非同期Active Data Guardと連携したTimesTenのキャッシュの動作

非同期REDO転送モードのOracle Active Data Guardから読取り専用キャッシュ・グループに表をキャッシュできます。

Active Data Guardでキャッシュを使用する場合は、アクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキーム内でレプリケートされた読取り専用キャッシュ・グループのみを使用できます。

Active Data Guard構成には、単一のフィジカル・スタンバイOracleデータベースへの非同期転送を介して通信するプライマリOracleデータベースが含まれます。図10-1に示すように、プライマリOracleデータベースはプライマリ・サイトに配置されますが、スタンバイOracleデータベースは障害時リカバリ・サイトに配置されます。

図10-1 非同期Active Data Guardの推奨構成

図10-1の説明が続きます
「図10-1 非同期Active Data Guardの推奨構成」の説明

TimesTenでは、プライマリ・サイトの読取り専用キャッシュ・グループはプライマリOracleデータベースから自動リフレッシュされます。ただし、変更がスタンバイOracleデータベースに正常にレプリケートされるのは、自動リフレッシュされるトランザクションのみです。アクティブ・マスターにリフレッシュされると、すべての変更は、標準のTimesTenレプリケーション・プロセスを使用してTimesTenスタンバイ・マスターと読取り専用サブスクライバに伝播されます。

最適なフェイルオーバーとリカバリ・アクションのためには、読取り専用サブスクライバをスタンバイOracleデータベースと同じ障害時リカバリ・サイトに配置する必要があります。この読取り専用サブスクライバは、ttRepAdmin -duplicate -activeDataGuardユーティリティ・オプションを指定して作成します。これにより、スタンバイ・マスター・データベースの場合と同様に、読取り専用キャッシュ・グループがサブスクライバに直接レプリケートされます。つまり、サブスクライバへのレプリケート時にキャッシュ・グループが表に変換されるのではなく、キャッシュ・グループそのものが読取り専用サブスクライバにレプリケートされます。これにより、プライマリ・サイトに障害が発生した場合に、リカバリおよびフェイルオーバーのオプションが提供されます。「非同期Active Data Guardを使用している場合の障害後のリカバリ」を参照してください。

次の各項では、レプリケートされた読取り専用キャッシュ・グループを使用する際の非同期Active Data Guardの環境について詳しく説明します。