Essbaseフェイルオーバーの前提条件

フェイルオーバー設定には、少なくとも2台のEssbaseサーバー・マシン(ホスト)が必要です。3つ以上のホストを設置することもできますが、このドキュメントではホスト1とホスト2を取り上げます。

ホスト1はプライマリ・ノードであり、そのすべてのサービスはクラスタ化されていません(AdminServerや、オプションでEAS Liteなど)。ホスト2はセカンダリ・ノードであり、Essbaseのみを実行します。

  1. 両方のノードからアクセスできる共有ネットワーク・ドライブに、Essbase<アプリケーション・ディレクトリ>を格納するためのディレクトリを作成します。<アプリケーション・ディレクトリ>の場所が不明な場合、詳細は、「Essbaseプラットフォームの各環境の場所」を参照してください。このディレクトリは、ホスト1にEssbaseが構成される際に使用されます。マウント先のパスは両方のホストで同じである必要があります。

    たとえば、/nfs/essbase_dataをホスト1の/u01/essbase_dataにマウントする場合、ホスト2でも同じパス/u01/essbase_dataにマウントする必要があります。

    ノート:

    Windowsでは、フェイルオーバー設定での<アプリケーション・ディレクトリ>で、汎用命名規則または統一命名規則(UNC)のパスはサポートされていません。
  2. すべてのノードにEssbaseをインストールします。
    • クラスタ内の各ノードには、同じ<ORACLE_HOME>ディレクトリ・パスが必要です。ただし、このパスを共有ディレクトリにはできません。
    • インストール用のオペレーティング・システム・ユーザー名は各ノードで同じである必要があります。
    • 各ノードには独自のoraInventoryが必要です。
  3. ホスト1でのみ、Essbaseを構成します。
    • 重要: ホスト1での構成の間に、共有ディレクトリ(手順2で作成済)を<アプリケーション・ディレクトリ>として指定します。
    • ホスト1の構成時に次の情報を記録します。
      • ドメインの場所
      • ドメイン名
      • ノード・マネージャのポート
      • AdminServerポート
      • 管理対象サーバーのポート
    • 重要: ホスト2にEssbaseを構成しないでください。デフォルトでは、インストールの次はEssbaseの構成画面に移動します。ホスト2ではキャンセルしてツールを終了します。
  4. ノードを管理するためのHTTPサーバーかロード・バランサをインストールします。これは2つのホストへのネットワーク経由でのみ使用できる必要があるものですが、このトピックではホスト1で実行されるものと想定します。HTTPサーバーもロード・バランサもない場合は、Oracle HTTP Server (OHS)のインストールOracle HTTP Serverの構成の手順に従うことができます。
  5. プライマリ・ノードがTLS (SSL)に対して有効になっている場合は、フェイルオーバー・ノードを構成する前にプライマリ・ノードでTLS構成を完了します。
    1. Essbase用のWeblogic TLS接続の設定
      java -cp $ORACLE_HOME/essbase/lib/essbaseconfig.jar com.oracle.wizard.operation.helper.ssl.SslConfigHelper [RESPONSE_FILE=<response file> | DOMAIN_HOME=<${DOMAIN_HOME}>]
    2. TLS構成ユーティリティを使用してEssbaseフェイルオーバー用にTLSを構成します。

      tls_tools.properties内のSANプロパティには、OHS、プライマリ・ノードおよびフェイルオーバー・ノードのIPアドレスとDNSエントリが必要です。

      例:

      SAN=IP:10.x.x.11,IP:10.x.x.13,IP:10.x.x.17,DNS:myhost,DNS:myhost.example.com
      certCA=
      certFile=
    3. EPMデプロイメントでのみ、EPM WebLogicサーバーを、フェイルオーバー構成前に停止し、フェイルオーバー構成後に起動する必要があります。

ノート:

フェイルオーバー環境をセットアップする予定があるときに、認証にEPM Shared Servicesを使用している場合は、すべてのEssbaseノードがアクセスできる共有のネットワーク上の場所にEPM 11g Servicesをインストールする必要があります。これが不可能な場合は、各EssbaseノードでローカルにEPM Foundationコンポーネントのみをインストールできます。ただし、同じEPMスキーマを指し示します。各Essbaseノードが、EPMのインストールに関連付けられているEPM_ORACLE_HOMEとEPM_ORACLE_INSTANCEの場所を見つけられる必要があります。