2 Oracle GoldenGate Classic Architectureのインストール
この章では、サポート対象の各種データベースにOracle GoldenGate Classicをインストールする方法について説明します。
お使いのデータベース固有のインストールの前提条件は、データベースの要件を参照してください。
トピック:
Oracle DatabaseのためのClassic Oracle GoldenGateのインストール
Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGate Classic Architectureを初めてインストールする場合の方法について学習します。
Oracle GoldenGateをインストールすると、処理の実行および管理に必要なすべてのコンポーネントが(ドライバやライブラリなどの他のベンダー製の必要なコンポーネントを除いて)インストールされ、また、Oracle GoldenGateユーティリティがインストールされます。
OUIを使用した対話型インストールの実行
対話型インストールでは、必要なインストール情報を求めるグラフィカル・ユーザー・インタフェースが提供されます。次の手順は新規のインストール、ならびにアップグレードに適用されます。ただし、Oracle GoldenGateへのアップグレードを実行するには、Oracle GoldenGateのアップグレードの手順に従ってください。これには適切な時期にOUIを実行するためのプロンプトが含まれます。
OUIを使用したサイレント・インストールの実行
次の手順は新規のインストール、ならびにアップグレードに適用されます。
システムにX-Windowsインタフェースがない場合、または自動インストールを実行する場合は、コマンド・コンソールからサイレント・インストールを実行できます。サイレント・インストールでは、Oracle製品をインストールする場合に、組織の複数のユーザーが同じインストール・プロセス・オプションを使用できます。
サイレント・インストールを実行するには、レスポンス・ファイルを実行します。レスポンス・ファイルを作成するには、インタラクティブOUIセッション中に「レスポンス・ファイルの保存」オプションを選択するか、テンプレートを編集します。
- レスポンス・ファイルを実行するには、次のコマンドを使用します。
runInstaller -silent -nowait -responseFile absolute_path_to_response_file
レスポンス・ファイルおよびテンプレートは、Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリのresponseサブディレクトリに格納されます。Oracle GoldenGateレスポンス・ファイルには、Oracle GoldenGateに固有のパラメータに加えて、Oracle構成パラメータの標準のセットが含まれます。これらのパラメータは、インタラクティブ・セッションのフィールドに対応します。
ノート:
既存のOracle GoldenGateインストールをサイレント・オプションでアップグレードする場合、次の警告が示される場合があります。
WARNING:OUI-10030:You have specified a non-empty directory to install this product. It is recommended to specify either an empty or a non-existent directory. You may, however, choose to ignore this message if the directory contains Operating System generated files or subdirectories like lost+found. Do you want to proceed with installation in this Oracle Home?
- [Enter]を押して続行します。
Windowsのカスタム・マネージャ名の指定
WindowsサービスとしてManagerプロセスをインストールする予定で、次のいずれかに該当する場合は、Managerサービスにカスタム名を指定する必要があります。
-
WindowsサービスとしてManagerをインストールして、デフォルトのサービス名
GGSMGR
以外のサービス名を使用する場合。 -
複数のManagerプロセスをWindowsサービスとしてこのシステムで実行します。システム上の各Managerサービスには、一意の名前が必要です。
Managerのカスタム・サービス名を指定するには:
-
Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリから、Oracle GoldenGateディレクトリの
ggsci.exe
を実行します。 -
次のコマンドを実行します。
EDIT PARAMS ./GLOBALS
ノート:
GLOBALS
ファイルはOracle GoldenGateインストール・ファイルのルートにあるため、このコマンドの./
の部分を使用する必要があります。 -
ファイルに次の行を追加します。
name
は、Managerサービスの一意の名前です(1語にします)。MGRSERVNAME
name
-
ファイルを保存します。ファイルは
GLOBALS
という名前で自動的に保存されますが、ファイル拡張子は付きません。Windowsサービスのインストール時とデータ処理時に使用されるため、このファイルは移動しないでください。
WindowsサービスとしてのManagerのインストール
デフォルトでは、Managerはサービスとしてインストールされず、ローカルまたはドメイン・アカウントで実行できます。ただし、このように実行する場合は、ユーザーがログアウトするとManagerは停止します。Managerをサービスとしてインストールすると、ユーザー接続とは無関係に操作でき、手動またはシステム起動時に起動するように構成できます。
Windowsクラスタの場合にManagerをサービスとしてインストールする必要がありますが、それ以外の場合はオプションです。
WindowsサービスとしてManagerをインストールする手順:
-
「スタート」、「ファイル名を指定して実行」の順にクリックし、「ファイル名を指定して実行」ダイアログ・ボックスで
cmd
と入力します。 -
サービスとしてインストールしているManagerプログラムが格納されているディレクトリに移動し、次の構文を使用して
INSTALL
ユーティリティを実行します。install
option
[...]ここで、
option
は次のいずれかです。表2-1 INSTALLユーティリティのオプション
オプション 説明 ADDEVENTS
Windowsイベント・マネージャにOracle GoldenGateイベントを追加します。
ADDSERVICE
GLOBALS
ファイルのMGRSERVNAME
パラメータで指定された名前がある場合はその名前、そうでない場合はデフォルトのGGSMGR
を使用して、Managerをサービスとして追加します。ADDSERVICE
では、サービスがローカル・システム・アカウント(ほとんどのWindowsアプリケーションの標準)で実行されるように構成します。こうすることで、ユーザーのログインとパスワードの変更に関係なくサービスを実行できるからです。Managerを特定のアカウントとして実行するには、USER
オプションとPASSWORD
オプションを使用します。ノート:
ユーザー・アカウントは、Windowsコントロール パネルの「サービス」アプレットから「プロパティ」アクションを選択することで変更できます。サービスがインストールされ、システム起動時に開始されます(
AUTOSTART
を参照)。インストール後にサービスを開始するには、システムを再起動するか、「コントロール パネル」の「サービス」アプレットから手動でサービスを開始します。AUTOSTART
ADDSERVICE
で作成されたサービスが、システム起動時に開始されるように設定します。MANUALSTART
を使用しないかぎり、これがデフォルトです。MANUALSTART
ADDSERVICE
を使用して作成されたサービスを、GGSCI、スクリプトまたは「コントロール パネル」の「サービス」アプレットから手動で開始するよう設定します。デフォルトはAUTOSTART
です。USER
name
Managerを実行するドメイン・ユーザー・アカウントを指定します。
name
については、HEADQT\GGSMGR
などのようにドメイン名、バックスラッシュおよびユーザー名を入力します。デフォルトでは、Managerサービスはローカル・システム・アカウントを使用するようにインストールされます。
PASSWORD
password
USER
で指定されたユーザーのパスワードを指定します。 -
Windowsのユーザー・アカウント制御(UAC)が有効になっている場合、コンピュータへのプログラムのアクセスを許可または拒否するよう要求されます。「許可」を選択して、
INSTALL
ユーティリティを実行できるようにします。INSTALL
ユーティリティにより、管理者権限で実行されているローカル・システム・アカウントでManagerサービスがインストールされます。サービスとしてインストールされたManagerを実行している場合、これ以降UACプロンプトが表示されることはありません。
ノート:
Managerがサービスとしてインストールされていない場合、ManagerをGGSCIコマンド・プロンプトから起動する際、Managerの権限の強化を確認するUACプロンプトがOracle GoldenGateユーザーに表示されます。他のOracle GoldenGateプログラムを実行してもプロンプトが返されます。
Oracle以外のデータベースのためのOracle GoldenGate Classic Architectureのインストール
インストールを開始する前に、お使いのデータベースに関連するデータベースの要件を参照してください。
-
Oracle GoldenGateのインストール先のシステムとディレクトリに、Oracle GoldenGateインストール・ファイルをコピーして解凍します。
ノート:
インストール・パスに空白を含めることはできません。
-
Oracle GoldenGateのインストール・ディレクトリにGLOBALSファイル(すべて大文字でファイル拡張子なし)を作成します。このファイルを編集して、
GGSCHEMA
パラメータを含め、データベースに存在する有効なスキーマ名を指定します。GLOBALSファイルおよびGGCHEMA
パラメータはほとんどのOracle GoldenGateインストールで使用され、Oracle GoldenGateオブジェクトがデータベースに作成されるときに必要です。GGSCHEMA
の値は、Oracle GoldenGateプロセスでのみ使用される専用スキーマである必要があります。GLOBALSファイルの例を次に示します。GGSCHMA schema_name
-
このディレクトリから、GGSCIを実行します。LinuxおよびUNIXの場合は、コマンド・シェルを開いて
ggsci.sh
を実行します。Windowsの場合、システムのユーザー・アカウント制御の設定によっては、管理者として
ggsci.exe
を実行する必要があります。実行可能ファイルを右クリックして、「管理者として実行」を選択します。 -
GGSCIで次のコマンドを発行して、Oracle GoldenGate作業ディレクトリを作成します。
CREATE SUBDIRS
-
Managerパラメータ・ファイルを作成し、少なくともManagerが実行される未使用のTCP/IPポートを指定します。次に例を示します。
EDIT PARAMS MGR PORT 7809
-
Managerパラメータ・ファイルを保存して閉じます。
-
Linuxの現在のユーザーとして対話的に実行されるManagerの場合は、GGSCIでManagerプロセスを起動します。
START MGR
ノート:
Windowsで実行されるManagerの場合は、Windowsのカスタム・マネージャ名の指定およびWindowsサービスとしてのManagerのインストールに関するオプションの手順を確認します。 -
GGSCIを終了します。
EXIT
Windowsのカスタム・マネージャ名の指定
WindowsサービスとしてManagerプロセスをインストールする予定で、次のいずれかに該当する場合は、Managerサービスにカスタム名を指定する必要があります。
