discover_wls

ノート:

Enterprise Manager 13.2では、次のWeblogic Serverバージョンがサポートされます。

12.2.1.x、12.1.3.x、12.1.2.x

10.3.6.x、10.3.5.x、10.3.4.x、10.3.3.x、10.3.2.x、9.2.x

ここで説明する内容は、これらのバージョンのみに適用されます。

目的

1つ以上のWebLogicドメイン(およびこれにデプロイされるOracle Fusion Middleware 11gおよび12cソフトウェア)を検出し、どの管理エージェントがどのホストの管理対象サーバーをモニターするのかを指定するために使用します。

機能

このverbは、1つ以上のOracle WebLogic Serverドメインを検出します。これは、domain_discovery_fileというラベルの付いたファイルを読み取り、WebLogic Serverを検出します。すでに検出されているWebLogic Serverを検出しようとすると、検出済のWebLogic Serverドメインがリフレッシュされます。

要件

WebLogic Serverを検出するには、管理サーバーが稼働している必要があります。最初の検出の後またはドメイン・メンバーシップのリフレッシュ中は、一般的なWebLogic Serverのモニタリングのために管理サーバーが稼働している必要はありません。最初の検出の後またはドメイン・メンバーシップのリフレッシュ中は、WLSのモニタリングのために管理対象サーバーが稼働している必要はありません。検出の際には、Cloud Controlによって管理されるすべての管理対象サーバーを稼働させておくことをお薦めします。

domain_discovery_fileが必要です。これがないと検出は行われません。検出を実行する前に、CSV(カンマ区切りの値)形式のファイルを作成する必要があります。検出済コンポーネントをモニタリング用に特定の管理エージェントに保存するには、discover_wls verbでhost_agent_mapping_fileというラベルの付いた2番目のファイルを読み取ります。host_agent_mapping_fileが存在しない場合、domain_discovery_fileで指定されている、実際の検出を実行する管理エージェントは、すべての検出済のターゲットをモニターするエージェントとして使用します。

generate_discovery_input Verbと組み合せた使用方法

generate_discovery_input Verbは、自動検出操作によって検出されたターゲットに基づいて自動的に検出入力ファイルを作成します。この検出入力ファイルをdiscover_wls Verbとともに使用して、検出されたドメインを完全に管理されているターゲットとしてプロモートする手順をさらに自動化するために使用できます。

書式

emcli discover_wls
        -input_file=domain_discovery_file:file_path
        [-input_file=host_agent_mapping_file:file_path]
        [-input_file=disable_target_types_file:file_path]
        [-input_file=global_target_props_file:file_path]
        [-debug]

[ ]  indicates that the parameter is optional

オプション

  • input_file=domain_discovery_file

    追加するドメインごとに1行の詳細を含むCSV(カンマ区切りの値)形式ファイルの完全修飾パス。各行の書式は、ファイル構造の項のdomain_discovery_fileで示されています。

    domain_discovery_fileの形式について次の点に注意してください。

    オプション —

    • パラメータの順番は固定です。ファイル構造の項のdomain_discovery_fileで示されている順番と同じ順番で指定する必要があります。

    • 指定したパラメータのいずれかでカンマ(,)を使用する場合は、次の例に示すように、バックスラッシュでカンマをエスケープする必要があります。ここでは、パスワードpass,wordのカンマの前にバックスラッシュを挿入しています。

      10,domain123.xyx.us,11990,weblogic,pass\,word,,,farm_demo,https://myco01.mycompany.com:3872/emd/main/
      

    デリミタおよび要件 —

    • デリミタにカンマを使用します。

    • 対応するパラメータを指定しない場合でも、デリミタは指定する必要があります。ファイル構造の項のdomain_discovery_fileの最後の行を参照してください。

    • 指定したパラメータの1つでカンマ(,)を使用する場合、バックスラッシュでカンマをエスケープする必要があります。この例では、パスワードにカンマが含まれます。

      10,mco01.mycompany.com,7001,weblogic,pass\,word,,,,my_farm_01,https://mco01.mycompany.com:3872/emd/main/
      
    • 指定したパラメータの1つでバックスラッシュを使用する場合、別のバックスラッシュでバックスラッシュをエスケープする必要があります。この例では、パスワードにバックスラッシュが含まれます。

      10,mco01.mycompany.com,7001,weblogic,pass\,wo\\rd,,,,my_farm_01,https://mco01.mycompany.com:3872/emd/main/,true,false
      
