14 Oracleデータベースおよびプラガブル・データベースのクローニング

Enterprise Manager Cloud Controlでは、「フル・クローン」方法を使用してデータベースをクローニングしたり、従来のクローニング・ウィザードを使用して、RMANバックアップ、ステージング領域または既存のバックアップを使用してデータベースをクローニングできます。

この章では、データベース・クローンの作成に使用できる次の手順について概説します。他の高度なクローニング方法は、Enterprise Manager Cloud管理ガイドを参照してください。

フル・クローン・データベースの作成

フル・クローン・データベースを作成するには、次のいずれかのソリューションを使用できます。

クローン・ウィザードを使用したフル・クローン・データベースの作成

フル・クローン・データベースを作成するには、次のステップを実行します。

  1. 「データベース」ページで、次のいずれかの方法でフル・クローン・データベース・ウィザードにアクセスできます。
    • 表示されているデータベースのリストから、クローニングするデータベースを選択します。データベースのホームページで、「データベース」メニューをクリックし、「クローニング」「フル・クローンの作成」を選択します。
    • データベース・ターゲット名を右クリックし、「データベース」「クローニング」「フル・クローンの作成」を選択します。
    • データベース・ターゲット名を右クリックし、「データベース」「クローニング」「クローンの管理」を選択します。「クローンの管理」ページの「フル・クローン・データベース」ボックスで、「作成」をクリックします。
  2. フル・クローン・データベースの作成: ソースと宛先ページで、次の操作を実行します。
    • 「ソース」セクションで、SYSDBAのデータベース資格証明とデータベース・ホスト資格証明の検索アイコンを選択して、資格証明セレクタを起動します。「OK」をクリックします。ソース・データベースで透過的データ暗号化(TDE)が有効にされている場合は、ウォレット・パスワードおよびウォレット・トランスポート・シークレットを入力します。
    • 「データ時系列」セクションで、「即時」または「前のポイント・イン・タイム」を選択します「即時」を選択した場合、SYSASMのASM資格証明を指定するか、検索して選択します。「即時」はライブ・クローンを意味します。

      ノート:

      • ライブ・クローン(RMAN複製)は、ソースがARCHIVELOGモードの場合にのみサポートされます。
      • コンテナ・データベースの場合にのみ、「即時」オプション(ライブ・クローン)がデータ時系列でサポートされます。
      「前のポイント・イン・タイム」を選択した場合、RMANバックアップ・イメージのカルーセルが表示されます。イメージで「選択」をクリックして、適切なRMANバックアップを選択します。バックアップを選択し、必要に応じてポイント・イン・タイム・リストアを行うために時間およびSCNを変更することによって、完全なクローンを作成できます。「時間の選択」オプションには、現在のバックアップ時間に設定される最小制限、および次回のバックアップ時間に設定される最大時間制限があります。この2つの期間の間に新規クローンを作成する必要がある場合は、これを変更できます。同様に、「SCNの選択」オプションを選択して、SCNに対して同じ操作を実行できます。
  3. 宛先データベースの定義セクションで、次の操作を行います。
    • 表示名を指定します。
    • 「グローバル・データベース名」および「SID」を指定します。データベースはグローバル・データベース名によって一意に識別されます。名前の一般的な形式は、name.domainです。データベースは、SIDで一意に識別される少なくとも1つのOracleインスタンスによって参照されています。
    • 次のデータベース・タイプから1つ選択します。
      • 単一インスタンス・データベース: 「ホスト」セクションで、Oracle Homeの場所を指定します。ホストはデフォルトで指定されます。次に、データベース・ホーム資格証明およびSYSASMのASM資格証明を選択します。
      • RACデータベース: 「ホスト」セクションで、クラスタ・ターゲットを指定または選択します。Oracleホームの場所は、デフォルトで指定されます。次に、データベース・ホスト資格証明およびSYSASMのASM資格証明を指定します。「ノード」セクションで、クラスタおよびOracleホームを選択し、管理者の管理対象となるOracle RACデータベースが作成される1つ以上のホストを表示します。
      • RAC One Nodeデータベース: 「ホスト」セクションで、クラスタ・ターゲットを指定または選択します。Oracleホームの場所は、デフォルトで指定されます。次に、データベース・ホスト資格証明およびSYSASMのASM資格証明を指定します。「ノード」セクションで、クラスタおよびOracleホームを選択し、管理者の管理対象となるOracle RACデータベースが作成される1つ以上のホストを表示します。

        ノート:

        Oracleでは、クローンの一部としてインライン・パッチ適用をサポートしています。選択された宛先ホームに、最新のCPUやPSUなどのパッチが適用されている場合、クローニングされたデータベースはそのレベルで自動的に起動します。
      「次」をクリックします。
  4. 「フル・クローン・データベースの作成: 構成」ページで、次を実行します。

