1 概要

Oracle GoldenGateのインストールの前提条件について学習します。

トピック:

Oracle GoldenGateディストリビューションの理解と入手

Oracle GoldenGateは、Oracle GoldenGateダウンロード・ページ(https://www.oracle.com/middleware/technologies/goldengate-downloads.html)からダウンロードできます。

動作保証とシステム要件の確認

サポートされているハードウェア構成またはソフトウェア構成で製品をインストールすることを確認します。詳細は、このリリースの動作保証マトリックスを参照してください。

Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しています。新しい動作保証要件が確認されると、それらの要件は適切な動作保証に関するドキュメントに追加されます。新しい動作保証情報は常に発生する可能性があるため、動作保証ドキュメントはドキュメント・ライブラリの外部に保持され、Oracle Technology Networkで利用できます。

サポートされているプラットフォームの詳細を次に示します。
  • クロス・エンディアンのサポート: ほとんどのOracle GoldenGate製品はクロス・エンディアンのレプリケーションをサポートしています。つまり、ソース・データベースとターゲット・データベースを、Oracle GoldenGateがインストールされている実際のサーバーとは異なるプラットフォーム(またはエンディアン)にできます。

  • 完全な動作保証の基準: Oracle GoldenGateの動作保証は、多くの場合段階的に、製品の特定の新リリースに対して行われます。通常、Oracleでは最初にOracleデータベースをサポートし、次に様々なOracle以外のテクノロジやビッグ・データのテクノロジをサポートします。場合によっては、目的のデータ・ストアがOracle GoldenGateでサポートされていても、以前のリリースの動作保証マトリックスの確認が必要になることがあります。動作保証マトリックスに記載されているプラットフォームは、完全な回帰テストが実施されるか、継続性の目的で基本的な検証が実施されるプラットフォームです。

  • 推論による完全なサポート: Oracle GoldenGateでサポートされている他のテクノロジには、動作保証マトリックスに明示的にリストされていないものがあります。たとえば、Oracleではチップセット、オペレーティング・システム、データ・ストア・タイプ、データ・ストアのバージョンの組合せに基づいて、テクノロジを動作保証します。これら4つの基準が満たされているかぎり、サポートを利用できます。

  • オープン・ソースの互換性による完全サポート: ビッグ・データやOracle以外のデータベースなど、数多くのオープン・ソース・テクノロジがOracle GoldenGateで動作保証されています。ユーザーがオープン・ソース環境を使用しており、Azure Data Lake上のApache HBaseなど独自のインフラストラクチャをサポートするためにOracle GoldenGateが必要になる場合があります。このような場合、チップセット、オペレーティング・システム、オープン・ソース・フレームワークおよびフレームワークのバージョンがOracle GoldenGateで動作保証されていれば、Oracle GoldenGateは独自のオープン・ソース環境をサポートします。たとえばApache HBaseの場合、Oracle GoldenGateのサポートには、Oracle GoldenGateが動作保証されているApache HBaseのバージョンを確認する必要があります。そのバージョンが一部のクラウドで実行されている場合は、Oracle GoldenGateがサポートされます。これらのオープン・ソースの例(明示的に認定されていないもの)では、動作保証されたハードウェアにあるApacheなどの基本的なオープン・ソース構成を使用して、Oracle GoldenGateサポートを使用できます。ただし、ユーザーが選択する可能性のある各インフラストラクチャの組合せをサポートする義務は、Oracleにはありません。

  • Java JDBCのサポート: 多くのSQL、NoSQLおよびビッグ・データ・テクノロジでは、Java JDBC機能をサポートしています。Oracle GoldenGate for Big Dataを使用すると、トランザクションを任意のJDBC準拠ドライバにレプリケーションできます。個々のドライバはパフォーマンスとメタデータの点が異なる可能性があるため、Oracle GoldenGateのJDBCサポートがすべてのJDBCドライバで機能する保証はありませんが、一般的なJDBCドライバや商用の実装はOracle GoldenGateのJDBCで動作するものがほとんどで、これらはサポートもされています。使用するテクノロジが動作保証マトリックスにないが、使用できるJDBCドライバがあることがわかっている場合は、技術的な互換性とサポートされた構成の両方がある可能性があります。

  • 管理対象および管理対象外のデータ・ストア: ネイティブ・クラウド・サービスなど管理されたクラウド・サービスが登場したことにより、多くのデータ・ストアと自動化されたライフサイクル、パッチ適用および他の便利な方法が利用できるようになりました。多くの場合、管理対象データ・ストアはOracle GoldenGateの動作保証およびサポートと完全互換であり、一貫性があります。ただし、クラウド・ベンダーは、Oracle GoldenGate (特にOracle GoldenGateのExtract機能)が機能の完全な互換性のために必要とする機能へのアクセスを無効にしたり、制限を設ける場合があります。Oracle GoldenGateが通常サポートしているデータ・ストアのサード・パーティのクラウド・マネージド・サービスに関する質問があり、そのマネージド・サービスがOracle GoldenGateの動作保証マトリックスにリストされていない場合は、直接Oracle GoldenGate製品管理に連絡してください。

オペレーティング・システムの要件

この項では、Oracle GoldenGateのサポートに必要なオペレーティング・システム・リソースについて説明します。

トピック:

メモリーの要件

すべてのプラットフォーム

Oracle GoldenGateに必要なメモリーの量は、処理されるデータの量、実行されるOracle GoldenGateプロセスの数、Oracle GoldenGateで使用可能なRAMの量、およびオペレーティング・システムでRAMを開放する必要がある場合(通常はロー・ウォーターマークに達した場合)にRAMのページを一時的に格納するためにOracle GoldenGateで使用可能なディスク領域の量に応じて異なります。このRAMからディスクへの一時的な格納は、一般にスワッピングまたはページングと呼ばれます(以後スワッピングと呼びます)。プラットフォームによっては、スワップ領域という用語は、スワップ・パーティション、スワップ・ファイル、ページ・ファイル(Windows)または共有メモリー・セグメント(IBM for i)と呼ばれます。

最近のサーバーには、Oracle GoldenGateを実行するために十分なRAMとスワップ領域、メモリー管理システムが備わっています。ただし、Oracle GoldenGateで使用できるRAMの量を増やすと、Oracle GoldenGateのパフォーマンスおよびシステム全般のパフォーマンスが大幅に向上する場合があります。

通常のOracle GoldenGateインストールでは、RAMページからディスクへのスワッピングが過度に発生しないよう数GBのRAMが指定されます。RAMの競合が多いほど、多くのスワップ領域が使用されます。

ディスクへのスワッピングが過度に発生する場合、コミット・レコードを受信するまで各オープン・トランザクションのデータを格納する必要があるため、特にExtractプロセスにパフォーマンスの問題が生じます。Oracle GoldenGateがデータベースと同じシステムで稼働する場合、使用可能なRAMの量は、両方のパフォーマンスにとって非常に重要になります。

RAMとスワップの使用量は、Oracle GoldenGateプロセスではなく、オペレーティング・システムによって制御されます。Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャは、オペレーティング・システムのメモリー管理機能を利用して、Oracle GoldenGateプロセスを持続的かつ効率的に機能させます。ほとんどの場合、ユーザーは、デフォルトのOracle GoldenGateメモリー管理構成を変更する必要はありません。

Oracle GoldenGateのメモリー要件の評価の詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』CACHEMGRパラメータに関する項を参照してください。また、Oracle GoldenGateの管理Oracle GoldenGateのパフォーマンスのチューニングに関する項も参照してください。

Windowsプラットフォーム

Windows Server環境では、実行可能なプロセス・グループの数は、非対話型Windowsデスクトップ・ヒープ・メモリーの設定と密接に関係しています。Windowsデスクトップ・ヒープのデフォルト設定では、非常に限られた数のプロセス・グループのみが実行可能です。プロセス・グループが大量であり60を超えるような場合には、次の2つの選択肢があります。

  • Microsoft社の情報(Windowsデスクトップ・ヒープ・メモリー)に基づいて、レジストリの「SharedSection」フィールドの非対話型の値を調整します。

  • Oracle GoldenGateホームの数を増やし、これらのホーム間で必要なプロセス・グループの合計数を分散させます。

Windowsデスクトップ・ヒープ・メモリーの変更の詳細は、Oracle Knowledge Baseドキュメント(Doc ID 2056225.1)を確認してください。

ディスクの要件

ディスク領域の要件は、インストールされるプラットフォーム、データベース、およびOracle GoldenGateアーキテクチャに応じて異なります。

Oracle GoldenGateのインストール・ファイルのディスク要件

Oracle GoldenGateをインストールするためのディスク領域の要件は、使用しているオペレーティング・システムおよびデータベースによって異なります。ダウンロード・ファイル、拡張ファイルおよびインストール・ファイル用に十分なディスク容量があることを確認します。これは最大2GBになる可能性があります。

一時ディスクの要件

キャッシュ済トランザクション・データの合計がCACHEMGRパラメータのCACHESIZE設定を超えると、ExtractはOracle GoldenGateインストール・ディレクトリにある一時ファイルへのキャッシュ・データの書込みを開始します。Classic Architectureの場合はインストールのdirtmpフォルダにあり、Microservices Architectureの場合はそのデプロイメントの/var/tempフォルダにあります。

キャッシュ・マネージャは、ファイル・システムのすべての空き容量を使用可能とみなします。トランザクション・サイズが大きいトランザクションが多数ある場合、これらのディレクトリはすぐに満杯になります。I/O競合とディスク関連のExtractの失敗を防ぐには、ディスクをこのディレクトリ専用にします。CACHEMGRパラメータのCACHEDIRECTORYオプションを使用して、このディレクトリに名前を割り当てます。

ノート:

CACHEMGRは、内部的な自己構成および自己調整のパラメータです。このパラメータを変更する必要はほとんどありません。不必要に行うとパフォーマンスが低下する可能性があります。Oracleサービス・リクエストをオープンしてOracleサポートに問い合せる前に、経験的データを収集しておくことをお薦めします。

通常はオペレーティング・システムによるディスクへのスワップの方が、Extractによる一時ファイルの書込みよりも効率的です。デフォルトのCACHESIZE設定はこれを前提としています。したがって、これに対応する十分なディスク領域が存在する必要があります。CACHESIZEの値が超過した場合のみ、Extractがトランザクション・キャッシュ済データをファイル・システムのネームスペース内の一時ファイルに書き込むためです。システムで複数のExtractプロセスを実行する場合、ディスク要件が増大する場合があります。Oracle GoldenGateは、オープン・トランザクションを格納する十分なメモリーがないときにはディスクに書き込みます。トランザクションがコミットされるかロールバックされると、コミットされたデータは証跡ファイルに書き込まれ、データはメモリーから解放されて、Oracle GoldenGateはそのトランザクションを追跡しなくなります。1つ1つの操作後に毎回トランザクションがコミットされるときは、これらのトランザクションがディスクに書き込まれることがないため、ディスクの最小要件はありません。