    • トークンの最小数は10、最大数18です。次に、10個の必須トークンを示します。
      • <WebLogic Serverのバージョン>

      • <管理サーバー・ホスト・マシン名>

      • <管理サーバー・リスニング・ポート>

      • <管理サーバーのユーザー名>

      • <管理サーバーのパスワード>

      • <外部パラメータ - オプション>

      • <JMXプロトコル - SSLが有効な場合にのみ必要>

      • <JMXサービスURL - SSLが有効な場合にのみ必要>

      • <一意のドメイン識別子>

      • <エージェントURL>

    • パラメータの順番は固定です。ファイル構造の項のサンプル・ファイル構造で示されている順番と同じ順番でパラメータを指定する必要があります。

    input_fileパラメータの詳細は、「-input_fileの構文ガイドライン」を参照してください。

  • input_file=host_agent_mapping_file

    管理対象サーバーがモニターされるホストのシステム名(複数行)を含み、各ホストの管理対象サーバーをモニターするために使用される管理エージェントを指定するCSV(カンマ区切りの値)形式ファイルの完全修飾パス。各行の書式は次のとおりです。

    <Discovered_target_host_machine_name>,<Agent_URL_to_save/monitor_the_host>
    

    たとえば:

    myco01.mycompany.com,https://myco01.mycompany.com:3872/emd/main/
    myco02.mycompany.com,https://myco02.mycompany.com:3872/emd/main/
    myco03.mycompany.com,https://myco03.mycompany.com:3872/emd/main/
    

    パラメータの定義は次のとおりです。

    • Discovered_target_host_machine_name

      検出する必要のあるWebLogic Serverがインストールされているホスト・マシン。myco01ではなく、myco01.mycompany.comのように完全ホスト名を使用します。

    • Agent_URL_to_save/monitor_the_host

      対応するホストですべて検出されたターゲットをモニターするために使用する管理エージェントのURL。

    デリミタおよび要件 —

    • デリミタにカンマを使用します。

    • トークンの合計数は各行で固定されていて、2にする必要があります。

    • パラメータの順番は固定です。ファイル構造の項のサンプル・ファイル構造で示されている順番と同じ順番でパラメータを指定する必要があります。

    • <target_host1>および<save_to_agent1>は、どちらも必須パラメータです。

    input_fileパラメータの詳細は、「-input_fileの構文ガイドライン」を参照してください。

  • input_file=disable_target_types_file

    検出しない内部ターゲット・タイプ名の複数の行を含む、CSV(カンマ区切りの値)形式ファイルの完全修飾パス。

    たとえば:

    oracle_soa_composite
    j2ee_application
    

    discover_wls VerbをFusion Applications WebLogic Serverドメインに対して実行する場合、無効化するターゲット・タイプにFusion Applicationsターゲット・タイプを含めることができます。

  • global_target_props_file

    ターゲット・プロパティを含むCSV形式ファイルへの完全修飾パス。ファイルの構造は次のとおりです。

    <管理サーバー・ホスト・マシン名>,

    <管理サーバー・リスニング・ポート>,

    <コメント>,

    <連絡先>,

    <コスト・センター>,

    <部署>,

    <ライフサイクル・ステータス。有効な値: None、Mission Critical、Production、Staging、Test、Development>,

    <ライン・オブ・ビジネス>,

    <場所>,

    <すべてのターゲットに適用 - true/false。デフォルトはfalse>

    検出入力ファイルに指定したドメインのグローバル・プロパティを設定するには、グローバル・プロパティ・ファイルに指定した管理サーバー・ホストおよび管理サーバー・ポートが、ドメイン検出入力ファイルに指定したホストおよびポートと一致している必要があります。

  • debug

    デバッグのために冗長モードでこのverbを実行します。

ファイル構造

WebLogic Serverバージョン用のdomain_discovery_file

この例では、WebLogic Server用のサンプルのdomain_discovery_fileの構造を示します。OPTはオプション・パラメータを示しています。最後のエントリは、オプション・パラメータExternal Options、JMX Protocol、JMX Service URL、Management Agent URL、Node Manager Username、およびNode Manager Passwordが指定されていない場合の書式を示します。