    ノート:

    データベース・クローン・ウィザードでは、パスの簡略化のために{ORACLE_BASE}変数のみがサポートされます。
    記憶域の場所の例:
    {ORACLE_BASE}/oradata
    • 「データベース・ファイルの場所」で、データファイル、一時ファイル、REDOログ・ファイルおよび制御ファイルを作成する場所を指定します。「ファイル・システム」または「自動ストレージ管理(ASM)」を選択した後、データベース・ファイルに対して共通の場所を指定できます。
    • 「リカバリ・ファイルの場所」で、アーカイブREDOログ、RMANバックアップ、その他の関連ファイルなどのリカバリ・ファイルを作成する場所を指定します。「高速リカバリ領域の使用」を選択して、高速領域リカバリを使用することを選択できますその場合は、高速リカバリ領域サイズを指定します。高速リカバリ領域サイズは、デフォルトでソースのサイズになります。
    • 「リスナー構成」セクションで、新規Oracleホームで実行しているリスナー・ターゲットを選択して、クローン・データベースを登録します。
    • 「データベース資格証明」セクションで、クローン・データベースのSYS、SYSTEMおよびDBSNMP管理ユーザーのパスワードを指定します。3ユーザーすべてに同じパスワードを指定するか、ユーザーごとに異なるパスワードを指定するかを選択できます。Enterprise Manager 13cリリース5更新8 (13.5.0.8)以降では、データベース・モニタリング用の非DBSNMPユーザーを指定し、そのユーザー名でDBSNMPフィールドを編集できます。このユーザーが存在しない場合は作成されます。
    • ソース・データベースでTDEが有効にされている場合は、「同じウォレット・パスワードをソースとして使用」チェック・ボックスを選択してパスワードを指定することにより、クローン・データベースのウォレット・パスワードを同じにするかどうかを指定します。

      ソース・データベースでTDEが有効にされていない場合は、対応するチェック・ボックスを選択してパスワードを指定することによって、クローン先にウォレットを構成できます。

    • 「並列性」セクションの「並列度」テキスト・ボックスに、Recovery Manager (RMAN)がデータベース・ファイルをコピーするのに使用するパラレル・チャネルの数を入力します。

      「並列度」は、Recovery Manager (RMAN)がデータベース・ファイルをコピーするのに使用するパラレル・チャネルの数です。これはホストのCPUの数として計算されます。システム・リソースが十分に使用できる場合は、並列度を増加させると処理速度が向上する可能性があります。

    「次」をクリックします。
  5. フル・クローン・データベースの作成: 初期化パラメータ・ページで、データベース・インスタンスの操作に影響する様々な初期化パラメータの値を構成できます。パラメータの値を変更するには、そのパラメータを選択して「編集」をクリックします。
    「次」をクリックします。
  6. フル・クローン・データベースの作成: 後処理ページで、次を指定します。
    • マスキング定義: データ・マスキングは、テスト・データベースや本稼働していないデータベースの機密データをマスキングするプロセスです。マスキング定義では、マスクされたデータの形式でマスクする列を定義します。データベースのクローニング後に適用するマスキング定義を指定します。

      ノート:

      マスキング定義は、Subset-Maskingライセンス・パックがある場合にのみ使用できます。

    • カスタム・スクリプト: データベースを作成する前後に実行が必要なカスタム・スクリプトを指定します。

      ソフトウェア・ライブラリでカスタム・スクリプトを格納および使用する方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Middlewareライフサイクル・マネージメント管理者ガイドソフトウェア・ライブラリに格納されているカスタム・スクリプトの使用を参照してください。

      ソフトウェア・ライブラリのDatabase as a Service/Samples/PreまたはPost Database Scriptフォルダにあるサンプル・スクリプトを表示できます。

    • データ・プロファイルの作成: このオプションでは、作成後に新規クローン・インスタンスのバックアップを自動的に取得できます。クローンまたはテスト・マスターがリフレッシュされると、このセクションに、データベースに対して作成された既存のプロファイルが表示されます。データベースとともにリフレッシュする必要のあるプロファイルを選択できます。
    • テスト・マスターとして作成: このオプションは、クローニングされるデータベースをテスト・マスター・データベースとして作成する場合に選択します。
    「次」をクリックします。
  7. フル・クローン・データベースの作成: スケジュール・ページで、一意のデプロイメント・プロシージャ・インスタンス名を指定します。デプロイメント・プロシージャを即時起動するか、後で起動するかを選択できます。
    「通知の詳細」セクションで、次の通知の設定を選択できます。
    • スケジュール済
    • 実行中
    • アクション必須
    • 一時停止中
    • 成功
    • 問題
    「次」をクリックします。
  8. フル・クローン・データベースの作成: 確認ページで、ソース・データベースの詳細、クローンのデータソース、および宛先データベースを確認します。
    「発行」をクリックします。

