14 Oracleデータベースおよびプラガブル・データベースのクローニング
Enterprise Manager Cloud Controlでは、「フル・クローン」方法を使用してデータベースをクローニングしたり、従来のクローニング・ウィザードを使用して、RMANバックアップ、ステージング領域または既存のバックアップを使用してデータベースをクローニングできます。
この章では、データベース・クローンの作成に使用できる次の手順について概説します。他の高度なクローニング方法は、Enterprise Manager Cloud管理ガイドを参照してください。
フル・クローン・データベースの作成
フル・クローン・データベースを作成するには、次のいずれかのソリューションを使用できます。
EM CLIを使用したフル・クローン・データベースの作成
EM CLIを使用したデータベースのクローニング
データベースのフル・クローンを作成するには、db_clone_management
動詞を実行する必要があります。次に示すパラメータ付き動詞のサンプルを参照してください。emcli db_clone_management
-createFullClone
-target_name="<DB_target_name>"
-target_type="<oracle_database/rac_database>"
-clone_type="<LIVE/POINT_IN_TIME>"
-input_file="<Input_file_path>"
さらに、ライブ・クローンまたはポイント・イン・タイムのクローンの入力ファイルに含める必要のある様々なパラメータと、単一インスタンス・データベースまたはRACデータベース・クローンのクローニング時に必要な様々なパラメータを表示できます。この情報を表示するには、db_clone_management
に-print_properties
フラグを指定して実行する必要があります。emcli db_clone_management
-createFullClone
-target_name="<DB_target_name>"
-target_type="<oracle_database/rac_database>"
-clone_type="<LIVE/POINT_IN_TIME>"
-print_properties
ノート:
ソース・データベースでTDEが有効にされている場合、SRC_WALLET_PWD
、WALLET_SOURCE_SECRET
およびDEST_WALLET_PWD
プロパティも指定する必要があります。
前処理スクリプトと後処理スクリプトを使用したデータベースのクローニング
次に、データベースのクローニング・ワークフローの前処理および後処理スクリプトに取り入れられる、有効なデプロイメント・プロシージャ変数のリストを示します。前処理および後処理スクリプトの詳細は、「フリート操作用の前処理および後処理カスタム・スクリプト」を参照してください変数名 | 説明 |
---|---|
SRC_DB_TARGET_NAME |
ソース・データベース・ターゲットの名前 |
SRC_DB_TARGET_TYPE |
ソース・データベース・ターゲットのタイプ |
COMMON_GLOBAL_DB_NAME |
クローンのグローバル・データベース名 |
COMMON_DB_SID |
データベースのクローニングSID
ノート: COMMON_DB_SID を使用して、クローニングされたデータベースのデータベース一意名を取得します。ワークフロー経由でクローニングされたデータベースの一意名は、そのSIDの値と同じになります。
|
DB_TARGET_NAME |
クローン・データベース・ターゲットの名前 |
DB_TARGET_DISPLAY_NAME |
クローン・データベース・ターゲットの表示名前 |
DATABASE_TYPE |
クローン・データベースの名前。
値: |
TARGET_HOST_LIST |
宛先ホスト名 |
ORACLE_HOME_LOC |
宛先Oracleホームの場所 |
ORACLE_BASE_LOC |
宛先Oracleベースの場所 |
DB_STORAGE_TYPE |
宛先記憶域タイプ。
値: |
DB_FILE_LOC |
宛先データベース・ファイル記憶域の場所 |
FLASH_REC_AREA |
リカバリ関連のファイルが作成される宛先の場所 |
FLASH_REC_AREA_SIZE |
高速リカバリ領域のサイズ |
ARCHIVE_LOG_MODE |
データベースがARCHIVELOG モードであるかどうかを示します
|
LISTENER_PORT |
クローン・データベースが構成されるリスナー・ポート |
DB_TEMPLATE_STAGE |
宛先の一時作業ディレクトリ |
ENABLE_DATA_MASK |
クローン・データベースにデータ・マスキング定義が適用されているかどうかを示します |
変数の例:
COMMON_GLOBAL_DB_NAME=CLONEDB
COMMON_DB_SID=CLONEDB
DATABASE_TYPE=dbTypeSI
DB_STORAGE_TYPE=FS
DB_FILE_LOC=/scratch/app/oradata
FLASH_REC_AREA=/scratch/user/app/fra
FLASH_REC_AREA_SIZE=3780
ARCHIVE_LOG_MODE=YES
LISTENER_PORT=<Port number>
DB_TEMPLATE_STAGE=/tmp
SRC_DB_TARGET_NAME=xyz.example.com
SRC_DB_TARGET_TYPE=oracle_database
ORACLE_BASE_LOC=/scratch/app/base
ORACLE_HOME_LOC=/scratch/app/product/<DB Version>/dbhome_1
ORACLE_HOME_NAME=OraDBHome_Example
DB_TARGET_NAME=clonedb.xyz.example.com
TARGET_HOST_LIST=desthost.example.com
CONFIGURE_WITH_ORACLE_RESTART=<Y/N>
FRA_STORAGE_TYPE=FS
DEGREE_OF_PARALLELISM=8
ENABLE_DATA_MASK=<True/False>
DB_TARGET_DISPLAY_NAME=SAMPLE_CloneDB
データベース・クローンのステータスの検証
データベース・クローン作成のステータスを確認するには、動詞emcli get_instance_status -instance={instance GUID}
を実行します。
クローン・データベースのリフレッシュ
クローン・データベースをリフレッシュするための前提条件
- クローニングされたデータベースまたはテスト・マスターは、Enterprise Managerのデプロイメント・プロシージャを使用して作成されている必要があります。プロシージャの実行が正常に完了している必要があります。
- SSAプラグインをEnterprise Managerにインストールする必要があり、データベース・ターゲットに対してOracleCloud for Databaseライセンス・パックを有効にする必要があります。
- 「クローンの管理」ダッシュボードの「追加」ボタンを使用してデータベースがクローンとしてマークされていた場合、リフレッシュ機能は当該データベースで使用できなくなります。
- Exadataマシン(Exadataスパース・クローン)にテスト・マスター・データベースが作成されている場合、リフレッシュ機能は当該データベースで使用できません。
クローン・データベースのリフレッシュ
- 「設定」に移動し、「拡張性」を選択してから、「プラグイン」をクリックします。
- 「サーバー、ストレージおよびネットワーク」メニューから、管理サーバーおよび管理エージェント上でOracle Virtualizationプラグインをデプロイします。
- 「クラウド」メニューから、管理サーバー上でOracle Cloud Applicationプラグインをデプロイします。
- 「Oracle Database」に移動し、「クローニング」をクリックします。
- クローニング管理をクリックし、リストからクローン・データベースを選択します。
- 「リフレッシュ」をクリックします。
フル・クローン・プラガブル・データベースの作成
フル・クローン・プラガブル・データベースは、2つの方法で作成できます。Enterprise Managerのクローン・ウィザードを使用することも、EM CLIでコマンドラインを使用することもできます。
OCIリソースでPDBを管理している場合は、OCIに必要なすべての前提条件と検出が実行されていることを確認してください。詳細は、「(オプション) OCIリソースへのエージェントのデプロイ」を参照してください。
ノート:
Enterprise Manager 13.4リリース更新3以降のユーザーは、上位のバージョンのコンテナ・データベース(CDB)にプラガブル・データベース(PDB)をプラグインすることで、PDBをクローニングおよびアップグレードできます。そのPDBは、自動的に上位のCDBバージョンにアップグレードされます。クローン・ウィザードを使用したフル・クローン・プラガブル・データベースの作成
新しい「PDBのクローニング」ウィザードを使用して、PDBのフル・クローンを作成できます。フル・クローンPDBを作成するには、次のステップを実行します。
EMCLIを使用したフル・クローン・プラガブル・データベースの作成
EMCLIを使用したプラガブル・データベースのクローニング
プラガブル・データベースのフル・クローンを作成するには、動詞emcli pdb_clone_management -input_file=data:/xyz/sdf/pdb_clone.props