ノート:

環境によってはパフォーマンスが低下する可能性があるため、OracleではCACHESIZEを変更しないことをお薦めします。

ディスク領域のその他の考慮事項

Oracle GoldenGateによってインストールされるファイルおよびバイナリに必要なディスク領域に加えて、Oracle GoldenGate証跡を保持するための追加のディスク領域を確保します。証跡のサイズはデフォルトで500MBですが、最大2GBのサイズで作成できます。必要な領域は、選択した証跡のサイズ、レプリケーション用に取得されるデータの量、消費された証跡がディスクに保持される期間によって異なります。証跡に割り当てられる推奨の最小ディスクは、次のように計算できます。

((トランザクション・ログのサイズ * 0.33) * 1日当たりのログ・スイッチの数) * 証跡を保持する日数

トランザクション・ログのサイズが1GBであり、1日当たり平均10個のログ・スイッチが存在する場合、Oracle GoldenGateは、この等式に基づき1日当たり3.3GBのデータを取得することがわかります。証跡を7日間保持できるようにする場合、証跡を保持するために必要なディスク領域の最小容量は23GBになります。

証跡とは、停止および処理中の作業データを格納する自己エージング・ファイルのセットです。証跡によって消費される領域は処理されるデータ量に応じて異なるため、これとは多少異なる容量が必要となる場合があります。

NonStop SQL/MXのディスクの要件

Oracle GoldenGateは、NonStop SMF (Storage Management Foundation)で維持される仮想ディスクではなく、物理ディスク・ドライブにインストールする必要があります。

次のように空きディスク領域を割り当てます。

  • 圧縮されたダウンロード・ファイル用に約200 MB。

  • ダウンロードの展開後のインストール・ディレクトリ用に約966 MB。この要件はインストール単位です。たとえば、Oracle GoldenGateの2つのビルドを2つの異なるディレクトリにインストールするには、1932 MBの容量を割り当てます。

ディスク領域のその他の考慮事項

Oracle GoldenGateによってインストールされるファイルおよびバイナリに必要なディスク領域に加えて、Oracle GoldenGate証跡をホストするシステムに追加で1GBのディスク領域を確保します。証跡とは、停止および処理中の作業データを格納する自己エージング・ファイルのセットです。証跡によって消費される領域は処理されるデータ量に応じて異なるため、これとは多少異なる容量が必要となる場合があります。証跡のサイズ設定のガイドラインは、Oracle GoldenGateの管理Oracle GoldenGate証跡の記憶域の割当てを参照してください。

一時ディスクの要件

デフォルトでは、Oracle GoldenGateは、メモリー管理機能の一部として、ディスクに保存するメモリー・データを、Oracle GoldenGateのインストール・ディレクトリのdirtmpサブディレクトリに保持します。このディレクトリは、トランザクションのサイズの増加に伴ってトランザクションの量が増加すると、すぐに一杯になります。I/O競合とディスク関連のExtractの失敗を防ぐには、ディスクをこのディレクトリ専用にします。

Oracle GoldenGate証跡の記憶域

証跡アクティビティがビジネス・アプリケーションによって干渉されないようにするには、別個のディスクまたはファイル・システムを割り当てて証跡ファイルを含めます。これらのファイルは、Oracle GoldenGateによって取得されるすべてのデータの格納処理中に作成されます。デフォルト・サイズは、構成プロセス時に変更できます。証跡ファイルは累積されますが、PURGEOLDEXTRACTSパラメータで設定されるルールに従ってパージできます。Oracle GoldenGateの構成時に証跡の場所を指定します。証跡ファイルの構成の詳細は、『Oracle GoldenGateの管理』証跡の作成を参照してください。

ネットワーク

Oracle GoldenGateをサポートするには、次のネットワーク・リソースが使用できる必要があります。

  • 最適なパフォーマンスと信頼性を実現するには、特にターゲットでの低レイテンシを維持するには、最速のネットワークを使用して、すべての障害点で冗長性を導入する必要があります。

  • Oracle GoldenGate Microservicesは、リバース・プロキスを使用するように構成できます。Oracle GoldenGate Microservicesには、ReverseProxySettingsというスクリプトが含まれています。このスクリプトによって、NGINXリバース・プロキシ・サーバーのみの構成ファイルを作成します。

    『Oracle Fusion Middleware Oracle GoldenGateセキュリティ・ガイド』リバース・プロキシ・サポートに関する項を参照してください。

  • DNSを含むTCPおよびUDPサービスの両方を使用するようにシステムを構成します。Oracle GoldenGateはIPv4とIPv6をサポートし、これらのプロトコルのいずれか、または両方ともがサポートされるシステムで稼働します。

  • Oracle GoldenGateのプロセスをホストし、Oracle GoldenGateの接続先となるすべてのシステムのホスト名またはIPアドレスを使用してネットワークを構成します。

  • Oracle GoldenGateには、予約されていない制限なしのTCP/IPネットワーク・ポートが複数必要になります。必要なポート数は、構成内のプロセスの数とタイプによって異なります。必要なポートに対応するManagerプロセスの構成方法の詳細は、『Oracle GoldenGateの管理』を参照してください。

  • Oracle GoldenGateのプロセスに割り当てたポートを記録しておきます。Microservices ArchitectureとManagerのデプロイメントおよびClassic Architectureでポンプを構成するとき、これらをパラメータで指定します。

  • Oracle GoldenGateポートを介した接続を受け入れるようにファイアウォールを構成します。

オペレーティング・システムの権限

Oracle GoldenGateをインストールしてプロセスを実行するために必要なオペレーティング・システムの権限を次に示します。

  • Oracle GoldenGateをインストールするユーザーには、Oracle GoldenGateソフトウェアのホーム・ディレクトリに対する読取りおよび書込み権限が付与されている必要があります。

  • Windowsにインストールする場合、Oracle GoldenGateをインストールするユーザーは管理者としてログインする必要があります。

  • Oracle GoldenGateのExtract、ReplicatおよびManagerのプロセスと、oggca.shスクリプトを使用したデプロイメントの構成は、Oracle GoldenGateディレクトリ内のファイルとサブディレクトリに対して読取り権限、書込み権限および削除権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーとして操作する必要があります。

  • トランザクション・ログおよびバックアップから読み取るExtractプロセスの場合、ログおよびバックアップ・ファイルへの読取りアクセス権を持つオペレーティング・システム・ユーザーとして動作する必要があります。

  • ExtractおよびReplicatオペレーティング・システム・ユーザーは、Oracle GoldenGate専用にすることをお薦めします。Oracle GoldenGateのプロセスを実行するユーザーは、データベース認証の構成方法に応じて機密情報を入手できる場合があります。

Windowsで実行するマネージャ

Managerプロセスは、Windowsサービスとして実行することも、現行ユーザーとしてインタラクティブに実行することもできます。Managerプロセスには次のものが必要です。

  • Oracle GoldenGateディレクトリ内のファイルおよびフォルダに対する完全な管理権限。

  • 証跡ファイルがOracle GoldenGateディレクトリ以外の場所に保存される場合は、証跡ファイルに対する完全な管理権限。

  • サーバーのローカル管理者グループのメンバーシップ(クラスタ内の全ノード)。

  • Windows認証を使用してデータベースに接続されているExtractまたはReplicatでManagerをWindowsサービスとして実行している場合、プロセスはManagerが実行されているアカウントでデータベースへのログインを試行します。Managerのサービス・アカウントにデータベースへの適切なアクセス権があることを確認します。

データの取得とレプリケーションを行うプログラムのExtractとReplicatは、Managerアカウント下で動作し、Managerのオペレーティング・システム・レベルの権限を継承します。

他のオペレーティング・システム要件

Oracle GoldenGateをサポートするには、次のオペレーティング・システムの追加機能が使用可能である必要があります。

  • Oracle GoldenGateユーザー・イグジットを使用するには、C/C++コンパイラをインストールします。これによって、必要な共有オブジェクトまたはDLLにプログラムが作成されます。

  • Oracle GoldenGateインストール・ファイルを解凍するGzip。これがない場合は、Windowsベースの製品を使用してPCにインストールを解凍し、AIX、DB2 for iまたはDB2 z/OSプラットフォームにFTP送信する必要があります。

  • DB2プラットフォームで最適な結果を得るには、高影響(HIPER)メンテナンスを定期的に適用し、現在のメンテナンス・リリースの存続期間が1年以内になるようにします。HIPERプロセスは、データの可用性や整合性に影響を及ぼす可能性のある不具合を識別します。DB2 for iおよびDB2 z/OSに見つかった不具合を修正するProgram Temporary Fixes (PTF)がIBM社から提供されます。

  • Windowsシステムで実行されているOracle GoldenGateの場合、Visual Studio 2015、2017および2019用のMicrosoft Visual C++再分散可能パッケージをインストールします。このパッケージにより、Oracle GoldenGateのプロセスに必要なVisual C++ライブラリのランタイム・コンポーネントがインストールされます。

    x64バージョンのVisual C++ 2015、2017および2019パッケージをダウンロードしてインストールします。

    https://support.microsoft.com/en-us/help/2977003/the-latest-supported-visual-c-downloads

  • Oracle GoldenGate for Oracleをリモート・ハブ・サーバーにインストールするには、Oracle GoldenGateをインストールするオペレーティング・システム・プラットフォーム用のOracle Database 21cクライアントをダウンロードしてインストールし、クライアントの管理者バージョンをインストールする必要があります。

NonStop SQL/MXのオペレーティング・システムの要件

Oracle GoldenGate for SQL/MXをサポートするには、Open System Services (OSS)環境をインストールします。

Windowsコンソールの文字セット

オペレーティング・システムとコマンド・コンソールの文字セットが同じである必要があります。オペレーティング・システムではある文字セットが設定され、DOSコマンド・プロンプトでは別の古いDOS文字セットを使用するMicrosoft Windowsシステムでは不一致が起こります。Oracle GoldenGateでは、オペレーティング・システムの文字セットを使用してGGSCIコマンド出力に情報を送信するため、コンソールの文字セットの不一致が原因で文字が正しく表示されません。次のDOSコマンドを使用して、GGSCIセッションを開く前にコンソールの文字セットを設定できます。

chcp codepagenumber

たとえば、chcp 437です。

コード・ページの概要は、https://msdn.microsoft.com/en-us/library/windows/desktop/dd317752(v=vs.85).aspxおよびコード・ページ識別子のリストhttps://msdn.microsoft.com/en-us/library/windows/desktop/dd317756(v=vs.85).aspxを参照してください。