EM CLIを使用したフル・クローン・データベースの作成

EM CLIを使用したデータベースのクローニング

データベースのフル・クローンを作成するには、db_clone_management動詞を実行する必要があります。次に示すパラメータ付き動詞のサンプルを参照してください。
emcli db_clone_management 
-createFullClone 
-target_name="<DB_target_name>" 
-target_type="<oracle_database/rac_database>" 
-clone_type="<LIVE/POINT_IN_TIME>"
-input_file="<Input_file_path>"
さらに、ライブ・クローンまたはポイント・イン・タイムのクローンの入力ファイルに含める必要のある様々なパラメータと、単一インスタンス・データベースまたはRACデータベース・クローンのクローニング時に必要な様々なパラメータを表示できます。この情報を表示するには、db_clone_management-print_propertiesフラグを指定して実行する必要があります。
emcli db_clone_management 
-createFullClone 
-target_name="<DB_target_name>" 
-target_type="<oracle_database/rac_database>" 
-clone_type="<LIVE/POINT_IN_TIME>"
-print_properties

ノート:

ソース・データベースでTDEが有効にされている場合、SRC_WALLET_PWDWALLET_SOURCE_SECRETおよびDEST_WALLET_PWDプロパティも指定する必要があります。

前処理スクリプトと後処理スクリプトを使用したデータベースのクローニング

次に、データベースのクローニング・ワークフローの前処理および後処理スクリプトに取り入れられる、有効なデプロイメント・プロシージャ変数のリストを示します。前処理および後処理スクリプトの詳細は、「フリート操作用の前処理および後処理カスタム・スクリプト」を参照してください
変数名 説明
SRC_DB_TARGET_NAME ソース・データベース・ターゲットの名前
SRC_DB_TARGET_TYPE ソース・データベース・ターゲットのタイプ
COMMON_GLOBAL_DB_NAME クローンのグローバル・データベース名
COMMON_DB_SID データベースのクローニングSID

ノート:

COMMON_DB_SIDを使用して、クローニングされたデータベースのデータベース一意名を取得します。ワークフロー経由でクローニングされたデータベースの一意名は、そのSIDの値と同じになります。
DB_TARGET_NAME クローン・データベース・ターゲットの名前
DB_TARGET_DISPLAY_NAME クローン・データベース・ターゲットの表示名前
DATABASE_TYPE クローン・データベースの名前。

値: dbTypeSIまたはdbTypeRAC

TARGET_HOST_LIST 宛先ホスト名
ORACLE_HOME_LOC 宛先Oracleホームの場所
ORACLE_BASE_LOC 宛先Oracleベースの場所
DB_STORAGE_TYPE 宛先記憶域タイプ。

値: FSまたはASM

DB_FILE_LOC 宛先データベース・ファイル記憶域の場所
FLASH_REC_AREA リカバリ関連のファイルが作成される宛先の場所
FLASH_REC_AREA_SIZE 高速リカバリ領域のサイズ
ARCHIVE_LOG_MODE データベースがARCHIVELOGモードであるかどうかを示します
LISTENER_PORT クローン・データベースが構成されるリスナー・ポート
DB_TEMPLATE_STAGE 宛先の一時作業ディレクトリ
ENABLE_DATA_MASK クローン・データベースにデータ・マスキング定義が適用されているかどうかを示します

変数の例:

COMMON_GLOBAL_DB_NAME=CLONEDB
COMMON_DB_SID=CLONEDB
DATABASE_TYPE=dbTypeSI
DB_STORAGE_TYPE=FS
DB_FILE_LOC=/scratch/app/oradata
FLASH_REC_AREA=/scratch/user/app/fra
FLASH_REC_AREA_SIZE=3780
ARCHIVE_LOG_MODE=YES
LISTENER_PORT=<Port number>
DB_TEMPLATE_STAGE=/tmp
SRC_DB_TARGET_NAME=xyz.example.com
SRC_DB_TARGET_TYPE=oracle_database
ORACLE_BASE_LOC=/scratch/app/base
ORACLE_HOME_LOC=/scratch/app/product/<DB Version>/dbhome_1
ORACLE_HOME_NAME=OraDBHome_Example
DB_TARGET_NAME=clonedb.xyz.example.com
TARGET_HOST_LIST=desthost.example.com
CONFIGURE_WITH_ORACLE_RESTART=<Y/N>
FRA_STORAGE_TYPE=FS
DEGREE_OF_PARALLELISM=8
ENABLE_DATA_MASK=<True/False>
DB_TARGET_DISPLAY_NAME=SAMPLE_CloneDB