を実行します(pdb_clone.props
はプロパティ・ファイルです)。
プロパティ・ファイルの例(pdb_clone.props):
SRC_PDB_TARGET=cdb_prod_PDB SRC_HOST_CREDS=NC_HOST_SCY:SYCO SRC_CDB_CREDS=NC_HOST_SYC:SYCO SRC_WORK_DIR=/tmp/source DEST_HOST_CREDS=NC_SLCO_SSH:SYS DEST_LOCATION=/scratch/sray/app/sray/cdb_tm/HR_TM_PDB6 DEST_CDB_TARGET=cdb_tm DEST_CDB_TYPE=oracle_database DEST_CDB_CREDS=NC_HOST_SYC:SYCO DEST_PDB_NAME=HR_TM_PDB6
ノート:
- Oracle Cloudにフル・クローンのPDBを作成する場合に、宛先PDBとソースPDBの両方が異なるCDB内にあり、両方のCDBがOracle Cloud上にある場合は、ソースPDBが読取り/書込みモードになっていることを確認してください。これが必要な理由は、PDBのクローニングのためにデータベース・リンクが宛先CDBで作成され、データベース・リンクの使用のために一時ユーザーがソースPDBで作成されるためです。ソースPDBに接続する既存のデータベース・リンクが宛先CDBに存在する場合、パラメータEXISTING_DB_LINK_NAMEを使用してプロパティ・ファイルでデータベース・リンク名を指定します。
- バックアップを使用してPDBフル・クローン(オンプレミス)を実行する必要がある場合は、次のパラメータをプロパティ・ファイルに追加してください。
BACKUP_TYPE=RMAN DEST_STAGE_DIR=/tmp/bkp_common
一時的なバックアップの場所がソースと宛先で共有されている場合は、SKIP_DATA_TRANSFERパラメータを追加して'Y'に設定します。たとえば、SKIP_DATA_TRANSFER=Y
と指定します。これにより、クローン・プロシージャでデータ転送ステップをスキップすることが指定されます。 - ソース・データベースでTDEが有効にされていてバージョン12.2以上の場合は、
DEST_WALLET_PWD
プロパティも指定する必要があります。ソース・データベースでTDEが有効にされていて12.2より前のバージョンの場合は、SRC_WALLET_PWD
、WALLET_TRANSPORT_SECRET
およびDEST_WALLET_PWD
プロパティを指定する必要があります。
前処理スクリプトと後処理スクリプトを使用したプラガブル・データベースのクローニング
次に、プラガブル・データベースのクローニング・ワークフローの前処理および後処理スクリプトに取り入れられる、有効なデプロイメント・プロシージャ変数のリストを示します。前処理および後処理スクリプトの詳細は、「フリート操作用の前処理および後処理カスタム・スクリプト」を参照してください変数名 | 説明 |
---|---|
SRC_HOST |
ソースのホスト名 |
SRC_CDB_TARGET |
ソースCDBターゲット名 |
SRC_CDB_TYPE |
ソースCDBターゲット・タイプ。
値: |
SRC_CDB_NAME |
ソースCDB名 |
SRC_CDB_SID |
ソースCDB SID |
SRC_PDB_NAME |
ソースPDB名 |
SRC_DATABASE_VERSION |
ソースCDBのバージョン |
SRC_ORACLE_HOME |
ソースOracleホームの場所 |
DEST_HOST |
宛先ホスト名 |
DEST_CDB_TARGET |
宛先CDBターゲット名 |
DEST_CDB_TYPE |
宛先CDBターゲット・タイプ。
値: |
DEST_PDB_NAME |
宛先PDB名(クローン) |
DEST_CDB_NAME |
宛先CDB名 |
DEST_CDB_SID |
宛先CDB SID |
DEST_PDB_DISPLAY_NAME |
クローンPDBターゲットの表示名前 |
DEST_PDB_ADMIN_NAME |
宛先PDBの管理者 |
DEST_DATABASE_VERSION |
宛先CDBのバージョン |
CREATE_FILE_DEST |
宛先PDBデータファイルの記憶域の場所 |
DEST_WORK_DIR |
宛先ホスト上の作業ディレクトリ |
DEST_ORACLE_HOME |
宛先Oracleホームの場所 |
LOGGING_TYPE |
宛先PDBのロギング句 |
SRC_PDB_ORIG_STATE |
ソースPDBの元の状態 |
変数の例:
SRC_HOST=xyz.example.com
SRC_CDB_TARGET=SAMPLE_CDB1