データベースの要件

この項では、様々なデータベースに関してOracle GoldenGateをサポートするために必要なデータベース要件について説明します。

トピック:

Oracle GoldenGate for DB2 LUWのインストールの要件

DB2 LUWデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための前提条件について学習します。

トピック:

DB2 LUWのインストール・システムの選択

Oracle GoldenGate for DB2 LUWをインストールするには、次の構成のいずれかを使用します。

  • DB2 LUWデータベース・サーバーにOracle GoldenGateをインストールします。

  • Oracle GoldenGateを別のサーバーにインストールし、DB2 Connectを介してデータベース・サーバーにリモートから接続するようOracle GoldenGateを構成します。DB2 LUWに対してサポートされるOracle GoldenGateの機能はすべて、この構成でサポートされます。このオプションを使用するには、「リモートの取得または配信用のシステムの選択と構成」に進みます。

DB2 Connectを使用したDB2 LUWシステムへのリモート配信を使用する手順

  1. 中間システムの場合は、Oracle GoldenGateがインストールされているシステムとなるDB2for LUWデータベースでサポートされているものを選択します。
  2. ReplicatプロセスでDB2 Connectドライバを使用できるよう、選択したリモート・システムにDB2 for LUWをインストールして実行します。
  3. 次のDB2コマンドを使用して、リモート・システムのDB2 for LUWデータベースでDB2ターゲット・ノードを登録します。
    catalog tcpip node db2_node_name remote DNS_nameserver DB2_port-number
  4. 次のDB2コマンドを使用して、中間システムのDB2 for LUWカタログにターゲットDB2ノードを追加します。
    catalog db database_name as database_alias at node db_node_name 

    ノート:

    これらのコマンドの詳細は、IBM DB2 LUWのドキュメントを参照してください。

  5. Oracle GoldenGateをインストールします。CAについては、Oracle以外のデータベースのためのOracle GoldenGate Classic Architectureのインストールを参照してください。MAについては、Oracle GoldenGate Microservices Architectureのインストールを参照してください。
  6. Oracle GoldenGateプロセスを構成する際、ReplicatのパラメータTARGETDBにDB2ターゲット・データベース名を指定します。
リモートの取得または配信用のシステムの選択と構成

リモート・インストールでは、ソースまたはターゲットのデータベース・サーバーに対してリモートのサーバーにOracle GoldenGateをインストールします。このサーバーは、DB2 for LUWデータベースに対してOracle GoldenGateでサポートされているLinux、UNIXまたはWindowsプラットフォームです。Oracle GoldenGateのビルドは、インストール・サーバーで実行されているDB2 LUWのバージョンに適合する必要があります。

この構成では、データベースの場所はExtractおよびReplicatに対して透過的です。ExtractはソースDB2 LUWデータベース・サーバーのDB2ログを読み取ることができ、ReplicatはターゲットDB2 LUWサーバーにデータを適用できます。

リモートの取得または配信を構成する手順:

  1. DB2 Connectがインストールされたリモート・サーバーでDB2 for LUWをインストールし、実行します。
  2. 次のDB2コマンドを使用して、DB2ソースまたはターゲット・データベースでリモート・サーバーを登録します。
    catalog tcpip node db2_node_name remote remote_DNS_name
    
  3. 次のDB2コマンドを使用して、リモート・サーバーのDB2 for LUWデータベースでDB2ターゲット・ノードを登録します。
    catalog tcpip node db2_node_name remote remote_DNS_name server remote_port_number
  4. 次のDB2コマンドを使用して、リモート・サーバーのDB2カタログにDB2ソース・データベースまたはDB2ターゲット・データベースを追加します。
    catalog db database_name as database_alias at node db_node_name
     

    ノート:

    これらのコマンドの詳細は、IBM DB2 LUWのドキュメントを参照してください。

  5. リモート・サーバーのDB2 LUWデータベースに適したOracle GoldenGateのビルドをダウンロードしてインストールします。

Oracle GoldenGate for DB2 for iのインストールの要件

DB2 for iデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための前提条件について学習します。

トピック:

メモリーの要件

Oracle GoldenGateは、リモート・システムおよびデータベース・ホスト・システムに、次のメモリー・リソースを必要とします。

リモート・システム上:

Oracle GoldenGateに必要なメモリーの量は、処理されるデータの量、実行されるOracle GoldenGateプロセスの数、Oracle GoldenGateで使用可能なRAMの量、およびオペレーティング・システムでRAMを開放する必要がある場合(通常はロー・ウォーターマークに達した場合)にRAMのページを一時的に格納するためにOracle GoldenGateで使用可能なディスク領域の量に応じて異なります。このRAMからディスクへの一時的な格納は、一般にスワッピングまたはページングと呼ばれます。プラットフォームによっては、スワップ領域という用語は、スワップ・パーティション、スワップ・ファイルまたは共有メモリー・セグメント(IBM iプラットフォーム)と呼ばれます。最近のサーバーには、Oracle GoldenGateを実行するために十分なRAMとスワップ領域、メモリー管理システムが備わっています。ただし、Oracle GoldenGateで使用できるRAMの量を増やすと、Oracle GoldenGateのパフォーマンスおよびシステム全般のパフォーマンスが大幅に向上する場合があります。

通常のOracle GoldenGateインストールでは、RAMページからディスクへのスワッピングが過度に発生しないよう数GBのRAMが指定されます。RAMの競合が多いほど、多くのスワップ領域が使用されます。ディスクへのスワッピングが過度に発生する場合、コミット・レコードを受信するまで各オープン・トランザクションのデータを格納する必要があるため、特にExtractプロセスにパフォーマンスの問題が生じます。Oracle GoldenGateがデータベースと同じシステムで稼働する場合、使用可能なRAMの量は、両方のパフォーマンスにとって非常に重要になります。

RAMとスワップの使用量は、Oracle GoldenGateプロセスではなく、オペレーティング・システムによって制御されます。Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャは、オペレーティング・システムのメモリー管理機能を利用して、Oracle GoldenGateプロセスを持続的かつ効率的に機能させます。ほとんどの場合、ユーザーは、デフォルトのOracle GoldenGateメモリー管理構成を変更する必要はありません。

Oracle GoldenGateのメモリー要件の評価の詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスCACHEMGRパラメータを参照してください。

DB2 for iホスト・システムでは、各Oracle GoldenGateジャーナル・リーダーに約10-50MBのメモリーを割り当てます。

Oracle GoldenGateセキュリティ権限

この項では、Oracle GoldenGateがソースDB2 for iシステムおよびWindowsまたはLinuxターゲット・システムで必要とするセキュリティ権限について概説します。

サブディレクトリを作成する処理やプログラムを実行する処理を実行するため、Oracle GoldenGateをインストールするユーザーに、Oracle GoldenGateのインストール・ディレクトリに対する読取りと書込みの権限が必要です。Windowsシステムでは、Oracle GoldenGateをインストールするユーザーは管理者としてログインする必要があります。

Manager、ReplicatおよびCollector (プログラム名は"server")がアクティブです。Managerは、他のプロセスを制御し、受信データを受け取るCollectorと対話します。Replicatは、ODBCを介してターゲットDB2 for iデータベースにデータを適用します。

Oracle GoldenGateプロセスに、Oracle GoldenGate専用のユーザー・アカウントを割り当てます。他のプログラムでは使用できません。1つのユーザー・アカウントをすべてのOracle GoldenGateプロセスで使用できます。このアカウントには、Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリ内のファイルおよびディレクトリの読取り、書込みおよび削除権限が必要です。

Extractユーザー・プロファイルに必要な権限がない場合、Extractは次のエラーを記録して停止します。

[SC=-1224:SQL1224N A database agent could not be started to service a request, or was terminated as a result of a database system shutdown or a force command.SQL STATE 55032: The CONNECT statement is invalid, because the database manager was stopped after this application was started]

ユーザー・プロファイルは、パラメータ・ファイルを構成するときに、USERIDパラメータで指定する必要があります。また、データベースを操作するGGSCIコマンドを発行する前に、DBLOGINコマンドで指定する必要があります。

ユーザープロファイルとセキュリティ権限の詳細は、ユーザー・プロファイルとセキュリティ権限を参照してください。

一般的な要件
  • Portable Application Solution Environment (PASE)がシステムにインストールされている必要があります。

  • Java 8は、IBM i用のGoldenGateが実行されるIBM iおよびLinuxホスト・システムにインストールする必要があります。

  • OpenSSHのシステムへのインストールをお薦めします。OpenSSHは、IBM Portable Utilitiesライセンス付きプログラムに含まれており、これを使用すると、SSH端末からシステムへ他のLinuxシステムと同様にアクセスできます。

  • ライブラリ/スキーマは、IBM iシステム上のOracle GoldenGateの各インストール専用である必要があります。

  • 次の各表に、Oracle GoldenGateのリリースで必要なIBM DB2 for iのプログラム一時修正(PTF)の詳細をまとめます。

    IBM i7.3のグループPTF レベル 名前 ノート

    SF99730

    23103

    累積PTF

    該当なし

    SF99731

    12

    累積PTFパッケージを除くすべてのPTFグループ

    .