データベース・クローンのステータスの検証

データベース・クローン作成のステータスを確認するには、動詞emcli get_instance_status -instance={instance GUID}を実行します。

クローン・データベースのリフレッシュ

クローン・データベースをリフレッシュするための前提条件

  • クローニングされたデータベースまたはテスト・マスターは、Enterprise Managerのデプロイメント・プロシージャを使用して作成されている必要があります。プロシージャの実行が正常に完了している必要があります。
  • SSAプラグインをEnterprise Managerにインストールする必要があり、データベース・ターゲットに対してOracleCloud for Databaseライセンス・パックを有効にする必要があります。
  • 「クローンの管理」ダッシュボードの「追加」ボタンを使用してデータベースがクローンとしてマークされていた場合、リフレッシュ機能は当該データベースで使用できなくなります。
  • Exadataマシン(Exadataスパース・クローン)にテスト・マスター・データベースが作成されている場合、リフレッシュ機能は当該データベースで使用できません。

クローン・データベースのリフレッシュ

Enterprise Managerプラグインがデプロイされると、「リフレッシュ」オプションが有効になります。プラグインをデプロイするには、次のステップを実行します。
  1. 「設定」に移動し、「拡張性」を選択してから、「プラグイン」をクリックします。
  2. 「サーバー、ストレージおよびネットワーク」メニューから、管理サーバーおよび管理エージェント上でOracle Virtualizationプラグインをデプロイします。
  3. 「クラウド」メニューから、管理サーバー上でOracle Cloud Applicationプラグインをデプロイします。
これらのプラグインが正常にデプロイされている場合は、次のステップを実行することで、クローン・データベースをリフレッシュできます。
  1. 「Oracle Database」に移動し、「クローニング」をクリックします。
  2. クローニング管理をクリックし、リストからクローン・データベースを選択します。
  3. 「リフレッシュ」をクリックします。

Recovery Manager (RMAN)バックアップを使用したOracle Databaseのクローニング

RMANバックアップを使用してOracle Databaseをクローニングするには、次のステップを実行します。

  1. 「ターゲット」メニューから「データベース」を選択します。
  2. 「データベース」ページで、クローニングするデータベースを選択します。
  3. 「データベース・ターゲット」ページで、「Oracleデータベース」メニューから「クローニング」を選択し、「クローンの管理」をクリックします。
  4. 「クローンおよびリフレッシュ」ページで、クラシック・クローンに切替えリンクをクリックします。
  5. 「データベース・ログイン」ページで、資格証明を入力します。「ログイン」をクリックします。

    データベースのクローニング・ウィザードが開きます。

  6. 「クローン・データベース: ソース・タイプ」ページで、「オンライン・バックアップ」および「Recovery Manager (RMAN)を使用してデータベース・ファイルをコピーします」を選択します。

    「続行」をクリックします。

    ノート:

    RMANバックアップを使用してデータベースをクローニングする場合は、指定された宛先Oracleホームにソース・データベースが直接複製されます。ステージング領域は必要ありません。

  7. 「クローン・データベース: ソース・オプション」ページの「並列度」ボックスに、RMANがデータベース・ファイルをコピーするのに使用するパラレル・チャネルの数を入力します。デフォルトのポート番号は2です。

    ノート:

    「並列度」は、Recovery Manager (RMAN)がデータベース・ファイルをコピーするのに使用するパラレル・チャネルの数です。これはホストのCPUの数として計算されます。システム・リソースが十分に使用できる場合は、並列度を増加させると処理速度が向上する可能性があります。

  8. 「ソース・ホスト資格証明」セクションで、ソース・データベースのOracleサーバー・インストールを所有するユーザーの資格証明を入力します。「名前付き」資格証明または「新規」資格証明のいずれかを選択できます。

    「新規」資格証明を選択した場合は、ユーザー名とパスワードを入力します。再度これらの資格証明のセットを使用する場合は、「優先資格証明として設定」チェック・ボックスを選択できます。資格証明が有効であるかどうかを確認するには、「テスト」をクリックします。

    「次」をクリックします。

  9. 「クローン・データベース: 接続先の選択」ページの「接続先Oracleホーム」セクションで、「検索」をクリックします。

    ノート:

    指定されたホストにOracleホームが存在し、ソース・データベースのバージョンと一致している必要があります。

    表示された「接続先Oracleホーム」ページで、接続先Oracleホームを検索して選択します。「次」をクリックします。

  10. 「接続先ホスト資格証明」セクションで、「接続先Oracleホーム」セクションで指定したOracleホームを所有するユーザーの資格証明を入力します。
  11. 「接続先データベース」セクションで、次の手順を実行して、グローバル・データベース名、インスタンス名およびデータベース・ストレージとして選択するファイル・システムを指定します。「次」をクリックします。
    • グローバル・データベース名を指定します。

