALC ALL)を実行するときに高機能計算を使用すると、パフォーマンスが大幅に向上します。フル計算を実行する場合は、高機能計算をオン(デフォルト)のままにして、パフォーマンス上のメリットを生かしてください。

注意:

高機能計算を使用するときには、「高機能計算の制約事項」に記載されている情報を確認してください。

初回の計算

キューブのフル計算を初めて実行するときには、Essbaseによりすべてのブロックが計算されます。パフォーマンスは、高機能計算がオンでもオフでも同じです。

再計算

高機能計算をオンにして、キューブのフル再計算を実行すると、Essbaseによって各ブロックがクリーンとダーティのどちらとしてマークされているかが確認されます。高機能計算とデータ・ブロックのステータスを参照してください。

データ・ブロックの確認には5%から10%のパフォーマンス・オーバーヘッドが伴いますが、これは高機能計算を有効にすることによるパフォーマンスの向上に比べて微小です。

ただし、全体の約80%を超える値が変更されたデータベースを再計算する場合は、高機能計算のオーバーヘッドがメリットを上回る可能性があります。この場合は、高機能計算をオフにします。

計算スクリプト(部分計算)での高機能計算

計算スクリプトでブロック・ストレージ・キューブが部分的にしか計算されない場合、Essbaseでは、SET CLEARUPDATESTATUSコマンドを使用しないかぎり、計算済ブロックはクリーンとしてマークされません。

不要な再計算を避けるために、SET CLEARUPDATESTATUSを使用してください。

Essbaseでは、フル計算(CALC ALL)でデータ・ブロックが計算されたとき、または1つのCALC DIMコマンドですべてのディメンションが計算されたときに、データ・ブロックがクリーンとしてマークされます。高機能計算とデータ・ブロックのステータスを参照してください。

その他の計算では、計算スクリプトでSET CLEARUPDATESTATUSコマンドを使用している場合を除き、計算済データ・ブロックはEssbaseによってクリーンとしてマークされません。たとえば、データベースのサブセットを計算する場合、または2つの計算パスでデータベースを計算する場合、SET CLEARUPDATESTATUSを呼び出さないと、Essbaseによって計算済のブロックがクリーンとしてマークされません。

次の計算スクリプトでは、計算済データ・ブロックはEssbaseによってクリーンとしてマークされません。

FIX("New York")
   CALC DIM(Product, Measures);
ENDFIX
CALC DIM(Measures, Product);
CALC DIM(Market, Year, Scenario);