    IBM i7.4のグループPTF レベル 名前 ノート

    SF99740

    23117

    累積PTF

    該当なし

    SF99741

    8

    累積PTFパッケージを除くすべてのPTFグループ

    該当なし

    IBM i7.5のグループPTF レベル 名前 ノート

    SF99750

    23110

    累積PTF

    該当なし

    SF99751

    4

    累積PTFパッケージを除くすべてのPTFグループ

    該当なし

    これらの必須PTFのレベルは、21cリリースのOracle GoldenGateがテストされる対象となったレベルです。グループPTFレベルを確認するには、5250端末セッションからWRKPTFGRPコマンドを使用し、前述の表に示されているコマンドで特定のPTFを確認する必要があります。特定の必須以外のPTFは、少なくとも一時的に適用する必要があります。

インストール先オペレーティング・システムの選択

Oracle GoldenGate for DB2 for iは、Intel Linuxシステムでリモートで動作します。いくつかのコンポーネントは、IBM iシステムに自動的にコピーされます。

Oracle GoldenGate for Db2 for iでは、IBM i Access ODBCドライバ64ビットがサポートされています。詳細は、「サポートされているODBCドライバ」を参照してください。

次のことを考慮してください。

  • 最良のパフォーマンスは、使用するIBM iシステムへのネットワーク・レイテンシが最小のシステムで確認できます。ワイド・エリア・ネットワークで実行することはできますが、ネットワーク・レイテンシが大きくなるためにパフォーマンスが低下します。
  • Oracle GoldenGate配信には、キャプチャの現在の設定を超える特別な要件はありません。このOracle GoldenGateリリースは完全なリモート・ディストリビューションであるため、以前のOracle GoldenGate DB2 for iリモート製品は個別に出荷されなくなりました。ただし、このリリースのOracle GoldenGate for DB2 for iではWindowsはサポートされていません。それでもWindowsからDB2 for iへの配信が必要な場合は、Oracle GoldenGate DB2 for i remote 12.3を引き続き使用できます。

サポートされているODBCドライバ

Oracle GoldenGateリリース21.12以降では、Oracle GoldenGate for Db2 for iで、IBM i Access ODBCドライバ64ビット・バージョン1.1.0.27以上がサポートされています。

IBM i Access ODBCドライバの詳細は、Linux、macOSおよびPASEのアプリケーション・パッケージを参照し、Linuxオペレーティング・システム用のIBM i Accessアプリケーション・パッケージをインストールするための手順に従ってください。

また、サポートされているすべてのLinuxオペレーティング・システムでDb2 ODBCドライバとともに使用される、unixODBCドライバ・マネージャをインストールします。たとえば、Red-Hat Linuxオペレーティング・システムにunixODBCドライバ・マネージャをインストールするには、yumコマンドを使用します。詳細は、unixODBCドライバ・マネージャのインストールを参照してください。

IBM i Access ODBCドライバとunixODBCドライバ・マネージャが正常にインストールされたら、odbcinst.iniファイルとODBC.iniファイルに適切な値を追加してドライバとシステムを登録します。

isqlコマンドを使用して接続をテストすることで、DSNとドライバが正しく構成されているかどうかを確認できます。次に例を示します。

isql -v DSN user password

IBM DB2 for i用のOracle GoldenGateファイルのインストール
Oracle GoldenGateのインストールには、特定の環境変数を設定する必要があります。
  • JAVA_HOME変数は、Java 8 JREの場所に設定されます。

  • LD_LIBRARY_PATH変数には、$JAVA_HOME/lib:$JAVA_HOME/lib/amd64:$JAVA_HOME/lib/amd64/serverを含める必要があります。

Oracle GoldenGateファイルをインストールするには、次の操作を実行します。

  1. gunzipまたは同等の圧縮製品を使用して、ダウンロードしたファイルを解凍します。

  2. Oracle GoldenGateをインストールするドライブ内のフォルダに、バイナリ・モードでファイルを移動します。

  3. Oracle GoldenGateフォルダからGGSCIプログラムを実行します。

  4. GLOBALSファイルを編集して、このインストールが動作するIBM iシステムで使用されるGoldenGateライブラリ(GGSCHEMA)の場所を設定します。

  5. GGSCIで次のコマンドを発行して、Oracle GoldenGate作業ディレクトリを作成します。

    ggsci> CREATE SUBDIRS

  6. このGoldenGateインストールが動作するすべてのIBM iシステムに対して、最小でも*ALLOBJ権限があるユーザー・プロファイルを使用して、DBLOGINコマンドを実行します。これにより、GLOBALSでGGSCHEMAによって指定されているライブラリ内のIBM iシステムに対して、ネイティブ・オブジェクトを正しくコピーし設定できます。この権限レベルは、Oracle GoldenGateの設定の場合のみ必要であり、この製品の操作には必要ありません。

  7. 次のコマンドを発行してGGSCIを終了します。

    ggsci>EXIT

ノート:

アップグレード・インストール・プロセスでは、IBM iシステム上のオブジェクトの所有権は、それらのオブジェクトの元の所有者とともに保持されます。ただし、初期インストール・プロセスでは、所有者がインストール・プロファイル以外のプロファイルになる場合は、各IBM iシステムに直接ログインし、GGSCHEMAライブラリで手動で所有権を、そのシステムを対象としたユーザー・プロファイルまたはグループ・プロファイルに変更する必要があります。

Oracle GoldenGate for DB2 z/OSのインストールの要件

DB2 z/OSデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための前提条件について学習します。

トピック:

システム・サービス

UNIX System Services (USS)は、Extractサポート・モジュールの実行可能ファイルをインストールするために必要な場合にのみアクティブ化します。

Oracle GoldenGateでは、シスプレックス・データ共有がサポートされます。

メモリーの要件

Oracle GoldenGateには、Oracle GoldenGateリモート・システムおよびデータベース・ホスト・システムに次のメモリー・リソースが必要です。

リモート・システム上

Oracle GoldenGateに必要なメモリーの量は、処理されるデータの量、実行されるOracle GoldenGateプロセスの数、Oracle GoldenGateで使用可能なRAMの量、およびオペレーティング・システムでRAMを開放する必要がある場合(通常はロー・ウォーターマークに達した場合)にRAMのページを一時的に格納するためにOracle GoldenGateで使用可能なディスク領域の量に応じて異なります。このRAMからディスクへの一時的な格納は、一般にスワッピングまたはページングと呼ばれます。プラットフォームによっては、スワップ領域という用語は、スワップ・パーティション、スワップ・ファイルまたは共有メモリー・セグメント(IBM iプラットフォーム)と呼ばれます。

最近のサーバーには、Oracle GoldenGateを実行するために十分なRAMとスワップ領域、メモリー管理システムが備わっています。ただし、Oracle GoldenGateで使用できるRAMの量を増やすと、Oracle GoldenGateのパフォーマンスおよびシステム全般のパフォーマンスが大幅に向上する場合があります。

通常のOracle GoldenGateインストールでは、RAMページからディスクへのスワッピングが過度に発生しないよう数GBのRAMが指定されます。RAMの競合が多いほど、多くのスワップ領域が使用されます。

ディスクへのスワッピングが過度に発生する場合、コミット・レコードを受信するまで各オープン・トランザクションのデータを格納する必要があるため、特にExtractプロセスにパフォーマンスの問題が生じます。Oracle GoldenGateがデータベースと同じシステムで稼働する場合、使用可能なRAMの量は、両方のパフォーマンスにとって非常に重要になります。

RAMとスワップの使用量は、Oracle GoldenGateプロセスではなく、オペレーティング・システムによって制御されます。Oracle GoldenGateキャッシュ・マネージャは、オペレーティング・システムのメモリー管理機能を利用して、Oracle GoldenGateプロセスを持続的かつ効率的に機能させます。ほとんどの場合、ユーザーは、デフォルトのOracle GoldenGateメモリー管理構成を変更する必要はありません。

Oracle GoldenGateのメモリー要件の評価の詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンス』CACHEMGRパラメータに関する項を参照してください。

DB2ホスト・システム上

起動されるOracle GoldenGateログ・リーダー(oggreadb)ごとに、ログ・バッファのサイズに応じて約10MBから50MBの仮想メモリーを割り当てます。リモート・システムのExtractプロセスごとに1つ起動されます。最大ログ・バッファ・サイズを調整するには、Extractパラメータ・ファイルでTRANLOGOPTIONS BUFSIZEパラメータを使用します。

Extractログ・リーダー・コンポーネントのワークロード・マネージャ(WLM)環境を設定する場合は、環境に応じてNUMTCBを10-40の範囲に設定することをお薦めします。詳細は、IBMのドキュメントを参照してください。

DB2 z/OSのディスク要件
DB2ホスト・システム上

(ストアド・プロシージャをインストールしている場合にのみ適用されます。)zFS (zSeriesファイル・システム)または階層ファイル・システムボリュームを割り当てます。Oracle GoldenGateダウンロード・ファイルのサイズを確認するには、インストレーション・イメージを展開した後、リモートDB2システム上でzOSPrograms.zipのサイズを調べます。

DB2 z/OSのオペレーティング・システム権限

リモート・ホストでは、Oracle GoldenGate製品ディレクトリのサブディレクトリでchmod +rwコマンドを使用する権限が必要です。

表1-1に、Oracle GoldenGateを使用するために必要なその他のオペレーティング・システム権限を示します。

表1-1 オペレーティング・システム権限

DB2 z/OSユーザー権限 Extract ストアド・プロシージャ Replicat

リモートDB2サブシステムにCONNECTします。

X

X

X

インストール先オペレーティング・システムの選択

Oracle GoldenGate for DB2 for z/OSはzLinux、AIXまたはIntel Linuxシステムでリモートで動作します。データをキャプチャするには、Oracle GoldenGateがDB2ログ・データを読み取れるように、DB2インスタンスを含む小さいコンポーネントをDB2 z/OSシステムにインストールする必要があります。

Oracle GoldenGateをリモートzLinux、AIXまたはLinuxシステムにインストールするには、z/OSシステム上のDB2に接続するために次のオプションを使用できます。

  • DB2 Connect v10.5以降

  • IBM Data Server Driver for ODBC and CLI v10.5以降

  • IBM Data Server Client v10.5以降

  • IBM Data Server Runtime Client v10.5以降

次のことを考慮してください。

  • ExtractはOpen Database Connectivity (ODBC)を使用して、z/OSシステムのDB2サブシステムに接続します。その他のドライバのいずれかがまだインストールされていない場合、IBM Data Server Driver for ODBC and CLIがもっとも軽量のドライバであるため、ほとんどの構成の場合にお薦めします。ただし、他のドライバも適しています。

  • DB2のログ・データをキャプチャするには、ログ・リーダー・コンポーネントがz/OSシステムのライブラリ(PDSE)にインストールされている必要があります。ロード・ライブラリ(PDS)はサポートされません。ライブラリはAuthorized Program Facility (APF)の必要があり、インストールによりシステムを保護するために役立ちます。APF承認プログラムは、承認されたSystem Facility (APF)にアクセスできます。SQLを介してログ・リーダー・コンポーネントがリモート・システムからコールされますが、これはAPF承認であるため、承認されたワークロード・マネージャ(WLM)環境も使用してこれらのプログラムが実行されます。デフォルトのDB2が提供するWLM環境では承認されたワークロードを実行できないためです。

  • Oracle GoldenGate配信には、キャプチャの現在の設定を超える特別な要件はありません。このOracle GoldenGateリリースは完全なリモート配布であり、以前のOracle GoldenGate DB2リモート製品は個別には出荷されなくなったためです。ただし、このリリースのOracle GoldenGate for DB2 z/OSではWindowsはサポートされません。それでも、Windowsからz/OSへの配信が必要な場合は、現在でもOracle GoldenGate DB2 Remote 12.2を入手できます。