      たとえば、clone1.example.comなどです

    • 一意のインスタンス名を指定します。

      たとえば、clone1などになります。

    • データベース・ストレージとして「ファイル・システム」を選択します。

    • 「次」をクリックします。

  12. 「クローン・データベース: 接続先オプション」ページで、「データベース領域および高速リカバリ領域の使用」を選択します。

    「次」をクリックします。

  13. 「クローン・データベース: データベース構成」ページの「リスナー構成」セクションで、クローニングされたデータベースで使用するリスナーの名前とポートを指定します。既存のリスナーが使用していない新しい名前とポートを指定すると、指定したポートを使用する新しいリスナーが作成されます。

    「データベース登録」セクションで、「クローン・データベースをユーザーDBSNMPがモニターするEnterprise Managerターゲットとして登録」を選択します。ターゲット・データベースの名前を入力します。

    「次」をクリックします。

  14. 「クローン・データベース: スケジュール」ページで、クローン・ジョブ用の名前の説明を指定します。クローン・ジョブをすぐに実行するか、または後でジョブを実行する日時を指定できます。

    「次」をクリックします。

  15. 「クローン・データベース: 確認」ページで、ソース・データベースの詳細と構成、接続先データベースおよびデータベース・ストレージを確認します。データベース・ストレージ・ファイルを表示するには、「ソース・データベース・ファイルの表示」をクリックします。

    「ジョブの発行」をクリックします。

    これで、クローン・データベース・ジョブが発行されています。ジョブが完了すると、「クローン・データベース: 確認」ページが表示されます。ジョブのステータスを表示するには、「ステータスの表示」をクリックします。ページを終了するには、「OK」をクリックします。

フル・クローン・プラガブル・データベースの作成

フル・クローン・プラガブル・データベースは、2つの方法で作成できます。Enterprise Managerのクローン・ウィザードを使用することも、EM CLIでコマンドラインを使用することもできます。

OCIリソースでPDBを管理している場合は、OCIに必要なすべての前提条件と検出が実行されていることを確認してください。詳細は、「(オプション) OCIリソースへのエージェントのデプロイ」を参照してください。

ノート:

Enterprise Manager 13.4リリース更新3以降のユーザーは、上位のバージョンのコンテナ・データベース(CDB)にプラガブル・データベース(PDB)をプラグインすることで、PDBをクローニングおよびアップグレードできます。そのPDBは、自動的に上位のCDBバージョンにアップグレードされます。

クローン・ウィザードを使用したフル・クローン・プラガブル・データベースの作成

新しい「PDBのクローニング」ウィザードを使用して、PDBのフル・クローンを作成できます。フル・クローンPDBを作成するには、次のステップを実行します。

  1. 「ターゲット」メニューから「データベース」を選択します。
  2. 「表示」で、「検索リスト」を選択します。「表示」メニューから、「すべてを開く」を選択します。
  3. リストでソースCDB (ソースPDBが含まれるCDB)を見つけ、クローニングするPDBの名前をクリックします。
  4. 「Oracleデータベース」メニューから、「クローニング」「フル・クローンの作成」を選択します。
    別の方法として、ステップ3で、クローニングするPDBの名前を右クリックし、「Oracleデータベース」「クローニング」「フル・クローンの作成」を選択できます。
  5. 「ソースと宛先: フル・クローン・プラガブル・データベースの作成」ページで、次の手順を実行します。
    • ソースCDBのSYSDBA資格証明を指定します。優先資格証明を使用するか、名前付き資格証明の保存済セットを使用するか、資格証明の新規セットを指定するかを選択できます。
    • プラガブル・データベース宛先セクションで、PDBクローンの名前と表示名を指定します。Enterprise Managerでは、PDBクローン・ターゲットの識別に表示名を使用します。
    • リフレッシュ可能クローン・チェック・ボックスを選択して、手動でリフレッシュ可能なPDBを作成します。

      ノート:

      • リフレッシュ可能クローン機能はOracle Databaseバージョン12.2以上にのみ適用できます。
      • リフレッシュ可能クローンを作成するには、別のコンテナ・データベース(CDB)を選択する必要があります。同じCDBには作成できません。
      • リフレッシュ可能なPDBクローンは読取り専用モードで作成され、読取り専用またはマウント状態のどちらかのみになれます。クローンは読取り/書込みモードでオープンできません。そのため、データ・マスキングおよびSQL後スクリプトはクローンで実行できません。
    • 「PDB管理者資格証明」セクションで、PDBクローンの管理に使用する管理者ユーザー・アカウントの資格証明を指定します。
    • ソースCDBとは異なるCDBにPDBをクローニングする場合、「プラガブル・データベースの異なるコンテナ・データベースへのクローニング」を選択し、宛先CDBを指定します。