-
WindowsサービスとしてManagerをインストールして、デフォルトのサービス名
GGSMGR
以外のサービス名を使用する場合。 -
複数のManagerプロセスをWindowsサービスとしてこのシステムで実行します。システム上の各Managerサービスには、一意の名前が必要です。
Managerのカスタム・サービス名を指定するには:
-
Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリから、Oracle GoldenGateディレクトリの
ggsci.exe
を実行します。 -
次のコマンドを実行します。
EDIT PARAMS ./GLOBALS
ノート:
GLOBALS
ファイルはOracle GoldenGateインストール・ファイルのルートにあるため、このコマンドの./
の部分を使用する必要があります。 -
ファイルに次の行を追加します。
name
は、Managerサービスの一意の名前です(1語にします)。MGRSERVNAME
name
-
ファイルを保存します。ファイルは
GLOBALS
という名前で自動的に保存されますが、ファイル拡張子は付きません。Windowsサービスのインストール時とデータ処理時に使用されるため、このファイルは移動しないでください。
WindowsサービスとしてのManagerのインストール
デフォルトでは、Managerはサービスとしてインストールされず、ローカルまたはドメイン・アカウントで実行できます。ただし、このように実行する場合は、ユーザーがログアウトするとManagerは停止します。Managerをサービスとしてインストールすると、ユーザー接続とは無関係に操作でき、手動またはシステム起動時に起動するように構成できます。
Windowsクラスタの場合にManagerをサービスとしてインストールする必要がありますが、それ以外の場合はオプションです。
WindowsサービスとしてManagerをインストールする手順:
-
「スタート」、「ファイル名を指定して実行」の順にクリックし、「ファイル名を指定して実行」ダイアログ・ボックスで
cmd
と入力します。 -
サービスとしてインストールしているManagerプログラムが格納されているディレクトリに移動し、次の構文を使用して
INSTALL
ユーティリティを実行します。install
option
[...]ここで、
option
は次のいずれかです。表2-2 INSTALLユーティリティのオプション
オプション 説明 ADDEVENTS
Windowsイベント・マネージャにOracle GoldenGateイベントを追加します。
ADDSERVICE
GLOBALS
ファイルのMGRSERVNAME
パラメータで指定された名前がある場合はその名前、そうでない場合はデフォルトのGGSMGR
を使用して、Managerをサービスとして追加します。ADDSERVICE
では、サービスがローカル・システム・アカウント(ほとんどのWindowsアプリケーションの標準)で実行されるように構成します。こうすることで、ユーザーのログインとパスワードの変更に関係なくサービスを実行できるからです。Managerを特定のアカウントとして実行するには、USER
オプションとPASSWORD
オプションを使用します。ノート:
ユーザー・アカウントは、Windowsコントロール パネルの「サービス」アプレットから「プロパティ」アクションを選択することで変更できます。サービスがインストールされ、システム起動時に開始されます(
AUTOSTART
を参照)。インストール後にサービスを開始するには、システムを再起動するか、「コントロール パネル」の「サービス」アプレットから手動でサービスを開始します。AUTOSTART
ADDSERVICE
で作成されたサービスが、システム起動時に開始されるように設定します。MANUALSTART
を使用しないかぎり、これがデフォルトです。MANUALSTART
ADDSERVICE
を使用して作成されたサービスを、GGSCI、スクリプトまたは「コントロール パネル」の「サービス」アプレットから手動で開始するよう設定します。デフォルトはAUTOSTART
です。USER
name
Managerを実行するドメイン・ユーザー・アカウントを指定します。
name
については、HEADQT\GGSMGR
などのようにドメイン名、バックスラッシュおよびユーザー名を入力します。デフォルトでは、Managerサービスはローカル・システム・アカウントを使用するようにインストールされます。
PASSWORD
password
USER
で指定されたユーザーのパスワードを指定します。 -
Windowsのユーザー・アカウント制御(UAC)が有効になっている場合、コンピュータへのプログラムのアクセスを許可または拒否するよう要求されます。「許可」を選択して、
INSTALL
ユーティリティを実行できるようにします。INSTALL
ユーティリティにより、管理者権限で実行されているローカル・システム・アカウントでManagerサービスがインストールされます。サービスとしてインストールされたManagerを実行している場合、これ以降UACプロンプトが表示されることはありません。
ノート:
Managerがサービスとしてインストールされていない場合、ManagerをGGSCIコマンド・プロンプトから起動する際、Managerの権限の強化を確認するUACプロンプトがOracle GoldenGateユーザーに表示されます。他のOracle GoldenGateプログラムを実行してもプロンプトが返されます。
Classic ArchitectureのクラスタへのOracle GoldenGateの統合
Oracle GoldenGateとOracle RAC、Oracle Clusterware、およびOracle Database File System (DBFS)またはOracle ASM Cluster File System (ACFS)との統合について学習するには、ホワイト・ペーパーOracle GoldenGate Classic ArchitectureとOracle Real Application Clustersの構成のベスト・プラクティスを参照してください。