  • 一部のインストール手順を除いてUNIX System Services (USS)は前のリリースとは異なり不要になりました。

  • Windowsのみ: WindowsからDB2ターゲットにデータを適用するには、Oracle GoldenGate DB2 Remote v12.2を使用する必要があります。このシナリオではキャプチャはサポートされません。

  • DB2ターゲット・システムへのリモート配信用にOracle GoldenGate DB2 Remoteをリモートのシステムにインストールします。この構成では、Replicatは、DB2 Connectに含まれているODBC APIを使用してターゲットDB2データベースに接続します。この構成では、リモート・システムにDB2 LUWがインストールされている必要があります。

    ノート:

    DB2 for z/OSに対してサポートされるOracle GoldenGateの機能はすべて、DB2Connectによってサポートされます。また、ASCII文字データは、DB2 Connectによって自動的にEBCDICに変換されます。

  • Oracle GoldenGateはzLinux、AIXおよびIntelベースのLinuxにインストールできますが、最適なパフォーマンスを実現できるのは、ご使用のz/OSシステムまでのネットワーク・レイテンシがもっとも小さいシステムです。ワイド・エリア・ネットワークで実行することはできますが、ネットワーク・レイテンシが大きくなるためにパフォーマンスが低下します。DB2が実行されているz/OSシステムと同じ物理ハードウェアでzLinuxパーティションを使用し、パーティション間にHiperSocketsまたはVLANを使用することをお薦めします。それ以外では、同じマシン・ルーム内でOSAアダプタで接続されたシステムが次善の選択肢です。または、システム間で高速のイーサネット接続を利用できる場合は、それでも問題ありません。

DB2Connectを使用したDB2 z/OSへのリモート配信の使用

  1. 中間システムとして、DB2 for LUWデータベースに対してOracle GoldenGateでサポートされているプラットフォームを選択します。これは、Oracle GoldenGateがインストールされるシステムです。

  2. ReplicatプロセスでDB2 Connectドライバを使用できるよう、選択したリモート・システムにDB2 for LUWをインストールして実行します。

  3. 次のDB2コマンドを使用して、リモート・システムのDB2 for LUWデータベースでDB2ターゲット・ノードを登録します。

    catalog tcpip node db2_node_name remote DNS_name server DB2_port-number
  4. 次のDB2コマンドを使用して、中間システムのDB2 for LUWカタログにターゲットDB2ノードを追加します。

    catalog db database_name as database_alias at node db_node_name 

これらのコマンドの詳細は、IBM DB2 LUWのドキュメントを参照してください。

Db2 z/OSへのExtractコンポーネントのインストール
Oracle GoldenGateのDb2 z/OS Extractでは、SQLオブジェクトを使用してDb2ログにアクセスして読み取ります。Oracle GoldenGate Db2 z/OSオブジェクトには、最小ハードウェア・プラットフォームとしてz10、最小オペレーティング・システム・リリースとして1.13、最小Db2リリースとして11が必要です。コンポーネントは、実行可能ロード・モジュール、SQLストアド・プロシージャおよびファンクション、およびストアド・プロシージャを介してコールされる外部プログラムで構成されます。これらのコンポーネントは次のとおりです。
  1. 外部プログラム(認可)には、次のプログラムが含まれます:

    1. oggib001 – 初期化およびユーティリティ・プログラム

    2. oggrb001 – ログ読取りプログラム機能

    3. oggmt001 – ECSAおよび64ビット・メモリーを監視するスタンドアロン・プログラム

    4. oggjt001oggib001プログラムから実行されるoggmt001起動JCLのセットアップ・プログラム
    5. oggfr001 – DBAがOracle Supportのガイダンスで使用するユーティリティ

  2. SQLストアド・プロシージャおよびファンクションには、OGGINITBおよびOGGREADB SQLを含むdemo_db2_setupb_os390.SQLが含まれます。

  3. JCLプロシージャ、oggtask.jcl

ノート:

これらの外部名、SQLおよびJCL名はデフォルト名であり、編集および更新できます。このプロセスについては、後続の項で説明します。

Db2 z/OS Extractのレプリケーション・プロセスは、Db2 z/OS Extractとそのメインフレーム・コンポーネントのレプリケーション・プロセスを示しています。

図1-1 Db2 z/OS Extractのレプリケーション・プロセス


Db2 z/OS Extractのレプリケーション・プロセス

次の図に示す数字1から9を使用して、プロセスが開始および実行されます。
  1. Extractは、インストール時に作成されたパラメータ・ファイルから、JCLパラメータを含むパラメータを読み取ります。

  2. Extractは起動情報をレポートし、証跡ファイルの書込みを準備します。

  3. ODBCは、Db2データベースから情報を収集し、レプリケーションを開始するために使用されます。

  4. OGGINITB SQLストアド・プロシージャは、共有メモリーの準備、およびレプリケーションに必要なその他のデータの収集を開始します。

  5. SQLストアド・プロシージャによってコールされるOGGIB001外部プログラムは、OGGJT001ジョブ設定プログラムを使用してメモリー・モニター・タスクを開始します。

  6. OGGMT001メモリー・モニター・タスクは、ECSAおよび64ビットの共有メモリーの監視を開始します。

  7. OGGREADB SQLファンクションは、外部プログラムOGGRB001をコールします。

  8. OGGRB001外部プログラムは、Db2ログ読取りプログラムを繰り返しコールして、1から多数のログ・レコード・バッファをExtractに返す結果セットを作成します。

  9. ログ・レコードの結果セットが完了すると、OGGRB001は結果セットをExtractに送信した後に終了します。

Extractは、停止または異常終了するまでステップ7から9を繰り返します。メモリー・タスクの起動に失敗すると、OGGI001プログラムがJCLエラーまたは設定の問題があったことを示すフラグを返し、Extractは独自のメモリーを管理します。メモリー・タスクが正常に開始すると、メモリー・タスクは48バイトのECSA共有メモリー内の絶えず変更するフィールドをテストします。Extractがなんらかの理由で終了すると、これらのフィールドは変更されなくなります。その時点で、メモリー・マネージャは、Extractまたはネットワークが遅い場合は待機し、メモリーを解放してから、構成された時間制限の後に停止します。

Oracle GoldenGate for Db2 z/OSのExtractに必要なコンポーネントをインストールするには:
  1. ライブラリ(PDSE)がDb2 z/OSシステムに存在し、このライブラリが承認されたライブラリ・リストに含まれていることを確認します。このライブラリはOracle GoldenGateの外部プログラム・オブジェクトが配置される場所です。
  2. APF承認のWLM環境が存在し、前述のステップのPDSEを参照していることを確認します。WLM環境のNUMTCBの値は、ストアド・プロシージャの場合、10から40にすることをお薦めします。NUMTCB値は、データベースに対して同時に実行されているExtractの最大数およびそれぞれが必要なスループットに依存します。NUMTCBの選択に柔軟性を持たせたい場合、WLMの起動JCLで指定します(ただし、作成パネルでは指定しないでください)。
  3. WLMアプリケーション環境およびストアド・プロシージャの作成のためのセキュリティを設定するには、次の手順を実行します。
    1. (オプション)ストアド・プロシージャを実行できるWLM確立アドレス空間を指定します。このステップを実行しないと、どのWLM確立アドレス空間でもストアド・プロシージャを実行できます。
    2. 特定のWLMアドレス空間にプロシージャを作成するために、ユーザーへアクセス権を付与します。
    3. 特定のスキーマにプロシージャを作成するために、ユーザーへアクセス権を付与します。該当するスキーマのためにCREATINオプションでGRANT文を使用します。
    4. 特定のコレクションにプロシージャのパッケージを作成するために、ユーザーへアクセス権を付与します。該当するコレクションのためにCREATEオプションでGRANT文を使用します。 
    5. アクセス権を付与してWLM環境を該当するユーザーに対してリフレッシュします。
    6. 適切なユーザーにRACF権限を追加し、WLMプロシージャがメモリー・マネージャ・ジョブを開始できるようにします。
  4. WLM起動JCLプロシージャの実行に使用するIDにRRSAFを使用する権限があることを確認します。Db2 WLMアドレス空間の1つが起動されるたびに、RRSAFを使用してDb2に接続します。Db2 11 for z/OSインストレーションおよび移行のガイドを参照してください
  5. Oracle GoldenGate for Db2 z/OSのLinuxまたはUNIXインストールには、zOSPrograms.zipというZIPファイルがあります。zOSPrograms.zipを解凍してzOSPrograms.tarにし、zOSPrograms.tarをバイナリ・モードでDb2 z/OSシステムのHFSディレクトリにコピーします。
  6. Db2 z/OSシステムでUSSまたはOMVSを使用して、ディレクトリを、zOSPrograms.tarを含むそのディレクトリに変更します。
  7. tar -xovf zOSPrograms.tarコマンドを使用して、オブジェクトをリストアします。

    ノート:

    このコマンドでは、コピー先は、二重引用符、スラッシュ、一重引用符、承認されたPDSE名、一重引用符、二重引用符で示されています。-Xは大文字のXで、小文字のxではありません

  8. オブジェクトを承認されたPDSEにコピーします。cp –X ogg[irmj][abt][0-9]* "//'authorized_PDSE_name'"を使用します(ここでauthorized_PDSE_nameは、Oracle GoldenGateオブジェクト用のAPF承認PDSEの名前です)。このコマンドを使用して、デフォルト名のオブジェクトをインストールします。
  9. 異なる名前でスクリプトをインストールすると、システム・プロトコルに準拠したり、複数のバージョンのOracle GoldenGateを実行したりできます。異なる名前のスクリプトをインストールするには、PDSEにコピーする前に、プログラムの名前を変更するシェル・スクリプトを作成することをお薦めします。シェル・スクリプトの例は、次のコード・スニペットに示されています。
    #!/bin/bash
    # Copy new programs renaming them to version 21.12 names.
    cp oggib001 oggi2112
    cp oggrb001 oggr2112
    cp oggmt001 oggm2112
    cp oggjt001 oggj2112
    cp -X oggi2112 “//’SYS4.WLMDSNA.AUTHLOAD’”
    cp -X oggr2112 “//’SYS4.WLMDSNA.AUTHLOAD’”
    cp -X oggm2112 “//’SYS4.WLMDSNA.AUTHLOAD’”
    cp -X oggj2112 “//’SYS4.WLMDSNA.AUTHLOAD’”
    

    スクリプトは、chmod +xコマンドを使用して実行できます。このスクリプトは、新しいバージョンにコピーして再利用できます。

  10. Oracle GoldenGateがExtractオブジェクトをコールできるように、選択したSQLツールを使用してSQLプロシージャを作成する必要があります。Oracle GoldenGateストアド・プロシージャは、レプリケーションのために使用するユーザーのみに権限を付与する必要があります。

    Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリ内のSQLスクリプトの例には、Db2 z/OSインスタンスにストアド・プロシージャを設定するSQL文が含まれています。demo_db2_setupb_os390.sqlスクリプトはDb2 v11.1以降用です。Db2 z/OSインスタンスに接続できる任意のプラットフォームで任意のSQLツールを使用して実行できます。このスクリプトは、Extractで使用するDb2インスタンス上で実行する必要があります。リモート・インストール・ディレクトリに提供されるスクリプトはASCII形式です。同じスクリプトが、EBCDICで、Db2 z/OSシステムにあるzOSPrograms.tarからリストアされます。これは、SPUFIなどのネイティブDb2 z/OSツールを介して使用する場合に適しています。

    スクリプトを実行する前に、次の行を編集します。

    • WLM ENVIRONMENT行を変更して、Oracle GoldenGateに使用するWLM環境の正しい名前を使用します。

ノート:

oggifi0001スキーマ名はTRANLOGOPTIONS REMOTESCHEMA schemanameパラメータを使用して構成できます。プロシージャ名は構成できません。スクリプトとPDSEの各外部名は、スクリプト名とPDSEオブジェクト名が一致しているかぎり、名前を変更できます。これらの名前の変更は、新しいバージョンに移行できるプロシージャの一部であるか、Db2 z/OSで特定のネーミング・プロシージャに従う必要がある場合のプロシージャの一部です。次の表に、編集または更新する可能性のあるコンポーネントのチェック・リストを示します。

表1-2編集可能なコンポーネントのリスト

コンポーネント 名前変更 使用場所

oggib001

Tarファイル

 

承認済PDSE

oggrb001

Tarファイル

 

承認済PDSE

oggmt001

Tarファイル

 

承認済PDSEおよびprocライブラリ

oggjt001

Tarファイル

 

承認済PDSEおよびExtractパラメータ

oggpr001

Tarファイル

 

プロシージャ・ライブラリおよびExtractパラメータ

proclib

MVS  

必要に応じてExtractパラメータを追加します

ステップ・ライブラリ

MVS

 

WLMおよびoggpr001プロシージャ・ライブラリ

remoteschema

   

demo_db2_setupb_os390.sqlおよびExtractパラメータ

WLM名

MVS

 

demo_db2_setupb_os390.sql

外部プログラム

   

demo_db2_setupb_os390.sql

ノート:

新しいパッチをインストールするたびに、これらのステップをすべて実行してください。

Extract用の共有メモリー・マネージャの使用

Oracle GoldenGate Extractは、共有メモリー使用量を監視するために、WLMから別のタスク(ジョブ)を開始します。このメモリーは、小さい48バイトから64バイトのECSA領域と、Extractバッファ・サイズに基づく大きい64ビット領域で構成されます。

共有メモリー内の特定のフィールドが、Extractによって実行される読取りごとに更新されます。これらのフィールドは、スクリプトがデータを返すかどうかに関係なく更新されます。モニターはこれらのフィールドをチェックして、Extractが非アクティブになっていないことを確認します。Extractが非アクティブである場合、共通メモリーは解放され、モニターは終了します。Extractのパラメータ・ファイルのremote_memory_optionsパラメータを使用して、メモリー・マネージャを制御できます。

複数のサブパラメータを指定して、モニター・タスクを構成できます。次の例に示すように、リモート・メモリー・オプションのサブ・パラメータを指定することで、モニターが使用する待機間隔と非アクティブ時間を構成できます。

remote_memory_options wait_interval 2000 inactive_time 01:00

この例の待機間隔は1/100秒単位で表され、モニターは各メモリー・チェック間に20秒待機します。モニターによるチェックが1時間(書式HH:MM)に達し、Extractが依然として非アクティブである場合、モニターは共有メモリーを解放した後に停止します。Extractがその時間内にアクティブ状態に戻ると、モニターはその状態をリセットして監視を続行します。

wait_intervalには100から6000までの値を指定でき、デフォルトは1000です。inactive_timeには00:10から12:00までを指定でき、デフォルトは00:30です。モニターが正しく起動しない場合、Extractはレポートに警告メッセージを表示し、処理を続行します。Extractは、停止時にECSAメモリーの解放を試みます。

リモート・メモリー・パラメータには、この機能を動作させるための3つのオプションがあります。これらのパラメータの構文は次のとおりです:
  • task_procedure プロシージャ名

  • task_library プロシージャ・ライブラリ

  • task_setup タスク設定プログラム

例:
remote_memory_options task_procedure OGGPR001 
remote_memory_options task_library TEST.PROCLIB
remote_memory_options task_setup OGGJT001

次に示すように、1つのコマンドに複数のオプションを指定できます:

remote_memory_options task_procedure OGGPR001 task_library TEST.PROCLIB task_setup OGGJT001

ノート:

リモート・メモリー・パラメータの値では、大文字と小文字は区別されません。

デフォルト値は、プロシージャ名OGGPR001およびタスク設定プログラムOGGJT001です。タスク・ライブラリにデフォルトはありません。プロシージャはMVSシステムのデフォルトのプロシージャ・ライブラリのいずれかに組み込まれている可能性があるためです。タスク・ライブラリ・パラメータは、プロシージャがシステムのデフォルト・ライブラリにない場合にのみ必要です。

メモリー・タスクは、単純なJOBカードと、Extractから渡されたパラメータを持つEXECプロシージャ名で始まります。z/OSシステムによっては、ジョブ・カード上に他の様々なパラメータが必要になる場合があります。JOBパラメータは、次の例に示すように、リモート・メモリー・パラメータを使用して変更することもできます。

remote_memory_options task_jobname [valid MVS job name (see below)]
remote_memory_options task_acct_info [valid MVS acct value ( see below)]
remote_memory_options task_programmer [valid MVS programmer name, Can use single quotes]
remote_memory_options task_class [valid MVS job class A to Z or 0 to 9]
remote_memory_options task_msgclass [valid MVS msgclass A to Z or 0 to 9]
remote_memory_options task_msglevel [valid MVS message level n or (,n) or (n,n)  n=valid digit]
remote_memory_options task_priority [valid MVS priority 0-15]

JOB名は、2つの有効な文字とアスタリスク(AA*など)を使用して指定できます。デフォルトのJOB名はGG*です。アスタリスクは、指定すると6つの乱数に置き換えられます。それ以外で、1から8バイトの文字名を指定する場合は、有効なMVSジョブ名である必要があります。

アカウント値は、次のいずれかの有効なMVS形式で指定します。
  • OTXI

  • ‘MY ACCT’

  • (ACCT,1234,ABC)

特殊文字を許可するパラメータ(acct_infoprogrammerなど)の場合は、一重引用符で囲む必要があります。さらに、引用符内で二重引用符またはアンパサンドを使用することに関するMVS規則は引き続き適用されます。Extractは、これらのパラメータの検証を最小限に抑え、完全な検証はMVSプロセスに任せます。Extractは、重複パラメータを指定した場合は最初のパラメータを受け入れ、重複を無視します。

プロシージャJCLファイルのサンプルは、zOSPrograms.zipファイルに含まれます。JCLの形式は次のとおりです:
//*==================================================================== 
//* EXAMPLE JCL FOR RUNNING THE COMMON MEMORY MONITOR PROCEDURE
//* ADDRESS SPACE NEEDING AN AUTHORIZED LOAD LIBRARY
//* NOTE: THE PROGRAM OGGMT001 CAN BE RENAMED IN THE LIBRARY BUT THE
//*       NEW NAME MUST MATCH THE PROGRAM NAME IN THIS JCL
//*==================================================================== 
//OGGDSNNA PROC RGN=0K TR=,EX=,MEM=,LEN=,SEC=,DUR=,VER=
//OGGDSNNX EXEC PGM=OGGMT001,REGION=&RGN,TIME=NOLIMIT,
// PARM='&TR &EX &MEM &LEN &SEC &DUR &VER'
//*-------------------------------------------------------------------- 
//* REPLACE &PREFIX.**.AUTHLOAD LIBRARIES WITH SITE SPECIFIC FILE(S)
//* ALSO REPLACE THE CEE LIBRARY WITH SITE SPECIFIC FILE
//* DSNN COULD REPRESENT A DB2 SPECIFIC LOAD LIBRARY IF ONE EXISTS
//*-------------------------------------------------------------------- 
//STEPLIB  DD DISP=SHR,DSN=&PREFIX..WLMDSNN.USER.AUTHLOAD
//         DD DISP=SHR,DSN=CEE.SCEERUN
//SYSPRINT DD SYSOUT=*
//SYSOUT   DD SYSOUT=*       

PREFIXでマークされたライブラリを、システムで動作するように変更します。zOSPrograms.tarファイルからコピーしたプログラムOGGMT001の名前を変更した場合は、JCLで変更する必要があります。PROC文のnullパラメータは、情報提供のために存在します。ジョブ設定プログラムは、Extractから渡された情報を使用してこれらの値を提供します。ステップ・ライブラリ・データセット名を、必要に応じていくつでも指定することもできます。zOSPrograms.tarファイルで提供されるJCLプロシージャは、複数のステップ・ライブラリを使用する例を示しています。

Oracle GoldenGate for MySQLのインストールの要件

MySQLデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための前提条件について学習します。

トピック:

サポートされているデータベース

Oracle GoldenGate for MySQLは、MySQL、Oracle MySQL Database Service、Amazon Aurora MySQL、Amazon RDS for MariaDB、Amazon RDS for MySQL、Azure Database for MySQLおよびMariaDBに対するキャプチャと配信をサポートしています。

サポートされているデータベース・バージョンについては、動作保証マトリックスを確認してください。

サポートの制限
MySQL用のOracle GoldenGateのサポートの制限を次に示します。
  • バイナリ・ログ・トランザクション圧縮が有効になっているMySQLデータベースは、Oracle GoldenGate Extractではサポートされていません。

  • バイナリ・ログ暗号化が有効になっているMySQLデータベースは、Oracle GoldenGate Extractではサポートされていません。

データベース・ストレージ・エンジン

データベース・ストレージ・エンジンの要件は次のとおりです。

  • Oracle GoldenGateでは、ソースMySQLデータベース用にInnoDBストレージ・エンジンがサポートされます。

  • MySQL用のOracle GoldenGateのすべてのコンポーネント(Extract、Replicat、GGSCIなど)は、MySQLネイティブAPIを使用してデータベースに接続します。