      ノート:

      宛先CDBがPDBクローンよりも上位バージョンの場合、クローニングされたPDBはデプロイメント・プロシージャの一環としてCDBのバージョンにアップグレードされます。アップグレード前SQLスクリプトは、ソースPDBに対して実行されます。

      データベース・リンク・メカニズムを使用してPDBバージョン12.1.0.2.0を上位バージョンのCDBにクローニングする前に、パッチ18633374をデプロイしていることを確認します。詳細は、MOS NOTE 2090019.1を参照してください。

    • 「資格証明」セクションで、宛先CDBのホスト資格証明を指定します。ソースCDBとは異なるCDBにPDBをクローニングする場合、宛先CDBのSYSDBA資格証明を指定します。また、宛先CDBで自動ストレージ管理(ASM)を使用してディスク・ストレージを管理している場合、ASM資格証明を指定する必要があります。

      ソース・データベースでTDEが有効にされていてバージョン12.2以上の場合は、クローン先のCDBのウォレット・パスワードおよびウォレット・トランスポート・シークレットを入力します。ソース・データベースのバージョンが12.2より前の場合は、ソースのウォレット・パスワードも入力する必要があります。ソースPDBでTDEが有効にされている場合は、TDEが有効にされているCDBに対してのみクローニングできます。

    ノート:

    データベース・バージョン12.2以上の場合は、ソースと宛先の両方のコンテナ・データベースが「アーカイブ・ログ」モードでローカルUNDOが構成されていると、ホット・クローンが実行されます。ホット・クローンは、ソースが読取り/書込みモードでオープンされているときに、プラガブル・データベースをクローニングする機能です。
  6. 「拡張」オプションを選択して、他の構成詳細の指定やデータのマスキング、クローニング・プロセスのスケジュールを行ことができます。「拡張」オプションを選択した場合は、それ以降のステップに従います。これ以上詳細を指定する必要がなければ、「クローン」をクリックします。これにより、パブリック・クラウド設定にデプロイされたCDBにPDBをクローニングするためのデプロイメント・プロシージャが発行されます。
  7. 「フル・クローン・プラガブル・データベースの作成: ソースと宛先」ページで、詳細を確認して「次へ」をクリックします。
  8. 「フル・クローン・プラガブル・データベースの作成: 構成」ページで、次の操作を実行します。
    • 「データベース・ファイルの場所」セクションで、PDBクローンのデータファイルを格納する記憶域の場所を指定します。宛先CDBでASMを使用してディスク・ストレージを管理している場合は、PDBクローンのデータファイルを格納するディスク・グループを指定します。
    • ソースPDBのデータ・モデル定義のみをクローニングし、ソースPDBデータはクローニングしない場合、「ユーザー・データの除外」を選択します。
    • 「拡張構成」セクションで、PDBクローンの最大サイズの記憶域制限と、PDBクローン内の共有表領域の最大サイズを指定します。デフォルトでは、これらの属性の値に制限はありません。
    • 「その他」セクションで、PDBクローン内に作成される表領域に対して使用するロギング・オプションを選択します。
    「次」をクリックします。
  9. 「フル・クローン・プラガブル・データベースの作成: 後処理」ページで、次の操作を実行します。
    • 「データ・マスキング」セクションで、PDBのクローニング後に適用するデータ・マスキング定義を指定します。データ・マスキングによって、データベース内の機密データがマスクされます。

      データ・マスキング定義の作成方法の詳細は、Oracle Data Masking and Subsettingガイドを参照してください。データ・マスキング定義を適用できるのは、Subset-Maskingライセンス・パックがある場合のみです。

    • 「カスタム・スクリプト」セクションの「前スクリプト」および「後スクリプト」で、PDBのクローニングの前後に実行するスクリプトを含むOracleソフトウェア・ライブラリ・コンポーネントを指定します。また、「SQLスクリプト」で、PDBのクローニング後に実行するSQLスクリプトを指定します。「実行ユーザー」には、SQLスクリプトの実行に使用するユーザー・アカウントを選択します。「次」をクリックします。
  10. 「フル・クローン・プラガブル・データベースの作成: スケジュール」ページで、クローニングのデプロイメント・プロシージャのインスタンス名を指定します。また、クローニング・プロシージャを開始する時点を指定します。
    「通知」セクションで、電子メール通知を受信するデプロイメント・プロシージャの状態を選択します。たとえば、「通知のステータス」「スケジュール済」および「成功」を選択すると、クローニング・デプロイメント・プロシージャがスケジュールされたときと、それが成功したときに電子メール通知を受信できます。