SRC_CDB_TYPE=oracle_database
SRC_PDB_TARGET=SAMPLE_PDB1
SRC_CDB_NAME=SAMPLE_CDB1
SRC_CDB_SID=CDB1
SRC_PDB_NAME=PDB1
SRC_DATABASE_VERSION=<DB Version>
SRC_ORACLE_HOME=/scratch/app/product/<DB Version>/dbhome_1
DEST_HOST=abc.example.com
DEST_CDB_TARGET=SAMPLE_CDB2
DEST_CDB_TYPE=oracle_database
DEST_PDB_NAME=SAMPLE_PDB2
DEST_CDB_NAME=CDB2
DEST_CDB_SID=CDB2
DEST_PDB_DISPLAY_NAME=SAMPLE_Clone2_PDB
DEST_PDB_ADMIN_NAME=PDBADMIN
DEST_DATABASE_VERSION=<DB Version>
DEST_LOCATION=/scratch/app/oradata/EMEA_CL2
DEST_WORK_DIR=/tmp
DEST_ORACLE_HOME=/scratch/appk/product/<DB Version>/dbhome_1
CREATE_FILE_DEST=/scratch/app/oradata/SAMPLE_PDB2
LOGGING_TYPE=LOGGING
SRC_PDB_ORIG_STATE=READ WRITE
前処理スクリプトと後処理スクリプトを使用した再配置データベースのクローニング
次に、プラガブル・データベースの再配置クローニング・ワークフローの前処理および後処理スクリプトに取り入れられる、有効なデプロイメント・プロシージャ変数のリストを示します。前処理および後処理スクリプトの詳細は、「フリート操作用の前処理および後処理カスタム・スクリプト」を参照してください変数名 | 説明 |
---|---|
SRC_PDB_TARGET_NAME |
ソースPDBターゲット名 |
SRC_CDB_TARGET_NAME |
ソースCDBターゲット名 |
SRC_CDB_TARGET_TYPE |
ソースCDBターゲット・タイプ。
値: |
SRC_PDB_NAME |
ソースPDB名 |
SRC_PDB_MODE |
ソースPDBの状態 |
SRC_ORACLE_HOME_LOC |
ソースOracleホームの場所 |
SRC_CDB_VERSION |
ソースCDBのバージョン |
RELOCATE_TYPE |
PDB再配置のメカニズム |
AVAILABILITY |
可用性モード |
DEST_PDB_NAME |
宛先PDB名 |
DEST_PDB_DISPLAY_NAME |
再配置されるPDBターゲットの表示名前 |
DEST_CDB_TARGET_NAME |
宛先CDBターゲット名 |
DEST_CDB_TARGET_TYPE |
宛先CDBターゲット・タイプ。
値: |
DB_LINK_NAME |
PDB再配置に使用するデータベース・リンクの名前 |
DEST_WORK_DIR |
宛先ホスト上の作業ディレクトリ |
STORAGE_LOCATION |
宛先PDBデータファイルの記憶域の場所 |
LOGGING_TYPE |
宛先PDBのロギング句 |
DEST_HOST_NAME |
宛先ホスト名 |
DEST_ORACLE_HOME_LOC |
宛先Oracleホームの場所 |
DEST_CDB_VERSION |
宛先CDBのバージョン |
変数の例:
SRC_PDB_TARGET_NAME=PDB1_SAMPLE
SRC_CDB_TARGET_NAME=CDB1_SAMPLE
SRC_CDB_TARGET_TYPE=oracle_database
RELOCATE_TYPE=USING_DBLINK
AVAILABILITY=NORMAL
DEST_PDB_NAME=PDB2_SAMPLE
DEST_PDB_DISPLAY_NAME=PDB2_SAMPLE
DEST_CDB_TARGET_NAME=CDB2_SAMPLE
DEST_CDB_TARGET_TYPE=oracle_database
DB_LINK_NAME=LINK<LINK NUMBER>
DEST_WORK_DIR=/tmp/BKP_STAGE
STORAGE_LOCATION=/scratch/app/oradata
LOGGING_TYPE=LOGGING
SRC_PDB_NAME=PDB1_SAMPLE
SRC_PDB_MODE=READ WRITE
SRC_ORACLE_HOME_LOC=/scratch/app/product/<DB VERSION>/dbhome_1
SRC_CDB_VERSION=<DB VERSION>
DEST_HOST_NAME=abc.sample.com
DEST_ORACLE_HOME_LOC=/s