  • Oracle GoldenGateは、InnoDBエンジンからの取得および適用をサポートします。MyISAMエンジンへの適用は機能しますが、非トランザクションでMyISAMエンジンとしてデータ整合性の問題が発生する可能性があります。

データベース文字セット

MySQLには、ユーザーが異なるレベルで異なる文字セットを指定できる機能があります。

レベル

データベース

create database test charset utf8;

create table test( id int, name char(100)) charset utf8;

create table test ( id int, name1 char(100) charset gbk, name2 char(100) charset utf8));

サポートの制限

  • データベースの文字セットをutf8mb4/utf8に指定すると、デフォルトの照合はutf8mb4_unicode_ci/utf8_general_ciになります。collation_server=utf8mb4_binを指定すると、データベースはデータをバイナリとして解釈します。たとえば、CHAR列の長さを4に指定した場合、4バイトを超えるデータを挿入しようとすると、データが長すぎることがターゲット・データベースから警告されますが、返されるバイト長は16 (utf8mb4の場合)になります。これはデータベースの制限のため、Oracle GoldenGateではバイナリ照合をサポートしていません。この問題を解決するには、文字セットがutf8mb4およびcollation_server=utf8_bin (UTF-8)に設定されている場合に、collation_server=utf8mb4_binを指定します。

  • 次の文字セットはサポートされていません

    • armscii8
    • keybcs2
    • utf16le
    • geostd8
MySQL用のその他のプログラムおよび設定

Oracle GoldenGate 21c for MySQLは、MySQLクライアント・ライブラリ8.0.26とともにパッケージ化されており、Oracle GoldenGateサーバーにOpenSSL 1.1.1をインストールする必要があります。

  • Oracle GoldenGateがMySQL 8.0 (バージョン8.0.34未満)データベース・サーバーにインストールされている場合は、次に示すように、MySQLインストールのhome\binディレクトリをPATHまたはLD_LIBRARY_PATH環境変数に追加します。

    Linuxの場合:

    export LD_LIBRARY_PATH=mysql_home/bin:$PATH

    Windowsの場合:

    set PATH=mysql_home\bin;%PATH%
  • Oracle GoldenGateがMySQL (バージョン5.7、8.0.34+)またはMariaDBデータベース・サーバーにインストールされている場合、またはハブ・サーバーにインストールされている場合は、OpenSSL 1.1.1をインストールし、そのインストール場所をPATHまたはLD_LIBRARY_PATH環境変数に追加します。

これは LinuxシステムとWindowsシステムの両方で必要であり、環境変数に次のファイルを含むディレクトリが含まれている必要があります。
  • Linuxシステム用のlibssl.so.10およびlibcrypto.so.10ファイル

  • Windowsシステム用のlibcrypto-1_1-x64.dllおよびlibssl-1_1-x64.dllファイル

OpenSSL 1.1.1バイナリは、openssl.orgを介して、またはOpenSSL 1.1.1ライブラリを含むMySQL 8.0製品(Connector/ODBC 8.0バージョン8.0.33など)をインストールすることで入手できます。

Oracleデータベース用のOracle GoldenGateをインストールするための要件

OracleデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための要件について学習します。これらは、特に指定されていないかぎり、両方のキャプチャ・モードに適用されます。

  • ご使用のデータベースの最小限のサプリメンタル・ロギングが有効になっていることを確認します。

  • データベース・ユーザーの権限および構成要件の詳細は、Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateの使用Oracle GoldenGate資格証明の確立に関する項を参照してください。

  • Bequeath接続を使用するようにデータベースが構成されている場合、sqlnet.oraファイルにbequeath_detach=true設定が含まれている必要があります。

  • Oracle Databaseは、Extractでログ・ファイルを処理できるように、ARCHIVELOGモードにする必要があります。

  • すべてのトランザクション・データがREDOログに書き込まれるように、データベース側またはレプリケートされた表の特定の表領域でFORCE LOGGINGモードを使用することをお薦めします。

トピック:

TNS_ADMINの設定

TNS_ADMIN環境変数には、TNSファイルへのパスが含まれています。

環境変数TNS_ADMINを設定することをお薦めします(必須ではありません)。この環境変数が設定されていない場合、Oracle GoldenGateは$HOME/.tnsnames.oraまたは/etc/tnsnames.oraを検索します。さらに、管理クライアントまたはGGSCIを起動する前に環境変数を設定する必要があります。それ以外の場合、この変数は検出されません。

TNS_ADMINを使用しない場合、TNS別名で(DESCRIPTION=(ADDRESS=( ...))などの接続修飾子を使用できます。

データベース接続の構成には、EZconnect構文の使用をお薦めします。EZConnect構文を使用するには、ユーザー名、パスワード、ホスト名、ポート番号およびサービス名の接続情報が必要です。

「ユーザーID」フィールドで指定する必要がある構文: username@hostname:port/service_name

EZConnectでユーザーIDを設定する例を次に示します: c##ggadmin@dc.example.com:1521/dc1.example.com

PostgreSQL用のOracle GoldenGateをインストールするための要件

PostgreSQLデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための前提条件について学習します。

Classic ArchitectureでPostgreSQL用のDataDirectドライバをインストールする場合の、インストール後の手順(「インストール後の作業」)も参照してください。これらの手順は、インストールの完了後に、Linuxオペレーティング・システム用のDataDirectドライバをインストールするために必要です。

トピック:

Oracle GoldenGate for PostgreSQLのインストールの前提条件

PostgreSQL libpqモジュール

リリース21.6.0以降のOracle GoldenGateインストールの場合、必要なPostgreSQL libpqライブラリはOracle GoldenGateインストール・パッケージに含まれているため、個別にインストールする必要はありません。

リリース21.6.0より前のOracle GoldenGateインストールの場合は、PostgreSQL libpqライブラリを、Oracle GoldenGateをインストールする場所に手動でインストールする必要があります。リリース21.6.0より前のOracle GoldenGateバージョンを実行する場合の、正しいlibpqモジュールをインストールするための手順を次に示します。

ノート:

Oracle GoldenGateにパッチを適用して、support.oracle.comのページで入手可能な最新のパッチにすることをお薦めします。基本リリース21.3 (GAリリース)の直後にリリース21.6以降のパッチをインストールする予定の場合は、PostgreSQL libpqモジュールを個別にインストールする必要はありません。
PostgreSQL libpqモジュールのインストール

PostgreSQL libpqモジュールをインストールする手順を次に示します。

  1. 次の場所にあるPostgreSQLパッケージを手順に従ってインストールします: https://www.postgresql.org/download/

  2. 「Packages and Installers」ドロップダウン・リストから、Linuxオペレーティング・システム・ファミリ、Red Hat/Rocky/CentOS Linuxディストリビューションの順に選択します。

  3. Oracle GoldenGateでサポートされている最上位のPostgreSQLバージョンを選択します。

  4. Red Hat Enterprise, Rocky, or Oracle version 8」など、Oracle GoldenGateをインストールするプラットフォームを選択します。

  5. アーキテクチャのドロップダウン・リストから、アーキテクチャとして「x86_64」を選択します。

    これにより、必要なパッケージをインストールするための、PostgreSQL設定スクリプトが提供されます。

  6. リポジトリRPMとlibsモジュールをインストールします。サンプル・コードを次に示します。

キャプチャ用のデータベース・ソフトウェア

Oracle GoldenGateでは、PostgreSQLデータベースからキャプチャするためには、そのデータベースにtest_decodingデータベース・プラグインがインストールされている必要があります。このプラグインは、データベースのインストール時にデフォルトでインストールされていない場合があります。

次の例で示すように、postgresqlversion#-contribパッケージがデータベース・サーバーにインストールされていることを確認してください。

sudo yum install postgresql14-contrib

その他のプログラムおよび設定

このトピックでは、PostgreSQLの場合のその他の要件を示します。

Oracle GoldenGateをインストールする前に、LD_LIBARY_PATH環境変数とOGG_HOME環境変数を構成します。

ノート:

Oracle GoldenGateにパッチを適用して、support.oracle.comで入手可能な最新のパッチにすることをお薦めします。基本リリース21.3 (GAリリース)の直後にパッチ適用済バージョンをインストールする予定の場合は、次に示す手順を実行して、インストールする最終的なパッチ・バージョンに基づいて環境変数を設定します。
  • リリース21.6.0より前のOracle GoldenGateインストールの場合は、Oracle GoldenGateをインストールする前に次の環境変数を設定します。

    1. OGG_HOME - 予定しているOracle GoldenGateインストール・パス。

    2. LD_LIBARY_PATH - $OGG_HOME/libディレクトリとPostgreSQL libpqディレクトリを含めます。

      例:

      export OGG_HOME=<GoldenGate_Installation_Path>

      export LD_LIBRARY_PATH=$OGG_HOME/lib:/usr/pgsql-14/lib

  • リリース21.6.0以降のOracle GoldenGateインストールの場合は、Oracle GoldenGateをインストールする前に次の環境変数を設定します。

    1. OGG_HOME - 予定しているOracle GoldenGateインストール・パス。

    2. LD_LIBARY_PATH$OGG_HOME/libディレクトリを含めます。

      例:

      export OGG_HOME=<GoldenGate_Installation_Path>

      export LD_LIBRARY_PATH=$OGG_HOME/lib

  • Oracle GoldenGateをリモート・サーバー(データベースが実行されている場所とは異なるサーバー)にインストールする場合は、リモート・サーバーの時間とタイム・ゾーンをソース・データベース・サーバーの時間とタイムゾーンに設定して、BEGINオプションを使用してExtractを作成するときにOracle GoldenGate Extractが時間によって正しく配置できるようにします。それ以外の場合は、有効なLSN値によって配置します。

Oracle GoldenGate for NonStop SQL/MXのインストールの要件

Oracle GoldenGate for NonStop SQL/MXを実行するためのオペレーティング・データベースの要件は、次のとおりです。
  • ソースSQL/MXシステムで、ExtractプロセスはVAMSERVという名前のプログラムを使用して、監査証跡からトランザクション・データを取得します。このプログラムは、Oracle GoldenGate for NonStop SQL/MXをインストールする際に、インストール・サブディレクトリに配置されます。このガイドのインストール手順で、VAMSERVのインストールを求められます。

  • Oracle GoldenGateではODBC/MXを使用してSQL/MXデータベースに接続します。オペレーティング・システムによって検出される場所に、ODBC/MXドライバDLLをFUP DUPすることが必要な場合があります。このステップは、新しいオペレーティング・システムにODBC/MXの新しいバージョンが含まれている場合、オペレーティング・システムがコンパイルされるたびに必要になります。