    「次」をクリックします。

  11. 「フル・クローン・プラガブル・データベースの作成: 確認」ページで、入力したすべての詳細を確認します。特定の詳細を編集する場合、「戻る」をクリックして必要なページに移動します。
    「クローン」をクリックしてデプロイメント・プロシージャを発行し、ソースPDBのフル・クローンを作成します。

EMCLIを使用したフル・クローン・プラガブル・データベースの作成

EMCLIを使用したプラガブル・データベースのクローニング

プラガブル・データベースのフル・クローンを作成するには、動詞emcli pdb_clone_management -input_file=data:/xyz/sdf/pdb_clone.propsを実行します(pdb_clone.propsはプロパティ・ファイルです)。

プロパティ・ファイルの例(pdb_clone.props):

SRC_PDB_TARGET=cdb_prod_PDB
SRC_HOST_CREDS=NC_HOST_SCY:SYCO
SRC_CDB_CREDS=NC_HOST_SYC:SYCO
SRC_WORK_DIR=/tmp/source
DEST_HOST_CREDS=NC_SLCO_SSH:SYS
DEST_LOCATION=/scratch/sray/app/sray/cdb_tm/HR_TM_PDB6
DEST_CDB_TARGET=cdb_tm
DEST_CDB_TYPE=oracle_database
DEST_CDB_CREDS=NC_HOST_SYC:SYCO
DEST_PDB_NAME=HR_TM_PDB6

ノート:

  • Oracle Cloudにフル・クローンのPDBを作成する場合に、宛先PDBとソースPDBの両方が異なるCDB内にあり、両方のCDBがOracle Cloud上にある場合は、ソースPDBが読取り/書込みモードになっていることを確認してください。これが必要な理由は、PDBのクローニングのためにデータベース・リンクが宛先CDBで作成され、データベース・リンクの使用のために一時ユーザーがソースPDBで作成されるためです。ソースPDBに接続する既存のデータベース・リンクが宛先CDBに存在する場合、パラメータEXISTING_DB_LINK_NAMEを使用してプロパティ・ファイルでデータベース・リンク名を指定します。
  • バックアップを使用してPDBフル・クローン(オンプレミス)を実行する必要がある場合は、次のパラメータをプロパティ・ファイルに追加してください。
    BACKUP_TYPE=RMAN
    DEST_STAGE_DIR=/tmp/bkp_common
    一時的なバックアップの場所がソースと宛先で共有されている場合は、SKIP_DATA_TRANSFERパラメータを追加して'Y'に設定します。たとえば、SKIP_DATA_TRANSFER=Yと指定します。これにより、クローン・プロシージャでデータ転送ステップをスキップすることが指定されます。
  • ソース・データベースでTDEが有効にされていてバージョン12.2以上の場合は、DEST_WALLET_PWDプロパティも指定する必要があります。ソース・データベースでTDEが有効にされていて12.2より前のバージョンの場合は、SRC_WALLET_PWDWALLET_TRANSPORT_SECRETおよびDEST_WALLET_PWDプロパティを指定する必要があります。

前処理スクリプトと後処理スクリプトを使用したプラガブル・データベースのクローニング

次に、プラガブル・データベースのクローニング・ワークフローの前処理および後処理スクリプトに取り入れられる、有効なデプロイメント・プロシージャ変数のリストを示します。前処理および後処理スクリプトの詳細は、「フリート操作用の前処理および後処理カスタム・スクリプト」を参照してください
変数名 説明
SRC_HOST ソースのホスト名
SRC_CDB_TARGET ソースCDBターゲット名
SRC_CDB_TYPE ソースCDBターゲット・タイプ。

値: oracle_databaseまたはrac_database

SRC_CDB_NAME ソースCDB名
SRC_CDB_SID ソースCDB SID
SRC_PDB_NAME ソースPDB名
SRC_DATABASE_VERSION ソースCDBのバージョン
SRC_ORACLE_HOME ソースOracleホームの場所
DEST_HOST 宛先ホスト名
DEST_CDB_TARGET 宛先CDBターゲット名
DEST_CDB_TYPE 宛先CDBターゲット・タイプ。

値: oracle_databaseまたはrac_database

DEST_PDB_NAME 宛先PDB名(クローン)
DEST_CDB_NAME 宛先CDB名
DEST_CDB_SID 宛先CDB SID
DEST_PDB_DISPLAY_NAME クローンPDBターゲットの表示名前
DEST_PDB_ADMIN_NAME 宛先PDBの管理者
DEST_DATABASE_VERSION 宛先CDBのバージョン
CREATE_FILE_DEST 宛先PDBデータファイルの記憶域の場所
DEST_WORK_DIR 宛先ホスト上の作業ディレクトリ
DEST_ORACLE_HOME 宛先Oracleホームの場所
LOGGING_TYPE 宛先PDBのロギング句
SRC_PDB_ORIG_STATE ソースPDBの元の状態