<WebLogic Server version>,
<Administration Server host machine name>,
<Administration Server listen port>,
<Administration Server username>,
<Administration Server password>,
<External Options - optional>,
<JMX Protocol - Required only if SSL enabled>,
<JMX Service URL - Required only if SSL enabled>,
<Unique Domain Identifier>,
<Agent URL/>,
<Discover Down Servers - optional - Default if not specified is false>,
<Use Credential Store - optional - Default if not specified is false>
<Enable Refresh Job - optional - Default if not specified is false>
<Use Host Name in Service URL - optional - Default if not specified is false>
<Node Manager Username> - optional - Default if not specified is the Administration Server Username>
<Node Manager Password> - optional - Default if not specified is the Administration Server password>

たとえば:

10,mco01.mycompany.com,7001,weblogic,password,,,,my_farm_01,https://mco01.mycompany.com:3872/emd/main/,false,false,false,false,NodeUsername,NodePassword

パラメータの定義は次のとおりです。

  • WebLogic Server Version

    有効な値は9、10または12です。この例では、WebLogic Serverバージョン10を検出するためのdomain_discovery_file内のサンプル・エントリを示しています。

    10,myco01.mycompany.com,7001,weblogic,password,,,,soa_farm,
    https://myco02.mycompany.com:8723/emd/main/
    
  • Administration Server Host

    検出する必要のあるWeblogic管理サーバーの完全ホスト名(たとえば、myco01.mycompany.comなど)。これは必須パラメータです。

  • Port

    Weblogic管理サーバーのリスニング・ポート。

  • Username

    Weblogic管理サーバーのログイン・ユーザー名。

  • Password

    Weblogic管理サーバーのログイン・パスワード。

  • External Options

    これらのパラメータは、管理サーバーに接続するJavaプロセスに渡されます。これらの各パラメータの先頭は-Dである必要があります。

  • JMX Protocol

    管理エージェントは管理サーバーに対してJMX接続を実行し、ドメインのメンバーを検出します。有効な値はt3、t3s、iiopおよびiiopsです。プロトコルを指定しない場合は、デフォルトのt3が使用されます。

  • JML Service URL

    管理サーバーに対してJMX接続を実行します。このオプションを指定しない場合、入力パラメータに基づいて作成されます。

  • Unique Domain Identifier

    ターゲットの一意の名前を作成します。このオプションに使用できるのは、英数字と特殊文字「_」のみで、その他の特殊文字は使用できません。

  • Agent URL

    ターゲットを検出するために使用する管理エージェントのURL。値を指定しない場合は、ターゲットWebLogic Serverに存在するローカルの管理エージェントが使用されます。管理エージェントがターゲットWebLogic Serverで見つからない場合、エラーが表示されます。

  • Discover Down Servers

    この値がtrueの場合、停止しているサーバーが検出されます。falseの場合、停止しているサーバーは検出されません。

  • Use Credential Store

    この値がtrueに設定されている場合、資格証明ストアからWebLogic資格証明が取得されます。

  • Discover App Versions

    オプション - 指定されていない場合のデフォルトはtrueです

    アプリケーションのアクティブなバージョンのみが必要な場合は、falseに設定します。

  • Enable Refresh Job

    オプション - 指定されていない場合のデフォルトは、falseです

    ドメイン検出をリフレッシュする日次ジョブを実行する場合は、trueに設定します。

  • サービスURLにホスト名を使用

    オプション - 指定されていない場合のデフォルトは、falseです

  • 検出失敗のインシデントを作成

    オプション - 指定されていない場合のデフォルトは、falseです

  • Node Manager Username

    オプション - 指定されていない場合のデフォルトは、Administration Server Usernameです

    モニター対象としてノード・マネージャが検出されるようにするには、ユーザー名/パスワードが必要になります。

  • Node Manager Password

    オプション - 指定されていない場合のデフォルトは、Administration Server Passwordです

この例では、my_domains_info.csvファイルを読み取り、Cloud Controlに追加するドメインを特定します。また、my_agent_mapping.csvファイルを読み取り、どの管理エージェントがホストのどの管理対象サーバーをモニターするかを特定します。

emcli discover_wls
    -input_file=domain_discovery_file:\emcli\my_domains_info.csv
    -input_file=host_agent_mapping_file:\emcli\my_agent_mapping.csv
    -debug

この例では、標準的な出力リダイレクトを使用して、手動でdiscover_wlsの出力をファイルにリダイレクトします。

emcli discover_wls input_file=domain_discovery_file:"<fully_qualified_path_of_domain_discovery_file/domain_discovery_file.csv>" > /tmp/emcli/output_file.out