Oracle GoldenGate for SQL Serverのインストールの要件

SQL Serverデータベースで操作するために、Oracle GoldenGateは次のインスタンス、データベース、およびその他の構成をサポートしています。

SQL ServerのためのOracle GoldenGate Microservice Architectureのインストールの前提条件

ターミナル・セッションを開き、ODBC Drivers for Linuxの追加に関するMicrosoftのRedHat Enterprise Serverインストール手順を使用して、次のステップをデフォルト値で実行します。プロンプトが表示されたら'y'で応答します。

sudo su #RedHat Enterprise Server 7
curl https://packages.microsoft.com/config/rhel/7/prod.repo > 
/etc/yum.repos.d/mssql-release.repo 
exit
sudo yum remove unixODBC-utf16 unixODBC-utf16-devel #to avoid conflicts
sudo ACCEPT_EULA=Y yum install msodbcsql17
sudo ACCEPT_EULA=Y yum install mssql-tools
echo 'export PATH="$PATH:/opt/mssql-tools/bin"' >> ~/.bash_profile
echo 'export PATH="$PATH:/opt/mssql-tools/bin"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
サポートされているSQL Serverのバージョン

SQL Serverの認定バージョンは、Oracle GoldenGateの各リリースで使用可能な公開済の動作保証マトリックスで確認できます。次のリンクから入手できます。

https://www.oracle.com/middleware/technologies/fusion-certification.html

Oracle GoldenGate Extractは、Enterprise EditionおよびSQL Server Standard Editionの一部のバージョンをサポートしています。動作保証マトリックスの「例外および追加情報」列を確認して、ExtractでサポートされているSQL ServerのStandard Editionバージョンの詳細を確認します。

Oracle GoldenGate配信は、SQL Server EnterpriseエディションとStandardエディションの両方をサポートしています。

Oracle GoldenGateでは、Azure SQL Database Managed Instanceのリモート取得と配信、およびAzure SQL Databaseのリモート配信がサポートされています。

Oracle GoldenGateは、Amazon RDS for SQL Serverのリモート・キャプチャとリモート配信をサポートしています。

その他のプログラムおよび設定

SQL ServerのためのOracle GoldenGateのプログラムおよび設定に関する情報を次に示します。

Microsoft ODBC Drivers for Linuxのインストール

LinuxにインストールされているOracle GoldenGateの場合、Microsoft ODBC。Linuxドライバをインストールするには、次のタスクが必要です。

  1. (Oracle GoldenGate Marketplaceのみ)ファイル/etc/passwdを編集して、rootユーザーに一時的なシェル・アクセスを付与します。
    $ sudo vi /etc/passwd
  2. (Oracle GoldenGate Marketplaceのみ)ファイル/etc/passwdで、rootユーザーの値を/usr/sbin/nologinから/bin/bashに変更します。ファイルを保存して閉じます。
  3. MicrosoftのRedHat Enterprise Serverのインストール手順を使用してLinux用のODBCドライバを追加し、プロンプトが表示されたら'y'と入力し、デフォルト値で次のステップを実行します。
    $ sudo su
    
    $ #RedHat Enterprise Server 7
    $ curl https://packages.microsoft.com/config/rhel/7/prod.repo > /etc/yum.repos.d/mssql-release.repo
    
    $ exit
    $ sudo yum remove unixODBC-utf16 unixODBC-utf16-devel #to avoid conflicts
    $ sudo ACCEPT_EULA=Y yum install msodbcsql17
    $ sudo ACCEPT_EULA=Y yum install mssql-tools
    $ echo 'export PATH="$PATH:/opt/mssql-tools/bin"' >> ~/.bash_profile
    $ echo 'export PATH="$PATH:/opt/mssql-tools/bin"' >> ~/.bashrc
    $ source ~/.bashrc
  4. (Oracle GoldenGate Marketplaceのみ) Linuxドライバのインストール後に、rootユーザーのシェル・アクセスの値をリセットできます。
    $ sudo vi /etc/passwd
  5. (Oracle GoldenGate Marketplaceのみ) rootユーザーの値を/bin/bashから /usr/sbin/nologinに変更します。ファイルを保存して閉じます。
Oracle GoldenGateをインストールする場所

SQL Server用のOracle GoldenGateは、動作保証マトリックスに従ってサポートされているオペレーティング・システムにインストールする必要があり、データベース・サーバー自体またはアプリケーション・ハブ・サーバーに自分のプリファレンスに基づいてインストールできます。

Oracle GoldenGate for Teradataのインストールの要件

TeradataデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための前提条件について学習します。

トピック:

レプリケーション・サーバーとしてサポートされているプラットフォーム

Teradata環境では、ターゲットのTeradataデータベースがインストールされているサーバーとは別のサーバーにOracle GoldenGateをインストールします。このマシンはレプリケーション・サーバーとなり、Teradataデータベース用にOracle GoldenGateでサポートされているプラットフォームにする必要があります。

Teradataのオペレーティング・システム権限

Managerプロセスには、Oracle GoldenGateのプロセスを制御する権限とOracle GoldenGateディレクトリのファイルおよびサブディレクトリの読取り、書込み、削除を行う権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーが必要です。Replicatプロセスには、データベースにアクセスする特権が必要です。

TeradataのためのODBCドライバのインストール

Oracle GoldenGateをインストールするデータベースのバージョンおよびオペレーティング・システムに基づいて、サポートされているTeradata ODBCドライバをインストールします。次のリンクを使用して、使用可能なTeradata ODBCドライバを検索します。

https://downloads.teradata.com/download/connectivity

Teradataから提供されるREADMEの指示を確認し、必要なドライバのインストール・ステップを実行します。

Oracle GoldenGate for TimesTenのインストールの要件

TimesTenデータベースにOracle GoldenGateをインストールするための前提条件について学習します。

トピック:

システム要件とインストール前の指示
この章では、Oracle GoldenGateをサポートするシステム・リソースとデータベース・リソースの要件を示します。

トピック:

サポートされているデータベース・アーキテクチャ

Oracle GoldenGate for Oracle TimesTenは、TimesTenデータベースのClassicアーキテクチャおよびScaleoutアーキテクチャをサポートしています。

サポートされるプラットフォームおよびデータベース・バージョン

Oracle TimesTenでは、LinuxへのOracle GoldenGateのインストールがサポートされています。

サポートされるプラットフォームおよびデータベースのバージョン情報については、動作保証マトリックスを確認してください。

https://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

Oracle TimesTenソフトウェアのインストール

Oracle TimesTenクライアントは、Oracle GoldenGateをインストールするサーバーにインストールされている必要があります。Oracle GoldenGateがOracle TimesTenデータベース・サーバーにインストールされている場合、必要なコンポーネントはすでに使用可能です。ただし、ハブ・サーバーにOracle GoldenGateをインストールする場合は、Oracle TimesTenクライアントを別途インストールする必要があります。

どちらの場合も、ODBC接続情報を構成する必要があります。

Linuxプラットフォームの場合、サーバー・コンポーネントとクライアント・コンポーネントの両方を提供するTimesTenソフトウェア配布は1つのみです。Oracle TimesTenソフトウェアをダウンロードするには、次の場所にアクセスします。

https://www.oracle.com/database/technologies/timesten-downloads.html

Oracle GoldenGateをOracle TimesTenとともにインストールするには、LD_LIBRARY_PATH変数も設定する必要があります。
  1. TimesTen Scaleout and TimesTen Classic/Cache 18.x for Linux x86 (64-bit)ビルドをダウンロードします。

  2. Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション・ガイドに記載されている手順に従って、Oracle TimesTenインストール・ファイルを指定の場所に抽出します。

  3. TimesTenインストールのlibディレクトリを含めるようにLD_LIBARY_PATHシステム変数を設定します。Oracle GoldenGateをインストールして実行するには、このシステム変数が設定されている必要があります。例:

    export LD_LIBRARY_PATH=/installpath/tt18.1.2.2.0/lib:$LD_LIBRARY_PATH
クライアント専用インスタンスの作成
非データベース・サーバー環境にOracle GoldenGateをインストールする場合は、Oracle TimesTenクライアント・ライブラリをインストールした後、TimesTenのドキュメント指示に従って、TimesTenのクライアント専用インスタンスを作成します。
  1. 次を実行します。

    [oracle@tt_installation_dir]$ ./tt18.1.2.1.0/bin/ttInstanceCreate -clientonly
  2. インスタンスのインストール・プロンプトに従い、TimesTenインスタンスがインストールされている場所をノートにとります。この情報は、Replicatの、TimesTenへのODBC接続を設定するときに必要になります。

  3. TIMESTEN_HOMEシステム変数をTimesTenインスタンスのパスに設定します。

    例:

    export TIMESTEN_HOME=/instancepath/tt181
オペレーティング・システムの権限

Oracle GoldenGate for Oracle TimesTenを使用するためのオペレーティング・システム権限は、次のとおりです。

  • Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリに対する読取りおよび書込み権限が必要です。

  • Oracle GoldenGate ReplicatおよびManagerプロセスは、Oracle GoldenGateディレクトリのファイルおよびサブディレクトリに対する読取り権限、書込み権限および削除権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーとして動作する必要があります。さらに、Managerプロセスには、他のすべてのOracle GoldenGateプロセスを制御する権限が必要です。

  • ReplicatおよびManagerオペレーティング・システム・ユーザーをOracle GoldenGate専用にして、Oracle GoldenGateプロセスを実行する他のユーザーが機密情報にアクセスすることを防ぎます。

データベースの要件

この項では、Oracle GoldenGate for Oracle TimesTenを使用するためのデータベースの要件について説明します。

Oracle GoldenGateプロセス用データベース・ユーザー
Oracle GoldenGateプロセス用のデータベース・ユーザーでは次の要件に従います。

ノート:

Times Tenはターゲットとしてのみサポートされています。
  • Oracle GoldenGate専用のデータベース・ユーザーを作成します。データベースに接続する必要のあるすべてのOracle GoldenGateプロセスに対して同じユーザーでもかまいません。

    • Replicat (ターゲット・データベース)

    • DEFGEN (ターゲット・データベース)

  • データのセキュリティを維持したり、Oracle GoldenGateの処理を的確に監視したりするには、他のユーザー、アプリケーションまたはプロセスに対してOracle GoldenGateデータベース・ユーザーでのログインまたは操作を許可しないでください。

  • ターゲットのOracle TimesTenデータベースにレプリケートするOracle GoldenGateの場合は、すべてのターゲット表に対するSELECTINSERTUPDATEおよびDELETEをReplicatデータベース・ユーザーに付与します。

  • ハートビート表およびチェックポイント表を作成するには、CREATE TABLEをReplicatデータベース・ユーザーに付与します。