変数の例:

SRC_HOST=xyz.example.com
SRC_CDB_TARGET=SAMPLE_CDB1
SRC_CDB_TYPE=oracle_database
SRC_PDB_TARGET=SAMPLE_PDB1
SRC_CDB_NAME=SAMPLE_CDB1
SRC_CDB_SID=CDB1
SRC_PDB_NAME=PDB1
SRC_DATABASE_VERSION=<DB Version>
SRC_ORACLE_HOME=/scratch/app/product/<DB Version>/dbhome_1
DEST_HOST=abc.example.com
DEST_CDB_TARGET=SAMPLE_CDB2
DEST_CDB_TYPE=oracle_database
DEST_PDB_NAME=SAMPLE_PDB2
DEST_CDB_NAME=CDB2
DEST_CDB_SID=CDB2
DEST_PDB_DISPLAY_NAME=SAMPLE_Clone2_PDB
DEST_PDB_ADMIN_NAME=PDBADMIN
DEST_DATABASE_VERSION=<DB Version>
DEST_LOCATION=/scratch/app/oradata/EMEA_CL2
DEST_WORK_DIR=/tmp
DEST_ORACLE_HOME=/scratch/appk/product/<DB Version>/dbhome_1
CREATE_FILE_DEST=/scratch/app/oradata/SAMPLE_PDB2
LOGGING_TYPE=LOGGING
SRC_PDB_ORIG_STATE=READ WRITE

前処理スクリプトと後処理スクリプトを使用した再配置データベースのクローニング

次に、プラガブル・データベースの再配置クローニング・ワークフローの前処理および後処理スクリプトに取り入れられる、有効なデプロイメント・プロシージャ変数のリストを示します。前処理および後処理スクリプトの詳細は、「フリート操作用の前処理および後処理カスタム・スクリプト」を参照してください
変数名 説明
SRC_PDB_TARGET_NAME ソースPDBターゲット名
SRC_CDB_TARGET_NAME ソースCDBターゲット名
SRC_CDB_TARGET_TYPE ソースCDBターゲット・タイプ。

値: oracle_databaseまたはrac_database

SRC_PDB_NAME ソースPDB名
SRC_PDB_MODE ソースPDBの状態
SRC_ORACLE_HOME_LOC ソースOracleホームの場所
SRC_CDB_VERSION ソースCDBのバージョン
RELOCATE_TYPE PDB再配置のメカニズム
AVAILABILITY 可用性モード
DEST_PDB_NAME 宛先PDB名
DEST_PDB_DISPLAY_NAME 再配置されるPDBターゲットの表示名前
DEST_CDB_TARGET_NAME 宛先CDBターゲット名
DEST_CDB_TARGET_TYPE 宛先CDBターゲット・タイプ。

値: oracle_databaseまたはrac_database

DB_LINK_NAME PDB再配置に使用するデータベース・リンクの名前
DEST_WORK_DIR 宛先ホスト上の作業ディレクトリ
STORAGE_LOCATION 宛先PDBデータファイルの記憶域の場所
LOGGING_TYPE 宛先PDBのロギング句
DEST_HOST_NAME 宛先ホスト名
DEST_ORACLE_HOME_LOC 宛先Oracleホームの場所
DEST_CDB_VERSION 宛先CDBのバージョン

変数の例:

SRC_PDB_TARGET_NAME=PDB1_SAMPLE
SRC_CDB_TARGET_NAME=CDB1_SAMPLE
SRC_CDB_TARGET_TYPE=oracle_database
RELOCATE_TYPE=USING_DBLINK
AVAILABILITY=NORMAL
DEST_PDB_NAME=PDB2_SAMPLE
DEST_PDB_DISPLAY_NAME=PDB2_SAMPLE
DEST_CDB_TARGET_NAME=CDB2_SAMPLE
DEST_CDB_TARGET_TYPE=oracle_database
DB_LINK_NAME=LINK<LINK NUMBER>
DEST_WORK_DIR=/tmp/BKP_STAGE
STORAGE_LOCATION=/scratch/app/oradata
LOGGING_TYPE=LOGGING
SRC_PDB_NAME=PDB1_SAMPLE
SRC_PDB_MODE=READ WRITE
SRC_ORACLE_HOME_LOC=/scratch/app/product/<DB VERSION>/dbhome_1
SRC_CDB_VERSION=<DB VERSION>
DEST_HOST_NAME=abc.sample.com
DEST_ORACLE_HOME_LOC=/s